平安神宮の見どころ!歴史ある神苑の魅力・ご利益や無料公開も紹介
京都市の岡崎にある平安神宮は、平安京を築いた桓武天皇を祀る神社です。平安時代の大内裏を再現した境内は、大鳥居や大極殿、神苑など見どころがたくさんあります。付近は京都国立近代美術館や岡崎動物園など観光スポットも。この記事では、平安神宮の見どころをご紹介します。
目次
歴史のある平安神宮の見どころや魅力を紹介!
平安神宮は京都市左京区の岡崎にある神社です。平安京を築いた桓武天皇を祀っていて、春には桜の名所としてもおすすめの観光スポットでもあります。この記事では、平安神宮の見どころについて詳しくご紹介します。
平安神宮とはどんな場所?
平安神宮は、京都のお寺としては比較的新しく、1895年(明治28年)年に創建されました。この年開催された内国勧業博覧会(万博の国内版)の目玉として、平安時代の大内裏(天皇の宮殿)を一部復元しようという計画でした。
応仁の乱や長い武家政権の間に、平安神宮の内裏は放棄され、天皇の住居も大きく縮小していました。明治時代に天皇のもとに政権が返上されると、その権威を高めるために平安時代の内裏がひとつの理想型として重要視されたからです。
結局、用地の関係で実物より少し小さくなりましたが、応天門・大極殿など平安京大内裏の南面の建物を、伊東忠太・ 木子清敬・佐々木岩次郎ら当時の最も権威ある建築家が設計して復元されました。
歴史ある建築が見どころの観光スポット
平安神宮の一番南に應天門があり、その左右から歩廊が伸び、北側の大極殿につながっています。歩廊の北東と北西にはそれぞれ蒼龍楼・白虎楼という楼閣が立っています。
これらの建物は国の重要文化財となっていて、明治時代の重要な建築物として建築史上重要視されています。
大極殿の北側は神社の本体である拝殿と本殿があり、その両側を取り囲むようにして広大な神苑が取り囲みます。
平安神宮のご利益は?
平安神宮は特に縁結びにご利益があるといわれています。この平安神宮で神前式を行ったカップルは数多く、たくさんのカップルの縁をとりもってきました。
また、平安神宮の大極殿の左右に植えられている「左近の桜」、「右近の橘」をモチーフにした「桜守」、「長寿橘守」はちりめん生地で橘の実、桜の花をそれぞれ表したもので、見た目もかわいらしいのでおすすめです。ご利益はそれぞれ「幸福・美麗」、「健康・長寿」とのことです。
平安神宮のおすすめの見どころ5選!
広い境内をもつ平安神宮なので、初心者さんでも迷わないように、おすすめの見どころをまとめてみました。
平安神宮の入り口にある「應天門」
平安神宮の応天門は、この神社の正門です。元々は、平安京大内裏の南正門として建造されましたが、1177年の大火で失われて以降再建されずに放置されていました。
平安神宮の応天門は、明治時代にこの神社が創建された際、資料にもとづいて縮小復元されたものです。厳密な研究によってできる限り忠実に復元されているので、平安京の華やかなりし時代の雰囲気を十分に伝えてくれます。
重要文化財の1つ「大極殿」
大極殿も、平安京大内裏の建物を復元したものです。大極殿は平安京完成当時、天皇と臣下が会議などをする場としてつくられました。しかし時代が下るにつれ、天皇は私的生活の場である「内裏」で政治も行うようになり、大極殿は儀式用の建物になっていきます。
1171年の大火で焼失して以来長らく失われていましたが、平安京で最も権威ある建物として、平安神宮で復元され、神社の外拝殿として威容を誇っています。
明治時代の代表的な日本庭園「神苑」
総面積約33,000㎡に及ぶ平安神宮の庭園は「神苑」とよばれています。池や築山をそなえる池泉回遊式庭園で、明治時代の有名な造園家7代目小川治兵衛が作庭したものです。
計算され尽くした風景と庭木、草花により、四季折々の美しさを楽しめますが、なんといっても観光のおすすめは桜の季節です。谷崎潤一郎の『細雪』にも登場する雅な世界が、目の前に広がります。
