ケルン大聖堂(ドイツ)は世界遺産!歴史・高さや観光の見どころを紹介
ケルン大聖堂はドイツ西部の大都市ケルンにあるゴシック式の大聖堂です。1248年から長い時間をかけて建設された建物は、1884年まで世界一の高さを誇っていました。ドイツ・ゴシックの最高峰、世界遺産のケルン大聖堂の見所をご紹介します。
目次
ドイツの世界遺産ケルン大聖堂はどんな場所?
ケルン大聖堂は、ドイツ西部のノルトライン=ヴェストファーレン州の州都ケルンにあるカトリックの大聖堂です。2つの尖塔が天にまっすぐ伸びるケルン大聖堂のその姿は、ケルンばかりでなく、ドイツ全体の象徴的建築物のひとつとして、世界遺産に登録されています。
住所 | Domkloster 4, 50667 Köln |
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電話番号 | 0049 (0)221 17940-100 |
営業時間・定休日 | 11-4月:06:00 - 19:30 5-10月:06:00 - 21:00 日・祝:13:00 - 16:30 |
入場料 | 無料 ※塔への入場料 |
アクセス | ケルン中央駅から徒歩1分 |
歴史について
ドイツのケルン大聖堂は、その歴史が4世紀にまで遡れる、ドイツでも有数の歴史あるケルン大聖堂です。12世紀には東方三博士の聖遺物(遺体の一部)がここに運び込まれたことで、数多くの巡礼者が訪れるようになり、1248年の火災を機に新たなゴシック式聖堂が建てられることになりました。
先行するフランス・ゴシックの技術を取り入れながら、より高く、より洗練されたドイツ・ゴシックの完成を目指して建設が行われましたが、度重なる火災や戦乱、資金不足によって工事は難航しました。内陣の完成は1322年、そして西正面の完成は、なんと19世紀に入ってからでした。
ケルン大聖堂 は1996年は世界遺産に登録されましたが、ルール工業地帯のただ中にあるケルンでは環境破壊が始まっていました。酸性雨による侵食で大聖堂の石組みは破壊され、2004年には危機遺産に登録されました。現在は、長い環境改善の努力の末、危機遺産から解除され、今も美しい姿が保たれています。
高さは157m
西正面にそびえ立つ2つの塔は、ケルン大聖堂の象徴です。157メートルの高さに達する塔は、ノルトライン=ヴェストファーレン州の平原のどこからでも見える巨大なランドマークになっています。
実は、16世紀からずっと左側の南塔だけが完成しており、 ケルン大聖堂 の北の塔は建設が中止されたままでした。およそ300年もの間そのままになっていましたが、1880年になってようやく両方の塔が揃ったのです。一時は世界一高い塔でもありました。
塔には登ることができます。かなり急な階段を長時間登るので、観光したい方は歩きやすい靴で行きましょう。
ケルン大聖堂観光の見どころ5選!
世界遺産のケルン大聖堂には見所がたくさんあります。塔のある西側正面入り口から入ると身廊と呼ばれる広大な長方形のスペースがあり、その両サイドに屋根が一段低くなった側廊と呼ばれる部分が付属します。一番奥には内陣と呼ばれる聖職者だけが立ち入れるエリアがあり、その内陣を周歩廊という廊下が取り囲みます。
それぞれのエリアに無数の彫刻や絵画、壁画があり、見どころは枚挙にいとまがありませんが、ここでは特におすすめの観光スポットを5つご紹介します。
①ステンドグラス
ゴシックの大聖堂といえば色とりどりの神秘的なステンドグラスです。ケルン大聖堂では、バロック時代や第二次世界大戦での破壊を経て、多くのステンドグラスが当初のものと取り替えられました。
現在、中世のまま残っているステンドグラスは、内陣の上にある「王の窓」などほんのわずかですので、お見逃しなく。
一方、ドイツ出身の世界的な現代画家ゲルハルト・リヒターによる新しいステンドグラスが南側の壁の一部を飾っていて、大聖堂の長く続く歴史を教えてくれます。
②展望台
大聖堂の高い塔を上がっていくと、地上から高さ100メートルのところに展望台が見えてきます。ここからはライン川とそこにかかる橋、そしてケルンの街並みが一望できます。また、塔の一番上の繊細な透彫装飾や、堅牢な石組みなど、地上からは見えない建築の細部を間近で見ることができます。また、途中では大きな鐘もみることができます。
これが機械を使わずに一つ一つ石を積み上げて作られたというのが信じられません。まさに人類の叡智の結晶で、世界遺産にふさわしい建築です。
