ブラジルの治安の悪い理由は?治安の状況の悪さを解説!
ブラジルは活気溢れたイメージが強く都市部も自然豊かな場所にも魅力があります。しかし、ブラジル旅行で気になるのが治安です。一部では治安が悪いと言われているため注意が必要です。ブラジルの治安状況や旅行で注意すべきことについてまとめました!
目次
ブラジルへの旅行は危険?治安状況を知っておこう!
2016年にオリンピックがあったブラジルには、何かと親近感が湧く人もいるでしょう。しかし、オリンピックのときにも治安に注意するように呼びかけられていました。
オリンピックをするぐらいなので治安は良好では?というイメージを持つこともできますが、地域によっては治安が悪い場所があるのがブラジルの現状です。
今回は、ブラジルを旅行するにあたって、現在のブラジルの治安の状況や治安が悪いと言われている理由などについて紹介します。
ブラジルとはどんな国?
「ブラジル連邦共和国」は、人口約2億947万人のラテンアメリカ最大の領土を持つ国です。首都はブラジリアで最大都市はサンパウロです。ラテンアメリカ最大の経済規模も持つので何かと注目されています。
国民の多くがカトリック信者で、プロテスタント信者も存在しています。ブラジルはカーニバルが世界的に有名で、リオのカーニバルを見たいと観光に訪れる人もいるでしょう。
ブラジルには、かつて日本人が農業移民として住みついたため日系ブラジル人がいます。日経ブラジル人はブラジル国内でもステータスが高いと言われています。
ブラジルの言語
ブラジルでは、ポルトガル語が使われています。しかし、移民が多かった時代があるため、2世以降では親の国の言葉が話せる人も多いため、日本語や中国語、イタリア語、ドイツ語が堪能な人もいます。
ブラジルでは高級ホテルやレストランでは英語が通じます。しかし、それ以外の場所では通じにくいと思ってください。日本人学校もあるので、たまに日本語が通じる人もいます。
ただ、ブラジルでは言葉が通じなくても教育がされているため、コミュニケーションは何とかとることができるでしょう。
ブラジルの通貨
ブラジルの通貨は「レアル」です。2019年12月現在の1レアルは約25.8円です。アメリカドルはほぼ使うことができません。日本円からアメリカドルに両替し、レアルに両替するのが一般的です。
しかし、ブラジルでは治安が悪いため現金は持ち歩かないほうがいいと言われています。旅行者はカードを持ち歩き、カード払いをすることが多いでしょう。
ブラジルはカード払いが多いため、お店によっては現金でのお釣りを準備していないこともあります。そのため、お釣りがこないこともあるのでカードがおすすめです。
外務省発表によるブラジルの危険度
2019年12月におけるブラジルの治安は、ほぼ全域に危険レベルはついていません。しかし、一部では危険レベル1がついています。大フォルタレーザー圏やロライマ州北部、ブラジリア連邦区、大サンパウロ圏などで危険レベル1となっています。
危険レベル1がついている場所では、銃撃戦や麻薬や武器の密輸、殺人、強盗などが起きています。また、ベネズエラからの難民も流れてきており治安が悪い地域となっています。
2019年11月にも日本人が強盗の被害に遭っています。犯人はグループだったために逃げ道がなく、結果的に金品を奪われています。ブラジルでは抵抗すると殺される可能性もありとても危険です。
ブラジルの治安が悪い理由とは?
