岡山県の方言一覧!岡山弁の種類や特徴・かわいいフレーズも紹介
岡山県の方言は「かわいい」「怖い」「汚い」と色々な印象を持たれることで有名です。漫才コンビ・千鳥が話していることで有名な岡山弁ですが、この記事では岡山県の方言が「怖い」「汚い」と言われてしまう理由や、岡山弁で定番の方言・かわいいフレーズについて詳しく説明しました。
目次
岡山県の方言「岡山弁」について紹介!
岡山県の方言である岡山弁は、クセが強いと言われています。岡山県の方言を聞いて「かわいい」と言う人もいれば、「怖い」「汚い」と言う印象を受ける方もいるようです。
この記事では岡山県の方言・岡山弁の特徴や魅力について詳しく紹介していきます。
岡山県の方言「岡山弁」の特徴と種類
ここからは、岡山県の方言・岡山弁の特徴や種類を説明していきます。
岡山弁は汚い?怖い?
岡山弁は「かわいい」と言われることもありますが、「汚い」「怖い」という印象を受ける方も多い方言です。
岡山県出身の漫才コンビ・千鳥の2人がよくテレビで岡山弁を話していますが、あの2人が話している岡山弁は標準語に近い岡山弁と言われています。
実際に岡山県で話されている岡山弁の大半は、千鳥の2人が話している岡山弁以上に癖が強いため、「汚い」「怖い」と言われてしまったりするようです。
実際に岡山弁を聞いた人は「普通の会話をしているはずなのに、喧嘩をしているみたいだった」と驚くことがあります。もちろん、岡山弁を話している人たちも喧嘩をする気などまったくなく普通に会話しているだけです。
岡山弁は語尾を伸ばすという特徴があります。「甘い」は「あめ~」になりますし、「辛い」は「かれ」になるのです。そのため、他県民の人が岡山弁はちょっと口が悪く感じてしまうところはあります。
岡山弁が「汚い」「怖い」と言われる理由は他にもあって、岡山弁には標準語では相手を非難するような響きの言葉を多用するところも理由と言われています。
岡山弁を話している本人たちにはそんなつもりはなくとも、周りからそう思われてしまうということです。
岡山県以外に住んでいる人からすると、岡山弁は少々荒々しい方言に感じることは多いと言われています。
岡山弁の種類
岡山県の方言である岡山弁は、備前弁・備中弁・美作弁の3種類あります。これは、岡山県が廃藩置県まで備前・備中・美作の3つの国から成っていたことが関係しているようです。3つの国に分かれていたことが、方言にも大きく関係しています。
ちなみに、備前が岡山県倉敷市を中心とした東南部、備中が岡山県高梁市や総社市含む西部、美作が岡山県津山市や真庭市を中心とする東北部となっているようです。
私たちが現在よく聞く岡山弁は、備前で使われていた方言の影響を大きく受けています。ただ地域によってはアクセントが異なっているため、そのアクセントによって出身が分かることもあるようです。
岡山弁の1つである美作弁の中には津山弁というものがあるのですが、津山弁は岡山県に住んでいる人でも理解ができないこともあります。
岡山弁は比較的、他の地域に住んでいる人でも理解しやすい方言ではありますが、津山弁は理解しにくい方言のようです。
岡山弁でよく使う定番の方言と会話での例文一覧
ここからは、岡山弁でよく使う定番の方言や、その方言を使った会話の例文を紹介していきます。読み進めていくと、岡山弁が「怖い」「汚い」と言われる理由や、反対に「かわいい」と言われる理由がわかると思うので、ぜひ読んでみてください。
「おえん」
岡山弁の「おえん」は、標準語で「ダメだ」「いけない」という意味があります。お母さんが子供に「あれこうてー(あれ買って)」とおねだりされて、「おえん(ダメ)」と返したりするなど、岡山弁の中でも使う頻度がかなり高い方言になります。
例文:「数学のテストできた?うちは、さっぱりおえんかった(数学のテストできた?私は、さっぱりダメだった)」
「じゃー」
岡山弁でよく使われる方言の一つに「じゃー」と言う方言があります。岡山弁で「じゃー」は、標準語で「そうそう」と言う意味です。「じゃー」を2回続けて「じゃーじゃー」と言うこともあるようです。
