トルコ・イスタンブールの治安は悪い?旅行・観光で危険度や注意点も解説
トルコの大都市であるイスタンブールは、宮殿やモスクがある神秘的で活発的な場所です。トルコの治安は一部で不安視されていますが、イスタンブールの治安はどうでしょうか。観光するにあたり危険情報や注意したいことについてまとめました!
目次
トルコは安全?旅行前に治安状況を知っておこう!
トルコは、アジアとヨーロッパにまたがる国です。そのため、アジアの治安とヨーロッパの治安に影響される特徴を持っています。旅行のときには治安が問題になることもあるでしょう。
しかし、イスタンブール歴史地域やエフェソスなどの世界遺産があり、圧倒される建物やポストカードのような風景を持つトルコには魅力を感じずにはいられないのも事実です。
今回は、トルコの治安について紹介します。観光に人気があるイスタンブールの治安に特に注目しましょう!
トルコとはどんな国?
「トルコ共和国」は、首都アンカラ、最大都市イスタンブールを持つ国でアジアにもヨーロッパにも接してる特長的な国です。隣接している国も多く、ヨーロッパやアジア、中東の国が含まれます。
人口は約8000万人で、国民の99%がイスラム教を信仰しています。トルコでは、宗教を身分証明書に記載しなければなりません。多くの人がイスラム教スンナ派を信仰しています。
近年では、経済成長に遅れが見られ、トルコリラの暴落なども問題になりました。しかし、世界遺産を複数持つトルコには、観光として目をつけている人も多くいます。
トルコの言語
トルコはトルコ語が公用語ではありますが、クルド語やアラビア語、アルメニア語などを使う民族も存在しています。しかし、トルコでは観光地においては英語が通じやすいという特徴もあります。
特にイスタンブールではホテルやレストラン、観光スポットなどで英語が通じることが多いでしょう。トルコ旅行はイスタンブールを訪れる人が多いので、その意味ではトルコ語やアラビア語ができなくても安心して良いでしょう。
地方になると、その土地での言葉しか通じない場合もありますが、トルコでは教育に英語を入れているので、色んな箇所で英語が飛び交うこともあるでしょう。
トルコの通貨
トルコの通貨は「トルコリラ」です。近年暴落が起きたため投資家を悩ませた通貨の1つです。2019年12月現在1トルコリラは約18円です。日本では国内でトルコリラへの両替ができないため、トルコで行ってください。
トルコでは、アメリカドルやユーロが使えることが多いため、トルコリラの両替は最小限にして、アメリカドルかユーロを持ち歩くのもおすすめです。
トイレチップなどの少額になるとアメリカドルやユーロは対応していないので、現地通貨も少しは持っておきましょう。
外務省発表によるトルコの危険度
トルコの治安は、地域によって様々です。全土を見ると危険レベルなし、危険レベル1~4に全てあてはまります。多くの場所で危険レベルはありませんが、イスタンブールで危険レベル1、ハッカーリ県などで危険レベル2がついています。
トルコが治安が悪いと言われる理由の1つは、隣接国にイラン、シリア、イラクがあるからです。実際にシリアやイラクの国境付近は危険レベル4や危険レベル3がついており、このあたりの治安はとても悪いので近づくことはできません。
トルコにはシリア難民がたくさんいます。テロ事件も発生しました。シリアから発射されたロケット弾がトルコに流れてきて死者も出ています。その他、銃乱射事件などもあり、トルコの治安は決して安定しているとは言えない状況なのです。
空港の警備は以前より厳重に
トルコでは、イスタンブールのアタチュルク国際空港において自爆テロ事件が発生しています。このテロにより死者や負傷者が出ています。トルコ国内でもテロ事件が多発していた時期ですが空港が狙われたのは盲点だったとされています。
また、テロ事件が起きたことで空港の警備にも問題点があると指摘されました。そのため、空港の警備は、以前よりも厳しくなっています。
トルコの治安が悪いエリア
トルコはやはり中東に近い都市もあるため、治安が悪いイメージがついてしまうものです。ただ、トルコ全域を見ると危険レベルがない都市のほうが多いのが事実です。
しかし、危険がすぐ隣り合わせにあるのが現状でしょう。トルコ国内で治安が特に悪いと指摘されている都市について紹介します。
中には、旅行でいける場所もあります。観光のときに注意力を高める意味でも治安が悪い地域を知っておくといいでしょう。
イスタンブール
