イスラエルの治安は危険?エルサレムやテルアビブなど観光での注意点も解説
イスラエルというと治安が悪くて観光はできない場所と思いがちです。アメリカがイスラエルの首都をエルサレムと言ったことで混乱もありました。イスラエルの現在の治安や注意点などについて紹介します。観光できるのかについてもチェックしましょう!
目次
イスラエルへの旅行前に知っておきたい治安状況
イスラエルというと、イスラム教の聖地のイメージが強いですが、実はキリスト教やユダヤ教の聖地でもあります。エルサレムで見る歴史的建造物や、テルアビブに広がる美しい風景など見どころもたくさんあります。
しかし、イスラエルには治安面で不安なエリアがあるのも事実です。観光できる場所もありますが、治安が悪く観光に適さない場所も存在しています。
今回は、イスラエルの現在の治安や、危険情報について紹介します。エルサレムやテルアビブの危険スポットについても見ていきましょう!
イスラエルとはどんな国?
「イスラエル国」は、シリアやヨルダン、レバノン、エジプトが隣接国であり、首都がエルサレム、最大都市もエルサレムの国です。エルサレムが首都ではあるものの、国民はテルアビブを首都と捉えている人が多いでしょう。
人口は約870万人で、実はユダヤ教を信仰している人が多い国です。イスラム教やキリスト教信者も存在している信仰の自由が認められている国でもあります。民族にもユダヤ人が多いことから、ユダヤ教信者が多いのでしょう。
イスラエルは、パレスチナ問題が度々報道されることが多く、周辺国の治安が不安視されていることから、治安も悪いと思われがちです。
イスラエルの言語
イスラエルでは、ヘブライ語が公用語として使われています。古代ヘブライ語を復元させているため、現代ヘブライ語とは違いがあります。また、アラビア語やサマリア語、ロシア語などが使われることもあります。
日本では馴染みがない言語ばかりが使われているイスラエルですが、実は、英語も頻繁に使われています。そのため、英語で十分に観光を満喫することができるでしょう。
テルアビブなどでは、英語が得意な人も多くいます。イスラエルの現地の言語が使えなくても英語が分かれば安心です。
イスラエルの通貨
イスラエルでは、パレスチナ自治政府でも使われている「新シェケル」が通貨として存在しています。2019年12月現在、1新シェケルは約31円です。新シェケルは聞きなれない通貨ですが、イスラエルはアメリカドルが使用可能です。
クレジットカードも使うことができます。また、イスラエルの物価は意外なことに日本よりも高いと言われています。少し多めにアメリカドルを持っていくことをおすすめします。
アメリカドルなら、日本国内で両替してイスラエルに行くことができるので、イスラエルで両替にかける時間を削減することが可能です。
外務省発表によるイスラエルの危険度
外務省が発表しているイスラエルの治安は、危険レベル1~危険レベル3までがつけられています。エルサレムやテルアビブ、南部などは危険レベル1、西岸は危険レベル2、北部の一部やガザ地区では危険レベル3がついています。
ガザ地区は、イスラム過激派が活動している場所です。抗議活動や衝突事件、デモなども行われ、死傷者が出た事件もあります。テロ組織との武力抗争なども起きているため、非常に危険な地域です。日本人が訪れると命の危険性も感じることでしょう。
レバノン国境地帯も、ロケット弾が撃ちこまれたり、ミサイル攻撃が行われたりと命の危険にさらされるような事件が多々起きています。危険レベル3の地域は日本では起きないような事件が多い場所なので渡航はすべきではありません。
エルサレムやテルアビブで治安の悪い地域
イスラエルを観光するなら、やはりエルサレムやテルアビブを訪れるのが一般的でしょう。エルサレムやテルアビブは危険レベル1なので、かなりの注意が必要ですが観光ができないわけではありません。
観光スポットも多く、世界遺産もあります。比較的安全で過ごしやすいエリアもあるでしょう。しかし、危険だと言われている治安が悪い地域もあります。
エルサレムやテルアビブの治安が悪い地域をチェックして、より注意を高めるようにしましょう。できれば、治安が悪い地域には行かないことです。
エルサレムの治安の悪い地域
