熊本弁(熊本県の方言)の一覧!訛りや語尾・かわいい方言も紹介
熊本弁は熊本県の方言で、意味がわかる程度のものから、もうなんと言っているかもわからないものまで様々あります。 今回は熊本県民に愛されている可愛い熊本弁や、かっこいい熊本弁、熊本県民御用達のネイティヴ熊本方言を一覧で紹介していきたいと思います。
目次
熊本方言「熊本弁」について紹介!
熊本城やくまモンでおなじみの熊本県。2016年の熊本地震発生後、熊本復興支援プロジェクトとして2019年には熊本県出身の漫画家・尾田栄一郎氏の「ONE PIECE」の像も建設されました。
今回はそんな熊本県の個性のひとつ、熊本弁について紹介します!
熊本弁(肥後弁)の特徴や訛り(なまり)
熊本弁の訛りは九州地方の方言のなかでも語尾の上げや濁音での訛りが特徴的で、全体的に濁点を使うことが多く、独特でかっこいいです。
一方で「うまい」の「まい」がなまり「みゃー」になったり、「〇〇じゃない?」が「〇〇じゃにゃー?」になって「にゃー」となまったり、いずれも語尾をあげて発声し、にゃーにゃーみゃーみゃー可愛らしくもあります。
県北と県南でも少し訛りが違います。さらに細かく分けると九州各県内でも地方により方言やアクセントは微妙に違いますが、今回は熊本県の中でも代表的な県北訛りのかっこいい熊本弁を一覧にしてみました。
熊本弁でよく使う定番の方言・語尾と例文一覧
では、ここからは熊本を代表する熊本弁とそのイントネーションを一覧にしていきますのでどうぞお楽しみください。
熊本弁のイントネーションは語尾が上がったり下がったり短く止めたり、発声のニュアンスで言葉の表情が変わります。
「がまだす」
「頑張る。精を出す。」という意味です。
例文 「がまだしよんなはっですなー。」 ご精がでますね。頑張っていますね。
「がまだす」の「がま」は「我慢」がなまり、「がま」となっています。「我慢を出す。」という意味で「がまだす」。
つまり、「我慢の心を出す。」という意味で、何かに打ち込んで頑張りどころだというときに精を出すぞ(我慢する心を出して頑張るぞ)という意味合いで、すごくかっこいい表現です。力強い肥後もっこす(肥後の頑固者という意。)のかっこいい心意気が感じられます。
「ぎゃん」
「とても」「あっち。こっち。このように。あのように。」という意味です。
例文1「このイチゴぎゃん甘か」 このイチゴはとても甘い。※アクセントは「ぎゃん」
例文2「お城に行くとだったら、(指差して)ぎゃん行ってぎゃん行ってここばぎゃーん行って、あすこばあぎゃん曲がってこぎゃんして行けば着くばい」
お城に行くんだったら、こう行ってこう行ってここをこーんな風に行って、あそこをあのようにして曲がってこのように行けば着くよ。
「とても。非常に。」と言った意味の「ぎゃん」という言葉は、現代においては「ぎゃんかわ」や「ぎゃん泣き」といういうような訛りで使われることもあり広く親しまれています。
「ぎゃん」が、さらに「がん」という言葉になまり、「こぎゃんすっと?」(このようにするのですか?)が「がんすっと?」と省略されることもあります。こういった疑問形の場合、語尾は短く下がります。また、こそあど言葉をつけることで「こぎゃん」「そぎゃん」「あぎゃん」「どぎゃん」と一覧を作ることができます。
「だご」
「超。ものすごく。」という意味です。
超をさらに超える表現として、「だごんごつ」となまり、「ものすごく」という意味になる使い方があります。ちなみにお団子のこともダゴと言います。車にぎゅうぎゅう詰めに乗ったりすることを「ダゴ乗り」と言ったりもします。
例文1 「だごうみゃー。」 超おいしい。※アクセントは「だ」
例文2 「こんダゴだごんごつうまかとばってん。」 この団子ものすごく美味しいんだけど。
この「だご」という言葉、熊本方言では段階で訛りがあり、「とても」という意味を持つなかで「まご」と表現することもあります。「まご」の上が「だご」、最上級が「ばご」と、これも一覧を作れます。
「〜つたい」