ブラジルは経済規模も大きく、世界的にも有名な国です。オリンピックまで開催した国でもあるのに、なぜ治安が悪いと言われるのでしょうか。
ブラジルの治安が悪い理由について紹介します。有名な国で、有名な都市だからといって必ずしも治安が良いとは限りません。実は世界的にも治安が悪く犯罪が多いのがブラジルです。
貧富の差
確かにブラジルは経済規模が大きい国です。しかし、貧富の差が激しく、国内にはスラム街も存在しています。貧富の差が激しいのは治安を悪化させる大きな理由の1つでしょう。
スラム街では金品を狙って観光客を誘拐したり、殺人事件に発展することもあります。貧困者は皆同じような場所に集まり犯罪をするため、一部の地域の治安は悪化し続けるのです。
ブラジルの富裕層はとても豊かな生活をしていますが、一方で貧しい人はとことん貧しいという状況が実際にあります。貧しい人の生活が向上しないと治安が悪い状況も続くでしょう。
ギャングの存在
治安が悪い理由にはギャングの存在もあります。ギャング同士で喧嘩することもあれば、ギャングが観光客を狙った犯罪を起こすこともあるでしょう。
ギャングは怖いもの知らずで犯罪をするため、ギャングが多いブラジルは治安が悪いのです。特にスラム街にはギャングが多くいます。銃を持っている可能性が高いので危険です。
薬物の取り引き
ブラジルでは、一部の地域で麻薬の密売や武器の密売が行われています。密売をしないと生活ができない人もいます。そのため、犯罪に手を染めているのです。
麻薬や武器が流出している状況こそが、ブラジルが治安が悪いと言われる理由にもなっています。ブラジルには麻薬組織もいます。
2019年には大統領に付き添う軍人のスーツケースの中からコカインが見つかったとして逮捕された事件もありました。軍人という社会的地位が高い人でも密輸に関わっているというのは治安が問題視される大きな理由でしょう。
ブラジルの都市別の治安状況
ブラジル国内は、貧富の差が激しいように治安の差も激しいところがあります。都市別にブラジル国内の治安を紹介します。
サンパウロ
ブラジル最大の都市サンパウロは、治安が悪い地域です。サンパウロでは麻薬や武器の密輸、犯罪組織同士による銃撃戦、窃盗事件などが起きています。日本人もサンパウロで強盗被害に遭っています。
サンパウロでは、どのエリアに行っても強盗がいるといわれるほど危険が漂っています。サンパウロ内の治安が良いとされる富裕層がいるエリアでも富裕層が狙われる事件が起きています。
武装集団による強奪や、殺人事件なども起きているので、治安が不安視されています。
リオデジャネイロ
リオデジャネイロはオリンピックもありましたがリオデジャネイロ市が危険レベル1と治安が比較的悪い地域です。殺人が多発しているエリアでもあり、武器を使った強盗も頻繁に行われています。
銃撃戦も多く、銃の流れ弾にあたって負傷したという観光客もいます。また、路上強盗や少年らによる強盗も多発しています。
オリンピックが終わってから犯罪率が上がっているので、オリンピックのときに大丈夫だったからと言って気を抜いた観光をしていては狙われてしまうでしょう。
クリチバ
実は日系人が多い都市です。過去には治安が安定していると言われていましたが、最近は悪化傾向にあります。理由はブラジル経済に不安があるためです。いわゆる不景気が原因の治安悪化です。
特に多いのが強盗事件です。銀行や商店などを狙った強盗もあります。また、スリや車上荒らしも起きています。
麻薬密輸組織による殺人事件も起きている場所なので、過去に治安が良かったとしても現在は気をつけないと危険です。危険レベルも1がついている都市です。
マナウス
マナウスも危険レベル1で治安が年々悪化している状況です。刑務所で大規模虐殺や集団脱獄が起きています。さらには、麻薬取引に関する事件も発生しています。
金品を狙ったスリ、強盗なども多発しているエリアなので注意してください。マナウス内でも治安が安定している場所もありますが盗難被害が相次いでいます。
最近は、スマホが狙われることも多いため、歩行中にスマホを見るのは危険です。
ブラジリア
首都のブラジリアも危険レベル1です。過去の治安の悪さに比べると少しずつ治安が良くはなっています。しかし、殺人などの凶悪犯罪が減っているだけで、強盗やスリなどの盗難事件は減っていません。
麻薬売買や、一部の貧困地域では殺人事件なども起きています。また、ブラジリアではデモにも気をつけなければなりません。大規模なデモが行われ暴動が起きることも考えられます。
ベレン
危険レベル1の都市で銃による犯罪が起きています。強盗や窃盗、殺人などがショッピングセンターなどで発生しており、観光客が狙われることもあるでしょう。
さらには、短時間誘拐や人質を使った立てこもり、カードのスキミング犯罪なども起きています。過去には、銃撃事件が発生したところ、車に乗っていた日本人が巻き込まれて死亡している事件もありました。
