山形弁(山形県の方言)はかわいい!なまりや例文についても紹介
山形県内で使われている山形弁は、ユニークな発音に特徴がある方言です。なまり方がかわいいため、山形県外の人達から親しまれやすい魅力があります。山形弁の特徴、主な方言一覧の意味・例文をまとめました。山形県出身の知人と山形弁で話してみたい方は参考にしてください。
目次
山形方言「山形弁」について紹介!
山形県は、東北地方の南西部に位置しているエリアです。東京からの距離は約300km。県内の大部分が山や森林で占められており、サクランボや米などの農業生産が非常に盛んです。
美容・健康効果抜群の蔵王温泉や2,446段もの段数を誇る羽黒山の石段など、ユニークな観光スポットも充実。四季折々の食材を用いた郷土料理も人気が高く、定期的に足を運びたくなる不思議な懐かしさがあります。
山形で生まれ育った山形県民の特徴として、寡黙で頑固ながら非常に責任感が強くて頼りになる点が挙げられます。また、独特ななまりの山形方言(山形弁)で話す方が多く、会話するだけで山形の風情を堪能できます。
しかし、数ある方言の中でも山形弁は非常に難解です。発音を聞き取りづらいだけでなく、特殊な表現が存在するため、意味をはき違えてしまうことが珍しくありません。
そこで今回は、山形方言(山形弁)の特徴や主な方言の意味・例文などを紹介していきます。山形弁に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
山形弁の特徴やなまり
山形方言(山形弁)は、東北方言の一種です。冬の寒さの影響もあり、あまり口を大きく動かさずに発声する傾向があります。
特になまりが顕著で、語尾のカ行やサ行が濁音化して「んだず」・「起ぎろ」などの発音に変換されるのが特徴的です。
また、数字の読み方も特殊で、現地では「(1)」を「かっこいち」ではなく「いちかっこ」と読むのが一般的とされています。
山形弁の種類
山形県内で使われている山形方言(山形弁)は、出羽山地を挟んで「庄内方言(北奥羽系)」と「内陸方言(南奥羽系)」に大別されます。
庄内方言(北奥羽系)と内陸方言(南奥羽系)にも複数の種類があり、これらを総称して山形方言(山形弁)と呼んでいます。
庄内方言(北奥羽方言系) | 内陸方言(南奥羽方言系) |
---|---|
庄内方言:庄内地方で 使われている山形方言(山形弁)。 子音が濁るだけでなく、 「駅(えき)」→「いぇぎ」という具合に 母音も変化するなまり方が特徴的。 | 新庄方言:最上地方(新庄市)付近で 使われている山形方言(山形弁)。 「しんじょう」→「すんじょ」のように 「し」の音が「す」に変換される。 |
小国方言:小国町付近で 使われている山形方言(山形弁)。 庄内方言と置賜方言を 合わせたような特徴がある。 | 村山方言:村山地方で 使われている山形方言(山形弁)。 全体的に発音の抑揚が少なく 「~す」、「ん」など短い言葉で情報を伝える。 |
置賜方言:置賜地方で 使われている山形方言(山形弁)。 米沢弁とも呼ばれ、 比較的標準語に近いなまり方が特徴的。 |
山形弁でよく使う方言と例文一覧
他の地域と比べて山形県の方言には独自の表現が多く、よそから来た人が戸惑うケースが珍しくありません。
ここからは、山形方言(山形弁)の中でも特に難解な言葉の意味・例文を紹介していきます。
「あいべ」
「あいべ」とは、山形弁で「行こう」という意味の方言です。「いぐべ」、「えぐべ」という言い方もあり、友達または目上の立場の人が相手をどこかに連れ出したい時に用います。
同じ意味の方言で「あいばせ」や「あいばんしょ」という言葉もありますが、こちらは丁寧口調であり、あらゆるシーンで使えます。自分より年上の人に「あいべ」と言うのは失礼にあたるので注意してください。
例文:仕事終わったら一緒に飲みさあいべ!
