あいりん地区(大阪・西成区)の治安は悪い?女性は一人では危険?
大阪西成区のあいりん地区はいまだ危険な街なのでしょうか?。かつて東京・山谷、横浜・寿町と3大スラム街といわれ、発展著しい日本にあって大阪西成区のあいりん地区はここだけ時の進みが止まっています。今回はあいりん地区の現況はどうなのか調査しました。
大阪の西成区「あいりん地区」について紹介!
日本一、ディープなドヤ街、「あいりん地区」は、大阪府大阪市西成区の北部にあり、JR西日本・新今宮駅の南側一帯にひろがる、簡易宿泊所や※寄せ場が集中する地区の「別称」です。ちなみにドヤ街の「ドヤ」とは「宿」から来ています。
ここ西成区のあいりん地区には、夢をなくし地方から流れてきて、決まった家を持たない者や、定職を持たない者が多く集まり、特殊な「一大コミュニティー」を形成しています。※「寄せ場」とは日雇い労働者の集まる所をいいます。
西成区「あいりん地区」は他に「愛隣地区」や旧来の地名である「釜ヶ崎」と呼ばれることもあり、近年は外国人(バックパッカー)が、宿泊によく利用することで、マスコミに取り上げられることもあります。
あいりん地区(釜ヶ崎)の場所
西成区「あいりん地区」を訪れる場合、鉄道によるアクセスは、大阪環状線か南海本線を利用して「新今宮駅」で下りると分かりやすいです。「新今宮駅」の「西口南側」から出たところ、市街一帯が「あいりん地区(釜ヶ崎)」です。
車で行くときは、26号線と30号線の間にはさまれて、地理的に、大阪市と堺市の中間に位置していると思えばわかりやすいでしょう。。大阪市側から向かう場合は、堺市の手前にあり、堺市から行く場合は、大阪市の手前ということになります。
あいりん地区(釜ヶ崎)の歴史
古くは、「あいりん地区」のある萩之茶屋周辺は、江戸時代、大都市「大阪」に流入する「人たち」の一時的な滞留地でありましたが、次第に、失業者の滞留地の様相を、帯びて行くに至りました。
天王寺村、難波村、今宮村の付近の「長町」には大阪最大のスラム街が形成され、かつて最盛期には木賃宿2291戸がならび、無宿人を含む6873人が住んでいたとされます。
明治に入ると、内国勧業博覧会が天王寺、新世界一帯で開催されるに先立ち、明治天皇が「御訪問」されることを考慮し、「長町」裏のスラム街は一掃されました。このとき逃れて移住したのが、今宮村の「釜ヶ崎」でした。
大正、昭和にかけては、昭和恐慌から太平洋戦争で焼け野原となり、この戦争でスラム街の約40%の人が罹災し、約250名が死亡、2,400名の人が重軽傷を負いました。
戦後、「大阪市」で社会党系の市長が続き、貧困政策・浮浪者救済を重視したため、西日本各地の貧困層・浮浪者が大阪市に流れ込み、各地にドヤ街を形成しましたが、次第に釜ヶ崎一帯に集約され現在に至っております。
過去には暴動事件も?
このあいりん地区では2008年までに、24度の暴動が起きており、最初の暴動は1961に発生し、事の起こりは、交通事故(タクシーによる事故)で高齢の日雇い労働者が亡くなった際の、警察の対応に不信を抱いた釜ヶ崎住民が起こしました。
2日間続いた暴動では、店舗の破壊、窃盗、自動車などの横転、放火などの行為が集団で行われた経緯があります。第一次西成暴動といいます。22次西成暴動では機動隊の本格的な介入と、テレビ報道もあり社会の関心を集めました。
このころの暴動は、過度のピンハネなどへの不満により、手配師やバックの暴力団への鬱積した怒りからの「自然発生的な暴動」でしたが、次第に左翼の煽動工作による暴動へと変貌していくことになります。
あいりん地区は治安が悪い?
