広島県宮島の鹿は凶暴?厳島神社では鹿せんべいなどの餌やり禁止?
広島県宮島にはたくさんの鹿がいますが、宮島の鹿は奈良の鹿よりも凶暴と言われています。この記事では、宮島の鹿・厳島神社の鹿に鹿せんべいなどの餌やりが禁止されている理由について詳しく説明しました。鹿が苦手な方のために、鹿が少ない時期も説明しました。
目次
広島県宮島や鹿について紹介!
広島県宮島は鹿がたくさんいるということで有名です。この記事では、広島県宮島に鹿が多い理由や餌やりについて詳しく説明していきます。
広島県の宮島とは
広島県の宮島は通称で、正式名称は厳島です。厳島は、西日本の広島湾に浮かんでいる小さな島で、島のほぼ全域が森林に覆われています。
宮島に仕事などで滞在する人の数は、およそ1800人です。ただ、国内外から宮島には年間300万人を超える観光客が訪れているため、毎日のように賑わっています。
宮島は、観光客にとても人気の場所で、2011年に「外国人に人気の日本観光スポット」で1位を獲得しています。ちなみに、2位も広島県で「広島平和記念資料館(原爆ドーム)」でした。
厳島神社とは
宮島と聞くとあまり何も思い浮かばない方が多いですが、厳島と聞くと「厳島神社」がパッと思い浮かぶ方は多いです。厳島神社は1996年に世界遺産に登録されていることでも有名な神社で、全国に500社以上もある厳島神社の総本社です。
現在の厳島神社の社殿は、平清盛によって作られたもので、本殿や拝殿・回廊などは国宝や重要文化財に指定されています。平家由来の工芸品類は今でも残されていることでも知られています。
平安時代から信仰されていたという宮島には厳島神社以外にも多くの神社があり、多くの観光客が訪れています。厳島神社で有名なのは、沖合に立つ壮大な朱色の大鳥居ですが、この厳島神社の大きな鳥居は干潮時には歩いて渡ることができます。
宮島や厳島神社には鹿が多い?
宮島や厳島神社には、とても鹿が多いので、必ずと言っていいほど鹿を見かけます。ここからは、宮島や厳島神社に鹿が多い理由について詳しく説明していきます。
元々人が住む前からいた
実は、宮島や厳島神社にいる鹿は、元々人が住む前からいたと言われています。つまり宮島や厳島神社には元々鹿がいて、昔から鹿がいたという記録も残っているのです。
そのため、たまにネット上では「宮島を観光名所にするために、4〜5頭の鹿が観光の為に奈良から連れて行かれた」という話が出回っていますが、これは間違いです。
ただ、宮島・厳島は本土から離れた孤島です。鹿たちはどうやって宮島に降り立つことができたのでしょう。実は、鹿は泳ぐのが得意です。鹿は長距離を泳ぐことができる生き物なので、泳いで宮島に降り立ったと言われています。
鹿が繁殖した
孤島の宮島に降り立った鹿は、どんどん繁殖していきました。それだけでなく、宮島に泳いでたどり着く鹿はかなり多かったと言われていて、その鹿たちも繁殖してどんどん増えていきました。
鹿たちは時間をかけて、数を着実に増やして言ったのす。
鹿の狩猟が禁止されている
そして、宮島・厳島では鹿の狩猟が禁止されているのです。神社に詳しい方であれば分かると思うのですが、神の使いとして鹿を祀っている神社もあります。例えば、春日大社などがそうです。
そのため、神の使いである鹿を狩猟するわけにはいかないということで、宮島に住む人たちは鹿を殺してしまうことができませんでした。宮島には鹿の天敵となるような生物がいなかったため、どんどん増えていきました。
ただ、数千頭はいた宮島の鹿も、戦後にGHQが娯楽でハンティングをしたことで、500当前後くらいまで数を減らしたと言います。
宮島の鹿には鹿せんべいなどの餌やり禁止!
