コスタリカの治安は悪い?安全?観光や旅行での注意点も解説
コスタリカは北米大陸と南米大陸に挟まれた中米に位置する国です。治安が悪いラテンアメリカ諸国にあって安全といわれ、日本からの旅行者も増えていますが、観光では注意した方がいい点がいくつかあります。今回はコスタリカの治安情報を中心に詳しくお伝えしましょう。
目次
コスタリカへの旅行前に知っておきたい治安状況
「中米の楽園」と称されるコスタリカは、女性の一人旅ができるほど安全といわれています。しかし、近年は首都サンホセやカリブ海沿岸の街リモンを中心に犯罪が増加しており、コスタリカを旅行する際は注意が必要です。
麻薬絡みの犯罪に観光客が巻き込まれることも
コスタリカは南米産の麻薬が米国や欧州へと運ばれる中継地点のため、コスタリカ国内にも麻薬が流れ込んでいます。そのため、麻薬組織が絡んだ強盗や殺人事件が首都を中心に多発しており、旅行者が巻き添えになるケースが増えています。
コスタリカを旅行する際は、犯罪の臭いがする治安の悪いエリアに近寄らないようにするなど自衛するしかありません。また、やむを得ず治安の悪いエリアを訪れる際は、後述する対策をとって十分に注意しましょう。
観光客狙いの犯罪も増加
旅行するには安全といわれるコスタリカでも、経済の発展に伴い治安は悪化傾向にあります。観光客を狙ったスリや置き引きなどの犯罪も増加しているため、コスタリカを旅行の際は、異国にいることを肝に銘じて行動しましょう。
コスタリカとはどんな国?
スペイン語で「豊かな海岸」を意味するコスタリカとはどんな国でしょうか。
豊かな自然環境を生かしたエコツーリズムが盛ん
コスタリカには地球上の動植物の約5%が集まっているとされ、日本の四国とほぼ同じ面積の国土の1/4が自然公園や環境保護区となっています。こうした恵まれた自然環境を生かしたエコツーリズムが盛んで、世界中から旅行者が訪れています。
治安の悪い中南米諸国の中で安全で平和な国
コスタリカは治安の悪い中南米諸国にあって比較的治安が良いとされている国です。また、軍隊を持たないため平和で、国民は穏やかといわれています。
外務省発表によるコスタリカの危険度
外務省の発表によると、コスタリカの治安は2019年現在、首都サンホセが危険レベル1となっています。危険レベルは4段階あり、1が最も危険性が低く、十分な注意が必要なレベルです。
ちなみにメキシコの首都メキシコシティやコロンビアの首都ボゴタ、タイの首都バンコクも同じくレベル1です。これらの地域へ行ったことがある方なら、サンホセの危険度もある程度想像がつくことでしょう。
サンホセと周辺地域の観光は十分注意して
コスタリカの首都サンホセでは、麻薬組織による銃器を使った犯罪の他にスリやひったくりなどの事件が頻発し、治安が悪くなっています。
また、サンホセ市周辺のアラフエラ市アラフエラ地区や、モンテスデオカ市サンペドロ地区などでも盗難や強盗が起きています。
後ろから近づいて首を絞め、気絶したところで金品を盗んだり、複数で囲んでナイフで脅し金品を奪うなど手口も悪質です。十分注意しましょう。
サンホセの次に犯罪の多いリモンの観光も要注意
カリブ海沿岸のリモン市は、首都サンホセに次いで治安が悪く、強盗や殺人が発生しています。船や飛行機を使い、麻薬が密輸される基地となっているため麻薬組織に絡んだ殺人が多く、観光客が巻き添えとなってしまうことが増えています。
観光地も安全とは言えない
サンホセやリモン以外の地域については、治安が悪いとはいえないにせよ、全く安全ともいえません。観光地では旅行者や観光客を狙った置き引きやスリ、強盗事件が発生しています。
カリブ海側のカウイータ、マンサニージャ、トルトゥゲーロ、プエルトビエホ、太平洋岸のハコ、タマリンド、マヌエルアントニオなどの観光地で被害が報告されています。気を付けましょう。
コスタリカの治安が悪い地域・場所
コスタリカを旅行する際、まず気を付けなくてはならないのが首都サンホセです。サンホセの中でも特に治安が悪いとされている地域をお伝えします。
