"東方美人茶の効能は?台湾茶の美味しい入れ方についても紹介 "
台湾茶の1種である東方美人茶は、スタンダードで人気のお茶です。そんな東方美人茶の特徴や栽培方法、発酵方法から美味しい入れ方まで、色々な角度からご紹介します。今まで、台湾茶を飲んだことないという方も、ぜひ、これを機に台湾茶を取り入れてみてください。
目次
台湾の代表的な中国茶「東方美人茶」について紹介!
台湾には、台湾独自の美味しいお茶が多数存在します。1810年に中国の福建省から商人が苗木を持ち込んだことがきっかけで、台湾にお茶が広まりました。台湾は、気候が温暖で、湿気もあるので茶葉の栽培に適した条件が揃っています。
そんな台湾茶の1種である東方美人茶の特徴や効果、飲み方などをご覧下さい。
東方美人茶の特徴
台湾茶の四天王と呼ばれている東方美人茶は、青茶の1種です。ある日、稲の害虫である蝉科のウンカに、茶葉が食われて赤く変色し、丸まってしまいました。売り物にならないと考えましたが、大切に育てた茶葉を捨てるのは、惜しいと思い、その場でお茶を入れて飲みます。
こうしたところ、意外にも甘くて爽やかな香りと味わいを感じたことがきっかけで「東方美人茶」となりました。今や台湾茶の代表となった東方美人茶も、最初は、斬新な製法から「椪風茶」(嘘つき茶)と呼ばれていました。
ヨーロッパに渡り名前が変更!?
最初は、椪風茶という名前でしたが、東方美人茶という名前になったのは、ヨーロッパに渡ってからです。19世紀〜20世紀ごろ、紅茶好きであるヨーロッパの貴族が、椪風茶を飲んだところ、上品な甘さと香りに感動して「オリエンタルビューティー」と呼んだそうです。
そこから、東方美人茶という名前が定着して、いつしかスタンダードになりました。
東方美人茶の産地
紅茶のような渋みと、蜜のような甘い香りが特徴の東方美人茶の産地は、桃園縣や新竹縣などのエリアなどが有名な生産地です。標高が1000m以上の高いところで育てられた台湾茶は、美味しいだけでなく、高級茶として高い値がつきます。
しかし、東方美人茶は、300〜800mのところで栽培されているのです。これも、東方美人茶には、欠かせない蝉科のウンカのため。標高が低い所で育てられているからこそ、ウンカが茶葉を食べて、あの美味しい味わいが出るのです。
東方美人茶の栽培方法
東方美人茶の栽培方法は、他の茶葉とは違って個性的です。そのカギを握るのは、何回も出て来ている蝉科のウンカという害虫。ウンカが茶葉を吸ったり、食べることで茶葉の中から、敵から自分を守るために特別な成分が分泌されます。
これにより、茶葉は丸まり、蜜のような甘い味わいが出るのです。しかし、ただ栽培していればいいということではありません。ウンカが食べれるように、無農薬で育てることや、ウンカを大量発生させることも、美味しい東方美人茶を生み出すために重要です。
東方美人茶の発酵方法
一般的な中国茶は、茶葉を収穫した後すぐに加熱をして発酵を止めますが、東方美人茶は、違います。東方美人茶の茶葉はとてもデリケートなので、発酵をさせる時には、24時間付きっきりで見ていなくてはいけません。何度もザルの上に乗せられて、放置されながら、丁寧に時間をかけて発酵させます。
そして、ある程度発酵してから熱を加えるのですが、熱を加えるタイミングで味が変わるので、東方美人茶を生産する行程の中で、一番緊張する場面と言えます。このように、丹精込めて作られた東方美人茶だからこそ、美味しい味わいと香りを楽しめるのです。
東方美人茶の効能はある?
