ルーマニアの治安は最悪?ブカレストなど旅行で危険な場所も解説
ルーマニアの治安は、最悪と言われるほど危険に満ちているというイメージを持つ日本人もいます。しかし、現代のルーマニアは犯罪が年々少なくなるほど治安が改善されています。ただ治安が悪い地域もあります。旅行するにあたり、注意したい点などもまとめました!
目次
ルーマニアへの旅行は大丈夫?治安は最悪なの?
ルーマニアには、美しい自然や素晴らしい歴史、ホレズ修道院などの世界遺産、ルーマニア美人など魅力がたっぷりあります。しかし、その一方でルーマニアの治安は最悪という情報もあります。
今回は、ルーマニアの治安が本当に最悪なのか、どこが危険なのかについて紹介します。旅行者が安全に旅行できるためにルーマニアで注意したいことについてもまとめました。
ルーマニアの良さを実感し、危険性や注意点を把握してください。
ルーマニアとはどんな国?
共和国ではありますが、「ルーマニア」が正式名称です。ヨーロッパに位置し、ウクライナ、ハンガリー、ブルガリア、モルドバ、セルビアが隣国です。首都はブカレストで最大都市もブカレストです。
人口は約1900万人で国民のほとんどがルーマニア正教会を信仰しています。プロテスタントやカトリックの信仰者もいます。
「モルダヴィアの教会群」、「シギショアラ歴史地区」などの世界遺産があり2019年現在で合計6つの文化遺産と「ドナウ・デルタ」の自然遺産があります。
ルーマニアの言語
公用語はルーマニア語で、フランス語やドイツ語、ハンガリー語を使う国民もいます。ほとんどがルーマニア語ですが、ルーマニアでは英語も通じます。
観光地なら英語で十分でしょう。ルーマニアでは、7歳から14歳までの義務教育があります。その中で外国語の授業もあるので英語教育もしっかりしているのです。
また、日本語学校があったり大学で日本語講座が取り入れられていたりと日本語に目を向ける人もいます。そのため、日本語が分かるルーマニア人もいるでしょう。ただ、多くはないので英語が必須です。
ルーマニアの通貨
ルーマニアの通貨は「ルーマニアレウ」です。2019年11月現在、1ルーマニアレウは約25円です。2ルーマニアレウで約50円と計算したほうが分かりやすいでしょう。
アメリカドルやユーロからの両替なので、日本円を一度ドルかユーロに換えてください。ユーロでの支払いが可能なこともあるため、ユーロがよりおすすめです。
観光地ではカードも使うことができますが、現金払いのみとなる地域もあるので、両替した現金もいくらか持っておきましょう。
ルーマニアの現在の治安情報
2019年のルーマニアの治安は、危険レベルがありません。そのため、治安が最悪とか危険すぎると言われた時代からは変わっています。しかし、ブカレストで反政府のデモが行われるときには注意が必要です。
また、車を運転しているときに携帯電話を見ることは禁止されています。罰金制度が取り入れられているので、日本同様に気をつけましょう。このように、急に変わる情報もあるので、旅行前に必ず外務省のページをチェックしてください。
テロは発生していませんが、ヨーロッパにおける近隣国のテロには注意してください。その他の治安情報も紹介します。
路上犯罪は多いが治安は改善されつつある
ルーマニアは2012年に犯罪発生率がピークでした。その頃に比べると毎年犯罪発生率が下がっています。しかし、スリ、ひったくり、置き引きなどの路上犯罪はまだ多く発生しています。
車上を狙った犯罪や強盗、ATMでの強要、暴行なども起きています。犯罪発生率が下がっているとは言え、2012年はまだ数年前です。治安は安定してきていますが、危険が0にはなっていないところには注意しましょう。
ただ、ここ数年、とても旅行しやすい国として注目されています。特に、凶悪な犯罪が減っているところは安心できる大きな要素でしょう。
ヨーロッパ各国と比較しても犯罪は少ない
ルーマニア以外のヨーロッパを見ると、スウェーデンやイギリス、フランス、ドイツ、ベルギー、ロシアなどでテロ事件が起きています。ルーマニアではテロ事件が発生していません。
その他の犯罪もルーマニアは少ないほうです。そのため、ヨーロッパ内でも治安が良い国と判断できます。旅行先にルーマニアを選択するのは、その意味でもおすすめです。
