越前大仏(大師山清大寺)は福井県勝山市の観光スポット!アクセスなど紹介
福井にある越前大仏(大師山清大寺)を知っていますか。ここにある越前大仏はとにかく見たらびっくりするほど大きく、座像では日本一の大きさを誇っているのです。その他にも大師山清大寺内には見どころが満載です。また福井県勝山市の観光スポットやアクセスも含めて紹介します。
目次
福井県の越前大仏について紹介!
福井県勝山市にある越前大仏について紹介します。越前大仏とはどのような大仏なのでしょうか、そしてどんなご利益があるのでしょう。
越前大仏がある勝山市ってどんなところ?
福井県勝山市は、福井県の北東部にあり、福井県立恐竜博物館があります。この博物館は世界三大恐竜博物館の一つとされており、ほかの二つはカナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館と中国の自貢恐竜博物館です。
また勝山市は福井県で最も人口が少ない市で、2020年8月1日の推計人口は22223人です。なお近年人口減少が続いています。
恐竜に関する施設としては、恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークがあります。これは勝山市内全域をエリアとするジオパークで、一部白山ユネスコエコパークエリアと重複しており、白山国立公園と奥越高原県立自然公園も含んでいるのです。
越前大仏とは?
それでは越前大仏について詳しく説明します。どうして福井県勝山市に大きな大仏が設置されるようになったのでしょう。
越前大仏の由来と歴史
越前大仏は福井県勝山市にある臨済宗妙心寺派の寺院である大師山清大寺にある大仏です。別名は出世大仏となっています。この毘盧遮那如来の大仏は中華人民共和国洛陽市にある龍門奉先寺座像をモデルにしており、像の高さは17mです。
この越前大仏建立の歴史は地元の実業家の相互タクシー創業者の多田清により建立されました。そして1987年5月28日に開眼供養をしています。当初観光目的の寺院であり拝観料は大人3000円と高額でしたがその後宗教法人となりました。
2020年4月現在の拝観料は大人500円とかなり安くなったのです。それでも参詣者は伸び悩んでおり、1996年ころから納税が困難となり、2004年からは土地建物は勝山市が管理するようになったのです。
そして大仏と大仏殿だけは清大寺が管理して、敷地内の土地や五重塔など建物は公売に出したのです。しかしながら2007年から合計9回の公売をしても全部不調になり、買い手は現われませんでした。
その後勝山市は2018年になってから滞納している市税40億円に対して不納欠損処理として債権放棄したのです。このおかげで寺が有する土地や建物の差し押さえ物件はなくなりました。
出世祈願の人気スポット
越前大仏は出世大仏ともいわれています。その理由はこの大仏を建立した実業家の多田清氏にちなんでいわれているのです。清の実家は勝山市で庄屋や酒造業を営んでいた裕福な家庭でしたが、3歳の時に家業が破綻してしまいました。
一家は逃げるように大阪へ移ったのです。清は小学校を卒業して雑穀問屋等で丁稚奉公をしていましたが閉店の憂き目に遭いました。その後兵役に行き退役後はタクシーの運転手になり、労働組合を結成しその後、会社の経営権を獲得したのです。
戦後には経営に工夫をかさね会社は大きくなっていき、ついに大阪でも一目おかれる存在になるほど出世しました。苦労しながらも大出世した多田清氏を投影して、越前大仏は出世祈願の人気スポットとなったのです。
越前大仏の見どころ
それではとにかく話題性のある越前大仏の見どころをいくつか紹介しましょう。
日本一を誇る大きさ
越前大仏は大仏殿に入って実際に目の当たりにすると、その圧倒的な存在感に驚嘆してしまいます。毘盧遮那如来はサンスクリット語でヴァイローチャナといい太陽という意味です。太陽のように宇宙の中心にあって全宇宙を照らし続けます。
仏教では釈尊のように実際にこの世に出現して教えを広めた仏と、仏教の教えの法そのものを人格化した仏の存在を想定しているのです。釈迦のような存在を応人仏といい、人格化した存在を法が身体になったという意味で法身仏といいます。
越前大仏すなわち毘盧遮那如来は法身仏で、永遠不滅の宇宙の真理を現わした仏様です。釈尊と毘盧遮那如来は表裏一体の仏様といえます。像高は17メートルであり、奈良の大仏よりも2メートルも高く座像では日本一です。
牛久大仏
越前大仏は座像では日本一の大きさとなっています。それでは立像での日本一はどこなのでしょうか。答えは茨城県牛久市にある牛久大仏(うしくだいぶつ)です。正式名称を牛久阿弥陀大佛といいブロンズ(青銅)製大仏立像です。
高さは像高が100メートル、台座が20メートルで合計120メートルとなり、立像の高さでは世界6位となっており、ブロンズ像としては世界一です。
牛久大仏は浄土真宗東本願寺派本山東本願寺によって造られました。
大仏の周りの石仏
大仏殿に入ってまずは越前大仏の巨大さに驚嘆していると、次に目に入ってくるのが壁一面に石仏が納められている荘厳な光景です。大仏殿の天井はとても高いのですが、その壁面を石仏が覆っているのです。
越前大仏を囲むようにして配置された石仏は、一つ一つ石室に収まっているのですが、これだけの石仏が越前大仏を応援していると考えると、越前大仏の偉大さが理解できます。石仏は全部で1712体配置されていて、大仏殿を守っています。
この大仏と石仏に囲まれた空間にたたずむと、心が浄化されて宇宙と一体になっていくような厳かな気持ちを味わえるでしょう。
立派な大仏殿にも注目!
