カラカス(ベネズエラ)は世界一治安が悪くて危険!観光・旅行はできる?
南米のベネズエラにあるカラカスという都市をご存知でしょうか。ベネズエラは治安が悪く、首都であるカラカスも治安が非常に悪いため、観光に訪れた人が犯罪に巻き込まれる事件も珍しくありません。そんなカラカスの現在の治安状況や観光の際の注意点などを紹介します。
目次
世界一治安の悪いベネズエラの「カラカス」について紹介!
カラカスとは南米にあるベネズエラ・ボリバル共和国の首都であり、南米有数の世界都市です。850mから1000mの標高に位置しているため、気候は温和で過ごしやすい環境となっています。カリブ海に面しており、特徴的な建築物も多い都市で豊富な観光地があります。
しかし、カラカスは世界一治安が悪い都市、としても有名で、令和2年1月23日現在渡航危険レベル3に指定されており、渡航中止が勧告されています。そのため、カラカスとその周辺都市の観光は行うことができない状態です。
この記事ではそんな世界一治安の悪いカラカスについて紹介します。危険レベルが引き下げられたら観光に訪れるのも良いですが、細心の注意を払う必要あります。
「カラカス」とはどんなところ?
ベネズエラの首都であるカラカスは日本と比較すると非常に治安が悪い都市で世界的に見ても治安が悪い都市として3本の指に入るでしょう。カラカスには300万人近い人が暮らしていますが、その8割以上が貧しさのため、まともな食べ物もない状態で暮らしています。
しかし、世界遺産にも登録されている「ベネズエラの大学都市」やカリブ海に浮かぶ美しい島々、「ロス・ロケス諸島」など、魅力的な観光地も多い都市でもあり、治安が悪いにも関わらず世界中から観光客が訪れる都市でもあります。
カラカスの治安が悪い理由
南米でも有数の世界都市でもある、カラカスは魅力的な観光地がたくさんあるにもかかわらずなぜ、現在のように治安が悪化してしまったのでしょうか。ここからはそんなカラカスの治安が悪い理由を紹介します。是非参考にしてください。
経済状況が悪い
まず挙げられるのは経済状況の悪さです。ベネズエラは原油価格の下落が原因で一度経済が破綻しており、インフレ率が急上昇するハイパーインフレに陥っています。そのため、食料が販売されていても値段が高くて市民は購入することができないのです。
また、労働者に対する賃金も非常に安く、最低賃金は6ドルほどです。私たちから見れば普通の値段で販売されている生活用品や食料も現地の人から見れば非常に高価なのです。
購入することができないため、市民は必要なものを奪うしかないのです。奪わなければ自分が生きていけない、という劣悪な経済状況が治安悪化の一つの原因となっています。
政府への不満が大きい
カラカスのみに限らずベネズエラ全体に共通していることですが、治安悪化の原因の一つに市民の政府への不満が大きい、ということが挙げられます。経済危機に陥ったのも現在の大統領であるマドゥーロ大統領の失策が原因とされています。
そのためマドゥーロ大統領は国民から多くの反発を招き、多くの国民が国外へと脱出しています。そんな状況から2019年1月23日には国会議長であるグアイド暫定大統領就任を宣言しています。現在、ベネズエラには2人の大統領がいる状態となっているわけです。
しかし、マドゥーロ大統領はこれに強く反発し、弾圧を開始しますが、軍内部にもグアイド暫定大統領支持派がいることから、混乱がより拡大しています。そんな複雑な状況がさらに治安を悪化させているのです。
犯罪者と取り締まる刑務所が機能していない
カルカスの刑務所内では頻繁に暴動が発生しており、多くの受刑者の命が奪われています。刑務所が機能していないことが治安悪化の原因の一つです。2013年には刑務所内でストリッパーを交えたマリファナパーティーが開催されたことで世界中から注目を集めました。
こういった原因はベネズエラ国内の刑務所が過密状態であるため、適切な管理がされていないことにあります。刑務官へのわいろや受刑者同士の暴力事件も頻繁に発生しており、刑務所内も外もほとんど変わりない環境となっているのです。
治安の悪いカラカスでも観光や旅行に行ける?
