ヨルダンの治安は安全?悪い?アンマンで女性が観光で注意すべき点
ヨルダンと聞くと、「イスラム教」や「中東」のイメージが強く治安が悪いと決めつけてしまうこともあるでしょう。しかし、ヨルダンは周りの国に比べると治安が落ち着いていて旅行も観光も可能です。ヨルダンの本島の治安状況や危険情報についてまとめました!
目次
ヨルダンを旅行する前に知っておきたい治安状況
ヨルダンは、本当に旅行できるのか?と疑問が投げかけられやすい国です。ヨルダンが中東にあるために、「中東=危険」と決め付けられるのも無理のないことでしょう。
しかし、ヨルダンは中東の中でも比較的安全で治安は悪すぎることがありません。とは言っても、確実に安全ということもできないのが現状です。
ヨルダンへの間違えたイメージを取り去り、正しい治安状況を知り危険を回避しましょう。ヨルダン旅行のときは、最新の治安情報をネットで確認するのも安全な旅のコツです。
ヨルダンとはどんな国?
「ヨルダン・ハシミテ王国」がヨルダンの正式名称です。イラク、シリア、イスラエル、サウジアラビアに囲まれるように存在している国です。イラクやシリアが近いために危険度が高いと思われることがあります。
ヨルダンの首都はアンマンで、人口は約990万人でイスラム教徒が多くいます。イスラム教徒でも、穏やかな性格をしている人が多く、ヨルダンの人は優しいと言われています。
観光客を笑顔で迎え入れる国民が多く、ヨルダンで安全に観光ができた人にとっては良い印象も残るでしょう。
ヨルダンの言語
公用語はアラビア語です。しかし、観光地になると英語がほぼ通じるので簡単な英語力があれば旅行や観光は困らないでしょう。 ただ、お店の看板などはアラビア語が多く見られます。
英語は都市部では通じることが多いですが、地方になると通じなくなる可能性もあります。アラビア語でありがとうは「シュクラン」でこんにちはは「アッサラーム・アライクム」です。
さようならは「マアッサラーマ」です。簡単で観光に使えるアラビア語だけは覚えておくのもおすすめです。
ヨルダンの通貨
ヨルダンの通過は、ヨルダン・ディナールで2019年11月22日現在で1ヨルダン・ディナールは約153円です。補助通貨として、「ギルシュ」もあります。
1ディナール、5ディナール、10ディナール、20ディナール、50ディナールの紙幣が存在しています。ただ、アメリカドルも使えるのでアメリカドルを持っていれば観光地は大丈夫です。
両替のことを考えると、アメリカドルのほうが便利がいいので、アメリカドルを持ち歩く人も多くいます。
外務省発表によるヨルダンの危険度
ヨルダンの治安は、2019年11月現在ではほぼ全域で危険レベル1です。イラクとシリアに近いマフラク県やイルビッド県の一部は危険レベル2です。
最近の情報では、2019年10月にアンマンで銀行強盗事件があり2019年11月にはジェラシュ遺跡で観光客を巻き込んだ刃物での襲撃事件がありました。また、デモも起きています。
しかし、いつも治安が不安定というわけでもなく、比較的穏やかでもあります。感染症危険情報は、現在は出ていません。ただ、MERSコロナウイルスの感染症が心配されたこともあるので気をつけてください。
ヨルダンの治安が悪い危険な地域
ほぼ危険レベル1で一部が危険レベル2のヨルダンでは、特に気をつけておきたい治安が悪い場所が存在しています。安全な旅行を心がけるためにも、治安が悪い地域をチェックしてください。
治安が悪い地域が分かれば、治安が良い地域で良い観光をするためのプランも絞ることができるでしょう。ヨルダンの旅行は安全のためのプラン作りも必須です。
安全なヨルダン旅行のためにも、治安が悪い地域も見ておくべきです。治安が悪い地域では、どんなことが起きているのかにも注目してください。
イラク側の地域
ヨルダンは、イラクやシリアと隣接している場所に沿って危険レベル2がつけられてます。イラクとの国境は検問所の再開が行われた場所もあるものの、まだまだ危険があります。
ISILやイスラム過激派を撃ち払おうとしているのも事実ですが、テロへの危険性が完全になくなり、イラク側のヨルダンが安全になっているとは言えないのです。安全な旅行はここではできないと思いましょう。
実際に、ISILによるテロ実行の動画が発表されたこともありました。イラク側が治安が悪いため、ヨルダン側の治安への不安も消えないのが実情です。
シリア側も危険!
