イランの治安は安全?危険?テヘランなど観光や旅行で注意すべき点も紹介
イランは西アジアや中東に位置しているため、治安が悪いイメージを持っています。しかし、イランは全ての地域で旅行ができないわけではありません。イランの治安状況や、危険情報、安全に旅行するための注意点をまとめました。イランを訪れるときの参考にしてください。
目次
イランへの旅行前に知っておきたい治安状況
イランは、イラクが近くにありアフガニスタンも近くにあるため、危険度が高い国と思われがちです。確かに、日本に比べると治安はとても悪いでしょう。安全に旅行ができる国なのか不安も募るものです。
中東の国々の中でも、イランは治安が安定している地域もあり、観光目的で訪れる人もいます。しかし、ソフトターゲットのテロが頻繁に行われているという注意点もあります。
今回は、イランの全土においての治安や、危険な地域、注意情報などについて紹介します。イランを訪れるときは、安全に安全を重ねた対策が必要でしょう。
イランとはどんな国?
「イラン・イスラム共和国」は、アルメニア、アゼルバイジャン、トルコ、イラク、アフガニスタン、パキスタン、トルクメニスタンと様々な国と隣接しています。首都はテヘランで最大都市もテヘランです。
人口は約8000万人で、シーア派イスラム教徒が多いのが特徴です。スンナ派の人やユダヤ教やキリスト教を信仰している人もいますが、シーア派が9割を占めています。
イランは石油がとれる国で、イランの経済は石油が支えているところがあるでしょう。さらには、医療品にも力を入れています。イランとの貿易国には日本も含まれています。
イランの言語
イランには民族が多くいます。民族によって言語が異なり、ペルシア語、クルド語、アゼルバイジャン語、ロル語、アラビア語など多数の言語が使われているのが特徴です。
都市部においては、英語教育も取り入れられているため、英語が通じやすく観光には困りません。地方では、英語が話せない人も多いので言語による壁を感じるでしょう。
ただ、イランで観光するときは、主にテヘランを楽しむことが多くなるはずです。そのため、英語で十分にやっていける可能性もあるでしょう。若い人なら比較的英語が通じやすいと言われています。
イランの通貨
イランでは、「イランリヤル」が使われています。2019年12月現在、1イランリヤルは0.0033円です。イランは、経済制裁が行われたためにクレジットカードの使用ができない箇所が多々あります。
しかし、ユーロやアメリカドルを持っておくと使えることもあるでしょう。日本円からの両替はなかなかすることができないので、ユーロかアメリカドルで対応してください。
外務省発表によるイランの危険度
イランにはほぼ全土において危険レベル1がつけられていますが、場所によっては危険レベル2~危険レベル4もつけられています。首都のテヘランで死者が出るテロ事件や、ISILによる攻撃宣言などもされています。
また、治安情勢によって関係してくる攻撃や、麻薬密輸組織による攻撃なども起きています。さらには、窃盗や強盗などの犯罪が各地で起きているため、治安が良い国ではありません。
イランの中でもほんの一部ではありますが、危険レベル4のエリアがあるという時点で治安が不安視されるというのは当然のことでしょう。
イランで治安が悪い地域
イランで治安が悪い地域に行かないためにも、治安が悪い地域を確認しておきましょう。特に危険なのは、外務省で発表されている危険レベル4の地域です。
危険レベル4ということは、テロや何かしらの攻撃が行われている可能性が高いということです。イランは旅行や観光で訪れることができるエリアも存在しています。
国の全てが危険レベル4ではないために、注意しなければならないこともあるのです。
イラク・アフガニスタン・パキスタンの国境地帯
イランでかなり治安が悪い場所は、イラクとの国境地帯、アフガニスタンやパキスタンとの国境地帯です。危険レベル4や危険レベル3がつけられており、とても危険です。イラク、パキスタン、アフガニスタンには危険レベル4が勧告された地域があります。
イランの治安当局と麻薬組織による衝突や、テロ組織との衝突、イランの治安部隊と反政府武装組織との衝突などが起きています。また、イラクやパキスタン、アフガニスタンの治安情勢が悪いことで影響する治安の悪さもあります。
イランでは、ISILなどの治安を揺るがす組織の摘発を行っています。しかし、それでも攻撃が収まっていないため、治安が安定していないのが現実なのです。周辺国の治安が落ち着かないと、この辺の治安はずっと悪いままの可能性もあります。
首都テヘランの治安は?
