神流湖(埼玉)でおすすめの見どころ！人気の観光スポットも紹介

神流湖（かんなこ）は、埼玉県と群馬県の県境を流れる神流川（かんながわ）中流に位置している湖です。流域面積は約322.88平方キロメートル。総貯水量は130,000,000立方メートルにも達する関東最大級の人工湖で、昭和43年に完成した下久保ダムによって神流川が堰き止められて誕生しました。

豊かな自然に恵まれた神流湖は関東屈指の人気観光スポットであり、気分転換の散策に最適。雄大な山々に囲まれた林道は、ハイキングやドライブにおすすめです。

そこで今回は、神流湖の見所や周辺情報などをまとめてみました。関東の景勝地に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

神流湖（かんなこ）というユニークな湖名は、傍らの下久保ダムを流れる一級河川・利根川水系「神流川（かんながわ）」の名前に由来しています。

ちなみに神流川という名称も、神（カム）の川→かみな川→かんな川と撥音便化したものです。関東圏には「神」の名を冠する地名や景勝地が少なくなく、昔の人々が大自然に対して畏敬の念を抱いていたことがうかがえます。

神流湖は自然景観を眺めるだけでなく、釣りが出来る観光スポットとしても人気があります。桟橋から、または湖上にボートを出して釣竿を垂らせば、活きの良い魚を釣り上げられます。

また、神流湖は心霊スポットとしても有名です。神流湖ができた経緯には悲劇的な裏話があり、幽霊が出るともっぱらの評判。実際、夜中に神流湖に行くと、日中とは異なる不気味な雰囲気に圧倒されます。

公共交通機関を利用して神流湖に行く場合、JR高崎線の電車に乗って新町駅で下車してください。新町駅のバス停から日本中央バスに乗れば、ダムサイト入り口まで約1時間で行けます。

自動車で神流湖まで行く場合は、関越自動車道・本庄児玉インターチェンジから国道462号経由で藤岡方面へ向かえば約40分で現地に着きます。上信越自動車道・藤岡インターチェンジからなら、群馬県道・埼玉県道13号前橋長瀞線経由で国道462号を通れば約40分で神流湖に行けます。

神流湖の一つ目の見所は、釣りを楽しめることです。紅葉がピークを迎える10月～11月頃には、美しい自然風景を眺めながらのんびり魚釣りができて最高の時間を過ごせます。

釣り料金（遊漁料）は、一日あたり1,000円程度。ただし、現地には釣り具レンタルサービスが無いので、釣り竿やエサなどは全て自分で持参する必要があります。

神流湖には、ワカサギ、サクラマス、ヘラブナなど多種多様な魚が生息しており、シーズンによってはブラックバス釣りも楽しめます。神流湖の水は魚のエサであるプランクトンが非常に豊富で、びっくりするほどの大物を釣れる絶好の釣りスポットです。

ただし、ヘラブナの持ち出し禁止、コクチバスの再放流禁止、9月下旬～2月下旬までの禁漁期間はサクラマス釣り禁止など、いろいろな釣りルールがあります。神流湖で釣りをする際は、最低限のマナーを守りましょう。

＞＞神流湖湖面利用ルール

神流湖では、釣り桟橋から釣竿を垂らす他に、レンタルボートを出して魚釣りも行えます。

レンタル料金は一日あたり2,000円程度。神流湖は意外と水流が激しく、釣りポイントを見極めるのが難しいですが、ボートならワカサギなどの魚を手堅く釣り上げられます。

ボートを借りたい時は、神流湖の近くにある「神流湖観光ボート」または「神泉ボート」で受付してください。

神流湖は、NBC（NIPPON BASS CLUB）が開催しているNBCチャプターバス釣り大会の会場になっています。

NBCバスマガジンの購読者なら、どなたでもトーナメント出場可能。バス釣りプロへの登竜門であるNBCチャプターで上位入賞を果たせば、記念の盾など豪華賞品を貰えます。腕に自信のある方は、ぜひ奮ってご参加ください。

＞＞NBCチャプタートーナメントの参加方法

神流湖の二つ目の見所は、カヌーなどのレジャーも楽しめることです。心地よい風を浴びながら神流湖を水上散策すれば爽快感抜群。湖の水位が高いと消えてしまう幻の島にも接近でき、遠くから見ているだけでは分からない秘境を冒険できます。

カヌーは現地でレンタル出来る他、持ち込みも可能。ただし、持ち込みでもスロープ使用料として一日あたり1,000円程度の料金がかかります。

また、関東の旅行会社の中には、神流湖をカヌー・カヤックで探検できるキャンプツアーを企画している所もあります。

ガイド付きなので、カヌー漕ぎ未経験者でも気軽に挑戦可能。何かあった時にも迅速に対応してもらえる安心感もあります。

＞＞神流湖方面のカヌー・カヤックオプショナルツアー予約

神流湖のある国道462号線周辺は、鬱蒼と茂る木々に囲まれた林道です。奥地の道は舗装されていますが若干路面が悪く、スリリングなドライブを楽しめます。

何より、巨大な堤体がそびえ立つ神流湖の眺望は格別。ダム水源地環境整備センターが選定した「ダム湖百選」にも選ばれているだけあり、四季折々の表情を見せる雄大な景色を見ながらバイクを走らせれば最高のツーリングを楽しめます。