「じゃー」も「じゃーじゃー」も岡山県では相槌を打つのによく使われる方言になります。
例文:「えれー雪降りょーたなー(とても雪が降ったね)」「じゃー(そうそう)」
「なんしょん?」
岡山弁で「なんしょん?」は、標準語で「なにしてるの?」という意味になります。岡山県のラジオでは「なんしょん?」がつくラジオ番組が多いため、他の県に住んでいる方でも「なんしょん?」の意味を知っている人は多いようです。
例文:「あんた、そこでなんしょん?(あなたそこで何しているの?)」
「はよしねー」
岡山弁で「はよしねー」は、標準語で「早くしなさい」と言う意味になります。はよしねーと聞くと、岡山県民以外は「早よ死ねー」と頭の中で変換しがちですが、そのような意味ではありません。
岡山県だけでなく、福井県では岡山弁のように「はよしねー」が同じ意味で使われています。福井県や岡山県出身の方にとっては「はよしねー」は普通の言葉で違和感もないのですが、他県民の方にとってはどうしても「早よ死ね」に聞こえてしまいます。
そのため、他県に就職することになった岡山県・福井県出身の人は、標準語の「早くして」と言うように努力する方も多いようです。
例文:「なんしょん?はよしねー(何してるの?早くしなさい)」
「わやじゃ」
岡山弁で「わやじゃ」は、標準語で「やばいじゃん」「すごい」「めちゃくちゃ」と言う意味になります。岡山弁で「わや」は「やばい」「すごい」という意味があるので、それに「〜じゃ」という岡山弁の語尾がついて「わやじゃ」となっています。
岡山県だけでなく、広島県でも「わや」は同じ意味で使われています。岡山県でも広島県でも「わや」は若者からお年寄りまで幅広い年代に使われているようです。
例文:「今日の理科のテスト、おえんかった。わやじゃ。(今日の理科のテスト、できなかった。めちゃくちゃだ)」
「〜じゃが」
岡山弁では語尾に「〜じゃが」と付ける人が多いです。岡山弁の「〜じゃが」は、標準語で「〜だよ」と言う意味です。「〜じゃ」というのをさらに強調したいときに「〜じゃが」と語尾につけることがあります。
例文:「わしのゆーたんはお前んことじゃないじゃが(自分が言ったのはあなたのことじゃないよ)」
「やっちもねえ」
岡山弁の「やっちもねえ」は、標準語で「つまらない」「馬鹿馬鹿しい」「くだらない」と言う意味になります。
「やっちもねぇ」の語源ですが、「やっち」は物事の区切りを意味する「埒(らち)」が転じた言葉です。「やっち」がない=物事の区切りが無い=しょうもないという意味で「やっちもねえ」と使われています。
「やっちもねえ」を 強めて「やっちくそもねぇ」という使い方をする岡山県民の方もいるようです。
例文:「やっちもねえこと言うな(つまらいことを言うな)」
岡山弁のかわいいフレーズと例文一覧
ここからは、岡山弁のかわいいフレーズと例文を紹介していきます。「怖い」「汚い」と言われがちな岡山弁にもかわいいフレーズはあるので、ぜひチェックしてみてください。
「ちーたー」
岡山弁の「ちーたー」は、標準語で「ちょっとは」「少しは」という意味になります。岡山弁の中では「ちーたー」はかなり定番で、他の県でも知られている方言です。
- 例文:「あんたもちーたーてごーせられー(あなたも少しは手伝いなさいよ)」
「ちばける」
岡山弁の「ちばける」は、標準語で「ふざける」という意味になります。岡山県以外の人が最初に聞いたら意味を想像することもできなさそうですが、岡山県に住んでいる人は子供の頃からよく「ちばけるな!」と怒られたりしているようです。
例文:「ちばけとったらおえんよ(ふざけてたらダメだよ)」
「もんげー」
岡山弁の「もんげー」は、標準語で「すごい」「ものすごい」という意味になります。
「もんげー」の語源ですが、「ものすごい」が訛って「もんげー」になったようです。アニメ「妖怪ウォッチ」のコマさんというキャラクターが、「もんげー」を口癖にしていたので聞き覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。
