アメリカの気候や天気の特徴は?8つの区分で地域ごとに詳しく解説!
広大なアメリカ合衆国の気候は、大きく8つの気候区分に分かれています。この記事では、各区分の特徴と該当する州や都市を紹介し、天気や気温について詳しく解説しています。アメリカを旅行する予定のある方はぜひ参考になさってください。
目次
8つの区分で違う!アメリカの気候の特徴って?
国土の広いアメリカは、地域により気候区分が異なるのが特徴です。アメリカの気候区分は大きく8つに分かれていて、温暖湿潤な土地、晴天の多い土地、砂漠のような乾燥地帯などさまざまです。
それでは、8つの気候区分それぞれの天気の特徴と該当する州、州都の最低気温と最高気温、天気の年間での移り変わり等について、以下に詳しく見ていきましょう。
【アメリカの気候①】西海岸北部
太平洋に接したアメリカの西海岸、中でもシアトル、ポートランドなど北部は日本の札幌より緯度が高いのにも関わらず、それほど寒くないのが特徴といえます。全体的に過ごしやすく、特に夏は快適で日本のような不快な蒸し暑さがありません。
秋以降、徐々に曇りや雨が多くなり、冬には雪も降ります。アメリカ西海岸北部はアメリカの中でも雨が多い地域として有名で、特に秋~春にかけてよく雨が降ります。それでは、アメリカ西海岸北部の気候に該当する州の天気を見てみましょう。
ワシントン州
アメリカ西海岸最北部の州であるワシントン州の州都はオリンピアですが、ワシントン州を代表する都市であるシアトルを例にとってみてみましょう。
日本と同じく四季がありますが、年間を通じて極端な気温のアップダウンはなく、総じて過ごしやすい気候といえます。最低気温は-2℃ですが、冬場の平均最低気温は3℃、最高気温は31℃ですが、夏場の平均最高気温は26℃です。
特に夏は暑くなり過ぎず湿度の低い晴天が続くため、旅行や観光のベストシーズンです。秋以降は曇天が多くなり徐々に雨の降る率が高まります。シアトルの秋~春は雨が多いのが特徴ですが、豪雨ではなく霧雨が続くので傘を差さない人も多いです。
雨は11月下旬にピークを迎え、12月~1月には雪が降ることもあります。日本の首都圏のように雪に弱く、数センチの積雪でバスが止まることも。しかし、降水量そのものは多くありません。
年間を通じての湿度は低く、快適な気候、気温となる7月~8月が観光におすすめです。
オレゴン州
オレゴン州は北にワシントン州、南はカリフォルニア州に挟まれたアメリカ西海岸北部に位置する州です。州都はセイラムですが、最大都市ポートランドで年間の気候を見てみましょう。
夏は温かく晴れの天気が続き、乾燥しています。冬はさほど寒くありませんが湿気があるのが特徴です。ポートランドは内陸に位置するため夏に熱波が発生することがあり、最高気温が42℃になることも。
それでも平均最高気温は26℃です。一方、冬場の最低気温は-19℃を記録したこともありますが、平均最低気温は2℃で氷点下になることは滅多にありません。それでも年に数回程度は雪が降ります。
秋~冬にかけては雨が降りやすく、11月がピークです。10月~5月の降水量が年間降水量の90%を占めていますが、霧雨が多いため傘を差さない人のほうが多いです。観光旅行をするなら降水確率の低い5月~10月がおすすめ。
特に、湿気がなくカラリと気持ちの良い夏は、外を歩き回る観光に最適といえるでしょう。
【アメリカの気候②】西海岸南部
日本でいうアメリカ西海岸と言ってイメージする気候は、多くの場合アメリカ西海岸「南部」の気候を指しています。いつでもカラリと晴れ渡り、雨のイメージが全くありません。では、アメリカ西海岸南部の気候に該当する州を見てみましょう。
カリフォルニア州
