ウラジオストクの治安は悪い?良い?旅行や観光で注意すべき点も紹介
ロシア連邦極東の街、ウラジオストク。当地の観光情報、旅行する際に注意する点、治安情報などひとまとめにしてお届けします。日本に一番近いヨーロッパではどんなことに注意すればいいの?ロシア・ウラジオストクの観光スポットの治安は?疑問が一気に解決。
目次
ウラジオストクへの旅行前に知っておきたい治安状況
ロシア極東の街、ウラジオストク。
最近では、日本から3時間弱で旅行できるヨーロッパとして再び注目を集めています。実際に、ウラジオストクには欧州の雰囲気を体感できる場所や景色の良いスポットがたくさんあります。
さて、そんな近くにあるロシアの都市、ウラジオストクなのですが、ここは冷戦終結までは重要な軍港として外国人の滞在が著しく制限されていたところでもあります。一般の観光が認められた今でも、例えば写真の撮影が禁止されているスポットがあるなど、普通の観光地と違う点は多々あります。
いつも以上に標識や掲示には注意して観光しましょう。悪い人や治安にも注意が必要です。
ウラジオストクとはどんなところ?
ロシアの極東部に位置する都市で、沿海地方の州都です。ウラジオストク市は沿海地方南部のピョートル大帝湾の南にあります。日本海に突き出したムラヴィヨフ・アムールスキー半島南端部に位置していて、ロシア海軍の太平洋艦隊の基地が置かれる軍港都市です。人口は約60万人。
丘陵上の市街に囲まれるようにして金角湾が半島に切れ込んでおり、天然の良港になっています。冬の間流氷に閉ざされてしまうロシア帝国にとっては、とても貴重な、冬でも稼働可能な不凍港として大きな存在感を発揮していました。街の中心部は金角湾の奥にあります。
南には東ボスポラス海峡をはさんで軍用地や保養所などのあるルースキー島があります。ウラジオストク市内とルースキー島は今では橋でつながっています。気温に関して言えば、1月の平均気温が一番低く、-12.6 ℃に達します。日常的に氷点下の寒さなので、服装など対策は必須です。
降雪は、山間部では10月末から、沿岸部では11月末から始まります。主に降るのは郊外で、市内では降雪はそこまで多くありません。冬の間はは北風が強く、日本海を低気圧が通ると風と雪がともにも強まり、天気が荒れます。緯度では札幌と同緯度に位置しますが、沿岸都市でもあるにもかかわらず北海道よりも寒い日は多い印象。
繰り返しになりますが、この時期の旅行は防寒対策をしっかりしていきましょう。その一方で、8月の平均気温は、 +19.6℃にまで達します。日本国内のからの避暑にはうってつけですね。ウラジオストクの観光には、天候の良い夏季がおすすめです。内陸の都市と比べ、一日の中で寒暖の差も穏やかで過ごしやすいです。日本と同様に台風が上陸することもあります。
日本との時差は、常に+1時間です。夏時間はありません。
ウラジオストクの治安は良い?悪い?
ウラジオストクの治安に関して、まず感染症危険情報はありません。
外務省危険情報はウラジオストクについては「レベル1」。観光にあたっては治安に関し綿密なリサーチが必要です。現地についてから旅行プランを練るのではなく、出発前に予め訪問したいスポットを選んでから旅立つことが良い方法です。
ロシア国内では「レベル3」など渡航禁止勧告が出ている治安の悪化した地域もありますが、それはカフカース地方であり、ロシア西部です。極東部のウラジオストクの治安状況は比較的安定していると言えるでしょう。西部の大都市ではテロなども起こっていますが、東部や沿海州は事件も起こっておらず平穏と言えます。しかし、油断は禁物です。外務省の治安情報と危険情報には、常にアンテナを張っておきましょう。
ウラジオストクで観光客をターゲットにした犯罪
スリ・ひったくり
ウラジオストクは極東部の中でも大きな都市です。大きな都市で旅行客が被害にあってしまう代表的な犯罪が、スリやひったくり。治安が極度に悪いというわけではないのですが、ズボンの中のポケットに、スマホや財布があったらもう確実に標的になってしまいます。基本的に口の閉じるかばんに入れておくのが良いでしょう。
置き引き
ウラジオストク空港や街なかでスーツケースを引きずりながら、ウロウロ。これは避けるべき悪いスタイルです。ホテルに行くまではしょうがありませんが、観光時はなるべく身軽でいたいものです。窃盗犯は、持ち主の意識がスーツケースからそれた瞬間すぐに持っていってしまいます。それは仲間を使った三文芝居でも同じことです。
