岡山は桃太郎発祥の地！伝説･ルーツのある観光おすすめスポットを紹介

岡山県は、中国地方の南東部に位置しているエリアです。昔から朝廷・幕府へ運ぶ物資の輸送中継点・交通路の拠点として独自の発展を遂げ、現在でも倉敷美観地区に代表される古式ゆかしい観光名所が随所に残存しています。

近年、日本人なら誰もが知っているおとぎ話の桃太郎は、岡山県発祥ではないかという説が広まっています。現地では「桃太郎」の名を冠した食品やイベントが増えていて、町おこしの一環として活用されています。

そこで今回は、岡山県にある桃太郎伝説ゆかりのおすすめ観光スポットをまとめてみました。日本史に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

桃太郎は、桃から生まれた少年・桃太郎がイヌ・サル・キジを従えて鬼ヶ島の鬼を退治する物語です。

どう見ても作り話であるのは明白な昔話ですが、そのルーツが岡山県にあるとはどういうことなのでしょうか？

まずは、岡山県にある桃太郎伝説ゆかりのおすすめ定番観光スポットを見ていきましょう。

吉備津神社は、吉備津駅の近くにある巨大な神社です。国宝の本殿・拝殿をはじめ、備中神楽や回廊などが重要文化財に指定されています。

主祭神の「大吉備津彦大神（おおきびつひこのみこと）」は、異国よりやってきた温羅（うら）という賊徒一族を退治してこの地を平定した偉人と言われています。

この逸話をもとに桃太郎が作られたとすれば、大吉備津彦大神は桃太郎のモデルと言えるでしょう。

吉備津彦神社は、備前一宮駅の近くにある神社です。吉備津神社と名前が似ているので混同しがちですが、両社は別物。吉備国から備前・備中に分かれた際に、吉備津神社は備中の国の一宮、吉備津彦神社は備前の国の一宮となりました。

しかし、どちらも桃太郎のモデルと言われる大吉備津彦命（おおきびつひこのみこと）を祀っている点は同じです。吉備津彦神社の駐車場の西端には「桃太郎像」が置かれており、お供のイヌ・サル・キジと一緒に参拝者を見守っています。

社務所にある桃の形をしたかわいいお守りが大評判。吉備津神社とあわせて参拝すれば、良いパワースポット巡りになるでしょう。

鯉喰神社（こいくいじんじゃ）は、足守川の近くにある小さな神社です。境内には、2体の狛犬や地神の文字碑などが置かれています。

桃太郎のモデルと言われる吉備津彦命が温羅と戦った際、吉備津彦命の放った矢が左眼に当たった温羅が鯉となって逃げたという逸話があります。その後、鵜と化した吉備津彦命がこの地で温羅を追い詰めたという伝説にちなみ、「鯉喰」神社と名付けられたそうです。

鬼ノ城（きのじょう）は、標高約400ｍの鬼城山（きのじょうさん）の山頂付近にある山城です。約2.8kmに渡る巨大な城壁や水門などが築かれていて、自由に見学できます。

正確な創建年代は不明ですが、吉備津彦命に退治された温羅がかつて住んでいた城と言われており、「鬼ノ城」という名もこの逸話に由来しています。桃太郎における「鬼ヶ島」のような存在の場所と言えるでしょう。

矢喰宮（やぐいのみや）は、総社ICの近くにある神社です。吉備津神社と鬼ノ城の中間付近にあり、境内には巨石が転がっています。

この石は、吉備津彦命と温羅が戦った際、温羅の投げた岩が吉備津彦命の矢とぶつかってこの地に落ちたものだと言われています。大小4つの矢喰岩の周りに蛇が現れることもあるので、見学する際には注意が必要です。

岡山県では桃太郎にちなんだ町おこしが盛んであり、神社やお城だけでなく意外な場所でも桃太郎の姿を見ることができます。

続いては、岡山県にある桃太郎伝説ゆかりのおすすめ穴場観光スポットを見ていきましょう。

桃太郎大通りは、岡山駅と城下駅を結ぶ県道42号・27号の通称です。長さ約1kmの駅前通りで、照明部分には桃がデザインされています。

道沿いの各所には、桃太郎をイメージしたユニークな銅像が設置されています。クリスマスの時期になると周辺にイルミネーションが灯り、岡山屈指の幻想的な景観が広がります。

