スリランカの治安の危険度は?安全?コロンボなど観光で注意点も解説
スリランカは以前は内戦が長く行われていた国です。しかし、現在は観光ができるほど治安が回復しています。スリランカの最大都市コロンボには寺院などもあります。見どころたっぷりですが治安はやはり心配されるでしょう。現在の治安や危険度についてまとめました!
目次
スリランカは安全?旅行前に知っておきたい治安状況
スリランカは、長らく民族対立が起きていた国です。内戦は26年間も続き、2009年に終結しました。2009年というと、まだ10年ほど前の出来事です。そのため、今でも治安が安全悪いのではないかというイメージが残るのも無理はありません。
しかし、初等教育から高等教育まで無償教育が行われ、識字率は約93%、小学校への進学率は約99%と発展途上国と言われながらも高い教育水準があります。治安も以前に比べると落ち着いてきました。
そのため、スリランカ旅行を計画する人も多くなっています。今回は、スリランカの現在の治安や安全に観光する方法などについて紹介します。
スリランカとはどんな国?
「スリランカ民主社会主義共和国」は、南アジアに位置しています。首都はスリジャヤワルダナプラコッテです。最大都市はコロンボです。人口は約2100万人で首都近くに人口が密集しています。
国民の約7割が仏教を信仰しています。ビンドゥー教やイスラム教、キリスト教信者もいます。民族はシンハラ人やタミル人など複数存在しています。
聖地キャンディや古代都市ポロンナルワなどが世界遺産に登録されており、観光でも注目を集めています。
スリランカの言語
スリランカは、使われている言語が多い国です。主にシンハラ語とタミル語を話す人が多く、シンハラ人がシンハラ語、タミル人がタミル語などのように民族によって言葉が違います。
しかし、過去にイギリスの植民地であったスリランカなので、観光地では比較的英語が通じます。イギリス英語なので訛りを感じることもあるでしょうが、英語が理解できれば問題ありません。
スリランカの現地の人も、自分の民族の言葉にプラスして英語を使っているので、スリランカ観光は英語で通してもいいでしょう。
スリランカの通貨
スリランカは、「スリランカルピー」が通貨として使われています。2019年12月現在、1スリランカルピーは約0.60円です。空港で日本円からスリランカルピーに両替してください。
スリランカでは一部のホテルで両替も可能です。しかし、その場合はアメリカドルからの両替になるため、アメリカドルを持っておくと便利でしょう。中には、日本円がそのまま使えるお店もありますが稀です。
クレジットカードと現金を上手に使いましょう。物価は日本よりも安いので、多すぎるお金は必要ありません。
外務省発表によるスリランカの危険度
2019年12月現在のスリランカの治安は、全土において危険レベル1です。スリランカでは、2019年4月に同時爆破テロが起きました。このテロにより日本人が1名犠牲になっています。一時期は危険レベルも2がつけられて危険度が高い国でした。
現在は治安の回復がみられるため危険レベルは1になっていますが、テロの可能性が今後ないとは言えません。また、コロンボなどの都市部をはじめとし、スリやひったくりなどの窃盗や詐欺なども行われています。
さらには、宗教対立やデモが起きることもあるため、治安に影響するトラブルが発生することも考えられます。危険レベル1で観光はできるものの、安全な観光はどこにも補償されていない状態です。
スリランカ・コロンボ周辺の治安が悪い場所
スリランカを観光するときは、最大都市であるコロンボを訪れることが多いでしょう。スリランカやコロンボにおける治安が悪いエリアについて紹介します。
2019年4月に起きたテロ事件は、コロンボも含まれた場所で発生しています。都市部だからといって、危険度が低いわけではありません。不測の事態が起きることも想定しておく必要があります。
治安が悪い場所を把握した上で、スリランカ国内やコロンボ周辺を観光してください。
フォート駅
コロンボにあるフォート駅では窃盗被害が多発してます。リュックを背負っていたらいつの間にかチャックが開けられ、中に入れていた財布や旅券などの貴重品が奪われたトラブルがあります。