東方美人茶の基本的なことに関して、色々見てきました。次は、東方美人茶が持つ嬉しい効果効能をご紹介します。台湾の有名なお茶である東方美人茶は、美味しいだけでなく、健康面や美容面などの色々な効果を持っていました。
胃腸の動きを高める効果
東方美人茶には、腸内環境を整えて動きを高める効果があります。腸は、第二の脳と呼ばれているほど大事な部分です。色々な原因で、腸内環境が滞ると、血行が悪くなって冷え性やむくみ、肌荒れの原因に繋がります。
東方美人茶は、長い間時間をかけて発酵させた発酵度が高いお茶です。東方美人茶を飲むことで、胃腸が活発に動き出して、老廃物を除去してくれます。
美肌効果
美味しい台湾のお茶である東方美人茶には、美肌効果があると言われています。ビタミンCが配合されているため、美容にも健康にも良いお茶。ビタミンCは、細胞と細胞の間を繋ぐ、接着剤のような役を果たすコラーゲンを作る時に必要です。
さらに、老化を引き起こす活性酸素を除去してくれるので、若々しいツヤのあるお肌を保てるように助ける働きをします。そして、くすみの原因になるメラニンを抑制して、ハリと弾力のあるお肌に作りをサポートしてくれるのもビタミンCの効果の1つです。
虫歯予防
東方美人茶には、虫歯を予防してくれる効果が期待できます。台湾の東方美人茶には、色々な栄養素が含まれていますが、中でも烏龍茶ポリフェノールは、虫歯予防のために効果的な成分。
東方美人茶の中に含まれている烏龍茶ポリフェノールは、活性酸素を除去する他に、虫歯の予防だけでなく、歯に沈着しやすい歯垢も付着しにくくしてくれます。
動脈硬化予防
動脈硬化とは、血管の壁が厚くなったり、柔らかくなったりの変化を繰り返し、本来の構造が壊れてしまう病気の総称を指します。高血圧やストレスなどが原因で起こる病気ですが、東方美人茶には、動脈硬化を予防してくれる効果があるそうです。
東方美人茶の中に含まれている烏龍茶ポリフェノールが、血中の悪玉コレステロールの酸化を抑制して、同時にコレステロールを低下させてくれる効果があります。
東方美人茶のおすすめの美味しい入れ方
次は、東方美人茶の美味しい入れ方についてご紹介します。東方美人茶は、アイスで飲んでもホットで飲んでも美味しいお茶です。本格的で美味しい入れ方ですが、お家でも気軽に活かせるので覚えて、実践してみましょう。
ホットの場合
用意するものは、茶壺、茶杯、茶盤です。なければ、急須、湯呑み、ボールを準備しておきましょう。まずは、茶壺に沸騰したお湯を入れて温めておきます。茶壺の中にあるお湯を茶杯に移し替えて、残りは茶盤に捨てましょう。
茶壺に茶葉を入れるのですが、150ccのお湯に対して3gが目安です。85度前後くらいまで冷ましたお湯を、茶壺に入れて30〜45秒の間蒸らします。ここで、茶杯に入れておいたお湯を茶盤に捨てましょう。
茶杯にお茶を注ぐ
お茶の香りが立ってきたら飲み頃の合図です。味わいが均等になるように、茶杯に少しずつ分けながらお茶を注ぎます。残った茶葉は、再びお湯を注げば何回か飲めますが、3回目以降は、蒸らす時間を長く取るとGOOD。
アイスの場合
東方美人茶をアイスで入れる方法は、とても簡単です。まず600ccの保存容器と、茶葉を4g準備します。水は、ミネラルウォーターで常温の水がおすすめ。容器の中に、お水と茶葉を入れて、冷蔵庫で6時間ほど水出ししてあげましょう。
さらに、水出しし終わった茶葉は捨てずに、90〜100度のお湯で5分ほど抽出して、冷蔵庫で冷やしてから飲めます。
東方美人茶の保存方法
東方美人茶の保存方法のおすすめは、常温で保存することです。お茶を保存する時は、常温で湿気がなく、直射日光が当たらない場所で保存しましょう。特に、東方美人茶の場合は、熟成が進むので、味わいがよりまろやかに美味しくなります。
あえて、少し常温で保存して熟成させてから飲んで味を飲み比べてみるのもおすすめです。東方美人茶の持つ甘みがより引き立って、また違った美味しさが生まれます。
東方美人茶はお土産におすすめ!値段やおすすめの購入店舗を紹介!
