アフガニスタンの治安は危険?安全?渡航や観光での注意点も解説!
最も治安が不安視される国の1つにアフガニスタンがあります。これまで、日本人が被害に遭う事件も起きました。アフガニスタンに渡航するのはとても危険です。安全な観光はできない可能性が高いでしょう。アフガニスタンの治安や注意点についてまとめたので紹介します。
目次
アフガニスタンの現在の治安状況はどうなの?
イスラム過激派や、反政府武装勢力などが多くとても危険な国であることが認識されています。テロや、外国人の誘拐や殺人などは世界レベルで見ても非常に高い水準で発生していると言えるでしょう。
もう何年もアフガニスタンの治安は不安定なままです。しかし、実際にアフガニスタンの国民が皆悪い人かというとそうではありません。一般国民は貧困や飢餓に苦しんでいます。しかし、治安が回復しないのがアフガニスタンです。
今回は、現在のアフガニスタンの治安状況や、渡航や観光は可能なのか、どんな危険情報があるのかなどについて紹介します。アフガニスタンに安全はあるのでしょうか?
アフガニスタンとはどんな国?
「アフガニスタン・イスラム共和国」は、パキスタン、イラン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタンが隣接している中央アジアに位置する国です。首都はカブール、最大都市もカブールです。
人口は約3500万人で国民のほとんどがイスラム教徒です。イスラム教のスンナ派が8割を超えており、スンナ派も存在しています。他宗教を認めない風習もかつてはあり、改宗すると死刑になるという歴史も存在してます。
現在は他宗教への信仰も認められていますが、やはりイスラム教がとても強く根付いています。遺跡が多いアフガニスタンは、現在のところ世界遺産も2つあります。素晴らしい面を持ちながらも、治安が悪いというのが最初にイメージされてしまう国でもあります。
アフガニスタンの言語
アフガニスタンでは、パシュトー語やダリー語が話されています。その他にも、地域によって使われている言葉が沢山あります。
有名な言語には、アラビア語やウズベク語があります。中には英語が話せる人もいるでしょうが、ほぼ英語以外の言葉が使われています。
アフガニスタンの通貨
アフガニスタンの通貨は「アフガニ」です。2019年12月現在、1アフガニは1.38円です。アフガニスタンでは、場所によっては金融機関がなく両替が出来る場所もありません。
そのため、米ドルを準備していたほうがいいでしょう。しかし、米ドルで支払いをするとお釣りはほぼないことが多いというのを理解した上で使ってください。
外務省発表によるアフガニスタンの危険度
2019年12月現在、アフガニスタンの危険度は危険レベル4です。全土において危険レベル4が勧告されているため、渡航するのは危険です。アフガニスタンが治安が悪い理由は、反政府武装勢力によるテロや襲撃が多々起きているからです。
政府関係者や軍関係者が狙われることが多い他、各国の大使館も狙われています。選挙が行われるときには、より治安の悪化が懸念されているでしょう。アフガニスタンでは、武器を使った攻撃が多いため注意しなければなりません。
また、外国人旅行者を誘拐し、殺人に及ぶこともあります。容赦のない攻撃が行われており、アフガニスタンは一般市民も安心した生活ができない状況になっています。かつては米軍との空爆まで行われたため、日常的に危険に満ちていて安全性が低いのです。
アフガニスタンの首都カブールの治安状況は?
アフガニスタンの首都のカブールも危険レベル4のとても治安が悪いエリアです。治安が悪い原因は反政府武装勢力の存在でしょう。タリバーンの反政府武装勢力による攻撃が多く、外国人観光客の誘拐も起きています。
外国人観光客の誘拐の目的は、政治要求や身代金要求がほとんどです。応えない場合は、誘拐した人質を殺害することもあります。アフガニスタンで人質を殺害するというのは何度も起きているものです。
カブールには、観光ではなくビジネスで訪れる人もいます。また、カブールやアフガニスタンの状況を知るためにジャーナリストが訪れることもあるでしょう。外国人が多く来る場所なため、治安が不安定になりやすい都市でもあるのです。
アフガニスタンへの渡航・観光は可能なの?
