トロッコ電車で黒部ダム(富山)へ!鉄道料金・黒部峡谷の絶景なども紹介
日本最大規模の大きさを誇る黒部ダムは、富山県を代表する観光スポットの一つです。トロッコ電車で黒部峡谷を巡るツアーもあり、街中には無い大自然を堪能できます。黒部ダムの見所やトロッコ列車の料金・予約方法などをまとめてみました。
目次
富山・黒部ダムにはトロッコ電車で行くのが人気!
黒部ダム(くろべダム)は、富山県と長野県の県境付近に広がる水力発電用のダムです。堤高186メートル。総貯水容量およそ2億立方メートル。1956年に着工し、171人もの犠牲者を出して1963年に完成した日本最大のアーチ型ダムとして知られています。
黒部ダムは高度成長期の礎となった歴史的施設であると同時に、雄大な眺望を楽しめる景勝地でもあります。ダム湖の水を放流する観光放水などのイベントもあり、富山を代表する観光名所の一つとして大人気です。
そこで今回は、富山の観光名所・黒部ダムの見所や黒部峡谷を駆け巡るトロッコ電車の魅力などをまとめてみました。ダム観光に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
トロッコ電車で行きたい黒部ダムの見どころ3選!
黒部ダムは、標高3,000メートル級の山々が連なる立山黒部アルペンルートにあります。ダム以外にも様々な施設が用意されていて、大人数でも観光を楽しめます。
まずは、富山の観光名所・黒部ダムのおすすめポイントを見ていきましょう。
①1番人気のビューポイント「レインボーテラス」
レインボーテラスは、黒部ダムを一望できる新展望広場です。外階段の最終地点にあり、ベンチに座って黒部ダムや周辺の景観を観賞できます。
近くの特設会場には、黒部ダム建設の歴史を綴ったパネルや、石原裕次郎記念館から移設された映画「黒部の太陽」のトンネルセットレプリカ等が展示されています。
レインボーテラスには「ふぉっとダム」という機械も設置されていて、黒部ダムをバックに大迫力アングルの記念写真を撮影できます。(A4サイズ1枚1,200円。)
②絶対見たい迫力たっぷり「放水」
黒部ダムに行ったら是非見ていただきたいのが、黒部ダムの代名詞とも言うべき大迫力イベント・観光放水です。毎年6月下旬~10月中旬頃に、毎秒10トン以上の水が放出されます。
大量の水が霧となり、ダムの上に虹がかかる光景は芸術的。視覚的かつ聴覚的に、黒部ダムの圧倒的貯水力を体感できます。
観光放水を見る時には、新展望広場のレインボーテラスまたはダムえん堤がおすすめのスポットです。絶好のアングルからド迫力の放水を観賞してみてください。
③観光客に人気のご当地グルメ「黒部ダムカレー」
黒部ダム周辺の展望台売店、ダムレストハウス、黒部ダム駅、扇沢駅などでは、黒部ダムの魅力を楽しめる様々なお土産が販売されています。
黒部ダムカレーはその一つ。黒部ダムをイメージして豪快に盛り付けられた四角いご飯と二つのヒレカツが特徴的なご当地グルメです。
黒部ダムカレーレトルトを530円で購入可能。辛さと甘さのバランスが良く、子供も大人も一緒に楽しめる味に仕上がっています。
黒部ダムに行けるトロッコ電車の見どころ3選!