ウエストコーストといったらカリフォルニアです。明るい太陽と青空のイメージがありますが、実際に降水量は少なく、年間のほとんどが良い天気という恵まれた気候であることが最大の特徴です。
ただ、カリフォルニア州は広大で南北に長く、海岸と山間部を要しているため、これら地域による気候の違いが目立ちます。特に、内陸部では年間の気温差が大きく、寒い冬とかなり暑い夏とに分かれます。
海岸でサーフィンをしている人がいる一方、山間部ではスキーをしている人がいるのもカリフォルニアの特徴です。また、州北部は州南部より降水量が多く、アメリカ西海岸北部の気候の影響を受けています。
それでは、カリフォルニア州の最大都市であるロサンゼルスを見てみましょう。最大の特徴は湿度が低く温暖で、年間を通じて非常に天気に恵まれているということ。晴天が多く、4月~10月は滅多に雨が降りません。
何をするのにも過ごしやすい天気なので、もちろん観光や旅行にもおすすめです。特に、夏場は日照時間が長く、日暮れは20時くらいなのでお得な気分に。サマータイムが導入されるも特徴です。
最高気温は夏には35℃くらいにまでなることもありますが、湿気がないせいか不快感がありません。平均最高気温は26℃くらいなので至って快適です。一方、平均最低気温は7℃、年間平均気温が20~21℃ですから、羨ましいほど気候に恵まれています。
年間を通じて激しい気温の移り変わりはありませんが、1日の中では気温が変動します。日中は陽ざしが強く、暑く感じられても朝晩は冷え込むことがあるため、脱ぎ着のしやすい服がラク。夏場でも羽織るものが必要です。
【アメリカの気候③】西部内陸部
広大なアメリカの西部内陸部には、イエローストーンやグランドキャニオンなど荒々しい自然の造形美が人々を魅了する国立公園が多くあります。これは、このあたりの気候に関係しているからで、アメリカ西部内陸部は人の住まない場所といわれてきました。
空気が乾燥している砂漠性の気候のため年間を通じて気温差が大きく、また、1日のうちでも寒暖差があるのが特徴です。それでは、アメリカ西部内陸部の気候に該当するネバダ州とアリゾナ州について見ていきましょう。
ネバダ州
ネバダ州は砂漠性気候と亜乾燥気候帯に属し、夏と冬の気温差が大変大きいのが特徴です。夏の最高気温は52℃まで上がり、冬の最低気温は-46℃にもなります。また、年間を通じて雨が少ないのも特徴です。
こうした厳しい自然環境のため、ネバダ州では人が住めるところが限られており、多くが最大都市ラスベガスに住んでいます。砂漠の中に突如出現するラスベガスもやはり砂漠性気候に属するため湿度が平均20%と低く、陽ざしが強いのが特徴です。
最高気温は約40℃、最低気温は約3℃です。冬には氷点下の気温になることもあり、たまに雪も降ります。夏の日中は大変陽ざしがきつく、気温も相当高いですが、夜には気温がグッと下がります。
夏と冬が長く厳しい気候ですが、春3月と秋10月の各々1か月間は過ごしやすくなるため、旅行や観光におすすめです。
アリゾナ州
広大なアリゾナ州の多くが乾燥気候で、標高が低い地帯は砂漠になっています。冬は暖かく、夏が非常に暑いのが特徴です。冬の平均最低気温は16℃と温暖。過去記録された最低気温でも4℃です。
その一方、夏の気温はとても高く、32℃以上になります。過去記録された最高気温は53℃。乾燥した砂漠の暑さです。また、昼夜の寒暖差も激しく、特に夏は28℃も開きます。
ただし、最大都市フェニックスのような都心部では、ヒートアイランド現象のため夜でもそこまで冷え込みません。フェニックスの夏は6月~9月まで続き、連日最高気温は37℃を超え、うだるような暑さです。
最も暑い日の平均最高気温はなんと41℃にもなり、最低気温でも29℃です。冬の平均最低気温は7℃、最高気温は19℃と、暖かい冬です。フェニックスは暑い街ですが、乾燥しているため、さほど苦になりません。しかし、陽ざしは強烈です。
