コロッセオ(イタリア・ローマ)について紹介!歴史ある世界遺産の見所
イタリアのローマにある古代遺跡コロッセオは、おすすめの観光スポットが目白押しのイタリアの中でも、とくに人気の高い、世界的に有名な観光名所です。古代ローマ時代、娯楽の中心であったコロッセオ。イタリア観光では絶対に見逃せないコロッセオの魅力についてご紹介します。
目次
【イタリア】ローマ観光でぜひ訪れたいコロッセオ
世界遺産にも登録されているイタリアのコロッセオ。首都ローマにあります。コロッセオは、数多くの歴史遺産が残るローマにおいても、屈指の人気を誇り、中国の「万里の長城」に次いで、世界で2番目に多くの観光客が訪れるローマ観光の目玉です。
古代ローマ帝国の権勢とともに、古代ローマ人の生活や文化の様子を垣間見ることもできるコロッセオは、イタリアを訪れたなら、一度は見ておきたい古代ローマ時代の遺跡です。
ローマのコロッセオとは?
トレビの泉、真実の口、パンテオン神殿など、おすすめの観光スポットがたくさんあるローマでも、とくに人気のあるコロッセオ。実際に訪れたことはなくても、テレビや映画でその堂々とした姿を目にしたことがある人も多いはずです。
圧倒的なスケールと存在感で見る者を魅了するローマのコロッセオ。ローマはおろか、イタリアのシンボルともいえる古代遺跡ですが、ところで、コロッセオはいったい何のための建物なのでしょう。これほどの大きさの建造物を、誰が、いつ、建てたのでしょうか。
ローマでコロッセオを訪れる前に、知っておきたいコロッセオの基礎知識をご紹介します。何も知らずに訪れても、その迫力のある造形美に圧倒されることは間違いありませんが、コロッセオの歴史を知っておくと、感動は何倍にも膨れ上がります。
古代ローマ時代に造られた闘技場
イタリアのコロッセオ(Colosseo)は、古代ローマ時代に建てられた円形闘技場です。古代にならい、ラテン語でコロッセウム(Colosseum)と呼ぶこともあります。colosseumは、英語で競技場をあらわすコロシアム(colosseum )の語源でもあります。
コロッセオは、戦争や災害、暴君と呼ばれたネロ皇帝の圧政でたまった古代ローマ市民のうっ憤を晴らすために建てられた、巨大娯楽施設です。当時は命懸けの拳闘が、一番の娯楽でした。西暦70年、皇帝ウェスパシアヌスのもと着工され、完成したのは10年後のティトゥス帝の時代です。
世界遺産登録のローマ帝国のシンボル
威風堂々たる巨大な円形闘技場は、当時の人々の度肝を抜き、「コロッセオが崩れるときはローマも滅びる」とさえ言われていました。
コロッセオは、1980年、周辺にあるフォロ・ロマーノやカラカラ浴場、コンスタンティヌス凱旋門などの多くの古代ローマ時代の遺跡とともに、「ローマ歴史地区、教皇領とサン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ大聖堂」として世界遺産に登録され、今でもローマのシンボルとして、ローマの街や人々を見守り続けています。
【イタリア】ローマ・コロッセオの構造
次に、コロッセオの構造についてご紹介します。およそ2000年も前に建てられたとはにわかには信じられないほど堅牢で緻密なコロッセオの構造は、古代ローマ帝国の権威を見せつけられるようで、見れば見るほど、知れば知るほど興味が湧きます。
コロッセオの特徴
コロッセオは、長径188m、短径156mの楕円の形をしています。周囲の長さは527m、観覧席は最高で50mの高さにも達し、収容人数は5万人ほどであったとみられています。1世紀後半のローマの人口が、奴隷や解放奴隷、外国人も含めると90万人~100万人と推測されていますから、驚くべきスケールの大きさです。
コロッセオに入るためのアーチ型の入り口は、80か所もあり、入場時に混雑しないように番号が振られています。現代の野球場やコンサートホールのようなシステムを、古代ローマ帝国ではすでに導入していたとは驚きです。
地上の3階構造
コロッセオは、ローマン・コンクリートを使用した、地下1階、地上3階の多層構造になっています。上流階級だけでなく、市民や女性、奴隷にも開放されていたコロッセオは、身分によって観覧席が各階に振り分けられていました。