トロッコ電車(トロッコ列車)とは、車体の上半分が外気に開放されているタイプの電車のことです。黒部ダム北部の黒部峡谷には、かつて貨物列車として利用されていたトロッコ電車が走っており、富山奥地の様々な景観を楽しめます。
ここでは、トロッコ電車の見所を紹介していきます。
①グルメやお土産が買える「始発 宇奈月駅」
黒部峡谷を走るトロッコ電車は、始発の宇奈月駅から黒薙駅・鐘釣駅・終点の欅平駅までの約20kmを繋いでいます。(乗車時間およそ1時間強。)
始発の宇奈月駅構内にはレストラン・仕出し弁当屋・売店などの施設が充実していて、出発前の腹ごしらえやお土産購入に最適です。
なお、トロッコ電車内にはトイレがありません。乗車する前に、宇奈月駅で用を足しておきましょう。
②どれに乗るか迷っちゃう「3種類のトロッコ電車」
現地では、普通客車(オープン型)・リラックス客車(窓付)・特別客車(窓付)の3種類のトロッコ電車に乗車できます。
窓が付いていない普通客車タイプのトロッコ電車は開放感抜群。優しい風が吹き抜ける環境で富山の秘境を巡っていると、大自然と一体になったような気分を堪能できます。
反対に、冬場には窓付のリラックス客車と特別客車の方がおすすめ。しかし、それぞれ片道530円・370円の追加料金が加算されるので、運賃に注意が必要です。
③沿線の見どころが分かる「車内アナウンス」
トロッコ電車の車内では、富山出身の女優・室井滋さんがナレーションを務める沿線案内放送が流れています。
初めて富山の奥地を訪れた方にとって、黒部峡谷は未知の空間。どこに注目すれば良いのか分からなくて戸惑う方も少なくありません。
その点、沿線案内放送を聞けば、周辺の見所がすぐに分かります。室井滋さんのナレーションと共に、富山の秘境を冒険してみてください。
トロッコ電車で行ける黒部ダム以外の観光地4選!
富山県の黒部周辺には、ダム以外にも様々な観光名所があります。黒部ダムを見た後は、他のエリアにも足を運んでみてください。
ここでは、黒部ダム以外の富山のおすすめ観光スポットを紹介していきます。
①真っ赤な橋「新山彦橋」
新山彦橋は、始発の宇奈月駅を出発したトロッコ電車が最初に渡る鉄橋です。トロッコ電車が通る際の音が周辺に響き渡ることから「山彦(やまびこ)」という名前が付きました。
近くの遊歩道から見ると、紺碧の大空と深緑の山々に大橋の深紅の外観が映えてとても綺麗です。特に、秋頃には紅葉の絶景スポットとして楽しめます。
見学料金は無料ですが、11月下旬から4月下旬頃には遊歩道が閉鎖されます。ご注意ください。
②夏でも溶けない雪「万年雪」
黒部万年雪は、黒部峡谷鉄道の鐘釣駅を下車した先に広がる景勝地です。百貫山から落ちてきた雪が谷に堆積し、黒部川周辺に美しい雪橋を形成します。
ゴールデンウイーク過ぎ頃まで雪の魂が残り、冬が終わった時期でも新緑とのコントラストを観賞可能です。
展望台から周辺を見渡すと、黒部峡谷が特別な空間であることを再認識できるでしょう。
③日帰り温泉が楽しめる「名剣温泉」
名剣温泉は、トロッコ電車の終点の欅平駅から徒歩15分程度の場所にある温泉地です。
神経痛や筋肉痛に効く男女別の露天風呂、宿泊客専用の貸切風呂などの設備があり、富山の奥地で秘湯を堪能できます。
冬季は、黒部峡谷鉄道のトロッコ電車が運休するため、名剣温泉の宿も休業します。営業開始は5月下旬頃。事前予約してから現地に足を運んでください。(電話番号:0765-52-1355)
④緑あふれる絶景「黒部峡谷」
黒部峡谷は、黒部川の上流から中流付近にあるV字形の峡谷です。富山屈指の絶景スポットであり、国の特別名勝に指定されています。
昔から人の立入が制限されてきた秘境の地であり、黒部ダムや鉄道などの設備を除けば、ほとんど人の手が加わっていない天然の景観が広がっています。
黒部湖の下流側(下廊下)には登山道があり、日本国内とは思えないほど険しい山道に挑戦できます。
トロッコ電車を使った黒部ダムへの料金・アクセス方法は?
