ミャンマーの治安は悪い?ヤンゴンなど観光地の危険度や注意点も紹介
ミャンマーは東南アジアでも注目度が高い国です。パガン遺跡が世界遺産に登録されたことで観光客っも増えているでしょう。しかし、ミャンマーの治安について心配の声があるのも事実です。そこで、現在の治安情報や危険情報についてまとめました。
目次
ミャンマーへの旅行は大丈夫?治安はどうなの?
寺院や遺跡、ビルマ時代の名残など、見どころがとにかく多いのがミャンマーです。寺院は日本のお寺と違い、金色に輝いているゴージャスな雰囲気を持っています。
ミャンマーに訪れた人の多くが遺跡や寺院に魅了されています。人気が高まっているミャンマーなので、ミャンマー旅行を計画し、実行させる人もいるでしょう。
ただ、治安はとても気になります。ミャンマーの治安情報を把握し、安全な旅行や観光を心掛けるためにも2019年現在の治安や犯罪情報について紹介します。
ミャンマーとはどんな国?
正式には、「ミャンマー連邦共和国」です。1989年までは「ビルド王国」を名乗っていました。東南アジアに位置し、中国、タイ、ラオス、インド、バングラデシュが隣国です。
ミャンマーの首都はネピドー、最大都市はヤンゴンです。人口は約5300万人で、9割近くの人が仏教を信仰しています。少数ではありますが、キリスト教やイスラム教の信者もいます。また、僧侶が多いことも有名です。
世界遺産には、ピュー古代都市群と、パガン遺跡の2つが指定されています。ASEAN加盟国でもあります。
ミャンマーの言語
ミャンマーは、ビルマ語が公用語です。少数民族の間では、シャン語、カレン語、モン語など多くの言語が使われます。ミャンマーでは、英語教育に力を入れています。
しかし、英語はほぼ通じません。日本人が英語を何年勉強しても英会話ができないように教育制度がミャンマーも良くないのです。
挨拶として使われる「ミンガラーバー」やありがとうの「チェーズーティンバーデー」ぐらいは覚えてから旅行を楽しみましょう。
ミャンマーの通貨
ミャンマーの通貨は「チャット」です。2019年11月現在1チャットは約0.072円です。1.000チャットで70円くらいで計算するといいでしょう。
ミャンマーでは、一部でアメリカドルを使うことができます。日本円からの両替ができる場所が少ないので、アメリカドルを持っておくと便利です。ミャンマーチャットはミャンマー内でしか両替ができません。
アメリカドルやユーロからの両替のほうができる場所が多いのですが、綺麗なお金でないとレートを下げられる可能性があります。ピン札のアメリカドルやユーロを準備してください。
外務省発表によるミャンマーの危険度
ミャンマーは全域において治安が不安定です。危険レベル1の場所もあるので観光は可能です。しかし、カチン州などの一部の州は危険レベル2です。少数民族の武装勢力や宗教で対立し衝突が起きています。
さらに、ラカイン州の一部やシャン州の一部では危険レベル3になっています。死者が出る衝突が起きた他、襲撃事件や武装集団による攻撃も起きています。
これらの地域は渡航中止勧告が出ています。旅行でミャンマーに入ったときは間違えても行かないようにしてください。治安がとても悪いので危険が多い場所です。
犯罪数は増加
ミャンマーは、過去と比較すると犯罪数が増加しています。増加している犯罪は、性的暴行、殺人、強盗などの凶悪犯罪です。強盗に至っては、2017年~2018年で2倍に増えています。
また、性的暴行は最も多い犯罪として認識されています。さらに、窃盗や人身売買、薬物関連の犯罪も起きています。これだけみると、決して治安が良いとは言えないのがミャンマーです。
一部地域では本当に治安が悪いので観光はできないと思いましょう。観光客が増加していることも犯罪数が増えることに繋がっている可能性があります。
警察官が不足している地域もある
ミャンマーでは、一部地域で警察官の不足が問題になっています。警察官が不足しているために治安が安定しません。ミャンマー警察もミャンマーの治安を重く考え、犯罪の取り締まりを強化しています。
警察官が不足しているということは、それだけ自分たちでの注意がより必要になるということです。ただ、警察官が警戒を強化しているのも事実です。
ミャンマーの治安が悪い危険な地域