ここからは、カルカスに観光や旅行に行けるのか紹介していきます。治安が非常に悪い都市ですが、魅力的な観光地があることもまた事実です。そんな一度は観光してみたい、と思う人もいるカルカスに現在は渡航することができるのか紹介します。
カラカスの危険レベルは?
現在カラカス首都圏の渡航危険レベルは3です。このレベルは渡航はやめてください、という渡航中止勧告になります。そのため一般人が観光でカラカスに渡航することはできません。現在はベネズエラ国内は特に混乱しており治安が最悪の状態です。
そのため、当分の間はカルカスには立ち入ることができない、と考えるべきです。また、現在の状況が改善されても貧困による劣悪な治安は改善されることは考えにくいため、細心の注意を払いながら観光を行いましょう。
治安の悪いカラカスに旅行に行く時の注意点
ここからはカラカスに旅行や観光に行く際の注意点について紹介していきます。治安が非常に悪いカルカスですが、身の安全さえ確保されれば安心して観光を楽しむことができます。そんな観光を安全に行うためにも注意事項は必ず守りましょう。
ひったくりやスリに注意!
カラカスではその劣悪な環境から観光客や旅行客を狙ったひったくりやスリ、強盗などが頻発しています。日本は非常に恵まれていると外国人の多くは思っているため、日本人であるだけでひったくりやスリの対象となることもあります。
そのため、お金や貴金属の身に着け方に気を付ける必要があります。まず、宝石類やブランドものなどの高価なものは身に着けてはいけません。ほぼ確実といってよいほど犯罪の被害に遭います。また、お金の持ち歩き方にも工夫が必要です。
財布は数個持ち歩くようにして、できるだけ少額のお金を持ち歩きましょう。また、どれだけ用心していても被害に遭うことはあります。そのため、海外旅行保険には必ず加入しておきましょう。
スラム街には近づかない
カラカスの町には多くのスラム街があります。そんなスラム街では治安が特に悪く、何が起きても不思議ではありません。そのため、観光に訪れた際は決してスラム街には近づかないようにしましょう。
スリやひったくりだけではなく、身代金目的に誘拐されてしまう可能性もあります。また、スラム街で怖いのは犯罪だけではありません。衛生施設が整っていないスラム街では時として伝染病が蔓延する可能性もあるのです。
特段用事がない限りスラム街に近づくのはやめましょう。
デイビットタワー
カラカスにはデイビットタワーという建設途中の45階建ての超高層ビルがあります。デイビットタワーは1990年に着工しましたが、1994年に金融破綻により工事が中断されています。そして2020年1月現在も未完成もままで、工事が再開される目途も立っていません。
正式名称はセントロ・フィナンシエーロ・コンフェナンサスですが今ではこの名称で呼ばれることはありません。日本ではデイビットタワーと呼ばれますが、現地ではトーレ・デ・ダビと呼ばれます。
2005年頃からは住宅難が影響し、家がない人々が勝手にこのデイビットタワーに住み着くようになりました。現在では3000人以上の人々がデイビットタワー内で暮らしています。そんなタワー内は意外と平和だという意見もあり、美容室や歯科などのビジネスも行われています。
空港や乗り換え
カラカスにはシモン・ボリーバル国際空港という国際空港があります。この空港では日本語はおろか、英語すら通じません。現地の言語であるスペイン語しか通じないため、あらかじめ言葉の勉強をして最低限は話せるようにしておく必要があります。
また、現地の通貨しか使用できないため、両替を行う必要があるのですが、夜中にはそういったこともできないため、注意が必要です。荷物を預けることもできないため、荷物の盗難には注意が必要です。
日本からカラカスまでの直行便はないため、アメリカン航空やアエロメヒコ航空などで乗り換えを行う必要があります。カラカスから日本までの直行便もないため、乗り換えが必要です。
カラカスでの移動
カラカスでの移動手段は公式タクシーを利用するのがおすすめです。タクシーの他にもバスや地下鉄などの公共交通機関があるのですが、こちらは他の人もたくさん乗車しているため、思わぬトラブルに巻き込まれる危険性があります。そのため、カラカスではタクシーを利用しましょう。
タクシーも絶対に安全とはいえませんが、比較的安心して利用できます。観光客目当ての流しのタクシーもあり、そちらは明らかに不当な金額を要求してきますので、注意しましょう。また、タクシー運転手も基本的にスペイン語しか話せません。
カラカスでの宿泊
カラカスにはバックパッカー向けの格安ホテルがたくさんありますが、その多くは、チャカオ市というスラム街の中心にあります。そのため、カラカスに宿泊する際は多少のお金を出してでも3つ星以上のホテルに宿泊することをおすすめします。
物価が安いことで有名なカラカスなので、たとえ5つ星ホテルでも日本では考えられないような安値で宿泊することができるため、あえて5つ星ホテルに宿泊するのもおすすめです。しかし、ホテルの中だからといって必ず安全とは限りません。
部屋にいるときは必ず鍵を2重にかけて安全には十分注意しましょう。
トラブルに巻き込まれたら日本国大使館へ!
