アプトの道は群馬碓氷峠の鉄道遺産!ハイキングコースも紹介
アプトの道は、群馬県と長野県の県境にある碓氷峠のアプト式鉄道の廃線を利用したハイキングコースです。絶景や、煉瓦橋、トンネルなど、明治・昭和に建設された建物や鉄道遺産を楽しめるアプトの道では全国的に有名な駅弁を購入することもできます。
目次
群馬県碓氷峠のアプトの道ではハイキングが人気!
群馬県碓氷峠のアプトの道では、廃線を歩くことができるハイキングが人気を集めています。江戸時代には中山道のルートとして整備された歴史ある碓氷峠は、重要な関所とされた指定文化財「碓氷の関」などを巡ることのできる横川駅から熊ノ平駅の6kmをハイキングコースとして整備した人気のアプトの道の名所情報などを紹介していきます。
アプトの道は鉄道の廃線跡を利用した遊歩道
アプトの道は、群馬県にある碓氷線として使用された線路の一部である横川駅と熊ノ平駅間の廃線跡を利用した遊歩道となります。ハイキングコースの途中には6つの橋梁と10本の隧道や国の重要文化財などの名所を巡ることができます。
アプトの道おすすめハイキングコース【横川駅~丸山変電所跡】
アプトの道のハイキングコースは、横川駅の「起点・終点」ポイントから始まります。ハイキングコースの中の前半ともいえる全長約2kmある【横川駅~丸山変電所跡】の見どころスポットについて紹介していきます。
横川駅
横川駅は、アプトの道の起点であり終点でもあります。横川駅では峠越えに向かう列車が補助機関車の連結作業で10分間の停車をしていました。その時に大勢の乗客が停車時間中にホームで立ち売りをしていた「おぎのやの峠の釜めし」を買い求めていました。
横川駅にはJR信越線が通っていますが、駅前には駐車場もあるので車で訪れても安心です。
碓氷峠 鉄道文化むら
碓氷峠 鉄道文化むらは横川駅に隣接している、 「見て、触れて、体験できる」をコンセプトに作られた鉄道マニアにはたまらないテーマパークです。碓氷線の横川~軽井沢を走行していた車両などが数多く展示されています。中でも鉄道史に残る日本初のアプト式機関車が導入された車両は鉄道好きには必見です。
そのほかにも、鉄道運転を楽しめる運転シュミレーターは子供に人気が高い体験スポットです。さらに1日講習を受けて検定に合格すると、本物の電気機関車を運転できるという貴重な体験を味わうこともできます。講習や運転体験は予約制で、人気が高く群馬県外からも人が訪れるため、なかなか予約が取れませんので公式サイトの常にチェックしておきましょう。
碓氷峠 鉄道文化むらには駐車場、トイレもありますのでゆっくりと施設内を周ることができます。また、碓氷峠 鉄道文化むらから少し進んだ場所には全長約40メートルの断崖から流れ落ちる「麻芋(あさお)の滝 」をみることもできるので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
住所 | 群馬県安中市松井田町横川407-16 |
---|---|
電話番号 | 027-380-4163 |
碓氷関所跡
1623年に江戸幕府により設置された「碓氷関所」は五街道の一つ、中山道にある関所です。西門は徳川幕府、東門は安中藩の管轄となっており、江幕府は関所で「入り鉄砲と出女」を厳しく取り締まっていました。
日本国内には複数の関所跡地がありますが、碓氷関所跡は箱根にある関所跡と並び、日本三大関所跡の一つとなります。平成30年からは関所跡内に「麻荢(あさお)茶屋」がオープンし、店内の展示スペースでは関所の歴史を見ることができます。
碓氷関所跡には、駐車場がないですが、横川駅から徒歩5分の場所にあるため、車で来た場合は横川駅目の無料駐車場に駐車するのがおすすめです。
丸山変電所跡
丸山変電所は、群馬県横川と長野県軽井沢の鉄道を大きく支えた変電所です。鉄道が石炭から電化に変わったことに伴い1912年に建設されました。建設された当時は明治時代だったため当時流行りの煉瓦造りの構造となっています。
312個の蓄電池が設置され、機関車が通らない間に蓄電をし、機関車が入ってくると放電を行って、急勾配の碓氷峠の登坂用の電力を補うために稼働をしていました。
1994年に国の重要文化財に指定されたあとに復元工事がされていますが、内部の見学はできず外部のみの見学となります。
アプトの道おすすめハイキングコース【丸山変電所跡~熊ノ平駅】
アプトの道おすすめハイキングコースの後半は【丸山変電所跡~熊ノ平駅】となります。熊ノ平駅までの登りきれば、峠の頂上からは絶景を眺めることができます。丸山変電所跡から熊ノ平駅の全長約4km内にある名所を紹介していきます。
峠の湯
横川駅から約3km、アプの道ハイキングコースの中間地点にある峠の湯は、碓氷峠の森公園交流館にあります。峠の湯は、泉質が弱アルカリ性となっています。温泉の種類は大浴場、露天風呂、家族向きの風呂などがあります。