エルサレムは基本的には治安は安定しています。宗教が大きく絡んでいるため、危険も少ないと言えます。しかし、エルサレムの旧市街や東エルサレムは暴力事件や衝突事件が多く起きているので危険です。治安が不安定になりやすい場所でしょう。
エルサレムは、アメリカがイスラエルの首都であると正式認定したことで抗議運動も起きています。普段は、一人旅でも危険性が少ないと言われているエルサレムですが、情勢により大きく治安が変わるので気をつけてください。
観光地が多く、観光客が増えると、スリなどの窃盗犯罪も起きることがあります。エルサレムでも危険が多いことは承知しておきましょう。
テルアビブの治安の悪い地域
テルアビブは、エルサレムと同じぐらい治安がイスラエルの中では安定しています。イスラエルに訪れた観光客は、テルアビブで旅行を楽しむこともあるでしょう。
テルアビブも確かに比較的安全に旅行することができる場所ではあるものの、一部では危険があります。テルアビブで治安が悪いと言われる場所についてもチェックしてください。
ネヴェ・シャアナン地区・シャピラ地区
このエリアは、外国人労働者が多い場所です。中には不法労働者もいます。風俗店も多く、雰囲気が異様だと感じるでしょう。ここでは、窃盗事件や薬物事件など様々な事件が起きています。
治安情勢が悪くなると、衝突などが起きることもあり得るため行かないほうがいいでしょう。昼間であっても危険と言われています。
特に、風俗店に入ると危険が増すので、この地域には最初から立ち入らないことをおすすめします。
ハ・ティクヴァ地区
麻薬関係の犯罪が多発しています。この地区では、麻薬を簡単に手にすることができると言われています。そのため、低所得者やホームレスなどが多く集まり、麻薬に手を出している状況が繰り広げられているでしょう。
薬物中毒者が多い可能性もあって、かなり危険なので夜だけでなく、どの時間帯であっても近づいていはいけないエリアです。
オールド・ヤッファ
外国人労働者が多い地域です。物価が安かったり宿が安いことから、低所得者も集まりやすいのです。ここは、昼は観光客でも賑わっていますが、窃盗事件には注意が必要です。
夜になると、さらに治安が悪くなり、人通りが少ない場所では強盗事件も起きるという危険性があります。昼と夜での治安が違う場所は、夜の治安がかなり悪くなることが多いので夜は近づかないようにしましょう。
イスラエルで観光客をターゲットにした犯罪
ここまで見ると、イスラエルのイメージが変わってきたのではないでしょうか?確かに危険は潜んでいますが、治安がとても悪い国というよりは、治安に気をつけたら観光ができる国という考えを持つことができるはずです。
しかし、安心しきるのは危険です。イスラエルでは、観光客がトラブルに巻き込まれることも多々あります。観光客がどんな事件に遭遇しやすいのかについて紹介します。
スリ
エルサレムを観光中に、物売りの人に話しかけられている間に現地の子供から財布を抜き取られるというスリ被害が起きています。また、バッグの中から旅券だけ持っていかれたという人もいます。
また、客引きにしつこくつきまとわれ、ようやくいなくなったと思ったら財布がなくなっていたというトラブルに見舞われた人もいます。貧困率が高い国でもあるので、観光客の金品は常に狙われているでしょう。
置き引き
ホテルのロビーで置いていた荷物が急になくなっていたとか、レストランで食事をしているときに話しかけられた人に対応していたところ、横に置いていた荷物がなくなっていたという置き引き被害もあります。
また、イスラエルにもビーチがありますが、ビーチで遊んでいたら貴重品が盗まれた人もいます。ロッカーに入れていたはずの荷物が、ロッカーの鍵を壊されて開けられ貴重品が奪われたというトラブルも発生しています。
置き引きは、とても多く起きているため治安が良いと言われている場所でも注意が必要です。
車上荒らし
車を停めて観光をした後に車に戻ったら、車が荒らされていたというトラブルもあります。貴重品を車に乗せていた場合は、奪われてしまうでしょう。
車の中を安全と考えて、貴重品を置きっぱなしにすることは危険です。場合によっては、窓ガラスを割られて車上を荒らされることもあるでしょう。