フォート駅は人がとても多い場所なので、混雑を利用したスリが行われています。チケットを購入するときには並ばなければなりません。周囲に気をつけておかないとスリ被害に遭います。
また、スリランカは電車の時間が正確ではありません。電車の時刻に振り回されて観光に影響するというトラブルもつきものです。
ゴールロード
コロンボにあるゴールロードでは、声をかけられることが多く、「○○があるから行こう!」と誘われます。ついていってしまうと、遠いところに置き去りにされる上に、連れてきた運賃を請求されます。
また、ゴールロードを歩いていたら、宝石の購入を促された人もいます。さらには、ゴール付近のホテルに宿泊していた人がホテルの従業員による性的暴行も受けています。
スリランカでは、日本人というのが分かると、日本語で話しかけてくる人もいます。日本語で話しかけてきたことで心を開くとつけいれられるでしょう。
コロンボ北部
コロンボ内でもとても治安が悪い場所です。コロンボ北部にはマフィアが存在しており、違法薬物関連の犯罪や、暴行事件が起きています。
犯罪組織のプロが潜んでいるエリアと思って近づかないようにしましょう。コロンボには、1区などがありますが、治安が最も悪いのは13区~15区です。
フォート地区
自称ガイドを名乗る人や、トゥクトゥクの運転手が頻繁に観光客に声をかけています。これは、観光客からお金をぼったくろうという思惑で行っていることです。そのため、このエリアでは高確率で声をかけられるでしょう。
ホテルも多いため宿泊する観光客が多く、ぼったくりをする人にとって最高のエリアでもあるのです。金額を最初に提示して案内すると言ってきたガイドが、案内が終わると提示した金額よりも高額な金額を請求してくるのが手口です。
請求された金額を否定すると、暴力を振るわれることもあります。最初は親切ですが、急に態度が変わるのでひっかからないようにしてください。
マウントラビニアのビーチ近くのスラム街
マウントラビニアのビーチは比較的安全です。治安も保たれています。しかし、スラム街が近くにあり、スラム街に入ると危険です。低所得層の人が多く、観光客の金品を狙っています。
スラム街の人が、観光客に話しかけ、物を高値で売りつけることもあるでしょう。また、このエリアには野良犬も多くいます。スリランカでは狂犬病の件数が減っています。
しかし、野良犬に咬まれるとどんなトラブルがあるか分からないので注意してください。
スリランカで観光客をターゲットにした犯罪
スリランカでは、観光客が被害に遭うトラブルが起きており、日本人観光客も被害者になっています。様々なトラブルがあるため、それらも治安を左右しているのでしょう。
安全な観光のためにも、スリランカで起きている犯罪についてチェックしてください。
スリ
スリは日常的に起きている犯罪です。長距離バスに乗ったり電車を利用したときに財布をすられたなどのように、貴重品がなくなる事件は多々発生しています。
スリ被害に遭った人は、財布だけでなく旅券まで奪われているケースが多いのが特徴です。貴重品を1つにまとめているために起きている被害でもあるでしょう。
ひったくり
トゥクトゥクに乗っているときにバックをひったくられたとか、高い料金を請求され拒否したらバッグをひったくられたという被害があります。
他にも、バスから降りた瞬間に荷物を持っていかれたというひったくり被害もあります。また、ひったくりだけでなく、置いていたはずの荷物がなくなるという置き引きもスリランカでは多発しています。
強盗
仲良くなったスリランカの人と一緒に食事をしていたところ、意識がなくなり気づいたら貴重品がないという睡眠薬強盗も起きています。
また、刀などの武器を持ったギャングが強盗事件を起こしています。路上強盗も頻発しており、危険度が高いと言えるでしょう。
詐欺
スリランカでは、宝石を高値で購入させられる詐欺や、不動産購入や土地の購入、ビジネスを持ちかけられる詐欺に加えて、恋愛詐欺や結婚詐欺も多発しています。
スリランカの人に言い寄られて結婚したものの、ビザ目的の結婚詐欺だったとか、恋愛関係になったもののお金を騙し取られた恋愛詐欺の被害に遭っている人がいます。
中には、婚約した後にお金を要求されその後婚約破棄になった人もいます。暴力事件にまで発展することもあるので、スリランカの詐欺は危険度が高いと言えるでしょう。