カラカスには日本国大使館があります。何かトラブルに巻き込まれたら日本国大使館まで行きましょう。大使館の業務の中に邦人の生命・財産を保護することがあります。必要なら保護してくれる可能性もあるため、まずは日本国大使館まで行きましょう。
また、ベネズエラ日本国大使館のホームページから、最新の治安状況などの確認ができるため、こまめにチェックして常に最新の情報を得るようにしましょう。ホームページ内にはベネズエラに観光に訪れた邦人がより安全に観光を楽しめるように作られた手引きも閲覧することができます。
カラカスに旅行に行く前や旅行中に一通り読んでおいて、注意事項などを把握しておきましょう。
カラカスの物価は?
前記でも紹介しましたが、カラカスの物価は非常に安いことで有名です。そのため、少しの所持金で非常に裕福な旅行を楽しむことができます。しかし、忘れてはいけないことは、カラカスは治安が悪く住民の最低賃金は月額約6ドルだということです。
当然日本人が訪れれば、庶民でも裕福であると思われてしまいます。そのため、お金の管理には細心の注意を払いましょう。
物価が安くショッピングもおすすめ!
カラカスは物価が安いため、観光や旅行だけでなく、ショッピングも楽しむことができます。極度の貧困に苦しむ地域ですが、意外とお土産品や生活用品などの道具は充実しています。そんなカラカスには南米で第4位の規模を誇る大型のショッピングモールがあります。
サントロサムビルと呼ばれるショッピングモールで、約25万㎡の敷地に約500店もの店舗が展開されています。有名なブランド品やベネズエラならではのお土産品などが比較的安価に販売されているため、ショッピングを楽しみたい人にはおすすめです。
また、ベネズエラといえばカカオが有名です。そんなカカオから作られるチョコレートショップもカラカスにはあります。とても貧困地域で作られるチョコレートとは思えない美味しいチョコレートばかりなので是非味わってみてください。
それでもベネズエラ人にとっては高い物価
何度も説明するようですが、カラカスにする人々のほとんどは貧困に苦しんでいます。販売されているお土産品やブランド物の商品は現地の人から見たら高すぎてとても購入できるようなものではありません。
そのため、物価が安いからといってあまりにも購入しすぎると、犯罪に巻き込まれる危険性が格段に増えてしまいます。ショッピングを楽しむのも良いですが、カラカスの治安は最悪ともいえる程悪い、ということを忘れてはいけません。
カラカスには魅力が多いが細心の注意が必要
南米ベネズエラの首都であるカラカスの治安状況や観光する際の注意点などを紹介しました。ベネズエラは一度経済破綻していることもあり、国民のほとんどが非常に貧しい生活をしています。それはベネズエラの首都であるカラカスも例外ではありません。
カラカスを観光する際には犯罪に巻き込まれないためにも最新の注意が必要です。しかし、現在は治安状況の悪さからカラカスの渡航危険レベルが3の渡航中止勧告が発せられているため、観光のために行くことができません。
観光に行くには渡航危険レベルが引き下げられてから行く必要があります。現在は非常に治安が悪い都市ではありますが、全国的に有名な観光地もあります。観光にカラカスを訪れる際には安全には細心の注意を払いましょう。