イスラエルを安全に旅行するための注意点
イスラエルに旅行に行くということは、危険が少なからずあることを承知の上で行くことでしょう。しかし、注意をしていたとしても何かしらのトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。
安全な旅行のためには、よほどの注意が必要です。イスラエルを安全に旅行するには、どんな注意が必要なのかについて紹介します。注意しなくても治安的に大丈夫だった人も確かにいます。
しかし、イスラエルは情勢によって治安が変化するため、いつ訪れるにしても注意は完璧に行ってください。
荷物から目を離さない
色んな手口で荷物を奪ってくる可能性があります。いつでも荷物を肌身離さず持っていてください。注意したいのが、話しかけられたときです。つい荷物への注意が薄くなってしまいます。
話しかけられたときは、荷物を抱きかかえて対応するなどのように、まずは荷物を優先にしてください。キャリーケースは洋服の一部と繋げておくとか、貴重品のバッグには鍵をつけておくなどの対策も大事です。
また、お金は分散させて持ち、ポケットには入れないようにしましょう。抱きつかれてポケットの中のものを奪うという子供もいます。
車に荷物を置いたままにしない
車上荒らしに遭わない秘訣は、車の中を空っぽにすることです。車の中に貴重品があるのが外から見えたら、確実に狙われてしまうでしょう。トランクに入れるときも、どこかで見られている可能性があるので注意してください。
車で観光するときは、駐車場に停めて車から離れるときに荷物も持っていくようにしましょう。万が一、車上荒らしに遭ったとしても、盗られるものがなければ安心できます。
人気のない場所には行かない
観光地なら、昼間の一人歩きもできないわけではありません。しかし、人気がない場所は昼間であってもいかないようにしましょう。ホームレスや低所得者が多い場所や、麻薬犯罪が行われる場所もあります。
イスラエルでは、エルサレム地区のすぐ近くが危険レベルが高い場所だったりもするので、誤っていくことがないように、予め観光するルートを決めておくことをおすすめします。
人気がない場所は、犯罪者が犯罪をするチャンスで溢れているため、人が多い場所を選んで行動するようにしましょう。
流しのタクシーは利用しない
流しのタクシーは、ぼったくりなどのトラブルに巻き込まれる可能性が高いので基本的には使用しないでください。イスラエルでは、「Gett」という配車アプリがあります。このアプリを使うと正規のタクシーに乗れるでしょう。
アプリが難しい場合は、ホテルなどでタクシーを手配してください。タクシー移動はお金がかかるものですが、正規タクシーで移動することが一番安全とも言われています。
派手な目立つ服装はしない
イスラエルは、宗教の自由を認めているため、服装も様々です。しかし、ヒンドゥー教が多いので、派手は服装をしている人は少ないでしょう。観光客が派手な服装をしていると、とても目立ちお金を持っている人にも見えてしまいます。
そのため、服装で目立たないようにしてください。露出を控えた服装で、どこを観光するにもスムーズにできるようにしておくことをおすすめします。イスラエルは暑い国ですが、昼と夜で温度差があるので上着も必要です。
犯罪のことだけでなく、イスラエルで過ごしやすさを求めるためにも服装はシンプルで、温度調節がしやすいものにすることをおすすめします。洋服の上からバックをかけて、その上から上着を重ねると防犯にもなるでしょう。
イスラエルは治安が安全な場所で観光しよう!
イスラエルは、治安が地域によって違います。エルサレムやテルアビブのように観光ができる場所もありますが、治安が安定している場所でも様々な犯罪があるので危険です。色んな可能性を考えた行動が必要でしょう。
また、治安が悪いと言われている場所には近づいてはいけません。特に、危険レベル3で外務省からも注意喚起が強くされている場所には最初から行かないようにしましょう。どんなトラブルに巻き込まれるか分からないものです。
イスラエルを観光するときは、観光地で人が多い場所、治安が安定している場所、本物の警察が警備をしっかりしている場所などのように安全第一で行動できるエリアで楽しみましょう。