ウェアハウス川崎は九龍城がモチーフ?アクセス・入場料・駐車場も紹介
神奈川県川崎市には、香港の九龍城を模したウェアハウス川崎というゲームセンターがありました。レトロゲームや謎解きイベントなどユニークなサービスを展開していて、閉店を惜しむ声が絶えません。ウェアハウス川崎の見所やアクセス方法、閉店理由などを紹介していきます。
目次
電脳九龍城で知られる「ウェアハウス川崎」について紹介!
皆さんは「ウェアハウス川崎」というお店をご存知でしょうか?
ウェアハウス川崎とは、株式会社ゲオによって運営されているゲームセンター「あなたのウェアハウス」の川崎店のことです。首都圏を中心に展開しているアミューズメント施設で、その一つが神奈川県の川崎市にありました。
ウェアハウスの系列店は、他のゲームセンターと差別化を図るために、ユニークなコンセプトのもとに独自の営業路線を貫いていることで有名です。
その中でもウェアハウス川崎店は、ひときわ異彩を放っている店舗。日本だけでなく海外にもファンが多く、利用者の間でカルト的な人気を誇っていました。すでに営業を終了している現在でもなお、SNS上では同店に関する投稿を見かけます。
そこで今回は、伝説的ゲームセンター・ウェアハウス川崎についてまとめました。どのような点が凄かったのか、ウェアハウス川崎の魅力をたっぷり紹介しましょう。
住所 | 神奈川県川崎市川崎区日進町3-7 |
電話番号 | 044-246-2360 |
営業時間・定休日 | 2階と3階のみ9:00~23:45 他のフロアは24時間営業 |
アクセス | 川崎駅東口から徒歩約10分 |
公式URL | https://www.warehousenet.jp/store/storeinfo.php?id=210 |
ウェアハウス川崎の特徴
川崎駅東口を出てそのまま大通りを南方に向かって歩いていくと、日進町に茶色く錆びれた異様な外観のビルが建っていました。それが、ウェアハウス川崎店です。
2005年12月にオープンした施設なのに、まるで100年以上前の建造物のような古めかしさがあり、近寄りがたい廃墟の雰囲気に圧倒されること必至。知らない人が見たら、「なぜ都会のど真ん中にこのようなビルがあるのか」と不思議に思うはずです。
ここでは、ウェアハウス川崎の主な特徴を解説していきます。
入場料は基本無料!
ウェアハウス川崎の店内は、ゲームセンター・ダーツ・ビリヤード・卓球・インターネットカフェなどのエリアで構成されています。
約2,500坪の巨大フロアにおよそ800台ものゲーム機が設置されていて、ビルの外とはまるで異なる刺激的な空間が広がっています。
各サービスを実際に利用する際にはお金がかかりますが、単に入店するだけなら無料。重々しい鉄扉とは裏腹に、客が気軽に入場できるシステムになっていました。
18歳未満は入場禁止
ウェアハウス川崎は入場無料のアミューズメント施設ですが、誰でも入店できるわけではありません。18歳未満の方および同業者は入場できない規則になっていました。
一般的なゲームセンターの場合、保護者同伴なら夜の6時~10時程度まで施設を利用できます。しかし、ウェアハウス川崎は客層を「大人」に限定していて、キッズコーナーは一切ありません。
小中学生が騒いでいると中高年の方々が迷惑する上に、タバコを吸いながらギャンブルゲームにいそしむ大人たちの姿は青少年の教育にも良くないでしょう。そのような理由から、「大人のデートスポット」と位置付けられていたウェアハウス川崎では18歳未満の子供は入店禁止となったようです。
香港の九龍城をイメージした内装
ウェアハウス川崎の特異な内観・外観は「九龍城」をモチーフにデザインされており、別名「電脳九龍城」と呼ばれています。
ちなみに九龍城とは、かつて香港の九龍城地区に実在した巨大なスラム街の要塞のことです。
香港がイギリスに統治されていた19世紀頃、中国政府が領有権を保持していた小さなエリアに中国大陸の人民が流れ込むようになりました。その地域は国家権力すら行き届かない無法地帯となり、異様な高層マンションが立ち並ぶ「九龍城砦」が誕生しました。
なお、九龍城砦は1993年頃に取り壊され、跡地には九龍寨城公園が作られました。
跡形もなく消滅したとはいえ、廃墟のような建築物の中で独自のコミュニティーを形成していた九龍城は、現在でも歴史ファンの間で偶像的な伝説の存在となっています。