展望台までの石段は533段、到着まで約15分かかりますが、その価値は十分にあります。
③宝物館
大聖堂付属の宝物館では、大聖堂にあった祭壇画や彫刻のうち損傷のおそれがあるものや、聖職者の使用していた典礼のための道具などを見ることができます。
宝石や金銀できらめく十字架や聖体器、豪華な聖職者の衣服に、ケルン司教座の伝統と権威を見ることができます。
ここに大切に保管されている「ペテロの杖」は、キリストの弟子聖ペテロが伝道に使用したといわれているもので、古くから尊敬を集めています。
④大聖堂の絵
大聖堂の中には、内陣の主祭壇の他、いくつもの小礼拝堂があり、それぞれに祭壇とそれを飾る彫刻や祭壇画があります。
その中でも最も有名なのが、シュテファン・ロッホナーによる『三王祭壇画』です。1450年ごろ制作されたこの祭壇画は、デューラー以前におけるドイツ最大の画家の代表作で、「ケルン派」と呼ばれるこの地方独特の優美な絵画様式の典型的な作品です。
中央で天蓋の下に座ったかわいらしい聖母子に、三人の「マギ」が贈り物を贈り、開閉できる左右の扉絵では、ケルンにゆかりのある聖人たちが優雅な筆致で描かれています。
⑤身廊
ゴシックの身廊は、木々の林立するドイツの深い森にしばしば喩えられます。ケルン大聖堂の身廊も、垂直の柱が地面から伸びて、天井のアーチを介して複雑に絡み合う様子は、さながら生きた植物のようです。
しばし足を止めて、天井を眺めてみると、吸い込まれそうな感覚を覚えます。
⑥三王の聖遺物箱
ケルン大聖堂の最も重要な宝物が、この「三王の聖遺物箱」です。キリスト降誕の際、星の導きによって東方の3人の王が来てキリストの誕生を祝福したという話は有名ですが、なんとここケルン大聖堂に3人の遺骨がまつられているのです。
遺骨の入った箱はドイツの金細工の粋を結集して作られたもので、一番古い部分は1190年に制作されました。遠くの身廊からみてもキラキラと美しいですが、周歩廊を回って裏から見ることもできるので、ぜひぐるっと回ってみましょう。
ケルン大聖堂周辺の観光に便利なホテル2選!
ケルン大聖堂はケルン中央駅を出てすぐの場所にあります。市内観光にも便利で、宿泊施設も豊富ですが、今回は特におすすめのホテルをご紹介します。
①ホテル ケーニヒスホフ ジ アートハウス
1つめのおすすめホテルは、世界遺産の大聖堂からわずか徒歩3分、応用工芸博物館のすぐそばにある閑静な地区にある「①ホテル ケーニヒスホフ ジ アートハウス」です。世界遺産を擁する町のホテルだけに、しっかり英語にも対応してくれます。
ホテル内にレストランもあるので、夜に出歩くのは不安という方にも安心のホテルです。
住所 | Domkloster 4, 50667 Köln |
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電話番号 | +49 221 / 25 96 81 66 |
チェックイン チェックアウト | 15:00 12:00 |
1泊目安予算 | 約8000円 |
アクセス | ケルン中央駅から徒歩3分 |
②モーテル ワン ケルン
2つ目のおすすめホテルは「モーテル ワン ケルン」です。ケルンの中心街ノイマルクトにあり、チョコレート博物館やヴァルラフ・リヒャルツ美術館など他の観光スポットに行くのも便利です。
内装は、ケルン大聖堂のステンドグラスをイメージしたカラフルでロマンチックな雰囲気で、くつろげる素敵なホテルです。
住所 | Domkloster 4, 50667 Köln |
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電話番号 | +49 221 / 25 96 81 66 |
チェックイン チェックアウト | 15:00 12:00 |
1泊目安予算 | 約8000円 |
アクセス | ケルン中央駅から徒歩3分 |
ケルン大聖堂観光でおすすめのお土産3選!
大都市ながら中世からの司教座都市として見所もたくさんのケルン。観光に行ったら、ぜひケルンでしか手に入らないお土産を持って帰りましょう。
ここでは、ケルンのお土産におすすめのアイテムを3つご紹介します。
①オーデコロン
オーデコロンは一般に香りのアイテムとしてパルファムやオーデトワレと並んで人気ですが、実はフランス語で「ケルンの水」という意味だというのはご存知でしたか?
