函館で教会めぐり！元町教会群など人気の観光スポットも紹介

異国情緒あふれる街並みで有名な函館には、多くの教会や寺院、宗教関連施設がひしめいています。函館の大三坂先のチャチャ登り付近には特に有名な元町教会群があり、密集している理由が気になりますが、それは江戸幕末のころの歴史と関係があります。

函館は当時箱館といわれ、日米和親条約（1854年）に盛り込まれた開港の一つでした。開港にともない増えた外国人の安全を確保する外国人居留地が建設され、外国人のための教会施設が建立されたのが、いまの元町周辺です。

当時の歴史をいまに伝える場所、それが元町教会群なのです。

カトリック元町教会は1859年に活動を開始しました。江戸末期の禁教令がまだ残るころ、キリスト教再布教の証としてカトリック教会活動が始まった歴史のある場所です。

度重なる大火を経て1923年に完成した現在の建物は、日本でも最も古い教会の一つとなっています。

大鐘楼やゴシック様式の建物が美しいその姿はもっとも人気のある教会の一つです。聖堂内の中央祭壇などは、ローマ教皇ベネディクト15世からの贈り物であり、ぜひ見ておきたいものです。

また、聖堂裏手にはフランス・ルルドを模した「ルルドの洞窟」があります。フランスのルルドは、聖母マリアが少女ベルナデットの前に現れたとされる有名な洞窟があります。函館のルルドの洞窟にほ高さ1.5mの聖母マリア像があり、祈りがささげられています。

函館聖ヨハネ教会は英国聖公会の教会です。前身の教会は1878年に建設されました。大火により焼失しましたが、現在の建物は1979年に完成されました。

パイプオルガンやステンドグラスが設置された内部は、予約すれば見学が可能です。

近代的な建物のシルエットは印象深く記憶に残ります。函館山山頂からは、十字型をした屋根をよくみることができます。ライトアップされた姿がまた印象的な建物です。

美しい鐘楼の音が有名な函館ハリストス正教会は、1916年建立の2代目の建物です。1861年に来函した聖ニコライが日本で初めて正教会の布教を始めた場所です。

屋根の上にあるドーム型のクーポールが特徴的な外観をつくり、そしてその鐘楼の美しい音色が有名です。「ガンガン寺」として地元の人たちに親しまれています。イースターの頃にはウクライナの華やかなイースターエッグが飾られます。

少し足を延ばせば自然溢れる環境に美しい修道院や教会がみられるのも函館ならではです。ぜひ訪ねてみたい３か所をご紹介します。

正式名称は「厳律シトー会灯台の聖母トラピスト修道院」といいます。フランスで12世紀に始まった厳格なシトー修道会が、日本で初めて創立した男子トラピスト修道院です。

修道院の生活である祈り、労働のなかから作り出されるトラピストバターやクッキーは、その美味しさで大変有名です。修道僧たちがお祈りしながら造りあげているそれらの製品は、お土産としても人気があります。

人里離れた自然のなかでひっそりと営まれている修道院の生活を想像しながら、お土産を購入できる売店も大変人気となっています。

こちらはウエディングチャペルとして大変人気があります。内部のステンドグラスは150年の歴史があり、イギリスで19世紀末に実際に使用されていたものです。パイプオルガンの重厚な音色にも包まれて、本格的な結婚式を挙げられると人気のチャペルです。

教会からの海の眺めが大変良く、記念日の晴れ舞台にぴったりです。

函館には外国人宣教師により創建された教会がひしめいていますが、こちらの教会は日本人により開設された教会です。

幕末の動乱期に奮闘した新島襄は、激動の時代に函館から脱国して上海を経由にアメリカに渡り、帰国して同志社大学を設立しました。函館千歳教会はその信仰と志を受け継ぐ教会として特筆しておきたい場所です。

以前はチャペルとして使用されていた場所です。教会団体の移転により空いた場所が、再開発の一つとして使用されました。現在はカフェと紅茶専門店、洋服と雑貨のセレクトショップが入っています。

そのうちのカフェ「WAVE＋SNOW」は、白壁にステンドグラスが美しい、教会ならではスタイルを保っています。高い天井を生かした、開放感のある気持ちのよい空間には何時間もいたくなるほどです。

メニューは野菜たっぷり、ボリューム感のあるカフェランチで、午後2時からはパンケーキも食べられます。テイクアウトもできます。

函館元町教会群4施設は、クリスマス礼拝にだれでもが参加できるようになっています。ちなみに2019年のクリスマスの様子をご紹介します。

函館ハリストス正教会は12/24、カトリック元町教会は12/24と12/25にミサがありました。函館聖ヨハネ教会は12/24に深夜ミサ、12/25にクリスマス礼拝が行われました。日本基督教団函館教会は函館千歳教会とは別で元町にある教会で、こちらでも12/24に冷媒が行われています。

どの教会も「一般参加歓迎」ということで、参加しやすくなっています。

いかがでしたか。函館の教会は異国情緒を醸し出すだけでなく、いまも活動を続けている団体です。ぜひ訪問してその歴史や活動を感じてみませんか。