イスタンブールはトルコの最大都市ですが、危険レベル1です。イラクやシリアとは離れた位置にあるものの、イスタンブールでもテロ事件が起きています。空港で起きたテロ以外にもナイトクラブでテロが発生しています。
また、立てこもり事件により射殺された人や銃の乱射や手榴弾を使った事件も勃発しています。イスタンブールでは、デモが行われることもあり、一部では暴行に発展することもあって危険です。
イスタンブールの危険レベルは1ですが、実際には死亡している事件が多々起きているため、治安が悪いと思って行動してください。イスタンブールは見どころたっぷりな観光地ですが、危険が隣にあることも忘れてはいけないのです。
東部国境地帯
シリアやイラク、イランとの国境地帯ですが、ここはトルコ国内で一番治安が悪い場所です。イスラムの過激派やISによる組織的な犯罪が行われています。トルコ軍とクルド系武装組織が対立しあい、テロや銃乱射事件などが起きています。
シリアからのロケット弾により幼い命が亡くなったこともありました。ロケット弾の攻撃は、相次いで行われています。また、国境警備への攻撃もあり誘拐も起きています。
女性でも子供でも容赦なく命がなくなる事件が多発しているエリアなので、旅行や観光はもってのほか、目的が何であれ行く事はできない場所です。外務省からは退避勧告まで出ています。
地中海・エーゲ海沿いも注意
地中海やエーゲ海沿いの治安は、トルコ国内では比較的落ち着いてはいますが、観光客が多く集まる場所でもあり、スリやひったくりには気をつけなければなりません。
また、この地域は難民が多くいるため、難民による犯罪も勃発しています。治安が悪いと感じてしまうエリアもあるでしょう。
ナイトクラブなどもあるので、夜も楽しむことができる地域ですが、夜は危険も増すので注意してください。
トルコでの観光客をターゲットにした犯罪
トルコでよく起きている観光客目当ての犯罪について紹介します。テロや銃乱射などが多いトルコですが、大きな事件はどちらかというと政府や軍に対する攻撃です。
観光客に向けた犯罪は、違う形で行われています。旅行や観光のときには、テロなどの事件のほかにも注意しておきたいことがあるので見ておきましょう。
スリ
イスタンブールなどの観光地では、スリが頻繁に起きています。ポケットやバッグの中から財布が奪われたり、喧嘩するふりをしてぶつかってきた瞬間に財布を盗られたケースもあります。
また、数人に取り囲まれて貴重品を奪われたり、押し売りを断っている間に金品を奪われるなどの事件もあります。トルコでは、スリをあらゆる手段で行うため、よほどの注意が必要です。
特にイスタンブールは人混みになることが多いため、スリにおける危険度が高いと言えるでしょう。
置き引き
置き引きも色んな場所で行われていますが、やはり観光地のイスタンブールは頻繁に被害が報告されてます。レストランでトイレに行ったら置き引きされたなどはよく聞く話です。
また、写真を撮ってと言われ、対応していたところ足元に置いた荷物を奪われたというグループ的犯罪も行われています。
長距離バスで移動中に荷物を奪われた人もいます。置き引きは当たり前に行われているものと思いましょう。
ひったくり
車やバイクでひったくりをするだけではなく、いきなり走っている人から荷物を奪われるという堂々としたひったくりも起きています。
荷物を盗られないように抵抗したところ、車やバイクに引きずられて怪我をした人もいます。人目がない場所で後ろをつけてきた人から荷物をひったくられたというケースもあります。
イスタンブールなどの観光地の他、昼間や夜に人があまりいない場所でもひったくりは起きているので要注意です。
ぼったくり
トルコで、ぼったくりバーに行ってしまい数十万円もの支払いをさせられた人もいます。現地の人と仲良くなり、そのまま飲みに行ったところハメられたのです。
ビールだけで1杯数千円~数万円もしたり、合計金額が14万円や21万円を請求された人もいたりと、トルコのぼったくりバーは、通常考えられない金額を請求してくるのが特徴です。
イスタンブールなどの観光客が多い場所で、観光客に声をかけてバーに連れ込まれるケースが多くあります。
強盗
現地の人に話しかけられ、親しくなったら人気のない場所に連れていかれて、仲間が数人出てきて強盗されたという事件があります。
また、イスタンブールでは観光客に話しかけてきた人から渡された飲食物を口にして意識が朦朧とし、金品を奪われる睡眠薬強盗も発生しています。
クレジットカード詐欺
ショッピングをクレジットカード払いをすると、カードが使えないと言われ別のカードで清算した結果、両方のカードで支払いをさせられる結果になっていたということが多々あります。