ミャンマーで特に治安が悪い地域を紹介します。これらの地域は、危険が多くあるので訪れないようにしてください。危険レベル3がつけられている地域は、危険レベル2の地域の中にあります。
危険レベル2がつけられている地域には、危険レベル1の地域も隣接しています。最大都市であるヤンゴンからは離れていますが、地方都市を観光中に誤って立ち寄らないようにしてください。
ラカイン州
ラカイン州は全体的に危険レベル2です。しかし、マウンドー県という場所は危険レベル3のとても治安が悪い地域です。国境警備警察に対して武装集団が襲撃する事件が起きました。
また、治安拠点を30箇所以上も武装集団が襲撃したため、避難民を出しています。夜間になると、さらに治安が悪い地域になるため、夜間の外出は禁止されています。
ラカイン州は、仏教徒とイスラム教徒が衝突し暴動が起きたこともあります。また、デモ集団と警察がぶつかって死者が出た事件もありました。
東部国境付近
タイとの国境に近い地域です。ここでは、ミャンマー政府軍とカレン族による衝突が起きた過去があります。他の少数民族による武装集団がいることも確認されています。
武装集団によるテロやバス襲撃事件も勃発しています。武装集団がいる地域は、治安が安定したように見えても、何が起きるか分かりません。結果的に不安定な治安なのです。
コーカン自治地帯・カチン州
カチン州には危険レベル2と危険レベル3の地域があり治安が不安視されています。ミャンマー国軍とMNDAAの戦闘が起き、空爆までに発展した過去があります。また、ミャンマー国軍とカチン独立軍の戦闘もありました。
一般市民に死者を出した事件もあったりと、とても治安が悪い場所で観光できるところではありません。
現在は、大きな衝突はないものの、治安が改善しているとは言えないのです。襲撃などに巻き込まれる可能性もあるので訪れないでください。
ミャンマーのヤンゴンで注意したい場所
ミャンマーと言えば、ヤンゴンを中心に観光することが多いでしょう。ヤンゴンは危険レベル1で、ミャンマー国内では比較的治安が落ち着いています。
また、パゴダやマーケットなど訪れたい場所が多く集まっています。観光客が多いのでどこか安心できる地域でもあるでしょう。
しかし、ヤンゴンであれど犯罪は起きています。特に気をつけたい場所を紹介します。
ヤンゴン国際空港:
ヤンゴン国際空港は、とても人が多く集まります。観光客が1番多い場所でもあるでしょう。そのため、スリや置き引きなどの観光客狙いの犯罪があります。
また、親切を装って荷物運びをする人物がいます。荷物運びを終えたら、チップを要求されるため、注意が必要です。荷物を知らない人が運ぶだけでも危険です。
パンソダン フェリー ターミナル
日本の援助によるフェリーがあるため、日本人は外国人運賃の支払いを免除されます。そのため、フェリーを利用する日本人観光客も多いでしょう。ここでは、「案内をする」と言ってチップを要求されることがあります。
この地域は、低所得者が多く、ヤンゴンではあるものの貧富の差を感じる場所です。スリや置き引きも狙われやすいので注意してください。ヤンゴンの中でも治安が悪いでしょう。
ボーヂヨーアウンサン・マーケット
大きなマーケットで、ショッピングに訪れるとワクワクする場所です。ミャンマーの人も訪れるので人気のマーケットでもあります。しかし、ここでは日本語を話せる現地の人が安いお店を教えると言って近づいてきます。
結局は、お店の人とグルになったぼったくりであることが多いでしょう。しつこくついてくることもあるので、気をつけてください。
案内すると言われたら、はっきりと断りましょう。曖昧な態度の日本人やお金を持っていると思われる日本人はとても狙われやすいのです。
ダラ地区
サイカーという三輪車があり、移動手段として外国人が利用することもあります。しかし、外国人相手だとぼったくりをする可能性が高いでしょう。このぼったくり被害は在ミャンマー大使館からも注意が呼びかけられています。
利用する前に料金の確認をしたり、時間の確認をして運転手の目の前でメモに残すなどの対策が必要です。
ダラ地区は、低所得層が多く発展していない街でもあります。金品を狙った行動をされることが多いので注意しましょう。
シュエダゴンパゴダ