越前大仏がある大師山清大寺の敷地面積はなんと22ヘクタールもあります。その中でもひときわ目を引くのが大門から中門を通って達する大仏殿です。大きさ日本一の越前大仏すなわち毘盧遮那如来を安置してあるだけあって荘厳な建築物です。
この大仏殿は五重塔とともに、遠くからでも見えるほど大きいので、勝山市のランドマークとなっています。
越前大仏のある大師山清大寺の敷地内も見どころがたくさん!
越前大仏のある大師山清大寺は広大な敷地を有していますが、敷地内にあるたくさんの建物等の見どころを紹介します。
日本一の高さを誇る「五重塔」
五重塔といえば、京都の東寺が有名ですが、大師山清大寺の五重塔は東寺の五重塔よりも20mも高く75mもあります。エレベーターも完備されていますので、階段で登るのが無理な場合でも安心です。
5階からは勝山市内が一望でき、秋には清大寺境内のイチョウやモミジの紅葉も楽しめる絶好のスポットとなっています。
色鮮やかで綺麗「九龍壁」
大仏殿から五重塔へ向かう回廊の近くに、九頭の龍が宝珠と戯れる姿を描いた「九龍壁」が飾られています。この「九龍壁」は中国の国宝第一号に指定された由緒あるもので、中国政府の許可を取り作成されました。
勝山市には九頭竜川があることから「九龍壁」を描いたのでしょうか。いずれにせよ、色鮮やかで美しい「九龍壁」も見逃せないスポットです。
四季折々の美しい景色「日本庭園」
大仏殿から五重塔へ向かう途中に日本庭園があります。一周約10分くらいで歩いて回れますので、是非立ち寄ってみるべき庭園です。新緑の緑が雨に濡れた風景は、心が洗われるように美しいです。
四季折々に楽しませてくれる庭園の桜にモミジは、特に紅葉の頃が美しく、のんびりと眺めていたくなるでしょう。冬には「雪つり」が施され、雪をかぶった姿も、冬ならではの風物詩として定着しています。
越前大仏周辺のおすすめ観光スポットも紹介!