「〇〇なのだ。〇〇だ。」という意味です。
九州の方言として知られている「〇〇たい」は「〇〇だ。〇〇だよ。〇〇だね。」という意味合いで使われますが、気をつけたいのが「つ」が入ることにより意味も若干変わってくるところです。
おなじみの「〇〇ったい」という九州の方言がさらになまり熊本方言では小さい「つ」を大きく発音します。そうして「〇〇なのだ。〇〇だ。」というような説明や断定の意味になります。
例文1 「はーん。そぎゃんやってしよるつたいね。」 はーん。そうやってしているのだね。※語尾は短く下がります。
例文2 「試験勉強ばせなんつたい。」 試験勉強をしなくてはならないのだ。※アクセントは「なん」
「〇〇つたい」熊本方言では「ね」をつけて使われることが多く、「〇〇つたいね」(〇〇なんだよね)といった訛りで使われることがよくあります。
また、この「たい」全般は使い方が多様にあり、なかなかひとことで説明するのが難しい方言でもあります。
「〜ばい」
「〇〇だ。〇〇だよ。〇〇だね。」という意味です。
「〇〇たい」と同様、文を強調する時に使います。
例文 「ほんなこつこら迷惑ばい。」 本当にこれは迷惑だ。※アクセントは「ほ」と「く」
こちらもおなじみの熊本弁「ばい」。この方言は九州全体で使われているので九州弁と言えるでしょう。
熊本弁のかわいい・面白い方言と例文一覧
では次はなんだかとても可愛く聞こえてしまう魔法の熊本弁をお届けします。
「いっちょん」
「全くもって。全然。ひとつも。」という意味です。
例文 「あん人のことなんか、いっちょんすかん。待ち合わせしとっても、いっちょんこらっさんとだけん。」
あの人のことなんか、全くもって好きじゃないわ。待ち合わせしてても、全然来ないんだから。 ※アクセントは「あ」と「ちょ」
この方言は聞く頻度がすごく高いです。
九州以外の地方で「いっこん」というところがありますが、これは「一個も」が音便化したものです。これと同様に「一丁」が音便化すると「いっちょん」になります。
「一丁上がり」を「いっちょあがり」、「一丁前」を「いっちょまえ」、というように「いっちょん」は「一丁も」になまりが入り「いっちょん」となっています。
「とっとっと」
「とってるの」という意味です。
例文 「こん席とっとっとじゃにゃーと?」 この席とってるんじゃないの?
「そぎゃんたい。とっとっと。」 そうだよ。とってるの。※アクセントは「ぎゃ」
熊本のみならず九州各県では相手に質問や確認をするときに「〇〇と?」いう言い回しをよくします。
3つの方言の「と」が合わさってこの言葉ができています。
最初の「と」は「取る」。2番目の「と」は「〇〇している(完了を意味する)」。最後「と」は「〇〇なの?(疑問形)」。
この3つを合わせると「とっとっと?」「取ってるの?」という文章が出来上がります。そしてはてなが抜けると「とっとっと。」「取ってるよ。」と、この「と」は「〇〇だよ。」という意味に変化します。
九州地方では「とっとっと」の早口言葉もあります。
おっとっととっとってっていっとったのになんでおっとっととっとってくれんでおっとととっととあそびにいっとーと!
熊本弁に変換するとかっこいい告白のセリフ2選
次はかっこいい熊本弁の告白のセリフです。こんな風に告白されたら思わずうなずいてしまうかも!
「すごくかわいい、好きです、付き合って?」
「だごんごつむぞらしか、好きばい、付き合ってくれんどか?」
「いつもお前のこと考えてしまって仕事が全くできない」
「いっつもわっのこっばっか考えちか仕事んいっちょんできん。」
熊本弁(熊本県の方言)の一覧!まとめ
ここまで代表的な熊本の方言の意味と例文をご紹介してきました。九州弁には本当に様々な方言が存在します。
その中でも熊本弁の響きはひときわ個性的でかっこいいですし、女の子が使っても可愛らしい印象になる不思議な言葉です。
熊本へ旅行に行った際はぜひ耳を澄ませて見てください。心地よい熊本弁があなたの旅を演出することでしょう。熊本弁は掘れば掘るほど味のあるかっこいい方言です。