カード会社の補償があるからと言って安心してはいけません。ほとんど使っていないはずのクレジットカードを1度トルコで使っただけで請求が40万円や50万円だったという観光客もいるのです。
恋愛詐欺
トルコでは観光客狙いの恋愛詐欺もあります。とても親切にし、愛情表現もしっかりしながらも、自分の借金を肩代わりさせる詐欺です。結果的にはお金目的での恋愛ごっこをしているのです。
日本人はお金持ちと思われているので近づかれる可能性も高いでしょう。借金の肩代わりのほかには、とても高い絨毯を買わせられるケースもあります。
イスタンブールには、恋愛詐欺のプロ集団までいると言われています。トルコの治安は詐欺が多いことでも悪化しているのでしょう。
性犯罪
現地の人に話しかけられ、一緒に食事をするときにアルコール度数がとても高いお酒を飲まされた結果、性的暴行を受けたという人がいます。日本語で話しかけてくることが多いので注意してください。
観光客も多くなっているトルコでは、外国人狙いの性犯罪が近年増えているのです。また、女性だけでなく、男性を狙った性犯罪も起きています。
トルコ旅行を安全にするための注意点
何かと事件が起こり、治安が悪いと思ってしまうトルコですが、注意を怠らなければ観光も可能な国です。
安全に旅行するための注意点について紹介します。トルコでは、テロなどの事件にプラスして、様々な犯罪に対応した行動をしてください。
目立つ服装はしない
目立つ服装は観光客であることをアピールし、ターゲットとしての絶交のカモになってしまうでしょう。トルコでは、とにかく目立ってはいけません。
イスラム教が国教でもあるので、女性は露出も控えてください。そして、目立つ貴金属のアクセサリーなどもつけないようにしましょう。カラーも黒やベージュなどの服装をおすすめします。
親し気に近づく人を信用しない
トルコでは、親しげな人は皆怪しいと思ってください。特にイスタンブールなどの観光地では、親しげに話しかけてくる人がいます。
ぼったくりや詐欺、強盗に遭う可能性が高いので絶対に相手にしないことです。話しかけられても「結構です。」という態度をとり、目を合わせないようにしてください。
また、何かに誘われたときには、しっかりと断りましょう。恋愛詐欺の可能性もあるので、親しげな人とは距離を置いてください。
流しのタクシーは利用しない
イスタンブールでは、地下鉄などの公共機関も充実しています。しかし、タクシーを利用することも多いでしょう。トルコで流しのタクシーに乗るとぼったくられる可能性が高いためおすすめできません。
メーターを回さなかったり、支払った紙幣をすりかえてお釣りを少なくされることもあります。イスタンブールでは、タクシーの条件が厳しくなり、現在は新車2年以内でないと登録できないなどのルールも設けられました。
そのため、以前よりタクシー事情が改善されていますが、まだぼったくりもいます。ホテルの人にタクシーを呼んでもらうなどして、正規のタクシーを使いましょう。
デモには近寄らない
トルコでは、イスタンブールなどの都市部や観光地でもデモが度々起きているため、治安が懸念されています。デモが起きたときは、近づかないでください。ヒートアップして暴行事件に発展することもあります。
イスラム教シーア派によるデモや、外国の領事館に対してのデモなどが起きています。デモが起きたときは、警察当局による強制排除が行われることもあります。
この強制排除にも巻き込まれると危険なので近づかないようにしましょう。
荷物から目を離さない
自分の荷物はしっかりと手に持ちましょう。足元に置いたり、移動中に膝の上に置いて手を離していてはいけません。手で持って荷物があることを常に目で確認するのが大切です。
できるだけ荷物は少なくし、観光中には手ぶらに近い状態にしたほうがいいでしょう。小さめのチャックつきのショルダーバックを肩にかけて前で持ち、上から洋服を一枚重ねて見えないようにするのがおすすめです。
トルコのイスタンブールは治安情勢に注意した旅行をしよう!
トルコの治安は、旅行中にテロが起きない限り大丈夫だと感じることもあるでしょう。しかし、テロだけでなく、イスタンブールなどではデモや観光客をターゲットにした犯罪も多々起きています。
治安が不安視されていない地域でも、治安が悪い地域が近くにある場合もあるので注意してください。また、シリアやイラクの国境付近の治安はいつ回復するのか分かりません。
この先、治安の悪化も考えられるので絶対に近づかないようにしましょう。観光ができるイスタンブールなどで安全な旅行をしてください。