強盗に抵抗したために負傷した人もいます。ベレンの治安は今も昔も状況が変わらず悪いままなのです。
ポルトアレグレ
ブラジル国内でも治安が良いと言われていた場所ですが、最近は危険レベル1がつくほど治安が悪化しています。理由は、立て続けに起きた殺人事件です。
また、武器を使った強盗事件も起きています。2017年には日本人が強盗致死事件に遭っています。
現在のポルトアレグレは、昼間でも警戒しなければならないほど治安が悪いと言われているエリアです。
レシフェ
危険レベル1のエリアで、昼間でも銃器を使った強盗事件が発生しています。強盗犯と警察による銃撃戦が起きることもあります。
また、スラム街が多いエリアでもあり、スラム街では麻薬の密輸なども行われています。ギャングも多く、路上強盗が行われているので注意しなければならないでしょう。
ブラジルでの観光客をターゲットにした犯罪
ブラジルを旅行する観光客は犯罪に巻き込まれることがあります。実際に命を落とした日本人もいるのです。どんな犯罪が観光客を狙っているのか紹介します。
スリ・置き引き
スリや置き引きは当たり前のように起きています。ブラジルでは、空港を出た瞬間に金品目的の人が群がってくることもあるでしょう。
日中でも堂々とスリや置き引きはされるため、貴重品管理は違う国に行くときの何倍も気をつける必要があります。
強盗
路上強盗や、バスなどを襲う強盗など様々な強盗が行われるブラジルですが、とても危険なことに武器を使った強盗が多く起きています。
ショッピングセンターで狙われることもあれば、ATMを使用した後に狙われることもあります。犯人は武器を持っているため、従わないときには殺害される危険性もあります。
短時間誘拐
車を乗り降りするときや、車を停めているときに不審者が近づいてきて、誘拐され、拘束された上に拳銃などを使って脅される短時間誘拐が起きています。
脅した後にATMでお金を引き出させて奪い、その後は知らない場所で車から降ろされ、荷物も車も奪われて逃走されます。命に別状はないにしても、とても怖い思いをさせられる誘拐事件が増えています。
スキミング行為
カードを使用することが多いブラジルですが、スキミングも流行っています。とても困るのが、一流ホテルなどでも被害が起きていることです。
一流ホテルにおいて、一流のおもてなしができないところが、ブラジルの治安が悪いと言われる理由にもなっているでしょう。
ブラジル旅行をする際の注意点
ブラジルは治安が悪く、殺人事件も多いため怖いと感じる場所です。テロが起きていないため危険レベルは1までしかついていませんが、実際に殺害されている人もいます。
また、テロの危険性も全くないとは言えません。そんなブラジルを旅行するときの注意点について紹介します。
ファベーラ(スラム街)には行かない
ファベーラというのはブラジルではスラム街を意味しています。スラム街は貧困者が集まっており、観光客が訪れることができる雰囲気ではありません。万が一行くと、強盗などの被害に遭うでしょう。
ギャングも多く、麻薬にまつわる事件も勃発しています。ファベーラには近づかず、観光地を訪れてください。
夜間は外出しない
昼間でも事件が多々起きているブラジルですが、夜間になるとギャングの活動が盛んになり、殺人事件なども多くなるので危険度が増します。
夜間はホテルで部屋の施錠をしっかりし、大人しく過ごしましょう。
高価なものは身に着けない
高価なものを身につけていると、強引に奪われることがあります。また、明らかなお金持ちに見えるため、強盗や短時間誘拐のターゲットになってしまうでしょう。
持ち物は地味なものにしてください。強盗に遭ったときのためにも、金品は小分けして所持するのがおすすめです。
単独行動はしない
ブラジルでは単独行動をすると集団で襲われることがあります。1人で行動していた人が、3、4人に囲まれて強盗されたという事件もあります。
複数人での行動を心がけ、犯罪に巻き込まれる可能性を下げてください。女性の単独行動は、性犯罪に巻き込まれることもあるので絶対にやめましょう。
流しのタクシーやバスは利用しない
タクシーはぼったくりをされたり、強盗犯と共謀している可能性もあるのでオフィシャルタクシーや、正規のタクシーを使ってください。
バスは、強盗が乗りこみ、乗客の荷物を奪う事件があります。できるだけ使わず、タクシーを呼んでください。
ATMや両替所では最善の注意を払う
観光客がATMや両替所を使っていると、すぐに目をつけられてしまいます。周りに注意して使用してください。できることなら、現地での両替は頻繁にしないことをおすすめします。
ブラジルは治安が悪い地域に注意した旅行をしよう!
ブラジルは、観光しやすいエリアも存在していますが、多くの場所で事件が起きています。1番怖いのは殺人事件でしょう。
万が一強盗に遭ったときには、大人しく金品を渡して命を守ってください。治安が悪いと言われている地域での観光は、注意を高めましょう。