「服にアイスがついた」「道を教えてほしい」「なにか困ってる?」馴れ馴れしく声をかけてきたら、それは置き引きのサイン。ウラジオストクでは徹底的に無視をしてスーツケースを守りましょう。
強盗
地上階のホテルの部屋の場合、部屋の中の荷物が狙われてしまったケースがウラジオストクでも報告されています。できれば治安を考えても2階以上の高さのあるところに滞在したほうが良いです。レアケースではありますが、もしレセプションで地上階の部屋のオファーを受けたら、他に部屋がないか尋ねてみましょう。悪いことではありません。
暴行
夜の繁華街は楽しい雰囲気の一方、治安が一時的に悪くなってしまうシチュエーションでもあります。ウラジオストクの繁華街でもお酒が入った段階でのトラブルは頻繁に起こっています。ときには喧嘩に発展してしまうことも。
ただの喧嘩と侮ってはいけません。武器などがないにもかかわらず、素手で相手を殺してしまうケースもヨーロッパ、特にロシアでは多々発生しています。決して近づかないようにしましょう。
基本的にウラジオストクの繁華街で飲む時は、室内で飲むほうが良いでしょう。ある程度の広さがあって、出口まですぐに逃げ道を確保できる大きさのお店が良いです。こじんまりとしてガヤガヤしている店では何かが起こってもすぐに対処できません。治安の変化に気をつけながら楽しみましょう。
車上荒らし
ウラジオストクをレンタカーで周る場合、車の中の荷物に注意を向けることも大事です。駐車場が屋外の場合、治安の良い悪いに関係なく基本的に車内に荷物を残してはいけません。窃盗犯は金目のものを狙っていますし、フロントウインドウやドアのウィンドウ、ともにすぐに割って破られてしまいます。
ウラジオストクを一人旅しても大丈夫?
ウラジオストクを一人旅するのは大丈夫なのでしょうか?女性の一人旅について見ていきましょう。
女性の一人旅は?
ロシアは、ヨーロッパ他の人気の観光地とは違い、パスポートのみで訪問できる国ではありません。大使館での観光ビザの申請が必須です。
しかし、ウラジオストクに関しては、2017年より電子ビザの発給が開始され、わざわざ大使館に行かずとも、自宅で申請とその場での発給が可能になりました。現状では渡航4日前の申請が推奨されています。こうした点で、ロシアの中では治安もそこまで悪くなく女性の一人旅もしやすい街と言えるでしょう。
とは言え、大柄な人も多く治安に少し危険を感じるシーンも多いかもしれません。ヨーロッパの他の街よりも距離が近いですが、日本の延長線と考えて旅行するべきではないです。しっかりと、外国に来ている自覚を持って、日常では感じられない風景を楽しみましょう。
周りの治安の変化には常にアンテナを張って、不審な人物がよってきたり、場の雰囲気が変わったような感じがしたら、すぐに逃げるなど行動を取れるように常に意識することが大切です。
観光名所で気をつけること
観光名所ではどんなことに注意すればよいのでしょうか。
プリモルスキー水族館
ウラジオストクにあってロシア国内最大級の水族館です。その規模は大きく、水族館にとどめるは惜しい旅行スポット。もはや博物館の様相もかもしだしています。ただ、やはり人が集まるということで、悪い人も集まりやすく、スリなどの被害も報告されています。大きな荷物はなるべくクロークやロッカーに預けて、身軽な格好で鑑賞を楽しみましょう。
黄金橋
ウラジオストクの金角湾の両岸を渡す橋。歩いて渡ることも可能です。夕焼けが美しいことでも有名な金角湾。一眼レフカメラを持参して旅行される方も多いでしょう。日本でもロシアでも性能のいい一眼レフカメラは高級品。治安は良くても狙っている人はいます。スリやひったくりに充分気をつけて、撮影に臨んでください。
マリインスキー沿海州劇場
ロシア国内でも著名なクラシックバレエを鑑賞できる劇場です。高級な雰囲気ただよう劇場なので、怪しい人を見かけることはほとんどありませんが、甘いお誘いには要注意。必要以上に親切な人には悪い影もあります。気をつけましょう。
ウラジオストク駅
ウラジオストク市内のシンボルのかわいい駅舎。この駅からシベリア鉄道は出発します。
1893年開業でとても歴史のある駅舎。駅舎の裏には客船ターミナルもあって、船と鉄道が接続していた時代にも思いを馳せることができます。旅行者には待合室の天井画も必見。