越前大仏があるスポットの周辺に目を向けてみましょう。越前大仏の周辺のおすすめ観光スポットをいくつか紹介します。
日本一高い天守閣「勝山城博物館」
天守閣が日本一の高さを誇る「勝山城博物館」は、勝山出身の実業家多田清の手により建築されました。1992年の開館以来、江戸時代の大名武具や染織物、合戦図屏風などが展示されています。
江戸時代に小笠原氏が治めていた勝山藩には天守はなかったそうです。幕府の認可は降りているものの、財政が苦しく建設計画はありながらも、実現しないまま明治を迎えました。
昭和も後半になると勝山藩や勝山城の遺構は次々と失われていき、そのことを憂いた多田清が博物館という形で建築したそうです。現在では公益財団法人多田清文化教育記念財団が勝山市と連携を結び運営しています。
住所 | 福井県勝山市平泉寺町 85-26-1 |
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電話番号 | 0779-88-6200 |
営業時間・休業日 | 9時30分~16時30分 休業日:水曜日 |
アクセス | 【電車】 えちぜん鉄道勝山駅から市内循環 バスにて勝山城博物館バス停下車 徒歩3分 【車】 中部縦貫自動車道道勝山ICから15 分 |
料金 | 大学生以上500円 高校生以下200円 小学生未満無料 |
駐車場の有無 | 有 |
公式URL | 勝山城博物館 |
手織り体験ができる「はたや記念館ゆめおーれ勝山」
昭和の時代に活躍した織物関連の機械を見たり、はたおり機を動かしたり、まゆから糸を取ったりと、体験しながら織物の歴史や仕組みが学べるのが「はたや記念館ゆめおーれ勝山」です。
福井県は昭和9年から12年まで国内で織られる大半の人絹織物を織っていました。そのことから、人絹王国とも呼ばれていました。繊維の街の歴史や文化を学びながら、手織りコースターや、まゆ玉クラフトを体験してみてはどうでしょう。
住所 | 福井県勝山市昭和町 1-7-40 |
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電話番号 | 0779-87-1200 |
営業時間・休業日 | 9時~17時 休業日:水曜日 |
アクセス | 【電車】 JR 福井駅からえちぜん鉄道にて 勝山駅下車、コミュニティバス にて3分 【車】 中部縦貫自動車道道勝山ICから 約10分 |
料金 | 入館無料 ミュージアム観覧無料 手織りコースター体験料500円 まゆ玉クラフト体験料500円 |
駐車場の有無 | 有 |
公式URL | ゆめおーれ勝山 |
貴重な標本を見学「福井県恐竜博物館」
恐竜の化石が多数発掘され、恐竜を主たるテーマとした自然史博物館として人気なのが「福井県立恐竜博物館」です。カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館と中国の自貢恐竜博物館と並び、世界三大恐竜博物館と称されています。
銀色のドーム型の常設展示室には、恐竜全身骨格や化石、標本、ジオラマが展示され、恐竜が生存していた世界を堪能できます。特に人気が高いのは、リアルなCG映像のダイノシアターに本物の化石標本がならぶダイノストリートです。
恐竜博物館から専用バスで20分の所には「野外恐竜博物館」があります。実際の発掘の様子を眺めながら、同じように発掘体験ができる施設です。
住所 | 福井県勝山市村岡町寺尾 51-11 |
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電話番号 | 0779-88-0001 |
営業時間・休業日 | 9時~16時30分 |
アクセス | 【電車】 JR 福井駅下車 えちぜん鉄道 勝山永平寺線にて勝山駅下車 コミュニティバスにて約20分 タクシーにて10分 【車】 北陸自動車道 福井北IC・丸岡IC から国道416号経由約30分 |
料金 | 【常設展観覧料】 一般730円 高・大学生420円 小・中学生260円 【野外恐竜博物館利用料金】 一般1220円 高・大学生1020円 小・中学生610円 |
駐車場の有無 | 有 |
公式URL | 福井県立恐竜博物館 |
越前大仏へのアクセス
電車とバスを利用する場合は、まずJR福井駅で下車し、歩いてすぐのところにあるえちぜん鉄道福井駅へ行きます。そこから勝山駅まで約1時間電車に乗り、下車したらコミュニティバスに約20分乗り越前大仏前で下車するのです。
すると歩いてすぐ大師山清大寺の越前大仏に到着します。車を利用する場合は、福井北ICで降りて中部縦貫自動車道を利用して20分ほどで勝山ICに着きます。そこから約10分で大師山清大寺越前大仏に到着できるのです。
住所 | 福井県勝山市片瀬50-1-1 |
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電話番号 | 0779-87-3300 |
営業時間・休業日 | 8時~16時30分 定休日:年中無休 |
アクセス | 【電車】 えちぜん鉄道勝山永平寺線 勝山駅下車後バスにて10分 【車】 中部縦貫自動車道道勝山IC から車で10分 |
料金 | 大人500円 小学生~高校生300円 |
駐車場の有無 | 有 無料400台 大型バス駐車場もあり |
公式URL | 越前大仏 |
福井の観光スポット「越前大仏」へ行こう!
福井県の勝山市といえば恐竜博物館で有名な土地ですが、それ以外にも日本一大きな大仏である越前大仏がある場所として人気があります。福井県は永平寺もあるところなので、越前大仏がある大師山清大寺も古いお寺ではないかと考えるでしょう。
ところが大師山清大寺は昭和62年にできた比較的新しい寺なのです。しかも多田清が個人の財産を投入して建立したのですから、この寺へ来た人はその偉業に驚くことでしょう。多田清の歩んだ人生を知れば、出世大仏のご利益も納得できます。
福井観光の際には、見どころ満載の大師山清大寺の越前大仏を是非訪れてみましょう。