エルサルバドルの治安は悪い?良い?サンサルバドルなど観光での注意点も解説
エルサルバドルは内戦のイメージがあり治安を不安視することもあります。しかし、日本から直行便がないため長いときは30時間ほど到着にかかる国でありながら魅力も多々あり、観光に訪れる人もいます。エルサルバドルの現在の治安について見ていきましょう!
目次
エルサルバドルへの旅行前に知っておきたい治安状況
エルサルバドルは、遺跡が多くあり美しい自然に恵まれた国です。また、エルサルバドルの人は、とても勤勉で真面目で、まるで日本人のようだと評価されています。そのため、中米の日本と呼ばれることもあります。
その意味でも、日本企業も注目しているのではないでしょうか。面積はとても小さな国ですが、だからこそ治安が良いととても観光しやすい国でもあります。
今回は、エルサルバドルの現在の治安や危険情報、安全に旅行するための注意点などについて紹介します!
エルサルバドルとはどんな国?
「エルサルバドル共和国」は、中米に位置し、グアテマラやホンジュラスが隣国にあります。首都はサンサルバドルで最大都市もサンサルバドルです。人口は約630万人です。総人口は少なくても、人口密度が高い国です。
国民の9割がメスティーソで、白人が約9%です。中米で唯一黒人がいない国と言われています。宗教はローマ・カトリックが多いですが、プロテスタントを信仰する人も近年増えています。
また、中米では3番目に経済規模が大きな国でもあります。経済においても発展が今後期待できる要素も持っているのではないでしょうか。ただし、内戦を繰り返してきているので、その名残は今でも感じる部分があります。
エルサルバドルの言語
エルサルバドルは、スペインの植民地時代がありました。そのため、言語はスペイン語が話されています。現在のエルサルバドルは、教育に英語を入れています。しかし、そんなに英語は通じません。
また、先住民も存在しており、彼らの言語というのもあります。若者で英語が分かる人や、観光地で英語が通じることもあるでしょうが、簡単なスペイン語を覚えていくことをおすすめします。
エルサルバドルの通貨
エルサルバドルの通貨は、アメリカドルです。アメリカドルは、景気に左右されやすいのですが、2019年12月現在は109円です。円高や円安で旅行にいついくのかが決まるところもあるでしょう。
アメリカドルの価格の影響は、アメリカの雇用統計やアメリカの大統領の発言などでも左右され、旅行前に急に暴落や急騰もあり得るでしょう。
しかし、アメリカドルは世界的に使いやすい通貨です。エルサルバドルはクレジットカードも使うことができるので、ドルと併用して使いましょう。
外務省発表によるエルサルバドルの危険度
エルサルバドルの治安は、2019年12月現在、危険レベル1と危険レベル2の地域があります。全体的に治安が悪いと判断されています。エルサルバドルには、マラスという犯罪集団がいます。国全体の犯罪率が減っていても殺人などは依然として多いのです。
治安部隊とマラスが衝突したり、銃撃戦や強盗、誘拐なども起きています。治安が昔よりは落ち着いてきているエリアもありますが、マラスという犯罪集団がいるということは、いつ治安が悪化するのかも分かったものではないでしょう。
危険レベル1の比較的治安が良いといわれる場所であっても、マラスの縄張りがある可能性も否めません。エルサルバドルの治安を一気に悪くしている存在ははっきりしているものの、現在も取り締まりができていないのが事実です。
エルサルバドルで最も治安が悪いサンサルバドル
エルサルバドルの首都であり最大都市でもあるサンサルバドルですが、とても残念なことに治安が悪い場所です。サンサルバドルは外務省からも危険レベル2がついています。そのため、観光目的でも渡航には注意が必要です。
サンサルバドルは、旅行者が被害に遭う強盗などの他、殺人なども起きています。エルサルバドルで起きた事件の3分の1がサンサルバドルで起きているというほど治安が悪いのです。特に旧市街で多くの事件が起きています。
また、サンサルバドルでは、強盗や恐喝、暴行、性犯罪、麻薬犯罪など様々な犯罪が多発しています。サンサルバドルにいると、どの犯罪に巻き込まれるか分からないため観光するとかなり治安が悪いと感じるでしょう。
マラスが蔓延る危険な地域
サンサルバドルの治安を悪くしているのはマラスの存在です。マラスは、凶悪犯罪集団です。テロ組織とまで言われているほどの危険な存在であり、サンサルバドルに多くいます。サンサルバドルの事件はマラスが起こしているものがほとんどでしょう。
特に注意したいのが、サンサルバドルのセントロ地区です。ここはマラスによる犯罪が多発しています。マラス内の派閥が起きて暴動になることもあります。昼間から銃撃戦が行われることもあるでしょう。
また、路線バスに対する襲撃も頻繁に行われています。サンサルバドルは観光名所でもあるのに治安が悪いため、エルサルバドルの治安が全体的に不安定にもなっているのです。
エルサルバドルで治安が良い観光地
エルサルバドルには、マラスという凶悪犯罪集団がいますが、比較的治安が良い観光地もあります。エルサルバドルの治安は、危険レベル3や危険レベル4がついてる都市がないため観光は可能です。
ただし、観光ができる治安が良い場所でのみ観光するつもりでエルサルバドルを訪れてください。エルサルバドルで治安が良い観光地をピックアップして旅行プランを考えましょう!