「かます」
「かます」とは、山形弁で「かき混ぜる、かき回す」という意味の方言です。攻撃を食らわせる、やっつける、といった意味を持つ「かます」とは全く違います。
料理をしている時に使われることが多く、山形県の郷土料理教室に参加すると講師から言われる機会が多いです。もちろん、料理だけでなく掃除やお風呂の準備をしている時にも使います。
例文:その牛乳かましといて。
「こわい」
「こわい」とは、山形弁で「疲れる、苦しい」という意味の方言です。「くたびっちゃ」が全体的な疲労感を表すのに対し、「硬い(こわい)」は特定の部位の痛みや病気の症状などを伝える時に使われます。
山形県外在住の方が聞くと、「何が怖いの?」と勘違いしてしまう山形方言の一つです。山形県民が「こわい」と言っている時は、出来るだけ早く休ませてあげましょう。
例文:昨晩から腰がこわい、こわい。
「めんごい」
「めんごい」とは、山形弁で「かわいい」という意味の方言です。地域によっては「めんこい」というなまり方になる場合もあります。
「愛し(めぐし)」を語源とした山形方言で、子供や動物のかわいい様子を誉めるだけでなく、容姿可憐な大人の女性に対しても使われることがあります。
例文:あのめんごいへなこ(女の子)誰?
「もっけ」
「もっけ」とは、山形弁で「ありがとう、申し訳ない」という意味の方言です。滅多にないことを表す「勿怪(もっけ)」が転じて感謝を伝える言葉になりました。
山形県外在住の方には「儲けもの」とほくそ笑んでいるように聞こえるかもしれませんが、この方言には山形県民の深い情けや優しさが込められています。山形県出身の方の中には、一番好きな山形弁として「もっけ」を挙げる方が少なくありません。
例文:そげだたっけ時計もらて、もっけだの。(そんなに高い時計を貰えて本当にありがたいよ。)
「わらわら」
「わらわら」とは、山形弁で「急いで」という意味の方言です。多くの人が無秩序に集まっている様子を指す標準語の「わらわら」とは全く違う意味になります。
インターネット上では笑いを表現する「ww(わらわら)」というスラングがありますが、山形弁での用途は真逆。もしも「わらわら」の付く頼み事をされたら、のんびりしていないで迅速に行動しましょう。
例文:わらわら風邪薬買ってきてけろ。
山形弁のかわいい方言と例文一覧
山形県内で使われている山形方言(山形弁)は、他の地域で暮らしている方にとってなまり方がかわいい印象を受けます。
田舎者だと思われたくなくて意図的に山形弁を隠そうとする山形県民もいますが、むしろかわいいなまりは自己アピールに活用すべきです。
ここからは、語感がかわいい山形弁の意味・例文を紹介していきます。
「にゃー」
「にゃー」とは、山形弁で相手に同意を求める方言です。「だな」とか「だよね」のなまりであり、語尾につけて使います。
山形県外在住の方にとっては、まるで猫の鳴き真似をしているように聞こえてとてもかわいい印象を受けることでしょう。決してふざけて萌えキャラを演じているわけではないので誤解しないでください。
例文:よぐきてけったにゃー。(ようこそおいでくださいましたね。)
「やばち」
「やばち」とは、山形弁で「湿って気持ち悪い」という意味の方言です。山形県民は、自分の体に不意に水がかかった時に「やばち!」とか「やばつい!」と叫びます。
基本的に不快なシチュエーションで使う方言であり、コップに注がれた飲み物が冷たい時は「ひゃっこい」と表現します。漫画のキャラクターの口癖みたいなかわいいなまり方なので、初めて聞いた方は思わず笑ってしまうことでしょう。
例文:雨水かかって服がやばちぐなった。
「んだ」
「んだ」とは、山形弁で「そうだ」という意味の方言です。相手の発言に対して、同意したり相槌を打ったりする時に使います。