イランの最大都市でもあるテヘランですが、危険レベル1です。イラン国内では治安が安定しているほうですが、実はテロ事件も起きています。ISILによるテロがテヘランで起きました。治安部隊により今の治安は安定しているものの、危険はあります。
テヘランがまたISILに狙われることがある可能性も残しているのです。テヘランにはイランの人も観光客も集まります。人が多いところでテロが起きることもあるので注意しなければなりません。
また、薬物犯罪なども起きています。さらには、スリなどの窃盗に遭うこともあるので、注意しておきましょう。
イランでの観光客をターゲットにした犯罪
イランで心配になるのは、やはりテロなどの大きな事件でしょう。しかし、テヘランなどの危険レベルが低いエリアで観光していると、一般犯罪に巻き込まれる可能性もあります。
日本人観光客が狙われた事件も多々起きています。テロにばかり警戒するのではなく、一般犯罪からも身を守らなければならないでしょう。どんな一般犯罪が起きているのかについて紹介します。
ひったくり
イランでは、相手が車やバイクを使ったひったくりが起きています。歩いていると、後ろから来た車やバイクによりバッグを持っていかれるという被害に日本人観光客が遭っているのです。
テヘランを歩いていた女性が、首からかけていたポーチをひきちぎられて持って行かれるというひったくりにも遭っています。イランでは、人通りが多かったり、まだ明るい昼間でもひったくり事件が起きているので、いつでも注意が必要です。
他にも、ショルダーバッグをかけてテヘランを歩いていたら無理矢理ひったくられたという事件もあります。かなり強引なひったくりが多いのが特徴です。
窃盗
目の前でコインを落とした人の手伝いをしていたところ、その間に金品を持っていかれたという窃盗被害もあります。また、写真を撮ってと言われたために撮ってあげているとお金を盗まれた人もいます。
さらには、自分が住んでいる場所に業者を入れたりすると、金品が盗まれているという被害も出ています。イランでは、どこで何を盗まれるか分かったものではありません。小細工をしかけて盗む人もいれば、堂々と盗む人もいるでしょう。
しかし、イランでは窃盗などの犯罪に厳しい処罰が判断されることがあります。窃盗を繰り返した人に対して、手の切断を刑罰として行ったこともありました。怖い判決ではありますが、それでも窃盗に注意しなければならないのです。
睡眠薬強盗
海外で人気がある手口の1つです。お菓子や飲み物を貰って口にすると眠たくなり、意識が朦朧をしているところで、金品が奪われるというものです。この睡眠薬強盗は、日本人も被害に遭っています。
街中で行われている犯罪にも感じますが、長距離バスの中でも睡眠薬強盗が起きています。バス内で仲良くなり、相手が勧めた飲み物を飲んだことで寝てしまい、起きたら貴重品が奪われているというものです。
荷物に鍵をかけていても、鍵を壊されて無理矢理開けて金品を奪っているため、とても悪質な犯罪です。睡眠薬強盗は意識がなくなるため、とても危険な犯罪の1つです。
偽警察官
最近、海外でよく見る犯罪が偽警官です。警察がいると治安も安心できるように感じますが、イランでは偽警官がうろうろしており、所持品の検査を行うと話しかけられます。検査に応じると金品を奪われるという流れです。
イランの偽警官は、私服警官を装っています。特に観光客が多いテヘランで見かけることが多々あり、被害も起きています。
偽警官が、住居を訪問して空き巣をするという犯罪もあります。偽警官に話しかけられたときは、素直に応じてはいけまん。日本と同じ「110」に電話して状況を報告しましょう。
イランを安全に旅行するための注意点
イランは比較的治安が落ち着いている安全なエリアでなら観光も可能です。テヘランなどを訪れた人は、イランの治安は想像以上に良くて安心したと思うことでしょう。
しかし、イランには危険な部分も多く、いつどこでテロなどが起きるのかも分かりません。実際に、テヘランは安全と言われながらもテロ事件が起きました。