奈良の鹿には、鹿せんべいを購入して鹿せんべいを食べさせてあげるという風習がありますが、宮島の鹿には鹿せんべいなどの餌やりは禁止されています。
なぜ、宮島の鹿には鹿せんべいなどの餌やりが禁止されているのか、詳しく説明していきます。
餌やりを禁止する理由
宮島の鹿たちに鹿せんべいなどの餌やりが禁止されている理由は、宮島の人間に慣れ親しんだ鹿を野生に返すためです。実は、宮島の鹿たちも奈良の鹿のように、人間から餌やりを受けていきていました。
そうした時代が長かった鹿は、野生本来での行き方を忘れてしまったのです。人に慣れ親しみ、野生としての直感を忘れてしまった鹿は、自分で山に入って餌を見つけるということが難しくなったのです。
そのため、空腹の鹿が、人間の土地に入って畑で育てていた農作物を食い荒らしてしまったり、住居に侵入してしまったりという被害も出てきました。ただ、やはり「鹿は神の使い」ということで鹿を狩猟することはできなかったのです。
そのため、現在は宮島の鹿に餌をやることは禁止されています。実際に、宮島観光中には「鹿への餌やり禁止」の看板をたくさん見かけます。宮島の鹿への餌やりは、2008年から禁止されました。
鹿せんべいなどの餌やりを禁止すると同時に、栄養状態の悪い鹿たちを保護して、山に返すということもされていたようです。こうした努力のかいもあり、2012年前後には鹿の数が半分になったのです。
もちろん、宮島の鹿も貴重なのですが、宮島の鹿が大幅に増えて行ったことで宮島でしか見られない植物がどんどん数を減らしていきました。宮島の生態系を守るためにも、宮島の鹿への餌やりはやめるべきなのです。
宮島の鹿は凶暴?餌やりをする危険性
宮島の鹿を野生に戻すための方法として、鹿せんべいなどの餌やりが禁止されるようになりましたが、そもそも宮島の鹿は凶暴のため餌やりは危険とも言われています。これについても、詳しく説明していきます。
宮島の鹿の口コミ
宮島の鹿の口コミを調べてみたところ、食べていたものを宮島の鹿に奪われてしまったという経験をしている人はかなり多かったです。
詳しく説明すると、「食べていた弁当を鹿に食べられてしまった」「ソフトクリームを舐めていたら後ろから鹿にどつかれた」「鹿に服をかじられた」「食べ物を食べていたら鹿に囲まれて怖かった」という口コミがありました。
食べ物を食べているだけでこのような状況なので、鹿にすすんで餌やりをやってしまうと、「あいつは食べ物をくれる人間だ!」と鹿に思われてもっと多くの鹿があなたの元に駆け寄ってくるでしょう。
大変危険なので、絶対に鹿に餌やりをしないようにしてください。
宮島の鹿には注意しよう!
ここからは、注意すべき宮島の鹿について詳しく説明していきます。宮島を観光する前に、ぜひ注意すべき宮島の鹿について知ってください。
どんな鹿が危険?
宮島にいる鹿で、どんな鹿が危険なのかというと、子鹿や空腹・発情期の鹿です。宮島にいる子鹿はとてもかわいらしいです。宮島に入るとすぐにある桟橋では子鹿を見かけることが多く、生後1ヶ月〜2ヶ月程度の小さな鹿にとても癒されます。
ただ、かわいいからと言って子鹿に触りたくなって手を伸ばしたりするのは絶対にやめましょう。近くには必ずその子鹿の親・親鹿がいます。親鹿は、自分の子に触ろうとしたあなたに攻撃を加えてしまう可能性が高いので危険です。
さらに、生まれたての小鹿を人間が触ってしまうと別の問題も生じてしまいます。人の匂いがついてしまった子鹿は、親鹿が育てなくなってしまうこともあるのです。そのため、子鹿には、絶対に触らないようにしてください。
また、空腹状態や発情期状態の鹿も、イライラしていることが多いためかなり危険です。とはいえ、子鹿のように小さいなどの特徴がないため、どの鹿が空腹状態・発情期状態なのかを知るのは難しいです。
また、若い鹿や大人の鹿も観光客にぴったりとついて行くことがあったり、食べ物を見ると態度を豹変させたりします。そのため、宮島を観光する際は、とにかく鹿には気をつけるようにしてください。
安全な鹿の特徴をチェック!