夏の気温はとても高いため、フェニックスのあちこちで強力に冷房しており、かえって寒いほど。反対に温暖な冬は過ごしやすく、観光や旅行には冬がおすすめです。
【アメリカの気候④】中西部から東部
シカゴ、セントルイス、デトロイト、ミルウォーキーなどが属するアメリカ中西部からニューヨークに代表されるアメリカ東部までを1つの気候区分としています。夏は蒸し暑く冬は寒く、春・秋が過ごしやすいのが特徴です。
1年の寒暖差が大きく、観光や旅行には春か秋がおすすめです。このエリアの代表としてニューヨーク州とオハイオ州を見てみましょう。
ニューヨーク州
アメリカのニューヨーク州の最大都市ニューヨークは温暖湿潤気候です。最高気温は29℃、最低気温は-3℃で、日本のようにくっきりとした四季があります。しかし日本の四季と比べると冬の期間が若干長く、春が短めなのが特徴です。
冬の寒さは東京より厳しく、日本の東北地方の冬と考えるといいでしょう。冬場の最高気温は10℃を下回り、雪の日も多くあります。防寒対策は必須です。反対に夏は蒸し暑く、ヒートアイランド現象で体感はさらに暑く感じるでしょう。
観光や旅行におすすめなのは秋。ハリケーンシーズンの終わった10月~11月がベストといえます。
オハイオ州
アメリカのオハイオ州の気候は湿潤大陸性気候に属しており、夏は長く高湿で、冬は比較的短いですがとても寒く、風が強いです。過去最高気温は45℃、過去最低気温は-39℃というとてつもないもの。
しかし、最大都市コロンバスを見ると、最高気温は33℃、最低気温は-15℃です。夏場の平均最高気温は29℃で平均最低気温は19℃、冬場の平均最高気温は2℃で平均最低気温は-5℃となっています。
年間を通じて曇りが多く、観光に適したシーズンは6月~9月いわれています。
【アメリカの気候⑤】南東部とフロリダ中・北部
アメリカ南東部とフロリダ中・北部の気候は、日本の四季のようにクッキリしています。夏は日本より蒸し暑さが強く、冬は日本よりずっと寒いです。この気候帯に属するテキサス州、ケンタッキー州、ジョージア州について見てみましょう。
テキサス州
アメリカのテキサス州は大変広く、温暖湿潤気候、ステップ気候、亜熱帯性気候など州内に複数の気候区分があるため、地域により天気が様変わりします。降水量1つとっても、たとえばエルパソでは年間わずか200㎜ですが、ヒューストンでは1,370㎜です。
州西部では冬に何回も雪が降りますが、州北部では1~2回、州中部と東部では数年に1回しか降りません。最高気温も地域により大きく異なります。有名なリオ・グランデ渓谷では38℃にもなりますが、テキサス州のほとんどは32℃程度、西部では26℃程です。
代表都市ダラスでは、夏の最高気温は36℃、冬の最低気温は4℃です。夏は蒸し暑く、冬は寒くて風が強いのが特徴です。ダラスを観光で訪れるなら5月~9月がいいでしょう。
ケンタッキー州
アメリカ中東部にあるケンタッキー州の気候は温暖湿潤気候で、夏の平均最高気温は31℃、冬の平均最低気温は-5℃です。代表都市レキシントンでは、夏の平均最高気温が30℃で平均最低気温が20℃、冬の平均最高気温が5℃で平均最低気温が-3℃です。
夏は高湿ですが異常なほどの高温ではありません。冬はとても寒く、また湿度も高いです。11月末~3月下旬までは雪が降ります。レキシントンを観光で訪れるなら天気の良い6月~7月がおすすめです。
ジョージア州
ジョージア州の州都はオリンピックも行われたアトランタ。夏は蒸し暑いですが、冬は温暖です。1年で最も寒い1月の平均最高気温は6℃、平均最低気温は1℃と氷点下を下回りません。
1年で最も暑い7月の平均最高気温は32℃、平均最低気温は21℃です。年間を通じて平均的に雨が降り、湿度も高い方です。日本の福岡と同じくらいの緯度にあります。