また、琵琶湖疏水から引き込まれた池の水には、本家の琵琶湖では失われつつある生態系が保存されていて、カワセミや希少な固有種であるイチモンジタナゴなどが観察できる、貴重なビオトープにもなっています。花だけでなく生き物も見どころです。
大きさに圧倒される「大鳥居」
平安神宮の参道である「神宮道」にそびえる大鳥居は、応天門から約300メートル南にある赤い鳥居です。高さ24m、幅18mの巨大な鳥居は、岡崎地区のどこからでも見ることができ、印象的です。
境内の東側と西側にある「白虎楼・蒼龍楼」
白虎楼・蒼龍楼も平安京の内裏の建物を復元したもので、大極殿と応天門を繋ぐ東西の歩廊の中間点にあります。本来は白虎楼・蒼龍楼と朱雀門・玄武門の4つで東西南北の守神「四神」を表していましたが、平安神宮では2つのみが復元されています。
これらの建物も、平安時代の建築を考証にもとづいて正確に再現したものとして、重要文化財に指定されています。赤い柱と緑の屋根のコントラストが見どころです。
平安神宮の春の見どころ・桜が見頃の時期はいつ?
平安神宮は桜の名所としても有名で、春には特に多くの観光客が訪れます。平安神宮の桜といえば枝垂れ桜で、神苑に植えられた300本のうち半数ほどがヤエベニシダレという品種です。
谷崎潤一郎の『細雪』や川端康成の『古都』にも言及されているほど有名で、「ヘイアンベニシダレ」という別名もあるほどです。
シーズン中は非常に混雑するので、朝早く出かけたり、平日を選んでいくなど、混雑対策をしていくのがおすすめです。
平安神宮の見どころ見学なら無料公開の時期もおすすめ!
平安神宮の境内は入場無料ですが、神苑は通常入園料がかかります。ただし、園内に植えられた花しょうぶの見頃である6月上旬と、南神苑に「平安の苑」が開設された9月19日の年に2回、無料公開の日が設けられています。
6月の無料公開は花しょうぶの開花状況に左右されるので、ホームページをこまめにチェックするのがおすすめです。
また、どちらの無料公開日も非常に混雑しますので、朝早くに行く、公共交通機関を利用するなどの対策をしていきましょう。
住所 | 〒606-8341 京都府京都市左京区岡崎西天王町 |
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電話番号 | 0757610221 |
営業時間・定休日 | 6:00~16:30 無休 |
料金 | 無料 ※神泉苑は大人600円、小人300円 |
アクセス |
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駐車場の有無 | 無 |
公式URL |
平安神宮周辺の見どころ
平安神宮の周辺は岡崎公園という文化ゾーンになっています。参道である神宮道を挟んで西には京都府立図書館、京都国立近代美術館、ロームシアター京都、東には京都市美術館、京都市動物園があります。
特に京都府立図書館の正面入り口には、武田五一が設計した明治時代の建築が残されていて、平安神宮はとともに明治時代の建築を見ることができる貴重な文化遺産です。
また、少し東には枯山水庭園やインクライン、琵琶湖疎水で有名な南禅寺、南には竹林やツツジのライトアップが人気の青蓮院門跡などの観光スポットがあり、伝統的な京都の雰囲気も同時に楽しめる好立地は、観光の拠点としてもおすすめです。
平安神宮で平安時代にタイムスリップしよう!
平安神宮周辺の岡崎地区は、京都の繁華街とはまた違ったゆったりとしていて静かな雰囲気の場所なので、他の施設と併せて1日のんびりと過ごすのがおすすめです。
平安神宮は、平安時代の内裏の一部を復元した壮大な建物と、四季折々の景観が美しい神苑が見どころの、京都市内でも特におすすめの観光スポットです。平安神宮で、平安貴族の世界にタイムスリップしてみてはいかがでしょうか。