そして、「刺激的で非日常を提供できる空間」というウェアハウスの経営理念と、スラム街の中で共存する住人のイメージが合致したため、香港の九龍城がウェアハウス川崎のコンセプトとして採用されたそうです。
店内を回りながら遊べる「謎解きゲーム」
ウェアハウス川崎では、アーケードゲームやダーツなどその場に留まって遊ぶエンターテインメントの他に、九龍城を模した店内を散策しながら物語のキャラクターになりきる「謎解きゲーム」も実施されていました。
建物内のあちこちに隠されている情報を探索し、推理・ひらめきを駆使しながら、出題されたストーリーの謎を解いていきます。NAZO×NAZO劇団や金田一少年の事件簿とコラボした話題性抜群のイベントもあり、高度な知的ゲームが大好評でした。
ウェアハウス川崎の各階の特徴
九龍城をイメージして建てられたウェアハウス川崎は、5階建ての構造になっていました。各階には様々な施設が用意されていて、自分に合ったゲームを楽しめました。
ここからは、ウェアハウス川崎の各階の特徴を紹介していきます。
1階
ウェアハウス川崎の1階は、エントランス部分になっています。駐車場・駐輪場、およびエレベーター・エスカレーターがあります。
怪しいネオンがきらめく看板は、電脳九龍城の名称に相違なし。異世界に引き込まれるような緊張感に圧倒されます。
2階
ウェアハウス川崎の2階は、ゲームコーナーになっています。アーケードゲームの筐体を中心に、UFOキャッチャーなどのクレーンゲームやプリクラが設置されていました。
無印の「ストリートファイター」から最新の「艦これ」や「プリパラ」まで、ラインナップも充実。アクションゲーム、音楽ゲーム、カーレースゲーム、様々なジャンルが網羅されていて何時間でも遊べます。
ゲームの料金
ウェアハウス川崎の2階に設置されているゲームの料金は、種類によって異なります。
大半のアーケードゲームはワンプレイ100円ですが、レトロゲームの中には50円で遊べるものもあります。また、「600円・12クレ」、「1,200円・24クレ」といった具合に特殊な料金体系のゲームもあります。
3階
ウェアハウス川崎の3階も、ゲームコーナーになっています。ただし、2階までの薄汚れた雰囲気とは打って変わり、床の上にレッドカーペットが敷かれてラスベガスのような華やかな内装です。
スロット、ポーカー、競馬など、ギャンブル系のメダルゲームがラインナップの中心。人気ゲームの筐体も3階に置かれている場合があります。
しかも3階の吹き抜けエリアから階下を見渡せるダイナミックな構造になっていて、電脳九龍城の中で遊んでいる実感が湧いてきます。
ゲームの料金
ウェアハウス川崎の3階に設置されているゲームの料金は、2階の筐体とほぼ同じです。
貸し出し制のメダルゲームは1,000円・400枚から参加でき、貸出枚数が増えるほどお得になります。資金に余裕のある方の中には、50,000円・40,000枚単位でメダルを取得する方もいました。
4階
ウェアハウス川崎の4階は、ダーツ・ビリヤード・卓球用のゲームコーナーになっています。騒々しい電子音が飛び交う階下と違い、エレガントな空間が広がっていました。
しかも、4階のゲームコーナーは24時間営業。多忙な社会人の方でも仕事帰りに気軽に立ち寄れる開放感が高く評価されていました。
ダーツの料金
ウェアハウス川崎の4階のゲームは、2階・3階のゲームと違って会員制になっています。受付カウンターで会員登録を行うと、税抜300円の年会費がかかります。
さらに、ダーツは1ゲーム100円、ビリヤードは1人あたり30分300円、卓球は1台30分500円の料金も必要です。
ダーツには長時間遊びたい方用の料金プランもあり、平日は3時間、土日祝日は2時間、1,200円で連続プレイできます。
5階
ウェアハウス川崎の5階は、インターネットカフェになっています。周囲を赤い壁に覆われ、広々とした空間には極上の高級感が満ち溢れています。
一人用の個室からグループ用のブースまで、様々な広さの部屋を完備。最新の漫画・雑誌が読み放題の書籍コーナーやマッサージルーム、食事スペースまで用意されていて、快適なインターネットライフを満喫できる環境が整っていました。
ネットカフェの料金
ウェアハウス川崎の5階のインターネットカフェは、年会費300円(税抜)の会員登録を行った方が利用可能です。
基本料金は30分・300円。その他、3時間コースやナイトパックなど様々な料金プランがあり、自分に合ったスタイルでインターネットカフェを活用できます。