春や秋の天気は過ごしやすく、花や紅葉が楽しめるので、観光に訪れるなら春、秋がおすすめです。
【アメリカの気候⑥】フロリダ南部
年間を通じて天気が良く、「サンシャインステイト(陽光の州)」というあだ名もあるフロリダ州南部。日本のような四季ではなく、降水量の多い時期と少ない時期で分かれるのが特徴です。
5月~10月にかけては雨が多い雨季と思っていいでしょう。冬は暖かく天気も安定しているため、避寒地としてにぎわっています。アメリカの中でも年間を通じて気候が温暖な地域です。
しかし、夏から秋にかけてはハリケーンの通り道となるため、観光にはおすすめできません。
マイアミ州
代表都市のマイアミを見ると、最高気温は33℃、最低気温は16℃となっており1年を通じて温暖です。しかし、真夏は蒸し暑く、夕立も多くて天気が不安定です。反対に冬は乾燥し、日中の気温が24℃くらいまで上がるので過ごしやすいといえます。
12月下旬~3月にかけてのオンシーズンには世界中から観光客から訪れています。
【アメリカの気候⑦】ロッキー山脈東部
アメリカロッキー山脈から東部にかけてのエリアは、周辺に山や森がない「グレートプレインズ」と呼ばれる大平原。雨が少なく、乾燥した気候が特徴です。4月~6月にかけては竜巻がよく起こることも有名です。
コロラド州
アメリカ西部のコロラド州の最大都市デンバーの気候を見てみると、大陸性の準乾燥地帯のため1日の気温差が大きく、平均して15~20℃近くの差があるのが特徴です。夏の平均最高気温は32℃を超えますが、最低気温は平均15℃まで下がります。
真冬は日中6℃程度まで気温が上がりますが、夜間は平均-8.5℃まで下がります。夏でも夜になると涼しく、冬は日中穏やかでも夜になると非常に冷え込みがきついのが特徴です。年間を通じて降水量は多くありません。
「デンバーは年間300日晴れる」とさえ言われますが、実は曇りが120日を占めています。また、11月~4月にかけては雪が降ります。グレートプレインズに位置するデンバーでは竜巻だけでなく雹も発生しやすく、しばしば市民生活に影響を与えています。
【アメリカの気候⑧】五大湖から北東部
アメリカ五大湖から大西洋を臨むニューイングランド地方にかけての気候は、冬の厳しい寒さが特徴です。内陸部であるほど雪が多く、1日の寒暖差も年間の気温差も大きいです。
ミネソタ州
アメリカ中西部北部、カナダに接したミネソタ州は、夏は暑く、冬はとても寒い地域。過去最低気温は1996年の-51℃という記録が残っています。過去最高気温は1936年の46℃です。
最大都市ミネアポリスでも冬の気温は-20℃を下回ることがある一方、夏は30℃を超える蒸し暑い日があります。とはいえ夏場の平均最高気温は22℃です。冬場の平均最高気温は2℃未満。真冬では最高気温が-5℃です。
「アメリカの冷蔵庫」といわれるくらい寒いのが特徴で、冬場には車のタイヤ跡が凍る「スクエアタイヤ現象」や、車の排気ガスが凍る「ブラックアイス現象」が起きます。
ミシガン州
アメリカ五大湖地域のミシガン州の気候は夏は暖かく、冬は大変寒いのが特徴です。ミシガン州の最大都市デトロイトでの夏の最高気温は平均で23℃、最も暑くても28℃です。冬の最高気温は平均で5℃未満。真冬の最高気温は平均で0℃です。
一方、最低気温は夏場で19℃、冬は-7℃です。冬は風も強いため体感温度は非常に寒いものとなります。デトロイトを観光するなら6月~9月にかけての温暖な時期がいいでしょう
アメリカを旅行する前に気候を知っておこう!
アメリカは大変広いため気候も地域によってだいぶ変わります。訪れる場所により服装も大きく変わるため、事前に気候に関する情報を集め、しっかり準備しておきましょう。