夕暮れにはライトアップされ、とても魅力的なシュエダゴンパゴダですが、ここも注意してください。観光スポットの1つであり、必ず訪れたい場所でしょう。
しかし、ここでもガイドをすると言ってガイド後にチップを請求してくる人がいます。ガイドを断ってもしつこくついてくることもあるでしょう。
毅然とした態度で断ることが大事です。
ミャンマーでの観光客を狙った犯罪
ヤンゴンのような観光地では、案内人を装う詐欺が勃発しやすくなっています。しかし、その他に起きている犯罪もあるので紹介します。
スリ・置き引き
スリや置き引きは、海外旅行では注意したいものですがミャンマーでも多発しています。特に、観光客が集まる場所は注意してください。
また、荷物から意識を外した隙に盗られることもあります。ミャンマーの人は日本人がお金持ちと思っているので、日本人が狙われることが多い犯罪です。
タクシーのぼったくり
タクシーを使用したときに、最初に値段を交渉したにも関わらず、交渉以上の値段を請求されたというトラブルがあります。
また、通常の金額よりも何倍も上乗せされた金額を請求されることもあるでしょう。タクシーの運転手は刃物を持っていることがあります。
料金で言い合いになると何をされるか分からない危険もあります。
強盗
バスやトラックがピストル強盗に遭ったり、集団強盗事件が頻発している時期もありました。強盗事件は、現在増加している傾向にもあります。
また、タクシードライバーによる強盗事件も勃発しています。過去に日本人女性がタクシードライバーから暴行を受けて殺害された事件もありました。
ミャンマーでは、睡眠薬強盗は現在のところ報告はないですが、様々な強盗が起きていることは事実です。
ミャンマー旅行を安全にするための注意
ミャンマーでの犯罪を見ると、ミャンマーが途端に治安がより悪い国に感じてしまいませんか?
しかし、ミャンマーは注意を高めると安全に観光ができる国です。安全性を高める方法を紹介します。
夜間に単独でタクシーを利用しない
タクシー運転手による犯罪は、夜間のほうが置きやすいので夜間での単独タクシー乗車は控えてください。
夜間にタクシーを利用し、目的地で降りた日本人が、バッグをまだタクシー内に残しているにも関わらず、タクシーが発進して荷物を盗まれたという被害もあります。
荷物から目を離さない
どんな場所でも荷物から目を離してはいけません。ミャンマーでは、頼んでいないのに荷物を運ばれてチップを要求されることがあります。
荷物からは目も手も離さないようにしましょう。貴重品を持ち歩くバッグは、身体から離さず、周りから見えないように持ちましょう。
人気のない場所へは行かない
人気がない場所では、女性への性被害が起きています。また、子供を狙った性被害も多くなっています。強盗被害に遭う可能性も高くなるので、人が少ない場所は通らないでください。
特に、夜間や早朝は人がより少なくなります。不要な外出は避けて、人が多くなってから観光に出かけましょう。
タクシーは配車アプリを利用する
ミャンマーでタクシーを使うときはアプリを利用してください。「Grab」というアプリがおすすめです。登録している車を利用することができるので安心です。
また、料金が手配するときに確定し、通常のタクシーよりも安く利用できるため利用者が増えています。
ミャンマーだけでなくタイやマレーシアなど東南アジアで使えるアプリなので持っておくと便利です。
ミャンマー人が不快と感じる言動は慎む
言語が違ったとしても、日本語でミャンマーの人をけなしてはいけません。中には日本語が分かるミャンマー人もいるので、通訳されてトラブルに発展した事件があります。
ミャンマーの人と文化が違うところや考え方が違うところがあるのは当然です。大声で怒鳴ってしまったことで警察が来る事態になったトラブルもあります。
ミャンマーに行っているということは、ミャンマーの考え方や生活への理解を示すのも大切なことです。決して見下した考えや言動を持たないようにしてください。
ミャンマーの治安に配慮した観光をしよう!
ミャンマーには、圧倒されるような寺院や遺跡があります。ヤンゴンに行くと、観光だけでなくショッピングを楽しむこともできるでしょう。
治安が不安視される部分は多々あるのが現実です。しかし、治安に配慮した行動をし、注意力を高めることでミャンマーの良さを沢山感じられる旅行にもできるはずです。