施設内にはラウンジやリラクゼーションルーム設備があるので、ハイキングで疲れた体を休ませるには最適な施設となります。
峠の湯には隣接した貸コテージ「くつろぎの郷」があり、フィンランド風のログハウスには4名用から8名用の全7棟、42名の宿泊可能です。峠の湯には宿泊施設がないため、泊りで遊びにきたいという人におすすめです。
また、温泉施設裏手にある「とうげのゆ駅」ではトロッコ列車に乗ることができ、丸山変電所にある「まるやま駅」、碓氷峠 鉄道文化むらにある「ぶんかむら駅」まで乗車することができます。
住所 | 群馬県安中市松井田町坂本1222 |
---|---|
電話番号 | 027-380-4180 |
碓氷湖
碓氷湖は、ハイキングコース途中にある休憩ポイントの一つです。碓氷湖は、碓氷川と中尾川の合流地点をせきとめて出来た人口湖となっています。自然豊かな湖畔の周辺では四季折々の美しさを楽しむことができます。
ベンチや公衆トイレなどもあるので、峠の釜めし弁当を横川駅で購入して碓氷湖で昼食をとるのもハイキングの楽しみの一つとなりそうです。
めがね橋
めがね橋は、1892年に完成した「碓氷第三橋梁」です。めがね橋という愛称の通り形がめがねのような煉瓦アーチの橋となっています。高さ31m、長さ91mあり、この大きさは煉瓦造りのアーチ橋では日本一の大きさで、国の重要文化財に指定されています。
めがね橋は、現在は歩道として整備されていますが、アプト式鉄道時代には線路として使われていた橋で、1892年から1963年の間は列車が走行していました。
橋の全貌をみたいという場合は遠くから見ることも可能ですが、橋を渡ると下に降りれる道があるので、下から眺めると迫力満点のめがね橋の全貌をみることができます。
熊ノ平駅
熊ノ平駅は、めがね橋から全部で5つのトンネルを通過して約1.2km、時間にして25分ほどで到着します。アプト式の線路跡は明治期と昭和期のものがありますが、熊ノ平駅で明治期の線路跡は終了となり、昭和期の新線跡と合流をします。
熊ノ平駅は単線時代に列車が行き来するために建造された駅で、現在も箱根登山鉄道で使用されている「スイッチバック式」の線路もありました。ホームやレールはまだ残っているので、ぜひ記念撮影してみてはいかがでしょうか。
横川駅から熊ノ平駅までは約5.9kmの距離となり、ハイキングコースはここで終了となります。廃線跡は軽井沢駅まで約8.5kmまでありますが、歩く場合は国道18号線の旧道「つづら折り」を歩くこととなり、廃線跡は歩くことができませんので立ち入らないようにしましょう。
アプトの道おすすめハイキングコース【熊ノ平駅~横川駅】
アプトの道おすすめハイキングコース【熊ノ平駅~横川駅】は、登ってきた峠を下坂する形となります。帰りは下りなので行きよりは多少歩くのは楽になりますが、峠の湯で疲れた足を休めてみてはいかがでしょうか。
峠の湯の裏手から出ているトロッコに乗ることで横川駅付近まで戻ることができるので、ほぐれた体に疲れを再び溜めることなく下坂することが可能です。
行きとは違う景色をみたいという人には、峠の湯から国道18号線から旧道にでて、江戸時代に賑わった宿湯町「坂本」を歩くのもおすすめです。中山道の宿場町の面影が残っており風情あるハイキングをすることができます。
熊ノ平駅から横川駅にあるトンネル内の照明は18時消灯となっていますので、帰りがあまり遅くならないように気を付けましょう。
アプトの道ハイキングの時間と距離について
アプトの道ハイキングの時間と距離がどれくらいかについて紹介をしていきます。アプトの道は横川駅から熊ノ平駅の間が約6km、所要時間は登り約2時間、下り約1時間半となります。全て徒歩で行くと往復で12km、所要時間は約3時間半の距離です。
ハイキングコース名所 | 距離/所要時間 |
---|---|
JR信越線横川駅~碓氷峠 鉄道文化むら | 約0.2km/徒歩約2分 |
碓氷峠 鉄道文化むら~碓氷関所跡 | 約0.5km/徒歩約8分 |
碓氷関所跡~旧丸山変電所 | 約1.3km/登り徒歩約25分、下り徒歩約18分 |
旧丸山変電所~峠の湯 | 約1.0km/登り徒歩約20分、下り徒歩約15分 |
峠の湯~碓氷湖 | 約1.0km/登り徒歩約20分、下り徒歩約15分 |
碓氷湖~めがね橋 | 約1.1km/登り徒歩約25分、下り徒歩約18分 |
めがね橋~熊ノ平駅 | 約1.2km/登り徒歩約25分、下り徒歩約20分 |
アプトの道は、一か所ずつへの距離が約20分ほどなので熊ノ平駅まで行って戻ってくる約12kmの距離を歩ききれるか心配という場合は途中の峠の湯まで歩いて温泉に浸かってから横川駅に戻ってもアプトの道を充分楽しむことができます。
また、途中で休んでから登り切りたいという人は、峠の湯に隣接する「くつろぎの郷」で1泊してゆったりと過ごしてから後半の道のりを登るのも楽しみ方の一つとなります。
アプトの道へのアクセス・駐車場について!