希望者はシャワー(500円)や日焼けマシン(1,000円)を使える上に、軽食もオーダー可能です。そのままホテル代わりに泊まって、夜を明かす社会人も少なくありませんでした。
ウェアハウス川崎の見どころ
ウェアハウス川崎はビルの外観だけでも十分に目を引く存在ですが、内装のディテールも非常に凝っていることで有名でした。
「そこまでするか!」と言いたくなるほどの関係者のこだわりが、多くのゲームセンターファンの心を掴んで離さなかった理由の一つと言えるでしょう。
ここでは、ウェアハウス川崎館内の特筆すべき見所について紹介していきます。
両替機
ウェアハウス川崎の2階には、お札を小銭にできる両替機がセットされていました。
一般的なゲームセンターの場合、清潔感をアピールするために両替機をきれいにしておくものです。しかし、ウェアハウス川崎の両替機にはエイジング加工が施されていて、本当に九龍城に置かれていた機械であるかのように錆び付いて見えます。
ちなみに、かつてウェアハウス川崎で使われていた両替機は、現在では東京都足立区の入谷店に置かれています。普通の内装のゲームセンターに錆びた両替機があると、場違い感が半端ではありません。
自動販売機
ウェアハウス川崎のゲームコーナーに置かれていた自動販売機も両替機と同様、九龍城の雰囲気に合わせるためにエイジング加工が施されていました。
全体的に汚れており、心なしかライトの明かりもおぼろげ。隣に置いてあるUFOキャッチャーの機体も同じように腐蝕加工されていて、電脳九龍城の名称に偽りなしです。
もちろん、自販機にセットされている飲み物は新品です。賞味期限の切れた商品が入っているわけではないので、買って飲んだからといって食中毒になることはありません。
トイレ
ウェアハウス川崎のトイレやエレベーターも、廃墟風の褐色がかった見た目になっていました。スラム街の手洗い場に足を踏み入れたような錯覚に陥り、思わず用を足すのをためらってしまった方もいたことでしょう。
なお、汚く見せているのはあくまで演出であり、実際には丁寧に清掃されていて衛生面の問題はありません。
また、手洗い場が廃れていたのは男子トイレだけで、女子トイレは宮殿内のようにファンシーな内装になっていたそうです。
ウェアハウス川崎へのアクセス方法
川崎市の日進町にあったウェアハウス川崎には、県外からも多くの利用者が通っていました。駐車場も完備されていて、電車または自動車で行けます。
ここでは、ウェアハウス川崎までのアクセス方法について紹介していきます。
電車の場合
電車を利用する場合、東海道線・京浜東北線・南武線の川崎駅で下車してください。東口を出た後に大通りを右折し、ヨドバシカメラ方面へ直進。約10分ほど歩けば、現地に到着します。
また、京浜急行線京急川崎駅からは徒歩約15分で到着します。八丁畷駅からも徒歩約10分で行けます。
車の場合
自動車を利用する場合、首都高横羽線(K1)大師出口から約20分で現地に到着します。
また、横浜新道・保土ヶ谷IC、第三京浜・京浜川崎ICなどのルートからでも同じくらいの時間で行けます。
ウェアハウス川崎の駐車場について
ウェアハウス川崎のあったテナントには、以前コジマが入店していました。その影響で1階部分はパーキングエリアになっており、自動車で来た方でも安心して自分の車を駐車できる利便性がありました。
ここでは、ウェアハウス川崎の駐車場の特徴を紹介していきます。
平面駐車場
ウェアハウス川崎には、2種類の駐車場がありました。
その一つが「平面駐車場」です。建物の1階に収容台数約50台程度のパーキングエリアを完備。障害者専用スペース、EV自動車充電用スペース、軽自動車専用スペースなどもありました。
しかも、ウェアハウス川崎の利用客なら駐車料金は無料。自動車でのアクセスに便利なサービスが整っていました。
立体駐車場
平面駐車場の奥には、立体駐車場もありました。およそ100台分の駐車スペースを完備。平面駐車場と同様、ウェアハウス川崎の利用客なら駐車料金が無料です。安心して長時間ゲームに没頭できるメリットがあります。
また、駐車場側から行ける特殊な入り口の存在も有名でした。通路の両脇に張られた水が青白くライトアップされ、異世界に通じている道のようなミステリアスな雰囲気が漂っていました。
なお、ウェアハウス川崎の立体駐車場はそれほど広くないため、幅や車高によっては駐車できない場合があります。悪天候で一時的に閉鎖されることもあったようです。
ウェアハウス川崎が閉店?