それだけでなく、2016年ごろには「もんげー、岡山」というキャッチフレーズを多くのタレントやアスリートがCMで使って岡山県のアピールをしていたため、もんげーの意味を知らずとも「もんげーは岡山弁なんだ」と知っている方は多いようです。
CMを見た後に、「もんげー」という言葉の意味がわからずにネットなどで調べて岡山弁と知った人たちの中には、そこから岡山弁に興味を持つ人もいたと言います。
実は、岡山県では「もんげー」はあまり使われなくなっていました。「すごい」「ものすごい」という意味の岡山弁は他にもあって、「でえれぇ」「ぼっけえ」がよく使われていたのです。
そのため、「もんげー」を使う人は少なくなっていたのですが、先ほど説明したアニメ「妖怪ウォッチ」のコマさんが「もんげー」を口癖にしていたことが影響して「もんげー」が再び注目されることとなりました。
例文:「もんげーうまいバナナだな(すごく美味しいバナナだね)」
いんどかれー
岡山弁の「いんどかれー」は、標準語で「避けておきなさい」「帰りなさい」という意味です。岡山県に住んでいない人だと、間違いなく「インドカレー」に聞こえてしまう方言として有名です。
岡山弁で「〜しとかれー」は、「〜しなさい」という意味があります。それに、岡山弁で帰るという意味の「去ぬ(いぬ)」がくっついて、「いんどかれー」となるのです。
例文:「今日はもういんどかれー(今日はもう帰りなさい)」
「きょーてー」
岡山弁の「きょーてー」は、標準語で「怖い」「恐ろしい」「気味が悪い」という意味になります。「きょーてー」という方言は、岡山県だけでなく鳥取県でも同じ意味で使われているようです。
「きょーてー」の語源ですが、古語の「気疎し(けうとし)」が変化したできたと言われています。
例文:「ぼっけーきょーてー映画じゃった(すごく怖い映画だった)」
岡山弁に変換するとキュンとする告白のセリフ
ここからは岡山弁に変換するとキュンとする告白のセリフを紹介していきます。
「好きだから付き合って?」
例文:「好きじゃけえ付きおうてや」
岡山弁では「〜だから」のことを「〜じゃけぇ」と言います。
「あなたのことが好きです」
例文:「あんたのこと好きじゃ」「おめえのことが好きじゃ」
岡山弁はフランクに「あなた」のことを「あんた」「おめえ」と言うのですが、こんな告白フレーズもキュンとしてしまいそうです。
「こっちに来て一緒にいようよ!」
例文:「こっちこられーうちと一緒にいよーや!」
岡山弁は「〜じゃ」「〜じゃけぇ」という言葉が語尾につくイメージが強いですが、この例文のように付かない場合もあります。
岡山弁は味があって魅力的な方言!
岡山弁について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。岡山弁は「かわいい」「怖い」「汚い」など色々な印象を持たれる方言の一つです。
岡山県の中には大きく分けて3種類の方言、備前弁・備中弁・美作弁がありますが、美作弁の中の1つである津山弁は岡山県に住んでいる人でも理解できないことも多いといいます。
岡山弁が「怖い」「汚い」と言われる理由の一つとしてよく言われているのが、標準語では相手を非難するようなあまり良くない響きの言葉が多用されているということです。
「早くしなさい」という意味の「はよしねー」は他県民の人から誤解されてしまうことは多いと言います。同様の意味で「はよしねー」は福井県民もよく使うようですが、もちろん岡山県民や福井県民には相手を非難するつもりはありません。
また、初めて岡山弁で話している人たちを見ると喧嘩・言い合いをしているように見えて怖かったという経験をする人もいるようですが、岡山弁はもともと癖が強いところがあるためそのように見えることもあると言われています。
2016年ごろから岡山県をアピールするCMで「もんげー、岡山」というキャッチフレーズをタレントやアスリートが使っていました。このCMの影響で「もんげー」という岡山弁に興味を持つ人もいたようです。
もし、岡山県に旅行する機会があれば、ぜひ岡山県民の会話にも耳をすませてみてください。面白い岡山弁がたくさん聞けるかもしれません。