アプトの道へのアクセスと駐車場について紹介をしていきます。
アクセス
アプトの道へのアクセスは、最寄り駅が「JR信越本線横川駅」となります。
【東京駅からのアクセス】
上越・北陸新幹線の新潟・金沢方面から「高崎駅」で下車をし、JR信越本線/横川方面に乗り換えて「横川駅」まで一本となります。
「前橋駅」からもアクセスは可能となっているので、自宅から移動しやすいルートを選びましょう。
【前橋駅からのアクセス】
前橋駅からJR両毛線、高崎方面に乗車し「高崎駅」で下車、JR信越本線/横川方面に乗り換えて「横川駅」で下車。
車でアクセスする場合は、
●上信越自動車道松井田妙義ICより車7分、
●上信越自動車道松井田妙義ICより車7分 JR信越本線横川駅より徒歩3分 となります。
駐車場情報
アプトの道の駐車場情報については気になる人も多いと思います。アプトの道はハイキンゴースの途中にも駐車場があります。駐車場は「横川駅」「碓氷湖」「めがね橋」「熊ノ平」に駐車場があります。各駐車場は大型車も使用可能となっています。
碓氷湖駐車場は湖畔の近くにあり、所要時間にかかわらず無料で利用できます。めがね橋の駐車場は国道18号線を軽井沢方面に向かい進むと左側に見えていきます。熊ノ平駐車場はめがね橋方面から進行した場合国道の左側にあります、舗装がされておらず、駐車スペースの区切りもロープとなっています。
また、峠の湯にも駐車場があり、第二駐車場を利用すれば、そのままハイキングに行って戻ることも可能です。
アプトの道へ行くならおぎのやで峠の釜めしを買おう!
アプトの道にきたら、おぎのやの「峠の釜めし」は必ず食べたいグルメです。益子焼で作られた釜の中には、栗やキノコ、タケノコといった山の幸を味わうことができます。
1958年から作られた名物駅弁の本店というだけあり、おぎのやで食事をするだけに碓氷峠を訪れる人もいます。店内では、峠の釜めしのほかにも、「そば・うどん」なども頼むことができます。また、峠の釜めしは本店内のほかに、駅の売店、碓氷峠 鉄道文化むらなどでも購入が可能です。
住所 | 群馬県安中市松井田町横川399 |
---|---|
電話番号 | 027-395-2311 |
営業時間・定休日 | [平日] 10:00~16:00 9:00~16:00 |
駐車場の有無 | 駐車場あり |
アクセス | [車] ●上信越自動車道 松井田妙義インターより車で5分 [電車] ●JR信越横川駅すぐ |
アプトの道でハイキングを楽しもう!
群馬県にある、アプトの道はハイキングコースとして人気が高く、何度も訪れるリピーターも多くいます。その人気は、線路が敷かれていたため、人が歩くにも緩やかな勾配というのと広くて歩きやすい道という点です。小さな子供でも、歩きやすいため家族で訪れても楽しい群馬の人気スポットで峠の釜めしを味わいながらハイキングを楽しんでみてください。
住所 | 群馬県安中市松井田町横川443 |
---|---|
営業時間・定休日 | 通年・終日開放 ※アプトの道トンネル内の照明は午前7時から午後6時点灯 [定休日] 無休 |
駐車場の有無 | 駐車場あり |
アクセス | [電車] ●上越・北陸新幹線新潟・金沢方面「高崎駅」下車、JR信越本線/横川方面乗換後「横川駅」下車。 ●JR両毛線高崎方面「高崎駅」下車、JR信越本線/横川方面「横川駅」下車。 [車] ●上信越自動車道松井田妙義ICより車7分 ●上信越自動車道松井田妙義ICより車7分、JR信越本線横川駅より徒歩3分 |