ルーマニアで注意したい危険な地域
治安が良いルーマニアも、最悪の治安というイメージが抜けない人もいます。ルーマニアの治安が最悪と思われるのは、危険な地域があるからです。
ルーマニアは全体的には、危険レベルがなく治安が安定しています。しかし、地区によっては危険もあります。どの地区により注意すべきかについて紹介します。
ブカレスト
ここは、国際空港において過去に日本人の女子大生が殺害された事件がありました。空港で声をかけられた男性から首を絞められた殺され、遺体はブカレストから50キロも離れた場所で見つかっています。
この事件があり、ブカレストは最悪の治安という印象がついている人もいるでしょう。他にも、スリや路上強盗などもいくつか起きています。また、首都なのでデモが起きやすいという危険性もあります。
普通に観光を楽しむことができる都市ではありますが、凶悪な事件があっただけに注意が必要です。国際空港や駅、レストラン、観光名所では犯罪が多いため対策が必要です。過去には、ヨーロッパでも最悪の治安と噂されたこともあります。
シギショアラ
旧市街地が世界遺産になっているシギショアラは、ルーマニアの歴史を感じさせる素敵なエリアです。治安を不安視していない人も多く、一人で歩いている女性も見かけるほどです。
しかし、この地域には物乞いやひったくりが多いと言われています。中には、食事をしているときに、物乞いの子供や大人が近くまで来たり、お年寄りがひったくりをしているのを見たという旅行者もいます。
基本的にはゆっくり観光できるエリアですが、観光客を見ると、何かもらえるものがないかと狙っているので要注意です。
ブラショフ
観光地で観光客が集まる場所は治安が比較的良いのですが、細い道や人が少ない場所は危険です。また、夜になると灯りがあまりなく暗すぎて危険が増します。
また、子供が物乞いをしているエリアでもあります。スリにより貴重品を奪われることもあるので、気をつけましょう。
ルーマニアで旅行者をターゲットにした犯罪
実は最悪の治安ではないルーマニアは、危険度も低く安全に旅行することが可能です。ルーマニアで落し物をしたときに、拾ってもらったという観光客もいます。
しかし、一部では旅行者をターゲットに動く人物がいるのも事実です。物乞いをする子供のバッグには大人がいる可能性があったりとグループ犯もいます。
観光客がルーマニアでどんな犯罪に巻き込まれるのか紹介します。
スリ・ひったくり
減ってはいますが、ルーマニアで日本人もスリやひったくりの被害に遭っています。特に、地下鉄やバスでのスリが多いため、公共機関を使うときは注意してください。
ブカレストを歩いているときに、いきなり横を通った人物が、ズボンのポケットに手を入れてきてお金がないか探ってきたという旅行者もいます。
堂々とした盗みをされた場合は、恐怖も付きまとうのでより危険です。
置き引き
ブカレストや観光都市で多発してるのが置き引きです。レストランやマーケットに出かけたときに、荷物を置いてしまい持っていかれたという被害があります。
観光客の荷物はお金が多く入っていると思われているので気をつけてください。
観光詐欺
観光客相手に行う詐欺があります。観光客に対して、「病気の少女を救いたいので募金をして。」などのようにルーマニア語で話しかけ、募金をさせようとする詐欺に遭った旅行者もいます。
また、外務省では、短期間で高収入を得られるといいながらも犯罪に加担させられる詐欺が行われていることに対し、注意喚起が出ています。
タクシーのぼったくり
空港や駅などでタクシーを利用したときに、通常の倍以上の金額を請求されるぼったくりもあります。また、ぼったくりだけではなく強盗までされた事件もあるのです。
さらには、タクシー運転手からスタンガンをつきつけられてお金を強要された事件も発生しています。ぼったくりで済まなくなるような凶悪な事件が過去にあるので注意しましょう。
暴行
暗い場所に連れて行かれ金品を要求されたものの、拒否したら暴行されたという事件があります。暴行だけで終わらずに、金品も奪われました。