1709年に、ケルンの香水職人ヨハン・マリア・ファリナによって開発されたのが最初で、オーデトワレなどと比較すると香りが淡く、持続時間も短いのが特徴です。香りが強いのが苦手という方も、気軽に挑戦できる香水です。
ケルンでは今もファリナの香水店が営業を続けているほか、「4711」というケルン独自の銘柄も人気です。自分用に、また女性へのお土産にも大人気の「ケルンの水」を、ぜひゲットしましょう。
②スノードーム
もう一つのケルンで人気のお土産がスノードームです。大聖堂はドイツ語で「ドーム」。ケルン大聖堂に行った記念にぴったりです。大聖堂内のショップでは、大聖堂のミニチュアが入ったスノードームも購入することができるので、ぜひケルンのお土産にどうぞ。
冬に大聖堂の前で開かれるクリスマスマーケットでは、スノードーム専門店も出展されます。大小様々なスノードームはどれもきらきら光ってきれいです。かわいいものからスタイリッシュなものまで、じっくり選んでみましょう。
③ケルシュ
アルコールに強い人にはこれ!「ケルシュビール」の「ケルシュ」は「ケルンの」という意味で、ビールの種類の名前になるほどケルンはビールの生産地として有名です。市内にも数多くのビール専門店があり、観光の合間にいっぱい引っ掛けるのも楽しいです。
ケルンで作られたビールだけが名乗れるケルシュビールは、ホップの香りが強く、苦味が少なくてフルーティー。飲みやすさが嬉しいビールです。
少しかさばりますが、ミニボトルなど小さいサイズもあるので、お土産にぜひどうぞ。
ケルン大聖堂への行き方・アクセスは?
ケルン大聖堂最寄りのケルン中央駅までは、フランクフルト国際空港からドイツ国鉄の高速鉄道ICEで一本です。途中駅はなく、フランクフルト国際空港駅の次の駅なので、お間違いなく。乗車時間は約1時間です。
ケルン大聖堂は、ケルン中央駅をおりると目の前にあります。電車がライン川をわたる頃、大聖堂の雄姿が見えてきます。車窓から見える世界遺産はなかなかないので、ケルンに近づいたら、ぜひ窓の外にも注目してください。
ケルン大聖堂の観光はツアーもおすすめ!
広大なケルン大聖堂では、毎日ガイドツアーを行っています。世界遺産だけに、ドイツ語以外でのガイドツアーもあります。どこが見どころかわからない、キリスト教の施設なので何がなんだかわからない、という方は、英語のガイドツアーに参加してみるのもおすすめです。
ガイドさんがしっかり見どころやいわれを説明してくれますし、外国人観光客にも慣れているので、親切に教えてもらえます。天井裏や宝物館をめぐる特別ツアーもあるので、ぜひサイトでチェックしてみてください。
冬はケルン大聖堂前のクリスマスマーケットが大人気!
ドイツの冬のお楽しみといえばクリスマスマーケットですが、ここケルンでも盛大に行われます。場所は大聖堂前と市内中心部のノイマルクト広場で、イルミネーションや花で美しく飾り付けられた広場にはたくさんの出店が並びます。
日本でもおなじみのグリューワイン(ホットワイン)やポメス(フライドポテト)など、グルメもたくさん。もちろん、ケルシュビールのお店もあります。ドイツでは日本と異なりビールを冷さないので、冬でも体が冷えません。
木彫りのクリスマスオーナメントやスノードームなど、デコレーションアイテムも手に入れれば、日本に帰っても毎年ドイツのクリスマス気分が味わえます。
ケルン大聖堂で歴史を感じる旅をしよう!
ケルン大聖堂はドイツ・ゴシックのもっとも有名な建築物のひとつです。1996年に世界遺産に登録され、2004年から2006年までは、酸性雨による石の侵食被害のために危機遺産にも登録されていました。長年の環境保護の努力の結果、ケルン大聖堂は危機遺産の登録を解除され、現在も美しい尖塔を空に向けて建っています。
約900年にもおよぶ建設と修復の繰り返しという、人々の努力を感じつつ、ドイツの森のように静謐な大聖堂の美しさに浸りましょう。内部の華麗な中世の装飾品もぜひお見逃しなく。