本記事の冒頭でも説明したように、ウェアハウス川崎はすでに営業を終了しています。
2005年12月にオープンして以来、他店とは一線を画す電脳九龍城の演出が好評でしたが、残念ながら2019年11月17日をもって閉店してしまいました。
ここでは、ウェアハウス川崎が閉店に至った原因、利用客の反応について紹介していきます。
閉店した理由
ウェアハウス川崎を運営していたゲオの関係者によると、ウェアハウス川崎の閉店は「オーナーとの契約終了」が理由だそうです。
ウェアハウス川崎が入店していたビルはテナントであり、ゲオの所有物件ではありません。賃貸契約期間が満了すれば、テナント料を支払って契約期間を延長するか、契約を終了して立ち退くか、いずれかの道を選択することになります。
協議の結果、経営陣は後者の選択肢を決断し、約14年の歴史に終止符が打たれました。
なぜ契約更新が行われなかったのか、その具体的な経緯は公表されていません。あくまで推測に過ぎませんが、オーナーとの賃料交渉の決裂、あるいはウェアハウス川崎店の売上が伸び悩んでいたことがその原因の一つかもしれません。
確かに、ウェアハウス川崎は利用客の間で話題性抜群で、売り上げも悪くありませんでした。しかし、実際に足を運んでお金を落としてくれる客は限られていて、近年では店内が空席だらけだった日も珍しくありませんでした。
見かねたオーナーが別のテナントを検討し、契約終了に至った可能性は十分に考えられます。こればかりは会社の都合なので、外部の人間にはどうすることも出来ません。
閉店による反応は?
2019年10月にウェアハウス川崎閉店のニュースが流れると、利用客の間に激震が走りました。
「閉店しないでほしい」、「ウェアハウス川崎が無くなったら困る」などの書き込みがSNS上に広がり、インターネットを介して閉店の話を聞きつけた海外のゲームファンも挙ってウェアハウス川崎に訪れるようになりました。
閉店告知後、店員が仰天するほどウェアハウス川崎店の来場者数が急増しました。
閉店が決まってから客足が伸びるのは何とも皮肉な話ですが、最終営業日の盛況を見ればウェアハウス川崎がいかに多くのゲームファンから愛されていたかよく分かります。
ウェアハウス川崎の閉店後、次にどのようなお店が跡地にオープンするのか未定です。しかし、今でもたくさんの常連客がウェアハウス川崎の閉店を心から惜しんでおり、復活を切望する声が絶えることは無いでしょう。
ウェアハウス川崎の再オープンに期待
今回は、ウェアハウス川崎 電脳九龍城の特徴や閉店理由などを紹介いたしました。
スラム街の廃墟風の建物の中で様々なゲームをプレイできたウェアハウス川崎は、ゲームファンにとって聖地と言っても過言ではない憩いの場でした。
ウェアハウス川崎店が閉店したとはいえ、経営母体であるゲオは健在です。新たなテナントが見つかって、ウェアハウス川崎が再オープンする日が訪れるのを待ちましょう。