アフガニスタンへの渡航や観光は禁止されているわけではありませんが、外務省からは退避勧告が出ているため、渡航や観光ができる状態ではないと思ってください。非常に危険が多く、渡航すると帰国できるか分かりません。
退避勧告が出ているということは、アフガニスタンから1日でも早く出たほうがいいほど治安が悪いということです。そういう場所に自ら渡航するというのは命がけの行動であることと同じです。
アフガニスタンに無事渡航できたとしても、悠長に観光することはできないでしょう。観光しているときに誘拐される可能性もあります。何かあったときは全て自己責任にもなるため、責任がとれない行動は慎むことをおすすめします。
過去アフガニスタンで日本人が巻き込まれた事件
アフガニスタンでは、日本人が巻き込まれた事件もありました。アフガニスタンで支援活動をしていた日本人や、アフガニスタンを観光していた人が事件に遭っています。
また、アフガニスタンを訪れたジャーナリストが巻き込まれた事件もあります。日本人でアフガニスタンを訪れる人というのはそんなに多くないでしょう。
しかし、日本人が被害に遭っている事件は多々あります。そう考えただけでも、アフガニスタンへの観光や渡航が危険だというのが分かるでしょう。どんな被害が起きたのか商会します。
2005年日本人旅行者が殺害される
2005年はアフガニスタンで選挙が予定されたことでテロへの警戒心が高まっていました。そんなときに、パキスタンからアフガニスタンを訪れた日本人観光客の2名が殺害される事件が起きました。
当初は行方不明と言われていたため、誘拐されたのでしょう。カンダハール郊外で日本人観光客が遺体で発見されています。2005年には既に治安が不安視されていました。観光目的での渡航は非常に危険であることを伝えた事件でもあったでしょう。
治安が悪いアフガニスタンでは、今から15年ほど過去を遡っても、今起きているような事件が起きていたため、もうずっと治安が悪い国であるということも証明しています。
2008年日本人NGO職員が誘拐・殺害される
2008年にNGO職員だった31歳の男性がアフガニスタンで誘拐され、その後殺害されるという事件がありました。車で移動していたところタリバーンに拉致されました。一緒に拉致された人もいましたが、脱出しています。
この誘拐にはアフガニスタンの政府も動きました。政府とタリバーンによる攻撃が激しく行われたのですが、31歳の日本人男性は銃殺されてしまったのです。銃殺した理由は政府が来たためで、誘拐目的はお金だったとのことです。
アフガニスタンでボランティア活動をしていた日本人が殺害されたことで、日本政府も大きく動きました。アフガニスタン政府も日本に謝罪したものの、治安改善にはなっていないのです。治安改善のために危険な国で働いた人の命をも簡単に奪われてしまったのです。
2010年日本人ジャーナリストが誘拐・監禁される
2010年には日本人ジャーナリストが誘拐された事件もありました。アフガニスタンを取材しているときに、急に行方不明になり、タリバーンの地方組織により誘拐されたことが判明しました。
アフガニスタン政府に対してや、日本大使館に対して身代金を要求しています。その後、解放され殺害されることなく日本大使館に保護されましたが、数ヶ月の間監禁された状態でした。
誘拐されたと言われるアフガニスタンの北部は、とても治安が心配されており常に不安がある地域です。自己責任で訪れたときには、注意がより必要でしょう。
2019年日本人医師が射殺される
長年アフガニスタンで医師として奮闘した日本人男性も射殺されました。日本とアフガニスタンを結ぶ人でもあり、アフガニスタンに水路を作ったりと生活の基盤を整えるためにも頑張っていた人物です。
車に乗っていたところ、襲撃され打たれたのです。まだ息があったにも関わらず、それを見た犯人がとどめを刺すように3発の銃弾を打ち込みました。日本人がアフガニスタンで死亡したときの死亡確認にも携わった医師です。
また、危険と判断したときは、アフガニスタンに滞在している日本人を帰国させることもしていました。タリバーンは関与を否定していますが、この事件はテロ事件であるとされました。アフガニスタン国内にも日本中にも大きなショックを与えた事件でもあります。
アフガニスタンへ渡航することになった場合の注意点
