ポタラ宮はチベットにある世界遺産の宮殿!おすすめ観光場所を紹介
チベットにあるポタラ宮は世界遺産の1つであり、標高約3700mの真っ青な空にそびえる世界最大級の宮殿です。内部にはチベット仏教の秘宝が多数納められ、歴史的にも文化的にも価値が高いです。今回はポタラ宮にあるおすすめの観光場所や、その行き方について紹介します。
目次
チベット自治区ラサにあるポタラ宮は世界遺産の宮殿!
中国チベット自治区のラサにあるポタラ宮は、チベットが誇る世界遺産です。マルポ・リ(赤い丘)に建てられた13階建ての宮殿であり、一説には7世紀頃から築かれたと言われています。
ポタラ宮の大きさは宮殿より巨大な城と言う程に圧巻で、見る者を圧倒させます。またポタラ宮に住むダライ・ラマは観音菩薩の化身と言われており、 政教一致の国であったチベットを長らく支配してきました。
ポタラ宮は世界遺産と同時に「ラサの歴史的遺跡群」に指定されており、歴史的にも文化的にも価値の高い場所です。今回は現在もチベット人の心の拠り所とされる、ポタラ宮でおすすめの観光場所や行き方を紹介しましょう。
【ポタラ宮の観光場所①】白宮
ポタラ宮を訪れた時、最初に見えるのが白宮です。母親の手を引きながら上る人や赤ちゃんを抱えて息を切らす人など、大勢の人々が毎日宮殿の参拝に向かっています。
デヤンシャル広場を出た先には白宮がそびえ立ち、その美しさに思わず心を奪われる事でしょう。白宮の中に入り、そのまま階段を上ると屋上に到着です。
屋上は富士山の頂上とほぼ同じ標高なので息が切れますが、 ダライ・ラマ14世が子供の頃に宮殿から深々と見下ろしていたと言われる下界は見晴らし抜群です。絶景スポットとしておすすめなので、是非そこまで上って同じ景色を見ていって下さい。
歴代ダライラマの住居・政治活動を行う場所
白宮は歴代のダライ・ラマが暮らしていた冬の宮殿です。その名の通り真っ白に塗られた建物は、いつも太陽の光を受けて輝いています。
生活空間の場としてベッドや玉座などがあり、白宮の装飾はいかにも中国風と言った雰囲気で豪華です。特にベッドのある部屋はガラス張りで、太陽が降り注ぐ設計となっています。そのため当時の生活を知る上でおすすめです。
ダライ・ラマにとって白宮は生活と同時に、政治を行うための場所です。大小経堂や蔵書の部屋といった倉庫など、ダライ・ラマに仕える人達が使っていた部屋もそのまま残されています。
一部を除いて非公開
現在の白宮は一部の部屋を除き非公開となっています。入場には見学希望日の前日に予約券を購入する必要がありますが、夏場は中国人観光客が増加する事もあって入手は困難です。
なお白宮までの行き方は「之」の文字になっている階段を上る事であり、山沿いに作られているので結構緩やかです。ただしポタラ宮の高さは117mもあり、30階建てビルに相当します。相当険しいハズなので、用心していきましょう。
また外国人の場合はパスポートも提示する必要があるのでご注意下さい。入場料はチベット人が1元なのに対し、漢民族などチベット以外の外国人は100元と高価です。入場料も含めて旅行費を多めに持参しましょう。
【ポタラ宮の観光場所②】紅宮
白宮の隣にある紅宮は、歴代ダライ・ラマの玉座や霊塔がある観光場所です。特に最も偉大なダライ・ラマの1人として名高い5世の霊塔は圧巻です。
その高さは14mもあり、3,700kgの黄金と15,000個の宝石が使われています。名前の由来は白宮と同じく、外壁全体が真っ赤に塗られているからだそうです。
白宮のような生活の場ではないため、ポタラ宮の中で最も神聖な場所とされています。紅宮の最下層には紅宮の中心を占める大集会場があり、回廊を介して他の客室が並んでいるのが特徴です。
宗教的な場所
紅宮は宗教的な要素が強く、ダライ・ラマが祭司王としての権威を発揮する場と言えます。 生活機能を持たない聖空間をであると同時に、政権にとって最も重要な象徴性を帯びている場所です。
ここでは歴代ダライ・ラマの霊塔を中心に、宗教儀式を行うのが主な目的です。紅宮の頂上には金色の屋根が見え、「金頂」と呼ばれています。