ここからは、比較的安全と言われている鹿の特徴をチェックしていきましょう。宮島には何十年もいき続けている、おじいちゃん・おばあちゃん鹿が住んでいます。
これらの鹿は、若い鹿と比べてかなりおっとりしているため、他の鹿よりは危険度は少ないです。ただ、ちょっかいをかけてしまったり、餌やりをするのは危険なのでやめましょう。節度を持った行動・マナーを守って行動するようにしてください。
宮島の鹿が少ないおすすめの時期は?
では、宮島の鹿が少ないおすすめの時期はいつなのでしょう。宮島の鹿が少ないおすすめのシーズンは、4〜6月です。なぜこの時期に宮島の鹿が少ないのかというと、4月から6月は「鹿の出産シーズン」なのです。
そのため、普段は宮島にきた観光客の食べ物を狙っている鹿たちも、出産のために人里から離れた山奥に行って出産をしているのです。
逆に、鹿の出産シーズンの直前に宮島を観光すると、出産のための栄養を蓄えるためにメス鹿が観光客に餌をいつも以上にねだっていたりします。
鹿の出産シーズンの直後も注意する必要があり、出産したばかりの母鹿は子鹿を守るためにかなり凶暴になっていることがあります。宮島を観光する際は鹿の出産シーズンを意識していくようにすると良いでしょう。
広島県の宮島への行き方
ここからは、広島県の宮島への行き方について詳しく説明していきます。広島県宮島に行く場合は交通機関で行く方法と車で行く方法の2つがあります。実際に、宮島へ行こうと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
交通機関での行き方
交通機関で宮島へ向かうのであれば、電車がおすすめです。まず、JR広島駅から山陽本線で「宮島口駅」まで向かってください。JR広島駅から「宮島口駅」まではおよそ27分かかります。
「宮島口駅」についたら、近くにあるフェリー乗り場まで歩いていってください。「宮島口駅」からフェリー乗り場までは、徒歩で数分です。フェリーにおよそ10分乗船すると宮島に到着します。フェリーは180円かかります。
また、路面電車を使用して行くこともできます。路面電車を利用するのであれば、広島電鉄・広島駅から「広電宮島口駅」まで行くようにしてください。
時間はおよそ1時間かかりますが、270円で行くことができるので料金を抑えて旅行したい方におすすめです。また、広島県の宮島には、「宮島口駅」以外からも船が出ています。
宮島の港は「宮島桟橋」ですが、平和公園元安橋桟橋から世界遺産航路を通っておよそ40分で宮島に行くことができます。世界遺産航路を通るルートは、値段が2200円となっていて、一番宮島に行くのにお金がかかる生き方です。
それ以外にも、グランドプリンスホテル広島から宮島桟橋まで32分の高速船が出ていたり、広島マリーナホップから高速船でおよそ25分で宮島まで行けるので、船に乗っていきたい方はこちらの行き方で行くと良いでしょう。
車での行き方
関西方面から車で宮島に向かう場合について説明していきます。まず、広島岩国道路廿日市ICで降りてください。その後、国道2号を進んでいくと「宮島口フェリー乗り場」に到着します。フェリーに乗車すると、10分で宮島に着きます。
フェリーには車も乗船できますが、宮島の観光地は車で移動することはできません。そのため、車は宮島口の駐車場に止めた状態で宮島を観光することになります。
九州方面から宮島へ向かう場合は、広島岩国道路大野ICで降りてから、上と同じルートを通ってください。
広島県宮島を観光するなら鹿には気をつけよう!
広島県宮島の鹿について詳しく説明してきましたが、いかがだったでしょうか。宮島の鹿には餌やりが禁止されていて、奈良県の鹿のように鹿せんべいをあげることはできません。
これは、広島県宮島の生息している鹿が、人に慣れ親しんで餌をもらううちに、野生としての直感を忘れてしまって山に入って餌を自分で見つけるということができなくなったためです。
野生の直感を忘れた鹿は人間の土地に入って、畑で育てていた農作物を食い荒らしてしまったり、住居に侵入してしまったりという被害も出てきました。
ただ、「鹿は神の使い」と言われていたため、住民の人たちは鹿を狩猟することはできなかったと言います。現在では、宮島の鹿に観光客が餌をやったりしないように、宮島のいたるところで「鹿への餌やり禁止」の看板を見かけます。
広島県宮島を観光する時には、奈良の鹿のように鹿せんべいを食べさせることはできません。鹿と正しい距離を保ちつつ、宮島を観光するようにしましょう。