アフガニスタンは、渡航すると安全に帰国できるとは限らず、観光目的であっても命の危険がある場所です。そのため、本来なら渡航することはできないと思ってください。
しかし、場合によってはアフガニスタンの治安の悪さを知りながらも渡航することもあります。例えば、ボランティアや医師、ジャーナリストとしてなどアフガニスタンの人々を救うために渡航する人もいるでしょう。
万が一、アフガニスタンを渡航する場合の注意点について紹介します。安全性は極めて低いということは、覚悟してください。ここで紹介する注意点は最低限のものです。自分でも注意情報を集めて、より安全性の高い渡航になるようにしましょう。
武装勢力の標的となる施設には近づかない
アフガニスタンで武装勢力の標的になるのは、政府関係の場所や大使館などです。本来なら安全性が高いと思われそうな場所ですが、武装勢力はこれらの場所を狙った事件を起こすことが多いのです。
過去にインド大使館を狙った自爆テロも起きています。死者が出るような事件も起きているのです。また、アフガニスタンの軍も狙われているので、軍にも近づかないようにしてください。
現在では、政府の統制ができていない場所も狙われています。戦闘が始まると、とても激しい銃撃戦も予想されます。絶対に標的になりやすい場所には自ら行かないようにしてください。標的にされなくても、銃撃に巻き込まれたら命を落とすことがあるでしょう。
防弾車や警護をつけて身を守る
アフガニスタンでは、いつ銃撃に巻き込まれるか分かりません。そのため、徒歩での移動はとても危険です。車移動であっても、車ごと襲撃されて命を落とした日本人もいます。
しかし、できるだけ安全にアフガニスタンで滞在するのなら防弾車を使うことです。また、警護もつけて自分の身をしっかりと守ってください。それだけしても、アフガニスタンは安全な渡航や観光ができるとは限りません。
また、アフガニスタンでは地雷が埋められているエリアもあります。どこに地雷があるか分からないので、いつなにをしていても危険が隣あわせにあるのです。
朝や夜の移動は避ける
アフガニスタンでは、いつでも危険が満ちていますが朝や夜などの暗い時間帯はより危険が増します。武装勢力による誘拐が起きることも考えられるでしょう。移動しているところを急に襲われて連れていかれてしまいます。
朝や夜は、あまり人もいないので目撃者がいなかったり助けを求められない可能性も高いため非常に危険です。一人で出歩くなんてことはしないようにしましょう。注意力を高めても危険が潜んでいます。
また、地雷が多いアフガニスタンなので、朝や夜の暗くて視界が狭くなる時間帯は、地雷による危険度も上がると思ってください。もし、アフガニスタンに渡航したときには、日中の活動意外は控えることが大事です。
外出時は関係者に連絡をする
外出するときには、自分がどこに行くのか、いつ帰ってくる予定なのかというのを関係者に伝えてください。しかし、命が狙われる危険性もあるため、信頼できる少数の関係者のみに情報を提供するようにしましょう。
車移動の場合に運転手をつけるときは、運転手にはギリギリに行き先を伝えるようにしてください。また、SNSなどでアフガニスタンのどこにいるというのを発信しないことも大事です。注意しておかないと発信したことにより誘拐されることもあるでしょう。
日本人であるだけで、誘拐の対象になりやすいということを忘れないでください。誘拐されると、多くの確率で殺害されてしまいます。アフガニスタンでは、自分の生存確認がいつでもとれる状況を作るためにも、信用できる人にだけ情報を渡すことが大切です。
アフガニスタンの治安は不安が続いている
アフガニスタンは、治安がとても悪い国です。アフガニスタンに対してのイメージも悪いのではないでしょうか。しかし、治安が悪いのはアフガニスタンの国民のせいではなく、反政府武装勢力が活発的に活動しているからです。
アフガニスタンの一般国民は外国人が犠牲になることに心を痛めています。そのため、アフガニスタンの全てが悪いとは思わないでください。しかし、アフガニスタンの治安が悪いのは事実で、治安が悪いために渡航も観光もできないのも事実です。
いつかアフガニスタンの治安が改善されるようにと願って行動に移す人もいますが、現状はいつ治安が良くなって安全な観光ができるのかは分かっていません。今は渡航せずに治安状況を見守るしかできないでしょう。