ホヤ・デ・セレン
ホヤ・デ・セレンは、エルサルバドルの世界遺産としても知られています。ここを観光したい旅行者もいることでしょう。古代マヤの人々の文化を感じられる遺跡です。博物館もあり、清潔感もある場所です。
保存状態がとても良いホヤ・デ・セレンは、サンサルバドルからバスで移動します。到着したら、自然の美しさと遺跡の趣に感動するでしょう。実はこの観光地はそこまで人が多い場所ではありません。危険な人はほぼいないでしょう。
そのせいか、自然の美しさの中で安心した観光をすることができます。遺跡好きが集まる場所でもあるので、目的が遺跡観光になることが多く治安も落ち着いているのです。
ロザリオ教会
ステンドグラスがとても美しい教会です。エルサルバドルでも特に人気がある観光スポットです。サンサルバドルにある教会ですが、比較的治安が良いエリアにあるので安心して訪れることができるでしょう。
しかし、土日は休みなので美しいステンドグラスを見たい人は平日に訪れるようにしてください。圧倒されるステンドグラスの美しさに、しばらくその場に立ち尽くしてしまうでしょう。
メトロポリーナ教会
ヨハネパウロ2世が訪れたという教会です。1843年に再興された建物が現在観光できる教会です。「メトロポリタン大聖堂」とも呼ばれています。エルサルバドルの貧困などを訴えたオスカル・ロメロ大司教の肖像画もあります。
周辺エリアの治安がそんなに良くないと言われていますが、この教会内はとても厳粛で安心した時間を過ごすことができるでしょう。
エルサルバドルでの観光客をターゲットにした犯罪
エルサルバドルでは、治安がやはり不安視されています。実際にエルサルバドルに行くと、危険なところに行かなければ安全な旅行ができ、安心して街中を歩くことができるとも言われています。
しかし、観光客狙いの犯罪も起きているので、観光するときの注意点に自分で気づくためにも、どんな犯罪が多いのかチェックしましょう。
置き引き
駐車場に車を停めていたところ、座席に荷物を置きっぱなしにしていたためにドアを無理に開けられて荷物が盗まれた被害があります。この駐車場は警備員もいて、車から離れたのも数分だったとのことです。
また、レストランで食事をしているときに、横の席に荷物を置いていたところ、一瞬目を離したときに盗まれていたという被害もあります。
置き引きは、いつのまにかやっているパターンが多いのですが、どこに置いていてもお構いなしに盗んでいく特徴があります。
強盗
夜に歩いているところ、刃物を持った集団に腹部を刺され、荷物を奪われた事件や、武装集団に追いかけられて銃で襲撃され、現金やパスポートを奪われた事件があります。また、拳銃で殴られてしまうという被害も起きています。
車で移動しているときにも、襲撃され持っていた現金を全て奪われたという人もいれば、現金を引き出した後すぐに集団から銃で脅されて現金や腕時計を奪われた人もいます。
強盗事件の被害に遭っている観光客はたくさんいます。負傷することもあるのでとても危険です。
車上荒らし
警備員が常にいるようなレストランに車を停めていても車上荒らしの被害に遭ったりと、エルサルバドルでは安心して車を停めることもできません。
車上荒らしは増えているので、観光客だけでなく在住している人にも注意が呼びかけられています。
暴行
暴行されて負傷し、貴重品を奪われる人もいれば、レイプなどの性犯罪に及ぶ暴行が多いのも特徴です。エルサルバトルでは、現地の女性も暴行を受けています。
レイプが原因で妊娠し、その後流産や死産になったために罪を女性が被せられることもあるのです。暴行をする人は、武器を持っていることが多く、被害者を脅します。
エルサルバドルで安全に旅行するための注意点
エルサルバドルには、様々な犯罪があり、特に凶悪犯罪集団の存在が危険だというのが分かります。治安が悪い国と言われてしまうのも無理ありません。
そのエルサルバドルを安全に旅行するための注意点について紹介します。エルサルバドルは事件がなければ、親切な人が多くて良いと言われています。
治安が悪いと思いながら向かったところ、人の親切さに感動した観光客もいるほどです。良い旅にするための注意点を確認しましょう!