違法薬物
スリランカは違法薬物も問題になっています。違法薬物は外国人であろうとも使用すると逮捕されます。実際に、日本人旅行者がスリランカ人にすすめられたものを知らずに吸っていたら大麻だったために逮捕されました。
薬物を売っている人もいるので注意してください。また、薬物の密輸も行われています。薬物に関わるのはとても危険度が高い行為です。
スリランカでは、薬物撲滅のためにとても重い刑を執行することも考えられています。治安改善にはなるでしょうが、観光客が巻き込まれる可能性が高い犯罪でもあります。
女性を狙った性犯罪
スリランカは、性犯罪が多いため女性にとっては危険度が高い国です。女性にとっては治安もかなり悪いと言えるでしょう。日本人旅行者にも性犯罪の被害に遭っている人がいます。
ホテルにいたら清掃員から襲われて性的暴行を受けた人や、タクシーの運転手にホテルまで連行されて性的暴行をされた人、住宅で男が侵入し性的暴行をされたうえに金品を奪われた人もいます。
他の国よりも性犯罪がとても多いのが特徴なので、非常に危険度が高く注意しておかないと女性被害者が後を絶たないでしょう。
スリランカ旅行を安全にするための注意点
スリランカで起きている犯罪を知ると、とても治安が悪いと感じませんか?特に女性にとっては治安が最悪の国とも思える事件が多発しています。
しかし、スリランカは現在、観光ができるまで治安が回復しているのも事実です。安全に観光するには何に気をつけたらいいのかについて紹介します。
目立つ服装をしない
スリランカは、熱心な仏教徒が多いのが特徴です。現地の人はあまり派手は服装をしていません。観光場所によっては露出が禁止されている場合もあります。
また、服装で目立ってしまうことで犯罪に巻き込まれることも考えられます。観光のしやすさや、安全面を考慮して派手な服装はしないようにしてください。
単独行動をしない
女性も男性も単独行動は危険度を高めます。単独行動をすると、強盗や詐欺に巻き込まれる可能性があります。女性は、女性2人で行動していても性被害に遭いそうになるトラブルに見舞われた人もいます。
できるだけ複数人で行動し、皆から離れないようにしてください。信用できる人と群れて行動したほうが安全です。
親切な人には注意
ニコニコしながら愛想を振りまいてきたり、親しげに話しかけてきた人はぼったくりや詐欺、強盗など様々な犯罪の可能性が考えられるため注意してください。相手のコンタクトに答えないほうがいいでしょう。
女性は、親切にしてきた人から恋愛や結婚詐欺に遭う可能性もあります。親切な人ほど危険度が高いのでは?と思い警戒してください。
荷物から目を離さない
スリランカでは、空港や駅など人が多い場所では荷物が奪われることが多くあります。レストランなどでも注意してください。
また、バスで長距離移動をするときは、荷物を自分で持つようにし、網棚や足元には置かないようにしてください。置き引き被害も多発しています。
女性は1人でタクシーを利用しない
タクシー運転手による性的暴行も行われています。女性は絶対に1人でタクシーに乗ってはいけません。できるなら、男性を加えて乗るようにしてください。
2人組女性も狙われやすいため、安心できません。そう考えると、女性だけの行動は危険度が高まるというのが分かるでしょう。治安が不安視される要素が性犯罪でもあるので、スリランカでの行動は注意してください。
夜間の外出を控える
夜になると、ギャングやマフィアがいるだけでなく、性犯罪が増えたり強盗が増えたりと危険がとても多くなります。
できる限り夜は外出を控えてください。また、ホテルの部屋にいても注意してください。ノックされてドアを開けたら殴られた人や、従業員による暴行事件も起きています。施錠してドアを開けないようにしましょう。
スリランカ旅行は治安を左右する犯罪に注意しよう!
スリランカには、圧倒されるような寺院などもあり仏教国としての文化を感じることができるでしょう。そのため、犯罪に注意することで良い思い出がたくさんある旅行もできるはずです。
ただ、犯罪の種類が多く、危険も多いのが事実です。注意しなければならないことも多いので、治安が良い国とは思わずに気をつけた行動を常に心がけましょう。