「んだんだ」、「んだず」、「んだべ」など、地域によってなまり方が若干異なりますが意味は同じです。非常に有名な山形弁の一つであり、山形県外在住の方でも無意識に真似したくなる特徴があります。
例文:これでいいなが?(これで良いのか?)→んだのー。(そうだよ。)
山形弁の面白い独特な方言と例文一覧
山形県内で用いられている山形弁は独特の文法・イントネーションを有しているため、よそから来た人にとっては暗号のように難解です。しかしその分、学べば学ぶほど山形方言の魅力が分かり、山形県民との触れ合いが楽しくなってきます。
ここからは、面白いなまり方をする山形弁の意味・例文を紹介していきます。
「あいづ・こいづ・そいづ」
「あいづ・こいづ・そいづ」とは、山形弁で「あれ、これ、それ」という意味の方言です。ちなみに「どれ」は「どいづ」となまります。
方向を示すだけでなく、人間そのものを指す時にも使えます。(「こいづ」→「この人」。)こそあど言葉を同じなまり方で表現できるのは意外と便利です。
例文:あいづ取ってけろ。(あれを取ってください。)
「け・く・かね」
「け・く・かね」とは、それぞれ山形弁で「食べろ・食べる・食べない」という意味の方言です。「食う(くう)」の母音が省略されたものと考えれば分かりやすいでしょう。
「け」は「けえ」と語尾を伸ばす場合もありますが、たった一文字で情報を伝えられるのは山形弁ならではの強みです。
例文:俺、今日は朝食かね。(俺、今日は朝食たべない。)
「んだがもんす」
「んだがもんす」とは、山形弁で「そうかもしれない」という意味の方言です。
相手の問い掛けに対し、何と答えて良いか分からない、お茶を濁したい時などに使われます。
例文:んだっけが?(そうだっけ?)→んだがもんす。(そうかもしれない。)
山形弁に変換するとキュンとするセリフ3選
山形県内で使われている山形弁は、なまり方に嫌味が無く、仲の良い相手との会話時に重宝します。語感のかわいい方言も多く、好きな人への告白やデートのお誘いに使うと効果抜群です。
ここからは、山形県出身の方と山形方言で会話する時におすすめの胸キュンセリフを紹介していきます。
1.「連れてって」
山形県出身の男性と付き合っている女子の中には、デートでドライブに連れていって欲しい方もいることでしょう。
「ドライブに連れてって」を山形方言(山形弁)に変換すると、「ドライブさちぇでってけろ」になります。
子供っぽい発音が大変かわいいのが特徴的。好きな女の子に山形弁で可愛くお願いされたら、男たるもの無下に断れないでしょう。
2.「しない」
女性にせよ男性にせよ、恥じらいの表情を見せる相手を思わず「かわいい」と感じるものです。相手からロマンティックなアプローチをされた時、あっさり受け入れるのではなく一旦間を置くのも恋の駆け引きとして有効です。
「しない」を山形弁に変換すると、「やんね」になります。
山形県出身の相手から「好きって言って」とお願いされた時、「やんね、やんね」とかわいいなまりの山形弁で返すと、二人の距離感がグッと縮まることでしょう。
3.「行こう」
山形県出身の方には奥手な性格が多く、時には自分から積極的に誘ってあげることも大切です。
「行こう」を山形弁に変換すると、「あべ」または「あいべ」になります。
丁寧口調の「あいばんしょ」でも悪くありませんが、「あべ」の方が距離感が近くてフレンドリーな印象を受けます。山形県民のカップルがよく使う言葉なので、ぜひ活用しましょう。
山形県出身の人と山形方言で語り合おう!
今回は、山形県内で使われている山形方言(山形弁)の特徴や、主な方言の意味・例文を紹介いたしました。
ズーズー弁と呼ばれる山形弁は他所の地域の人達にとって分かりにくい方言ですが、慣れてしまえばかわいいなまり方がとても愛おしく感じられるはずです。
身近に山形県出身の知人がいる方、あるいは山形県への観光旅行を計画している方は、ぜひ山形弁を学習して山形県民とのコミュニケーションに活かしてみてください。