また、日本人の女性が声をかけられたルーマニア人男性についていき、暴行され殺害されたこともあります。近年では、暴行事件は頻繁には起きていません。
しかし、過去に日本人旅行者が被害に遭う暴行事件が起きているため油断は禁物です。
ルーマニア旅行をする際の注意点
ルーマニアの美しさを堪能するためにも、注意した日々を現地で過ごすことが大事です。最悪な治安と聞きながらルーマニアに行くと、安定した治安に気が緩むこともあるでしょう。
ここでは、ルーマニア旅行に対しての注意点を紹介します。
親し気に近づいてくる人に注意
ルーマニアの人は、基本的に穏やかで優しく気さくだと言われています。しかし、中には犯罪目的で近づいてくる人もいるので、心を開かないでください。
親しげに近づきながら強盗や暴行をしたり、殺害に及ぶケースもあります。声をかけられても絶対についていかないようにしてください。
声をかける隙がないように忙しくするか、話しかけられたときは、対応ができない素振りをしてください。
荷物から目を離さない
犯罪が減っているとはいえ、依然としてなくなっていないのが置き引きやスリなどです。ルーマニアに行くと、意外な治安の良さに荷物への警戒心は薄れます。
しかし、日本人観光客の中でもルーマニアで遭った被害にはスリや置き引きが多数あります。自分の荷物には、日本にいるときの何倍もの注意を払い、責任を持ってください。
荷物からは目も手も離してはいけません。貴重品を入れた荷物は特に厳重に守ってください。
女性は夜間に一人歩きをしない
女性が一人で歩くことも可能なほどルーマニアの治安は安定しています。しかし、夜の一人歩きは危険なのでやめましょう。
女性を狙って話しかけ暴行される可能性もあります。ルーマニアでは、日本人女性が殺害された事件が起きているため、女性は常に危機感を持ちましょう。
ルーマニアは街灯が少なく、夜はとても暗くて昼間と雰囲気が変わります。女性はそれだけで恐怖心を煽られるものなので単独行動ではなくグループ行動、もしくはホテルで過ごす選択をしましょう。
白タクは利用しない
ルーマニアでタクシー被害に遭うときは、白タクを利用したときが多いでしょう。現在、空港では白タクの乗り入れができなくなるなどのように、タクシーに対する対応も行っています。
しかし、街でタクシーに乗るときは注意してください。白タクがあることも考えられます。空港では、登録しているタクシーをタッチパネルで呼びましょう。
レストランやホテルではアプリを使ってタクシーを呼んだり、従業員に呼んでもらうなどして安全を確保してください。
貧困層の多い地区には近付かない
治安が改善し、犯罪発生率が減少しているルーマニアですが、貧困層が多い場所はまだ治安に不安があります。最悪の治安と感じる可能性もあるでしょう。そのため、その地区には近づかないでください。
危険と言われているのが、「ブカレスト市第5地区のフェレンターリ地区」です。麻薬常習者も多く危険が潜んでいます。また、貧困を思わすストリートチルドレンも多くいます。
野良犬にも注意
ルーマニアは、野良犬が社会問題にもなりました。ブカレストだけでも2012年には1万件以上の野良犬被害が報告されています。野良犬に咬まれたことで小さな子供が命を落とした事件もありました。
そのため、野良犬対策もされています。現在は、昔ほど野良犬被害もないと言われていますが、まだ0ではありません。野良犬に対して、狂犬病の予防接種も行われています。
ただ、まだまだ野良犬の数が多く、一部では野良犬に餌付けしている人もいます。念のために狂犬病の予防接種をして、野良犬には近づかないように気をつけてください。
ルーマニア旅行は治安や危険に注意して楽しもう!
ルーマニアの治安が最悪と言われた時代は過ぎています。ルーマニアの現在は、治安が安定し、ヨーロッパ内でも安全に旅行できる場所が多いでしょう。しかし、治安の改善面だけを見てはいけません。
実際には、路上犯罪や暴行事件なども起きています。ルーマニアで起こり得る犯罪を想定し、治安の改善に甘えない旅行をしてください。
ルーマニアは、危機感を持った観光をすることで快適な旅をすることができるはずです。旅行時の治安や、危険情報をもう一度確認してルーマニアを楽しみましょう。