浅草地下街はディープな商店街！おすすめグルメや見どころを紹介

浅草は伝統的な日本情緒にどっぶりと浸かれる、東京の下町です。そして外国人も含めた観光客が毎日のように大勢押しかけるので、浅草寺の門前町として栄える繁華街が大にぎわいになります。

浅草は地上にある仲見世通りの喧噪も楽しいのですが、実は地下街が独特のレトロな雰囲気を醸し出して密かな人気スポットになっているのです。

地上の浅草は古い街並みを残しながらも、近年はかなり新しくなってきています。ところが、浅草の地下商店街はまるで昭和の日本にタイムスリップしたような、レトロな空間がそのまま残っているのです。

しかも、かなりの老朽化した地下商店街は、雨漏りを防止するためにガムテープで補修してあったり、ビニール傘が天井に開いていて雨漏りを受けていたりします。さらに頭上を見上げると天井板はなく、配線がむき出しのままです。

このような、気取らずカッコウつけず、気持ちのよい50年前の昭和の風景がのんびりと流れているのが浅草地下商店街となります。東京では間違いなく最も古い地下商店街です。

ディープな雰囲気の浅草地下街ですが、地下への入口等あちこちに掲示されている案内板には、マスコットの「ちか男くん」が描かれています。野球帽をかぶった、つぶらな瞳のちか男くんを見ていると、思わず誘われて地下へと足を向けたくなるのです。

一般的にはおしゃれなイメージが浸透している東京の街では、浅草地下街のようなディープな商店街の雰囲気は、行ってみないと信じられないかも知れません。どちらかと言えば、大阪のディープな飲み屋街に近いでしょう。

しかし昭和回帰を懐かしがっている人も増えていますので、東京でもレトロでディープな雰囲気が味わえるというので、浅草地下街の人気に火がついています。

浅草地下街のアピールポイントは「うまい、やすい」です。つまり財布にやさしい値段で、美味しいものにありつくことができるのです。現代風なおしゃれな店はありませんが、レトロな雰囲気で食べるグルメはひときわ味わいがあるでしょう。

それでは浅草地下街のグルメスポットを4箇所紹介します。

浅草地下街の「オーセンティック」は、ベトナム料理のグルメ店です。座席は7席しかないので、入れないことも覚悟して行きましょう。店内は狭くて雑然としていますが、提供される本格的なベトナムグルメは絶品です。

たくさん食べても財布にやさしく、ヘルシーなベトナム料理にはまってしまうでしょう。ちなみに「オーセンティック」というのは「本物」、「正真正銘の」という意味です。なお営業時間はアバウトですので注意が必要です。

次に紹介するのは、普通盛りが350円という超安い焼きそばグルメの「福ちゃん」です。焼きそばは粉っぽい味わいの太麺で、しかも昭和の給食に使われていたアルマイトの皿に盛られて出て来ます。

この店はいちおう居酒屋なのですが、昭和の味わいの焼きそばを目当てに訪れる人が多いグルメ店なのです。

文殊浅草店は、立ち食い蕎麦･うどんのお店です。上の画像の通り通路に立って、できたての蕎麦やうどんをどんぶりを抱えて食べるのですが、これが大変美味しいと人気です。いわゆる立ち食い蕎麦にしてはグルメのレベルに達しています。

値段はかき揚げそば･うどんが390円、春菊そば･うどんが400円、ちくわそば･うどんが410円、とろろそば･うどんが460円といずれもリーズナブルです。さらに大盛りは110円でできます。

なお、おにぎりやごはんは120円、カレーライスも450円で食べられます。

アジア料理はエスニック好きの人もそうでない人も食べやすいので人気のある外国料理です。「タイラオ浅草地下街店」はタイ料理やラオスの料理を中心としたアジア料理が食べられると人気です。

どのようなメニューがあるのか、いくつか紹介しましょう。

レトロでディープな地下街とくれば、当然魅力的な居酒屋に目がいってしまうでしょう。ここでも「やすい、うまい」のキャッチコピーが活きています。

日本酒の好きな人だったらハマりそうな店です。たくさんの種類の日本酒が揃っていて、アラカルトではなくコースで日本酒が出て来ます。ただしアテは自分の好みをオーダーできます。

ちょい呑みコース60分では7種類の日本酒を飲めますが、飲み放題ではありません。

浅草地下街で夫婦で35年間営んできた居酒屋が「たんぼ」です。この店には浅草の芸人や演歌歌手も通っています。そして今は亡き親父さんと吉田類のツーショットの写真もあります。

しみじみと、しかも暖かい雰囲気で飲める居酒屋です。

入口には「立ち呑み小江戸」と掲げてありますが、実際は座ってのめるゆったりした空間です。ご主人がひとりでやっている店で、ハイボール、梅酒、サワー等は300円、生ビールは400円ととにかく安いのが特徴となります。

土日祝は昼間からやっているので、午後から呑みたい人は入りやすいこの店に来たら良いでしょう。

「忍者場」というのは忍者BARのことなのです。そしてこの店には忍者が出没します。忍者は気が利いていてしかも面白いというエンターテイナーで、忍者場の雰囲気はいやがおうにも盛り上がります。

まず店に入ると無限ポップコーンなるものが支給されます。これはおかわり自由なのです。それ以外にも缶詰やお菓子やおつまみがその場で購入できます。そしてお酒1杯につき忍者カードを1枚もらえ、3枚でルーレットチャンスになります。

とにかく機知に富んでいて面白さいっぱいの忍者場は一見の価値があるでしょう。

浅草地下街への入口は2箇所あります。一つは新仲見世のアーケード街の中にある「地下鉄銀座線上野･日本橋･銀座･渋谷」と書かれている地下鉄入口に添えて「浅草地下街入口」が掲示されています。かなりレトロな雰囲気の掲示板です。

入口を入って階段を降りていくと急に天井が低くなって、ディープな世界への到来を期待させます。もう一つの入口は、東武浅草駅の駅前にあります。ここには地下商店街の店名一覧も載っています。

なお、銀座線の浅草駅改札を出てすぐ左方向からも行けます。

東京には華やかでおしゃれなデートスポットがたくさんあり、東京というのはこのようなカッコイイ街なのだと思い込む人も多いでしょう。

ところが、タイムスリップあるいはワープして、おしゃれな東京からどこか他の世界へ行ってしまったと感じるスポットが浅草地下街です。ここには脈々と昭和が息づいており、庶民の味方の逞しささえにじみ出ています。

おしゃれなカフェに飽きたら、浅草地下街のディープでレトロな魅力に浸ってみませんか。