人通りの少ない場所へは行かない
人通りが少ない場所は、犯罪の臭いがする場所です。危険なので行かないようにしてください。ただ、マラスなどは集団でいることもあります。異様な雰囲気の人が多い場所にも行かないようにしましょう。
安全とされる観光地を回る観光でないと命の危険を感じることもあります。細い道よりも大きな道を通るとか、近道でも回り道のほうが安全ならそっちを通るなどしてください。
海外旅行の注意点として、人通りが少ない場所には行ってはいけません。エルサルバドルでも例外ではないのです。
徒歩で移動はしない
徒歩での移動も危険を感じなかったという観光客もいます。しかし、強盗に狙われる可能性が高いので、できるだけ車移動をしてください。
ただ、車移動でも襲われることがあるので、周囲を常に警戒した移動をするというのが注意点として大事であることを忘れないようにしましょう。
車移動のときは、車の中に荷物を置きっぱなしにしないことや、しっかり施錠することも徹底してください。
警備のしっかりしたホテルを利用する
エルサルバドルで、滞在していたホテルの部屋に何者かが侵入して貴重品を奪っていったという被害があります。ホテルであっても安心することができないのです。
安全なホテルを選ぶ注意点はセキュリティの高さを見ることです。安いホテルでもセキュリティが甘いところはとても危険です。高級ホテルでもセキュリティに危険を感じたら泊まらないでください。
親切な現地の人に注意する
エルサルバドルの人は親切な人が多いので、判断が難しいのですが、ガイドするよ!と親しげに自分から言ってくる人には注意してください。人気がない場所に連れて行かれ、暴行や窃盗事件に発展することがあります。
親しくされても、必要以上に仲良くならないことや、付きまとわれないようにするなど警戒心を持っておくことが大切です。
荷物から目を離さない
一瞬の隙であっという間に荷物がなくなるので、荷物は必ず手で持ち、隣の席などに置くことがないようにしましょう。貴重品がたくさん入っている荷物を奪われている人も多くいます。
荷物に関する注意点には、荷物の量を少なくすること、荷物をできるだけ目立たなくすることがあります。荷物は量が少ないほうが管理がしやすいでしょう。
目立たないように持っていたほうが、ターゲットにもなりにくくなります。荷物に関する工夫は徹底したほうがいいでしょう。
高価な物は身に着けない
治安が悪いエリアが多いエルサルバドルでは、高価なものを身につけていると奪われる可能性がとても高いでしょう。
実際に、強盗に襲われて腕時計を奪われた人もいます。高価なものでも、そうでなくてもアクセサリーや装飾品などは身につけないことをおすすめします。
エルサルバドルの治安を考慮した観光にしよう!
エルサルバドルの治安は予想以上に悪いと感じませんでしたか?エルサルバドルを旅行した人の情報を見ていると、そこまで治安が悪くないと感じた人もいます。
しかし、凶悪犯罪集団がいれば、凶悪犯罪も実際に起きています。そのため、警戒心を高めて、常に周りに注意しながら観光してください。
エルサルバドルの国民には、優しい人が沢山います。治安に気をつけて、エルサルバドルの良いところをいっぱい見てきてください。