サンホセ コカ・コーラ地区
サンホセ中心部のやや西にあるコカ・コーラ地区は、スペイン語でレッドゾーンを意味するソナ・ロハといわれる治安の悪い地区です。
浮浪者が多く、スリやひったくりが横行し、特に夜間は危険です。コスタリカを旅行する際は、できるだけコカ・コーラ地区を避けて観光するようにしましょう。
サンホセ 歩行者天国・中央市場周辺
サンホセ中心部の歩行者天国、中でも中央郵便局前や文化広場周辺と、サンホセ中央市場周辺のホスピタル地区も治安の悪いエリアです。スリやひったくり、路上強盗などが多発してるため近寄らないほうが無難です。
サンホセ 寂れた街並みは治安が悪いサイン
コカ・コーラ地区に隣接するメルセー地区や、ヌエボ・メヒコなども治安が悪いとされています。また、中央公園とパシフィコ駅の間からアルメンダレス、キューバ地区にかけての一帯も注意が必要です。
急に人通りがなくなったり、寂れた感じがするところ、壁が崩れていたり落書きだらけだったりするところは要注意と思っていいでしょう。
浮浪者が多かったり、目つきの悪い男たちが仕事もせずにたむろしているようなところは治安の悪いエリアです。通らずに別の道へ行ってください。
コスタリカでの観光客をターゲットにした犯罪
コスタリカでは明らかに観光客を狙った犯罪も増えています。旅行の際は下記のような犯罪に注意しましょう。
スリ
コスタリカで日本人旅行者が最も遭遇しやすいのがスリです。外国人から見ると、日本人はお金持ちで優しいと見られています。優しいというのは言い換えれば人が良い、だまされやすいということです。
犯罪者はそこにつけこみ、複数で罠を仕掛けてきます。日本人観光客に話しかけて気を引いてるうちに、仲間が財布をスリ取ります。被害者は後でお金を取り出そうとした時、はじめて財布がないことに気づくのです。実に巧妙な手口といえます。
置き引き
スリ同様、日本人旅行者が注意したいのが置き引きです。荷物を置いて少しの間だけどこかへ行っていると、戻ってきた時にはもうありません。空港、ターミナルなど人が大勢集まっている場所では荷物を離さないようにしましょう。
しかし、中には巧みな嘘をついて、荷物から手を離させてしまう悪い人もいます。
「あなたの友人が向こうで困っている」「○○できないので手伝ってほしい」などその場を離れずにはいられないことを言うので慌てて駆けつけると、その隙に仲間が荷物を奪ってしまうのです。戻ってきた時にはもう何もありません。
手口にだまされないようにしましょう。
強盗
コスタリカに限らず旅行者が狙われやすいのがケチャップ強盗です。突然顔にケチャップをかけられ驚いている隙に財布を抜き取られるというものです。
また、コスタリカでは近年、拳銃を使った強盗が増えています。走行中の車を止めて拳銃で脅し、運転者を引きずり降ろして車を強奪したり、歩いている人を無理矢理車に乗せて拳銃で脅し、金品を奪うといった荒っぽい手口です。
バイクで近づいてきて拳銃で脅し金品を奪ったり、信号待ちや渋滞中の車の助手席のガラス窓を割って金品を奪う、車から降りてきたところで拳銃を突き付け金品を奪うといった事件も起きています。
在コスタリカ日本大使館によると、2018年の犯罪発生状況では強盗が約13500件も起きており、12.6%も増加しています。特に車両窃盗が多く、コスタリカを旅行する際は、少なくとも自分で車を運転しないようにしましょう。
盗難
鋭利な刃物で車のタイヤをパンクさせておき、タイヤ交換を手伝うふりをしながら盗む狡猾な「タイヤパンク盗」が発生しています。
また、観光地における宿泊施設での盗難被害も報告されています。宿泊施設内に犯人グループの仲間がいる可能性があるため、貴重品の管理には十分注意しましょう。
被害に遭ったら身体の安全を最優先に
コスタリカを旅行中、こうした犯罪に不幸にして遭遇してしまった場合、何よりも大切なことは自分の身体の安全を守ることです。
ひったくりに遭ったら犯人を追いかけないでください。拳銃を持っている可能性があり危険です。金品を要求されたら出すしかありません。拒めば簡単に命が奪われてしまうかもしれないからです。