シリア国内だけの治安を見ると、全域で危険レベル4です。最高値の危険レベルがつけられ退避勧告が出ています。ヨルダンとシリアとの国境は軍事閉鎖区域になっています。麻薬や武器の密輸まで行われることがあります。
ヨルダン側だけでみると、治安が安定していて安全に見えなくもないですが、シリア内ではイスラムシーア派への注意喚起も出ています。
今後、シリア情勢の悪化が影響することで、テロが起きることも考えられます。ヨルダンとシリアの関係が回復するのはいつになるのか分からず、今はただ危険なだけです。シリア側はウンムカイスやイルビット、マフラクです。
首都アンマンの治安は?
アンマンには危険レベル1がつけられています。アンマンでは2005年に連続爆弾テロ事件がありISILによるテロやテロ未遂なども起きています。しかし、大きなテロは2005年以降は見られません。
ただ、アンマンでは強盗事件や麻薬などの密輸も行われています。強盗事件は武器を持っている可能性が高く、とても危険です。
また、アメリカがイスラエルの首都をエルサレムと発表したとき、アンマンにある米国大使館付近で抗議が行われました。国と国との問題で治安が左右されやすいのがアンマンでもあるので世界情勢もチェックしておきましょう。
アンマン近郊の治安
アンマン近郊も危険レベル1です。安全に旅行できる可能性がありますが、難民キャンプの事務所がテロリストに襲撃されています。また、2018年には音楽祭のときに爆破テロ事件も起きました。
さらに、バルカ県ではテロリストによる銃撃戦も起きています。死傷者が出ている事件も多々あるので、アンマン近郊も注意しなければならないでしょう。
観光地以外に行かないことに加えて、デモが行われたら近づかないことも徹底してください。ただのデモと思っていても、そのデモが暴力に繋がることも考えられます。
ヨルダンでの観光客を狙った犯罪
テロが起きていると聞くと、ますますヨルダンの治安が悪いと思ってしまうでしょう。しかし、ヨルダンで注意すべきことはテロだけではありません。
テロとなると、巻き込まれる可能性があるものですが、ヨルダンでは敢えて観光客を狙った犯罪も起きています。ヨルダンに旅行や観光に行くと、被害者になる可能性もあるでしょう。
どんな犯罪が行われているのか紹介します。犯罪の内容を知り、細心の注意を払ってください。
ひったくり
ヨルダンでは車両を使ったひったくりが多発しています。ヨルダンに在留している日本人でさえもひったくりの被害に遭いました。アンマン市内の高級住宅街やビジネス街が狙われやすくなっています。
2019年9月にも夜歩いていたところ、バックパックが車に乗っていた人物からひったくられるという事件がありました。バックパックでさえもひったくられるので強引な奪い方をする可能性もあるでしょう。
ひったくり被害に遭うと、財布やカード、旅券、スマホやタブレットなどを一気に盗られるということも報告されています。
路上強盗
路上強盗は無理矢理金品を奪っていくことが多いのですが、日本人が被害に遭った事件があります。外を走っていた日本人が、後ろから殴られた上に首を絞められて、金品を要求されたのです。
ちょうどよく車が通りかかったため犯人は逃げて何も盗られなかったものの、とても危険な目に遭っています。また、観光しているときに腕を掴んでナイフを出し金品を要求する強盗事件も起きています。
この事件でも日本人が被害者です。抵抗したものの、カメラを奪い盗られています。気が荒い犯人が多いため、抵抗しても何か奪うまで攻撃してくることもあるでしょう。
性犯罪
ヨルダンは女性への性犯罪が多い国です。女性なら誰でも対象になり得る可能性があり、国籍を問わずにターゲットとしてみなします。痴漢などの性犯罪から強姦まで行う性犯罪もあります。
日本人女性も、痴漢や強姦、強姦未遂の被害に遭っています。ヨルダン人女性でも性犯罪に遭うことが多いため、よっぽど警戒する必要があります。女性にとっては安全とは言えない事件が多発しています。