全体的に薄暗くどこか宗教的で、白宮と違ってほとんどが解放されているためか、観光客は気軽に眺められます。
歴代ダライ・ラマの霊塔
紅宮に現存するダライ・ラマの霊塔は5世、7世から13世までの計8座です。6世だけないのは退位したのが原因とされています。恋愛や詩を愛するなど、かなり型破りな人物だったようです。
紅宮に入ると雰囲気が一変し、仏像や壁画だらけの空間には驚かされます。その中心となるのが歴代ダライ・ラマの霊塔であり、卒塔婆のような形をしているのが特徴です。
霊塔の中には歴代ダライ・ラマのミイラが納められており、周囲は黄金や宝石で飾られているので非常に豪華です。最も豪華なのはダライ・ラマ5世の霊塔で、一見の価値があります。
内部の壁画
紅宮内には700枚を超える壁画が描かれています。当時のチベットの風物や人々の生活を描いたもので、仏像と並ぶポタラ宮のおすすめ観光場所です。
他にも鶏卵大の仏舎利や白壇から自然に生まれたという観音菩薩など、芸術品の多さから博物館のように感じられます。
特に時輪殿のチベット密教の最奥儀とされるカーラチャクラの立体曼荼羅は有名です。精巧な創りが芸術的で歴史も感じさせるので、是非一度ご覧になって下さい。
【ポタラ宮の観光場所③】ライトアップ
ポタラ宮は夜になるとライトアップされ、夜の闇に白と紅の宮殿が美しく浮かび上がります。ライトの明るさにムラがほとんどないので、全体像がキレイに見えるのも嬉しい点です。
カメラをセットしながら撮影している時、ふと振り返ると赤い袈裟を着たお坊さんが覗き込んでいる事もあります。その時は写真を見せながら話をすると、ガイドブックには載っていない貴重な話を聞けるでしょう。
ポタラ宮はチベット仏教をあまり知らない人でも、口を開けながら見上げてしまう程見事な宮殿です。中を歩いているだけで異世界に迷い込んだような圧倒的なパワーを感じられるでしょう。
ポタラ宮への行き方を解説!
続いてはポタラ宮への行き方について解説します。日本からポタラ宮まで行くには、入国許可証とツアー申し込みという二通りの手順が必要です。
チベットは入国審査が非常に厳しく、そう簡単に旅行に行ける場所ではありません。旅行に行く際はこれらの手順をしっかりと守って下さい。
入境許可証が必要
ポタラ宮に行くための第一段階として、まず入国許可証の発行が必要となります。チベットは他の外国と違い、簡単に入国できる場所ではありません。世界遺産もあるため、入国チェックも厳重にする必要があるからです。
そのためには旅行代理店に頼んで入国許可証を発行し、更に中国のビザも必要です。チベットは現在中国に実質管理されており、入国審査も非常に厳しいので旅行するには難しいと言えます。
旅行会社のツアーに申し込もう
チベットに初めて行く場合、専門の旅行会社によるツアーに申し込むのがおすすめです。このツアーは入国許可証など面倒な手続きが省略されるので、初めての旅行でもスムーズに行けます。
チベット旅行に行く人は、団体行動のツアーに申し込む場合がほとんどです。個人旅行のように自由に動き回れませんが、団体行動だとトラブルに巻き込まれる心配がない分安心です。
チベット旅行に行く際は、初めてでもそうでない場合でも団体旅行ツアーに申し込みましょう。旅先で一生消えない傷を負わされてしまっては元も子もありません。
チベット旅行の際は高山病にも注意!
入国許可証の有無やツアー内容以外に、高山病に対しても注意が必要です。富士山など高い山での登山中にかかりやすい病気であり、ポタラ宮があるラサは標高3,700mもあります。
そのため高山病にかかる可能性が非常に高く、リスクを避けるならネパール方面から行くのがおすすめです。またチベットは全体的に乾燥しているので、ポカリスエットなど飲み物も持ち歩いた方が安心です。
ポタラ宮の地下にある秘密とは?
ポタラ宮では世界遺産に認定される程の美しさはもちろん、地下に秘密が隠されており、チベットの人々から理想の仏教国「シャンバラ」に繋がると信仰されています。
このシャンバラとはどのような国なのでしょうか?ポタラ宮にお越しの際は、お坊さんにシャンバラについて尋ねてみるといいかもしれません。
理想の仏教国・シャンバラとは?