神流湖の三つ目の見所は、心霊スポットの存在です。明るい時間帯に行くと、神流湖周辺はたくさんの釣り客やカヌー客で賑わっています。しかし、日没後には一気に静まり返り、無人の湖畔に不気味な空気が漂います。

1968年（昭和43年）に下久保ダムが竣工した際、神泉村矢納集落という一つの集落が神流湖の底に沈みました。そのため、神流湖周辺には幽霊が出ると噂されている心霊スポットがたくさんあり、肝試しに訪れるオカルトファンが少なくありません。

一つ目の神流湖の心霊スポットは、琴平橋（金比羅橋）です。県道331号線と国道462号線を繋ぐ真っ赤な吊り橋で、神流湖の西側に架かっています。

緑の湖面に映える血のように赤い色に引き寄せられるのか、琴平橋（金比羅橋）は自殺の名所として知られており、橋の上から湖に向かって飛び降りる方が少なくありません。橋のあちこちに供養の花が供えられていて、現在では飛び込み防止のためにネットが張り巡らされています。

夜中に行くと、橋から入水を図った自殺者の幽霊が現れるともっぱらの評判です。日没後には辺りが真っ暗になるので、車やバイクで通る際は交通事故にもお気を付けください。

二つ目の神流湖の心霊スポットは、下久保トンネルです。神流湖の北東部にある長さ約200メートルほどのトンネルで、直進するだけの小さな道ですが昼間でも異様な暗さに包まれています。

下久保トンネルの脇には第二次世界大戦の戦死者を祀る忠霊塔があり、夜中に通ると成仏しきれない兵士の亡霊が出ると言われています。

また、琴平橋（金比羅橋）のすぐ近くにある門ヶ谷トンネルも心霊スポットとして有名です。地元では「お化けトンネル」とも呼ばれていて、通ると生首が飛んでくる、黒い影に追いかけられる等の噂が広がっています。

三つ目の神流湖の心霊スポットは、新井さんの家です。神流湖の南側、県道331号線沿いにある廃屋で、下久保ダム建設の際に移転を余儀なくされた神泉村矢納集落跡の一つです。

近くに新井家之墓というお墓が建っていることから新井さんの家と呼ばれているだけで、実際に住んでいた方が新井さんだったかどうかは不明。しかし、廃墟に向かって話しかけると返事が聞こえる、廃屋から何か持ち帰ると電話がかかってくる、などの心霊話が後を絶ちません。

下久保ダムが造られた際に、埼玉県と群馬県の2県4町村にまたがる321戸・364世帯の旧居が湖の底に水没したことは紛れもない事実です。最後までダム建設に反対し不本意なまま故郷を去った方、ダム建設中に事故で亡くなった方などが大勢いることを考えると、怖いというより悲しい心霊スポットと言えるのかもしれません。

神流湖は、東京方面から車で2時間程度で行ける景勝地です。周辺には神流湖以外にも様々な観光スポットがあり、気分転換の日帰り旅行にピッタリです。

ここでは、神流湖周辺にあるおすすめの観光スポットを見ていきましょう。

一つ目のおすすめの観光スポットは、下久保ダムです。堤高129メートルの重力式コンクリートダムで、利根川上流に9つあるダムの一つ。洪水調節・水力発電・工業用水など、様々な目的で造られました。

上流に向かってL字型に折れ曲がっているユニークな形状が特徴的。周辺の山々の景観とマッチしていて、春や秋には花見スポットとして大人気です。点検のために不定期に放水イベントが実施されており、1時間で約6万立方メートルもの水が勢いよく放流されます。

＞＞ダム見学の申し込みフォーム

二つ目のおすすめの観光スポットは、城峯公園（じょうみねこうえん）です。下久保ダム南方の高台にあり、標高500メートル付近から周辺の景観を一望できます。

キャンプ場が併設されていて、テントやコテージに泊まってバーベキューを楽しめます。また、園内には数百本もの冬桜が植樹されており、開花時期の10月下旬から12月上旬にはライトアップイベントが実施されます。

三つ目のおすすめの観光スポットは、桜山温泉 絹の里別邸です。2013年2月に閉館した旧桜山温泉センターうしおの湯が2015年6月にリニューアルオープンした日帰り温泉施設で、高台から周辺を一望できる露天風呂やサウナなどの施設を完備しています。

地元の旬の野菜をたっぷり使ったレストランもあり、海鮮ちらし丼やジャンボ海老イカ天丼などの美味しい食事を楽しめます。

神流湖の南方の丘陵地には、「冬桜の宿 神泉（かみいずみ）」というホテルがあります。ちょうど城峯公園に登る途中に位置していて、神流湖周辺を拠点とした観光旅行時に大変重宝します。

客室からは、神流湖・浅間山・谷川連峰などの雄大な自然を一望可能。地元産のヒノキをふんだんに使った風流な内風呂・露天風呂は、健康効果抜群の薬湯です。

釜飯・刺身・天ぷら等がセットになった「冬桜御膳」や、武州牛メンチ入りの「下久保ダムカレー」などのご当地グルメも充実。居心地の良い施設内で、快適な宿泊を実現できます。

今回は、神流湖の見所や周辺情報などを紹介いたしました。

釣りやカヌー、心霊スポット探索などを楽しめる神流湖は、関東の中でも異色の景勝地。自分の趣味嗜好に合わせて、思い思いの観光を楽しめます。

埼玉・群馬方面を訪れる機会があれば、ぜひ本記事を参考にして神流湖にも足を運んでみてください。