桃太郎像は、桃太郎大通りのスタート地点である岡山駅前に設置されている銅像です。1971年（昭和46年）5月に彫刻家の岡本錦朋氏が制作、岡山西ロータリークラブによって寄贈されました。

お供のイヌ、サル、キジを引き連れ、瀬戸内海に浮かぶ鬼ヶ島（高松市の女木島）の方向を凛々しく見据えています。岡山の玄関口に飾ってある非常に有名なモニュメントであり、岡山駅に着いたら記念に写真を撮りたくなることでしょう。

岡山県には、桃太郎と関係なくても人気の高い観光名所がたくさんあります。岡山県を観光する際には、ぜひこれらの地域にも足を運んでみてください。

ここでは、岡山県にあるおすすめ観光スポットを見ていきましょう。

岡山後楽園は、江戸時代初期に岡山藩主・池田綱政によって造営された回遊式庭園です。水戸の「偕楽園」、金沢の「兼六園」とともに、日本三名園に挙げられています。

園内には池・林・祠など風流な見所が満載。飼育されている8羽のタンチョウも見学できます。1952年には特別名勝に指定され、岡山を代表する観光名所に。園内をライトアップする特別イベントが夜間に実施されていることもあります。

岡山城は、岡山後楽園の近くにある史跡です。慶長2年（1597年）に完成した宇喜多秀家の居城であり、黒漆塗りの下見板が付いている真っ黒な外観から「烏城」の別名を持ちます。

城内には歴史資料を豊富に展示。昭和20年の空襲で焼失した天守閣も昭和41年に再建され、城のてっぺんから周辺の後楽園や岡山市街を一望できます。

吹屋ふるさと村は、高梁市のはずれにある観光名所です。江戸時代末期から明治初期にかけ、吹屋の豪商達が築いた石州瓦とベンガラ色で統一されたレトロな町並みが広がっています。

昭和52年には文化庁から国の重要伝統的建造物群保存地区の認定を受け、倉敷美観地区のように歴史的な景観を楽しめます。周辺には飲食店やお土産屋も多く、現地の郷土料理を買っていくのもおすすめです。

池田動物園は、岡山市の中心部にある県内最大規模の動物園です。元岡山藩主・池田詮政氏の孫である池田隆政さんと昭和天皇の第四皇女・池田厚子夫妻によって設立された由緒正しい施設で、京山の山中にてたくさんのかわいい動物たちと触れ合えます。

ホワイトタイガー、カピバラ、レッサーパンダなど、園内の動物の種類は100以上。動物にエサやり出来る体験コーナーもあります。

近年、経営難により存続が危ぶまれているので、動物好きな方はぜひ施設に足を運んでご支援ください。

桃太郎ゆかりの食べ物と言えば、何と言っても「きびだんご」です。もち米とキビ粉を使った茶席用の和菓子・きびだんごは、かつて吉備国と呼ばれていた岡山の郷土料理の一つ。動物のイヌ・サル・キジまでをも手なずける美味さのだんごは、家族や友人へのお土産におすすめです。

ここでは、岡山でおいしいきびだんごを購入できるお店を紹介します。

廣榮堂（こうえいどう）は、安政3年（1856年）創業の老舗和菓子屋です。岡山の名物お菓子として定着しているきびだんごを最初に作った始祖と言われており、本場のきびだんごを堪能できます。

中納言はまさにその発祥の地であり、中納言駅の目の前には廣榮堂の本店があります。2019年12月にリニューアルオープンし、ほんのり甘い吉備団子セットを250円からオーダー可能。イートイン、テイクアウト、どちらにも対応しているので、岡山観光時に大変重宝します。

岡山駅の周辺や市内の各広場では、毎年8月の第1土曜日と日曜日に「おかやま桃太郎まつり」が開催されます。温羅化粧（うらげしょう）を施したたくさんの踊り子が「うらじゃ踊り」を披露し、街は大賑わいです。

また、12月頃にはMOMOTAROH FANTASYが開催され、街全体にイルミネーションが灯ります。ライトアップされた桃太郎像は、非常に近代的でフォトジェニック。思わず写真に撮ってSNSにアップロードしたくなることでしょう。

今回は、岡山県にある桃太郎伝説ゆかりのおすすめ観光スポットを紹介いたしました。

絵本の中でしか見る機会のない桃太郎に実在のモデルがいたことを知れば、おとぎ話への興味がより高まることでしょう。岡山方面を観光する際は、ぜひ本記事を参考にして桃太郎ゆかりの地にも足を運んでみてください。