黄山は中国水墨画のモデル!おすすめの観光スポットや行き方を紹介

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中国の中東部にある黄山は、仙人が住まうという幻想的な景観が魅力です。古くから山水画や漢詩の題材として、数多くの芸術家のインスピレーションをかきたててきました。 今回は、そんな黄山のおすすめスポットや行き方をご紹介します。

黄山は中国水墨画のモデル!おすすめの観光スポットや行き方を紹介

目次

  1. 中国の絶景スポット「黄山」について紹介!
  2. 黄山ってどんなところ?
  3. 黄山でおすすめの観光スポット
  4. 黄山で雲海を見よう!
  5. 黄山に訪れる時の注意点
  6. 黄山への行き方
  7. 黄山で水墨画の世界に飛び込もう!

中国の絶景スポット「黄山」について紹介!

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中国は安徽省にある黄山は、古生代期(今から約5-2億年前)に、風雨や氷河による岩石の浸食によって形成された、断崖絶壁が次々に連なる景勝地です。唐の時代にはすでに広く知られた存在で、仙人が住まう地として文化人たちの憧れの場所であり、また信仰の中心地でもありました。

今回は、水墨画の世界のような黄山の見所と、行き方についてご紹介します。

黄山ってどんなところ?

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yifanliu

中国中東部、安徽省にある黄山は、その美しく幻想的な風景によって古来多くの芸術家を惹きつけてきました。その名声は水墨画や漢詩を通じて文人たちに親しまれ、韓国や日本にも伝わってきたほどです。盛唐の詩人李白や、清朝の水墨画石涛などはその代表です。

一流の文人たちを魅了してきた黄山の魅力をこれからみてみましょう。

黄山の見どころ

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ひとくちに黄山といっても、その広さは154平方キロメートルにも及びます。1990年にはユネスコの世界遺産に、2004年にユネスコの世界ジオパークに、2018年にはユネスコの生物圏保護区に次々と指定され、自然と文化が一体となった複合遺産として世界的に注目されています。

今回ご紹介するのは黄山の魅力のほんの一端なので、ぜひ現地に行って、その素晴らしさを体感してください。

黄山の「四絶」

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黄山の魅力を端的に表す「黄山の四絶」という言葉があります。「黄山の4つのすごいもの」とも訳せるこの言葉の「4つ」とは、怪石、雲海、奇松、そして温泉のことです。特に最初の3つが複雑に絡まりあうことで黄山の多種多様な景観が作り出されていて、中国における水墨画の発達にも大きな影響を及ぼしました。

数千年の歴史を経ても変わることのないこれらの「四絶」が、黄山が常に人々を魅了してきた理由でしょう。

四季折々の表情

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しかし、黄山の魅力は「四絶」によってだけ作り出されるものではありません。もう一つの大きな魅力が、四季折々の変化によってみられる様々な表情です。

春は高山植物が芽を出し花を咲かせる可憐な景色、夏は爽やかな風とともに雲が湧き上がる雄大な景色、秋は紅葉で山々が色付く華やかな景色と、それぞれ豊かな表情を見せてくれます。しかし、黄山が最も幻想的な魅力を放つのが冬の季節です。

奇岩や松の上に雪が降り積り、モノクロームになった景色はまさに水墨画の世界そのもの。絵の中に入り込んだような、静かで不思議な感覚を味わえます。

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黄山でおすすめの観光スポット

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古くから仙境とうたわれた黄山ですが、現代では観光地としても中国内外から大きな人気を集めています。

次に、黄山でも特におすすめの観光スポットをいくつかご紹介します。

硬い岩山に根を張る「黄山奇松」

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黄山の硬く直線的な岩山の連なりに、優雅で有機的な曲線で変化を与えているのが、自生している松の木々です。厳しい風雪に耐えた松は複雑に曲がりくねっていて、いくつかの老木はそれ自体が観光名所となっています。

中でも有名なものは「黄山十大名松」と呼ばれ、「迎客松」、「送客松」、「蒲団松」、「竪琴松」、「麒麟松」、「探海松」、「接引松」、「連理松」、「黒虎松」、「龍爪松」という名前でそれぞれ呼ばれています。

その中のひとつである「迎客松」は、片側になびくように伸びた枝が人を手招きしているように見えることから、この名がついています。

絶妙なバランスで立つ「飛来石」

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様々な奇岩で有名な黄山ですが、「飛来石」はその中でも有名なものの一つです。岩山の間にそびえる約12メートルの岩は、まるでどこからか飛んできてここに刺さったかのように孤立して見えるため、この名前がつけられました。

また、その名のとおり筆の穂先のような形でにそそりたつ「夢筆生花」という岩もぜひみておきたいポイントです。筆の先にあたる部分には松の古木が1本だけ立っていて、古くから漢詩や水墨画の題として親しまれています。

黄山で雲海を見よう!