実際に、東方美人茶を飲もうと思っても、初めて方はどこで購入していいのか、どんなものがあるのか、わからないことがたくさんあります。次は、東方美人茶のお値段や購入店舗をいくつかご紹介しましょう。
東方美人茶の値段
東方美人茶は、栽培や発酵、生産に至るまで丹精を込めて作られる、とても手間のかかるお茶です。美味しい東方美人茶のお値段は、台湾のコンクールなどで賞を獲ったお茶で、一番高いと600gで300万円近くする種類もあります。
その一方で、台湾のスーパーなどに行くと、ティーパックで90元くらい、日本円に直すとだいたい1,500円前後で販売されているお茶もあるようです。
お茶の単位斤とは?
台湾で茶葉の量を現す単位は、1斤で、だいたい600gくらいの量。問屋さんなどは、半斤の300gくらいから販売してくれるところが多いそうです。問屋さんの中には、150gの4両から販売してくれるところもあります。
もっと少ない方がいいという方は、探してみると、最少で50gから販売してくれるお店もあるようです。お茶をよく飲む台湾では、一度に10g以上使うことがあるので、1斤はちょうどいい量。台湾は日本人に比べて、お茶の消費量がとても多いのです。
台湾のお茶の相場は?
初めて購入する方は、台湾のお茶の相場がどのくらいか頭に入れておくとGOODです。台湾のお茶は、種類によってお値段も異なりますが、1斤あたり1200元前後がお手頃と言えます。日本円に直すと、約19,000円前後です。
高級な茶葉になってくると、1斤2400元くらいになるので、だいたい30,000円くらいのお値段になります。しかし、台湾でも購入する場所によって、お茶のお値段が変わることもあるのです。これは、台北よりも台中の方が家賃が安いためとも言われています。
おすすめのお店
台湾でお茶を購入しようと思った時は、茶葉専門店や茶葉問屋、茶人の経営するお店、スーパーなどが挙げられます。そんなおすすめのお店をいくつかご紹介していきましょう。
林華泰茶行
台湾にある林華泰茶行は、1883年に創業されたお茶の問屋です。比較的安価で購入できるので、買い付けにくる業者が後を絶ちません。店内に入ると、色々な茶葉の入った銀の筒が所狭しと並んでいます。
筒の上には、赤い文字で、中に入っている茶葉の種類の名前が書かれています。この問屋では、1斤を80元で購入できる茶葉もあるので、初めての方でも、購入しやすいところが魅力です。
注文する時は、紙に欲しいお茶の名前と値段を書いて渡す方法がおすすめ。台湾に行ったら、一度は行ってみたいお茶の問屋さんです。
林茂森茶行
林茂森茶行は、台北の中にある台湾茶を好む人に大人気のお茶の問屋さんです。実は、このお店のオーナーである林茂森さんは、林華泰の四代目として40年間お茶と共に暮らしてきました。
そんなお茶選びに自信を持つ林茂森さんが、息子さんと共に始めたのが、林茂森茶行です。基本的には、1斤からの販売ですが、量り売りということもあり、少量からでも購入できるところが魅力です。店内には、常時70種類以上の茶葉が銀の筒に入って並んでいます。
徳芳茶業
徳芳茶業は、お茶の街として栄えた地域にあるお茶の問屋さんです。100年続く老舗の問屋の3代目がオーナーで、40年以上のキャリアを持つお茶のプロフェッショナル。東方美人茶もA〜Cまでのランクがあります。
ご主人のこだわりは、試飲をして、気に入ったお茶だけを買ってもらうことだそうです。無理に買ってもらおうとは思っておらず、気に入った茶葉を見つけたら、その場で袋詰めしてくれます。
目の前で、計ってくれるところも観光客としては、安心のポイントです。
東方美人茶でゆっくりとお茶タイムにしましょう
東方美人茶は、色々な偶然が重なってできあがったお茶です。しかし、栽培方法や発酵方法などを見てみると、とても手間のかかり、心を込めて作られたお茶であることがわかりました。美容や健康への効果も高く積極的に飲みたくなるお茶です。
台湾茶と聞くと、高いイメージを持たれる方も多いと思いますが、最初は購入しやすいリーズナブルなものから始めてみるのもおすすめです。お茶タイムには、日本茶や紅茶、コーヒーもいいですが、たまには少しリッチに、本格的な台湾茶を味わいながら楽しんでみましょう。