日本で唯一「暴動がおこる街」ですので、1~2年なにごともなくても明日は分かりません。西成区に流れてきたほとんどの人たちは、未来に希望を失った人たちですから、やはり「治安が良い」とは言えないでしょう。
酔っ払いが多い
とにかく「酔っ払い」は多いです。土地柄、社会をドロップアウトした方が、大多数を占めるため、仕事のない日は、酒を飲むしかやることがないというのが彼らです。街中には、普通の街ではお目にかかれないような店があります。
普通の定食屋では冷水を飲むとき、給水機で水を注ぎますが、ドヤ街は、コインを入れると給水機から日本酒が出ます。もちろん立ち飲みです。昼日中仕事にあぶれた人たちが歩道に座り込み、酒盛りをしている姿を日常よく見かけます。
ホームレスが多い
西成区(あいりん地区)は流れ者の街ですいわば「ホームレス」の街といえます。そのことを思い知らされるのが「炊き出し」の際です。炊き出しの配給開始時間になる前から、生活困窮者が配給の列に並ぼうと、どこからか大勢集まります。
2007年に行われた、ホームレスの全国実態調査では、大阪市と東京都で全体の45%を占め、大都市ほどホームレスが、多いという実態が明らかになりました。さらに大阪市には東京都を上回る、4911人のホームレスがいることが判っています。
売春婦がいる?
2017年1月人づてに、「四角公園」での売春婦の存在の、話を聞くことができました。その人の話によると、「あいりん地区」も夜が更けたころ、声をかけてきたのは40歳は越えていると思われる女性でした。
地味な服装をした年配の十人並みの女性で、「1000円でいい」といってきたそうです。丁重に断ると800円から500円と値を下げたそうです。哀れな話ですが、ここ西成では500円は、2回分の食事ができる程度の額です。
独特な臭いがする
ここ「あいりん地区」に入ると、あきらかに空気が変わります。路上でワンカップ片手に、座り込み宴会をする中年の男性や、あてがあるのかないのか超スローペースで歩く人など、ほとんど男たちばかりで、若い女性の姿はみられません。
「独特のにおい」がするのはこのためか?と行かれた方は口ぐちに言うようです。酒の匂い、男たちの体臭、汚れた衣服のにおい等の入り混じった独特のにおいでこの地域特有のにおいといえます。
職業安定所のような施設の中でも「におい」はきついです。理由は仕事にあぶれた人たちがあちこち段ボールを敷いて横になっているからです。年代は40代くらいの人が多いようです。
闇市がある?
元あいりん総合センター(2019/3に閉鎖)を、南へ徒歩で1分も歩いて行くと、 南海高野線の高 架下に通称「泥棒市」があります。地面に敷物をして、思い思いの品物が並べられた「露店」らしき店が並んでいます。
店では「電話の子機」「DVD」「ハンガー」「パン」「薬、湿布」「衣料」「化粧品」などが販売されています。どれも曰くつきの怪しいものばかりですが、この泥棒市は、毎週(土日)の朝に行われています。
警察も黙って指をくわえているわけではなく、2015年に一斉摘発を行って一旦は姿を消しましたが、その後自然発生的に復活しています。2019年12月にもガサ入れがありましたが、現在も「市」はしぶとく存続しています。
ドヤ街
ドヤ街とは「宿がたくさんある街」ということで、そう呼ばれます。労働者の簡易宿泊施設ということで、部屋が狭いということと、宿泊費の安さが特徴です。
宿泊費は「月ぎめ」「一泊」と選ぶことができ、冷暖房、テレビ、冷蔵庫があり、一ヶ月38,000円からというのが相場で、一泊かぎりの料金では500円~1500円ぐらいまであります。
あいりん地区の簡易宿泊所は、かなり安い値段で泊まれますが、それでも健康な労働者しか泊まれないのが実情です。、仕事につけなかった日雇い労働者は職業安定所の建物の中で、毛布にくるまり眠ることになります。
西成区・あいりん地区では物価が安い
西成区の個人所得の低さは周知のとおりですが、とにかく、あいりん地区内の物価の安さには、おどろきます。ここ「あいりん地区」には「玉出スーパー」という大阪府内に、46店舗も出店している「激安」のスーパーマーケットがあります。
一見、パチンコ屋とまちがいそうなデザインのスーパーマーケットですが、西成の台所と言われているようです。ときどき「1円セール」なるバーゲンもやるようですが、普段でも下記の様に安価で商品が販売されています。
- 塩焼きそば~118円
- チョコスティックパン~39円
- ぞうすい~100円
- 自販機~ほとんど100円以下
ホテル料金が激安!