黒部ダムは富山の奥地にあるため、一般的な観光名所のように電車や自家用車だけでは簡単に現地まで行けません。事前に、現地までの行き方を下調べしておく必要があります。
ここでは、トロッコ電車の料金や黒部ダムまでの具体的な行き方などを紹介していきます。
トロッコ電車の料金について
トロッコ電車の運賃は、区間・車種・年齢によって異なります。例えば、始発の宇奈月駅から終点の欅平駅までは、片道で1,980円かかります。(普通客車・大人の場合)
往復乗車時、子供・障がい者には運賃の割引制度があり、最大で5割引きの料金で乗車可能です。
乗車券は現地の窓口で当日購入できる他、チケット予約サイトからオンライン予約することも出来ます。長期休暇の時期になると混雑してチケットを購入できない場合があるので、事前予約しておくことをおすすめします。
黒部ルート見学会を使うのがおすすめ
トロッコ電車を利用して黒部ダムまで行きたい場合は、「黒部ルート見学会」に参加しましょう。
黒部ルート見学会とは、黒部ダムを管理している関西電力が毎年6月~11月頃に開催しているイベントのことです。特殊な輸送車両を使って欅平から黒部ダムまで移動し、現地を見学できます。
小学校5年生以上で、乗り物の乗降や階段の歩行に支障がない方なら参加可能。1回につき30名という定員が決まっているため、郵便はがきに必要事項を記入して応募しなければなりません。(応募はがき1枚で6名まで同時応募可能。)
もしも抽選に選ばれたら、当選通知の書類が発送されてきます。当日に集合場所に赴き、運転免許証や健康保険証などの公的証明書で本人確認を行えば、見学会に参加できます。
なお、参加費は無料ですが、集合場所までの移動費および解散以降の費用等は見学者の負担になります。ご注意ください。
通常はトロッコで黒部ダムには行けない?
誤解しないでいただきたいのですが、トロッコ電車は黒部峡谷を走る鉄道であって、黒部ダムに直接向かうための移動手段ではありません。
通常、トロッコ電車に乗っても行けるのは終点の欅平駅までです。黒部ダムには到着しません。
トロッコ電車を利用して黒部ダムに行きたい方は、黒部ルート見学会をご活用ください。
その他黒部ダムへの行き方!
黒部ダムへのアクセス方法には、大きく分けて「富山側から行く方法」と「長野側から行く方法」の2つがあります。
富山側から行く場合、電車やバスなど複数の公共交通機関を経由しなければなりません。
富山駅〜立山駅(電車)、立山駅〜美女平(ケーブルカー)、美女平〜室堂(バス)、室堂〜大観峰(バス)、大観峰〜黒部平(ロープウェイ)、黒部平〜黒部湖(ケーブルカー)と、合計2時間以上かかってややこしいため、あまりおすすめ出来ません。
長野側から黒部ダムへの行き方は、非常に簡単です。
自家用車または電車で扇沢駅を目指し、そこから関電トンネル電気バスに乗車して黒部ダム駅に行きましょう。(乗車時間16分、往復料金2,610円)
黒部ダム駅から黒部ダムまでは徒歩数分。富山側から行くより遥かに簡単で安く済みます。
黒部ダム以外もじっくり観光するならツアーがおすすめ!
電車やバスを使えば、一人でも黒部ダムに行くことは可能です。しかし、富山の周辺のスポットもあわせて観光したい場合は、ツアーに参加することをおすすめします。
国内旅行ツアーを展開している会社の中には、黒部アルペンルート・トロッコ電車・白川郷などの観光名所を巡るプランを提供している所が少なくありません。
これらのツアーを利用すれば、自分で宿泊施設を手配する手間を省ける上に、名所を見落とす心配がありません。富山観光が初めての方は、ぜひご活用ください。
トロッコ電車で景色を楽しみながら黒部ダムへ行こう!
今回は、富山の観光名所・黒部ダム周辺のおすすめスポットや現地への行き方などを紹介いたしました。
壮大な自然景観を楽しめる黒部ダム・黒部峡谷は、富山の最大の見所と言っても過言ではないでしょう。
富山を訪れる機会があれば、ぜひトロッコ電車に乗って周辺を散策してみてください。
住所 | 富山県中新川郡立山町芦峅寺6 |
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アクセス | 扇沢駅から黒部ダム駅までバスで約16分 |