中には、女性がヨルダンのタクシーに乗ったところ、タクシーの運転手から性被害に遭ったという事件まで起きています。性行為を求められることもあるため気をつけてください。
ヨルダンを女性が安全に旅行するための注意点
ヨルダンでは、女性が被害になる事件が勃発しています。日本人女性が被害になっている事件もあり、女性にとっては治安の悪さを実感することもあるでしょう。
女性が安全に旅行するためには、よほどの注意が必要です。日本にいる感覚とは違う感覚も持たなければならないでしょう。できれば、女性だけの行動は避けるのが無難です。
しかし、男性と一緒のときでも女性は十分注意して身を守る必要があります。男性でも怖い思いをする可能性があるヨルダンで、女性がどう過ごすべきなのか紹介します。
目立つ服装をしない
ヨルダンはイスラム教です。女性は、シルエットが分からない服装をし髪の毛まで隠す服装をしています。そのため、ヨルダンを旅行するときの女性の格好は、シンプルで地味なものがおすすめです。
ヨルダンの気候は日本と似ているため、日本でのファッションのまま過ごすことを考えがちですが、露出が多かったり派手な色や派手な装飾がされている洋服は避けてください。
また、観光場所によっては一日の大半を歩くことも考えられます。ファッションは洋服だけでなく、靴にも注意し、歩きやすいスニーカーなどを準備してください。
親し気に近づく男性に注意
男性が色気を使って近づいてきたり、知らない人なのにニコニコと親しげに近づいてくることがあります。これは、性的対象として見られている可能性がとても高いので目を合わせないことが大切です。
親しげにされたときに男性を受け入れると、身体を触られることもあるでしょう。また、男性が後ろからずっとついてくるということもあります。この場合も性的対象として見られているでしょう。
万が一、しつこくされたときは、大声をあげるなど周りに助けを求めてください。助けがいないような人気がいない場所には最初からいかないことです。
複数でも夜間の外出は控える
夜間の外出は、女性だけでなく男性も危険とされています。大使館でも夜間の外出は控えるように言われています。どうしてもの場合は、午後11時までには帰宅することも促されています。
1人での夜間の外出は絶対にしてはいけません。夜間になると性犯罪が増えるだけでなく、ひったくりや強姦などの被害も増えます。複数でも女性の夜間の行動は、集団犯罪のターゲットにもなりかねません。
昼間の治安が穏やかだと感じても、夜間の治安がそのまま引き継がれるわけではないことを知っておきましょう。
タクシーには乗らない
ヨルダンは、タクシートラブルも多い国です。タクシーを利用すると通常の10倍もする金額を要求されたり、行きたい場所と違う場所に行かれるという被害も起きています。
また、タクシー運転手による性犯罪も起きています。メーターを使用していないタクシーもあるので、タクシーには危険が潜んでいると思っていてもいいでしょう。特に夜間は料金の被害が多発しています。
貸切バスツアーなどもあるので、移動手段はよく検討しましょう。万が一タクシーを利用するときはホテルの人などに情報を聞いてください。女性は、助手席には座らず後部座席に座りましょう。
ヨルダンの治安を考えて行動しよう!
ヨルダンのほとんどの都市が危険レベル1で思っていたよりも安全に旅行ができると見ることはできます。ただ、気になるのがテロの多さでしょう。テロが度々起きていることや、シリアやイラクが近いのは懸念材料です。
また、怖いのが女性への性犯罪が多いことです。危険レベル1でありながらも事件が起きるときは起きるものです。その時のヨルダンの治安をしっかり考えた行動をしてください。
ヨルダンを旅行するときは、隣接国の治安と経済状況も見ておきましょう。何か問題があればヨルダンの治安にも影響する可能性があると判断して、より安全な観光ができるようにしましょう。