被害に遭ったら警察と在コスタリカ日本大使館に連絡しましょう。
コスタリカ旅行を安全にするための注意点
治安が悪いとされている場所もあるコスタリカを安全に旅行するには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。対策をまとめてみました。
荷物から目を離さない
治安の良し悪しにかかわらず、荷物はまず手から離さないことが大切です。やむを得ず離す場合、例えば空港やバスターミナルなどでは、絶対に目を離さないようにしましょう。
長距離バスで移動中も荷物から目を離さず、網棚に置いた場合は置きっぱなしにしないようにします。居眠りは厳禁です。貴重品は身につけておき、荷物の中には絶対に入れないでください。
また、コスタリカのレストランで食事をする際は、カバンや財布の入ったジャケットなどを椅子の背もたれにかけないようにします。置き引きに遭わないよう、できるだけ人の動きのわかる位置に座りましょう。
また、写真撮影の時は十分注意が必要です。荷物から目が離れてしまうため、できるだけ体の1部分に荷物が触れているよう工夫しましょう。
貴重品や多くの現金を持ち歩かない
外出時には現金をたくさん持ち歩かないようにします。特に支払いの場面では財布の中身を見られないよう注意しましょう。
コスタリカにおいては、万が一、盗難に遭っても被害が少なくて済むよう、貴重品の類は分散して所持するのが基本です。日本のように、現金とカード類がすべて一緒に入れられる大型の財布は、コスタリカでは持たないようにしましょう。
必要な時以外、航空券やトラベラーズチェックなどの貴重品は持ち歩かず、信頼できる宿泊先のセーフティボックスにしまっておきます。パスポートもコピーを持つようにし、実物は保管しておきましょう。
また、貴重品は外から見えるところ、抜き取られやすいところには入れないようにします。長財布をズボンの腰ポケットに入れたり、バッグの外ポケットに入れたりするのは良くありません。外からは見えない衣服のポケットに分散するなど工夫してみましょう。
カバンに入れる場合は体の前で抱くなど常に見える位置に置き、蓋やファスナーはしっかりしめておきます。
また、携帯音楽プレーヤーで音楽を聞きながら歩くと注意が散漫になり、ひったくりや盗難の危険があるため止めましょう。
乗り合いバス・白タクは利用しない
コスタリカ国内での移動手段はバスがメインですが、乗り合いバスは治安が悪く、スリが頻発しています。タクシーを利用しましょう。
コスタリカのタクシーは全て車体が赤色となっており、タクシーランプを搭載しています。それ以外のタクシーはいわゆる白タクですので利用は避け、必ず正規の赤いタクシーに乗るようにしてください。
夜間の外出はしない
コスタリカを旅行の際は、夜間の外出を控えてください。やむを得ず外出する際は、事前に行き先までの安全な経路を確認しておき、必ず複数で行動するようにします。
また、サンホセのコカ・コーラ地区やホスピタル地区など治安が悪いとされる地域へは絶対に立ち入らないようにしましょう。
安心できる宿泊場所を選ぶ
コスタリカの宿泊事情は、料金によって周辺の環境や内部の安全性が異なります。安くても治安が悪いとされる地区のホテルは危険なので避けてください。値段が多少上がっても、治安が良いとされるところに立地したホテルを選びましょう。
サンホセ観光の中心地であるセントラル通りとコスタリカ国立劇場の周辺は、治安が良いとされています。特にセントラル通り沿いのホテルは夜間でも人通りがあるためスーパーやレストランの利用ができ、主要観光地に徒歩で行けるためおすすめです。
治安が悪い地域を避けて安全なコスタリカ旅行を!
コスタリカは治安の悪い中南米諸国の中にあって、安全といわれている国です。しかし、麻薬や経済発展の影響もあり、近年は治安が悪化傾向にあります。被害を予防するための対策をとり、治安の悪いエリアをできるだけ避けた観光を楽しみましょう。