よく小説や漫画などで、ドヤ街に寝泊まるシーンが出てきますが、劇中、例外なく不潔で場合によっては2~3人の相部屋という、シチュエーションが描かれます。
あいりん地区における、実際の簡易宿泊所は決してそのような劣悪ということはなく、「冷暖房、テレビ付き冷蔵庫付き」というのが標準です。宿泊費は800円から1500円位が多く、女性には1000円~1500円のホテルがおすすめです。
激安では500円の部屋もありますが、鍵がないなどセキュリティも甘く、一晩に管理人が3度も入ってきたとの報告もあります。多分冷暖房のスイッチの「ON、OFF」が部屋に入らないとコントロールできない構造なのでしょう。
日本一安いラーメン屋「ねむり姫」
他にも、「あいりん地区」には、めちゃくちゃ安く「らーめん」「うどん」が食べられる店があります。その名も「ねむり姫」という変わったネーミングの店ですが、ちゃんと「ねぎ」「チャーシュー」「たまご」「メンマ」が入っています。
味の方はやはりカップ麺なのですが、なにしろその安さ「100円」はカップ麺より安いです。種類も「しょうゆ味」、「とんこつ味」と選ぶことができ、容器代(10円)を払ってお持ち帰りもできます。
場所 | 大阪府大阪市西成区萩之茶屋2丁目9−6 |
アクセス | 南海高野線(りんかんサンライン) 萩ノ茶屋駅(出入口2) 徒歩2分(150m)
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営業時間 | 昼間も営業してます 正確な営業時間は不明 |
あいりん地区に女性が1人で行くのは危険?
「明治」「大正」「昭和」の時代と異なり現在は、「あいりん地区」は女性にとり、特別危険なわけではありません。男性の比率が圧倒的に多いだけです。一見するとホームレス風の「おっちゃん」も、話すと気のいい人だったりします。
ですが、どんな街でも、「危険人物」は服装の如何にかかわらず、一定の数だけいます。「あいりん地区」も例外ではなく、女性は「一人歩き」を避け、服装も地味をこころがけて、外出は「昼間だけ」に限定したほうが安全です。
インスタ映え!「Pecca+pu(ペッカプ)」
ポップで可愛らしい「ソフトクリーム」が評判の「Pecca+pu(ペッカプ)」西成にあることで驚くお客さんも大勢います。店内は明るく女性受けするように装飾され、常時若いカップルや家族連れでにぎわっています。
店内のモニターには軽快なKポップが流れていて、心斎橋や堀江にいるのか?と錯覚しそうです。豊富にあるメニューの中でも、この店の「一押し」は「マンゴーソフト(300円)」です。
大き目のプラカップに下からポン菓子、マンゴーソース、ソフトクリーム、マンゴーソースと積み重ねたもので、見た目が可愛らしく本当に「インスタ映え」する絶品スイーツです。
場所 | 大阪府大阪市西成区太子1-14-16 |
アクセス | 動物園前駅から135m |
営業時間 | 13:00~23:00 日曜営業 |
あいりん地区での注意点
あいりん地区を訪れる際の注意し、心がけることは、普通の人が普段目にしない光景がここでは見られるので、つい注視しがちになりますが、ゆっくり歩かず、速足で通り過ぎることです。スマホでの撮影も人に向けない方が無難です。
それから、「公衆トイレ」には入らないほうが良いでしょう。薬物の売買や静脈注射の現場に遭遇しないとも限りません。ちゃんとした施設のトイレを利用する方が安全です、君子危うきに近寄らずです。
近年のあいりん地区の現況は?
近年は、宿泊所の値段の安さが魅力らしく、外国人のバックパッカーが訪れるようになりました。簡易宿泊施設ということでセキュリティが甘く、女性が泊まるのは不安では?の心配も、外国人の女性はたくましく、平気なようです。
大阪は日本でも有数の大都市で、外国人旅行客にも人気の 観光地です。外国人バックパッカーのため、リフォームする簡易宿泊所も増えています。これからはそれぞれの文化と、様々な過去を持った人たちとが、共存する街に変貌していくのでしょう。