シャンバラには96の地方があり、それぞれに王と眷属が住んでいると言われています。ただしシャンバラは業と徳の力が熟した人以外は見る事も触れる事もできず、聖地のような扱いとされているようです。
シャンバラはポタラ宮の地下から繋がっているとされ、実際にあるかは定かではありません。しかしロマンを感じさせる話なので、外国人でもシャンバラは実在すると考える人は意外と多いです。
歴代ダライ・ラマなど法王の中から修業を積み、仏の一族として認められた者だけがシャンバラに入る事を許されます。そのためシャンバラがどこにあるのかは、未だ明らかにされていません。
ポタラ宮の聖地巡礼・コルラを紹介!
ポタラ宮の観光は内部を巡るだけでなく、外周を巡礼するといった方法もあります。これを「コルラ」と呼び、お釈迦様のご加護が得られると言われる行為です。
ポタラ宮の周りにはマニ車がズラリと並んでおり、それを回しながら約50分かけて一周します。ポタラ宮の観光はコルラを行ってこそと言われており、強いご加護を授かりたいなら欠かせない場所です。是非足を運んでみましょう。
コルラの一般的なコースについて
コルラの巡礼路はポタラ宮正面の広場にある大チョルテンから始まります。そこから市民の憩いの場とされる池のある公園を除き、マニ車を回しながら約40~50分で一周できます。
寒い時期にこれをやると指先がキンキンに冷えて、汚れで手のひらも真っ黒になってしまいますが、見事にやり終えた後は何とも言えないような清々しい達成感を味わえるでしょう。
広場の脇には巡礼者もくつろげる茶館があり、雰囲気たっぷりのチベット空間を味わう事が可能です。ガイドによる歴史的な解説も聞けるので、ポタラ宮について更に詳しくなれるかもしれません。
ポタラ宮周辺の観光スポットを紹介!
チベットのおすすめ観光スポットはポタラ宮だけではありません。他にもチベットの歴史に詳しい博物館や、世界遺産に認定された場所などがあります。
そこでポタラ宮周辺にあるおすすめ観光スポットを3つ紹介しましょう。チベットにお越しの際はポタラ宮と一緒に足を運んでみて下さい。
チベットの歴史が学べる「チベット博物館」
1999年に中華人民共和国設立40周年を祝して建てられた博物館です。仏像やチベット文字の古文書など、チベット文化に関する展示物を閲覧できます。更には先史時代の遺物も保存されているので、チベットやポタラ宮についてより詳しくなるチャンスです。
チベット博物館の音声ガイダンスは日本語ボイスにも対応しているので、チベット史を勉強したい人にもおすすめです。建物も中国とチベットの雰囲気が上手く融合していて、魅力的に感じるでしょう。
チベット仏教の聖地「トゥルナン寺」
ポタラ宮に匹敵する程のチベット仏教の聖地であり、多くのチベット教徒が訪れている場所です。中国名は「大昭寺」ですが、もっぱら「ジョガン」と呼ばれています。
トゥルナン寺は7世紀頃にソンツェン・ガンポが仏像安置を目的に建て、ポタラ宮と同じく世界遺産に登録されています。ポタラ宮と合わせて、2つの世界遺産を巡るといいでしょう。
チベットの夏の王宮「ノルブリンカ」
18世紀にダライ・ラマの夏の王宮として建設された宮殿の1つです。ダライ・ラマの宮殿としてはメジャーなポタラ宮と並び、ノルブリンカも王宮として重要な役割を果たしています。
建てられた理由こそ王宮としてですが、ノルブリンカの大半は公園です。そのため現在は人々の憩いの場として親しまれています。
チベットのポタラ宮で歴史を感じよう!
ポタラ宮は壮大なだけでなく、チベットの歴史や文化が詰まっている重要な宮殿です。現在もチベット人の心の拠り所とされており、内部にはスケールの大きい仏像や壁画も多い事から観光スポットや世界遺産としてもおすすめです。
また夜になるとポタラ宮がライトアップされ、昼間とは違った全体像を見る事ができます。ひょっとしたらポタラ宮の更なる魅力に気付くかもしれません。
チベットにお越しの際はポタラ宮を訪れ、世界遺産としての美しさ、長い歴史と文化を実感してきて下さい。
住所 | チベット自治区拉薩市城関区北京中路 |
営業時間・定休日 | 9:30~14:00 |
アクセス | 旅行会社のツアーを利用 |