イランで、自らの危険を高めないためにも、安全に旅行するための秘訣について紹介します。
服装に注意する
イランは、シーア派イスラム教徒がとても多い国です。派手な服装をすると確実に目立つため、服装には注意してください。できるだけ黒の服装にして、周りに溶け込むようにしたほうがいいでしょう。
フード付きのものでフードまで被っていたら、顔が見えにくいため外国人と気づかれない場合もあります。宗教色が強いイランでは、観光地で服装に厳しいところも存在しています。
観光のためにも、安全のためにも、服装には十分注意しましょう。間違えても、女性が露出度の高い服装をしないように気をつけてください。
夜間の外出を避ける
イランは昼にも危険がありますが、夜間になるととても治安が悪くなる地域も出てきます。そのため、夜間の外出は控えたほうがいいでしょう。夜間になると、暴動が起きる可能性もあれば、一般犯罪が起きる確率も増えます。
また、車がライトをつけずに走っているため、事故に遭う可能性も高いでしょう。夜が楽しいというエリアも存在しているのですが、危険を伴うため行かないようにしてください。
女性は一人歩きしない
イランも治安が安定している地域は、一人で観光ができるのでは?と思うほど穏やかなときがあります。しかし、女性が一人歩きしていると危険が高まります。
イランでは、旅行中の女性が一人で歩いていると目立って仕方がないでしょう。一人で歩いていた人が、執拗に追いかけまわされたり、後をつけられたという事件があります。痴漢被害に遭った女性もいます。
また、日本人旅行者ではありませんが、外国人女性が拘束された事件も起きているので、女性は一人では行動しないようにしてください。集団でも女性だけのグループは注意しましょう。
人気のない場所に近づかない
イランでは、昼間の人通りが多い場所でも犯罪を犯す人はいます。しかし、人通りが少ない場所になると、より危険度が増し強盗や窃盗の可能性が高まるでしょう。
また、イランは麻薬組織もいます。人通りが少ない場所で麻薬犯罪が行われる可能性もあるため、観光スポット意外には行かないことをおすすめします。
地元の人でも行かないような危険なエリアには絶対に近づいてはいけません。ガイドブックなどで紹介される典型的な観光スポットを訪れましょう。
闇両替屋は利用しない
イランには闇両替が当たり前のようにいると言われています。経済制裁が行われたイランは、外貨の価値がとても高いと評価されています。そのため、普通の両替よりもレートが良い両替をすることを条件に外貨を得ようとする非公認の両替があるのです。
闇両替は、レートも両替したお金もごまかしてくるのが普通なので、結果的に損をしてしまう可能性もあります。過去には、20倍ぐらいになったこともあるようですが、現在は空港や銀行とも変わらなくなっています。
わざわざ闇両替を使って嫌な思いをしなくてもいいでしょう。正規の両替を使ってください。一般的には空港の両替はレートが悪いと言われていますが、イランは空港のレートが1番良いときもあるという情報もあります。
イランで治安が悪い地域を避けた観光をしよう!
イランは、想像しているよりも危険が多い国ではありません。テヘランなどの観光地は意外と安全に過ごすことができるでしょう。荷物の管理をしっかりすることや、変なところにはいかないことなどを徹底することで安全な旅行になるはずです。
しかし、一般犯罪が起きる可能性よりも、テロなどの大きな事件が起きる可能性のほうが高い地域があり、治安情勢は全体的に不安定になることもあります。テロなどは注意してもどうにもならないこともあります。
そのため、大事なのはテロが起きやすい場所には近づかないことです。テヘランでは難しいでしょうが、現在危険レベル3や危険レベル4が出ているエリアは、とにかく行かないようにしてください。イランのイメージが良いものになる旅行にしましょう。