駅への入場はX線探知機による荷物検査を受けさせられます。大荷物で行くと時間がかかってしまいます。見学だけであれば身軽で行くほうが良いです。またロシア極東部のターミナル駅ですので利用客・旅行客もたくさん。人が集まるところではやはり治安も気になります。スリなどに気をつけましょう。
ポクロフスキー聖堂
ウラジオストク市内になって、黄金と青の玉ねぎ型の屋根が特徴的な教会です。市街地から少し離れたポクロフスキー公園の中にあります。
教会内は厳かな雰囲気が漂いますが、周りの公園は治安に関し少し用心が必要。暗い時間帯はあまり歩かないようほうが良いでしょう。
鷹の巣展望台
金角湾と黄金橋を見渡せる高台。
ウラジオストクの中でも見晴らしが素晴らしい高台です。黄金橋はもちろんのこと、市街地も一望できます。ロシア語・スラブ語圏で使われるキリル文字の祖に当たる文字群を制定した ロシア背正教会の宣教師、キュリロスとメトディオスの兄弟の銅像もあります。
観光客がまっさきに目指す場所でもあるので、悪い人の出没も増加。スリやひったくりの被害も多い治安に注意すべきスポットです。眺望に気をとられて身の回りの注意がおろそかにならないようにしましょう。
アドミラーラ・フォーキナ通り
別名噴水通り。ウラジオストクの中で身近にヨーロッパを感じられるショッピングストリートです。
こちらも旅行客に人気の通りです。日本人にとってはヨーロッパ情緒たっぷりで、歩くだけでもウキウキしてしまう通り。そして、こういったエリアにはやはり怪しい人影も増えてきてしまいます。危害を加えるような犯罪はありませんが、治安と身の回りの品には充分気をかけて観光しましょう。
スポーツ湾
ウラジオストクの街からほど近い海水浴場。
ご存知でしたか?ウラジオストクでも夏の間は海水浴を楽しむことができます。近辺には美味しいシーフードのお店が軒を連ねています。夏場に訪れると、開放的な気分に浸りがちですが、海水浴の最中にも置き引き犯はあなたの荷物を狙っています。ロッカーなど必要に応じて効果的に利用したほうが良いでしょう。
ウラジオストクを安全に旅行するための注意点
ウラジオストクを旅行する際の注意点をみていきましょう。
夜間の一人歩きはしない
慣れない土地で、夜むやみに出歩くことは危険です。知らず知らずのうちに治安が悪化して犯罪に巻き込まれてしまうかも知れません。ウラジオストクの繁華街などもなるべく明るいうちに観光するようにして、夜は出歩かないことをおすすめします。
目立つ服装はしない
治安に不安のあるところで「わたし観光客です!」とひと目で分かるような派手な格好はおすすめしません。スリ犯やひったくり犯の格好の標的になってしまいます。なるべく目立たない格好を心がけましょう。最近では、シンプルでラフなファッションが好まれているロシア。現地のトレンドを取り入れていくのも悪くないでしょう。
人気のない場所には行かない
興味本位でも危険な地域に行ってしまうのはNGです。この記事にも書いてある治安の悪い場所に夕暮れ時以降に訪問することはおすすめしません。
外務省の「たびレジ」をご存知ですか?このサイトは有能です。ぜひ登録して、現地の治安情報や危ない地域の情報収集も事前に行っておきましょう。
親切な人に注意
観光地で困った時は、現地の人の親切さに心がホッとすることがあります。しかし、旅行客に対し必要以上に親切にしてきたり、声をかけてきたりする人に本当に良い人はいません。ほとんど悪い人でスリや置き引きなど悪だくみをしています。
荷物から目を離さない
ウラジオストクの街歩きの際は、治安とともに常に自分の荷物に注意を向けておきましょう。荷物自体の量を減らすこともおすすめです。親切なふりを装って、あなたの荷物を狙っている悪い人はたくさんいます。自分の荷物は自分で守る。これを鉄則にしてウラジオストクを旅行しましょう。
ウラジオストク観光の際は楽しむと同時に身の回りにも注意を向けて
他のヨーロッパの都市とは違い、旧共産圏独特の雰囲気が残るロシア。その中でもウラジオストクは最も日本に近く、また長年の交流の歴史があります。ヨーロッパを感じつつも過去の日本の面影を感じる旅ができることもあり、自分探しの旅行者が数多く訪れるところでもあります。
ただし、せっかくの旅行中に犯罪に出くわしてしまっては、楽しみも半減ですよね。ぜひ身の回りはしっかり防備して、治安への注意を怠ること無く自分好みの風景を探してみてください。