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奇岩や奇とともにぜひ見てみたいのが、一面に広がる雲海です。しかし、ある程度の標高や気象、時間帯など、いくつかの条件が揃わないと見ることができません。雲海を見たい方は、ぜひ以下の点に注意して計画を立ててください。

雲海を見る際の注意点や準備

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雲海を見に行く上で最初に注意したいのは、冬期にはほとんど雲海が発生しないということです。

5-11月に数多く発生するので、冬期は避けて計画しましょう。また、昼になると晴れて雲が消えてしまうことも多いので、確実なシャッターチャンスを狙うには、朝方に黄山にいるほうが良いでしょう。黄山の山中にも宿泊施設が数多くあるので、1泊して早起きするのがベストです。

ただし、このように計画しても気象条件によっては雲海が発生しないことももちろんあります。その場合は残念ながらまたの機会に、ということも。また、運良く雲海を見ることができた場合には、雨上がりなどで足元が滑りやすいので、歩きやすい靴やカッパなど装備を整えておきましょう。

黄山に訪れる時の注意点

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雄大な魅力のある黄山ですが、厳しい自然の中の観光スポットなので、いくつか注意すべき点があります。ぜひこれらの点に気をつけて、素晴らしい絶景の旅を楽しんでください。

悪天候・冬季期間による閉山

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黄山の魅力は雪景色ですが、残念なことに主峰である蓮花峰と天都峰は、冬期の間凍結のため閉山してしまいます。通例では毎年12月1日から3月31日ですが、天候によってはこの期間意外にも閉山する場合があります。主峰に登る場合には冬期以外を選んで行きましょう。

それ以外のエリアは冬期にも観光が可能なので、風景をメインに楽しみたい方は、しっかりと防寒対策をし、歩きやすい靴をはいて出かけましょう。

5年交代の閉山ルール

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主峰の蓮花峰と天都峰の観光にはもう1つ制限があります。それは、5年ごとに交代して閉山するという決まりです。

自然保護のために2014年から開始されたルールで、2020年現在では蓮花峰が閉山していて天都峰には登山可能です。

蓮花峰の閉山は2019年4月1日から2023年11月30日まで、次に天都峰が2023年10月1日から5年間閉山し、代わりに蓮花峰に登山可能となります。以後、5年ごとに交代しますので、登山も楽しみたいという方は、どちらの峰に登山可能なのか、また、それぞれの峰への行き方など、最新情報をチェックしておきましょう。

黄山への行き方

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黄山は山中の秘境なだけあって、交通が便利とは言えません。以下では、最も簡単な行き方をご紹介します。

黄山までは上海経由で行くのが最も便利です。まず日本から上海浦東国際空港まで空路で向かいます。さらに国内線に乗り換え、最寄りの屯渓空港まで行きます。屯渓空港からは、バスかタクシーを利用して屯渓市街まで行きます。バスで30分、タクシーでは15分程度です。

屯渓市街は黄山まではまだ100kmの道のりがあります。ここから屯渓バスターミナル(黄山長距離バスターミナル)で「黄山風景区行き」のバスに乗り換え、麓の町であり、ロープウェイの乗り口もある「湯口」で下車します。バスを使わず空港からタクシーに乗る行き方もありますが、かなり料金が嵩むので注意。

住所

中国安徽省黄山市黄山風景区

電話番号

+86-551-63731968(安徽省旅行局)

営業時間・定休日

3/1-11/30:6:00-17:00

12/1-2/28:7:30-16:00

(ただし主峰は閉山あり。)

料金

3/1-11/30:230元

12/1-2/28:150元

アクセス

屯渓バスターミナルからバスで約1時間

公式URL

-

黄山で水墨画の世界に飛び込もう!

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以上、美しい黄山の見どころと行き方についてご紹介しました。

四季折々おり、場所によって様々に移り変わる絶景が魅力の黄山。アクセスは少し時間がかかりますが、「黄山を見ずに山を見たと言うなかれ」、「天下の名勝、黄山に集まる」など、黄山の素晴らしさを称えたことわざは枚挙にいとまがありません。

水墨画のような静謐な山の中で、仙人になった気分で自然と一体になれる貴重な体験をぜひ味わってみてください。

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