1階は皇帝や貴族、2階は一般市民のための観覧席で、3階は立見席でした。各階は、1階がドーリア式、2階がイオニア式、3階がコリント式と、それぞれ異なった様式のアーチで飾られています。
地下の構造
コロッセオは、1階の床部分のほとんどが崩れているので、地下の構造を見ることもできます。地下は、高さ6mほどの壁が張り巡らされ、まるで迷路のようにも見えますが、せり舞台や跳ね上げ式の出口の装置など、ショーを盛り上げる仕掛けも施されていて、その技術の高さには舌を巻きます。
さらに地下には、剣闘士たちの待機所のほか、ライオンやヒョウなどの猛獣を入れた檻や、演出用の機材などが置かれていました。
コロッセオは、皇帝ネロの黄金宮殿の庭にあった池の跡地に建てられたもので、地下部分は水が溜められるようになっており、それを利用してショーとしての模擬海戦が行われたりもしていました。
【イタリア】ローマ・コロッセオの歴史
古代ローマ市民の不満の矛先をそらすために建設されたコロッセオ。闘技場として歓声を集めた後は、違う役割を担いました。コロッセオ着工から現代にいたるまでのコロッセオの歴史をみてみましょう。
コロッセオの建設開始から完成までの歴史
コロッセオの建設が開始されたのは、紀元後(西暦)70年、フラウィウス朝の創始者ウェスパシアヌス帝の時代で、コロッセオの本来の名前は、「フラウィウス円形闘技場」です。
当時ローマでは、64年のローマ大火、68年から70年にかけてのローマ内戦、ネロ帝の放漫財政からの再建のための圧縮などが、市民生活を脅かし、ローマ市民の不満は高まる一方でした。そこで考え出されたのが、娯楽を提供して不満の芽を摘むことでした。
コロッセオは、ネロの宮殿の庭の池を基礎部分に利用することで工程を省いたりしながら、10年の歳月を費やして80年に完成しました。
コロッセオで開催されていた競技
古代ローマ時代最大の娯楽は、命懸けの戦いを観覧することでした。コロッセオに水を張り、本物さながらの海戦を繰り広げたり、猛獣同士、猛獣と剣闘士、剣闘士同士が殺し合う競技も行われていました。100日間続いたコロッセオの杮落しでは、5000頭の猛獣が殺され、数百人の兵士が命を落としたといいます。
コロッセオで競技に挑む剣闘士の多くは、腕っぷし自慢の男たちでしたが、中には奴隷や罪人、捕虜なども含まれ、殺し合いを強いられることもあったようです。さらには、罪人の公開処刑も行われていました。
血なまぐさい殺戮ショーに熱狂するというのは、現代では理解しがたい感覚ですが、古代ローマ人にとって、作りものではない本当の闘いは、血沸き肉躍る最高の娯楽だったようです。
その後採石場となったコロッセオ
古代ローマ時代末期までは、闘技場として利用されていたコロッセオですが、キリスト教の影響が強まると、血なまぐさい競技は鳴りを潜め、コロッセオの石材は、ほかの建築物へと流用されるようになりました。
現在目にするコロッセオの3階部分が、一部欠けたようになっているのはそのためです。バチカンにあるサンピエトロ寺院にも、コロッセオの石材が使われています。
【イタリア】ローマ・コロッセオの見どころ
コロッセオは、1階と2階部分に立ち入って観光することができます。古代ローマ人の気持ちになって、当時の熱狂と興奮を想像してみるのもおすすめです。鉄筋を使っていないにもかかわらず、幾度も襲った大地震でも崩れなかった設計の妙に感じ入るのもいいでしょう。
現存するコロッセオは屋根がありませんが、天蓋をかける装置が残されており、日差しや雨を遮る工夫がされていたことがわかっています。ほかにも、コロッセオは、現代と比べても遜色ない建築技術が随所に見られ、古代ローマ人の能力の高さに驚かされます。
このように見どころ満載のコロッセオですが、歴史や建築に興味がない人でも楽しめる、おすすめの見どころも、もちろんあります。
大迫力の外観
何といってもコロッセオの一番の見どころは、大迫力の外観です。もちろん、コロッセオに行ったからにはぜひ中もみて欲しいですが、入場者が1日3000人に限られているため、もしかしたら入れないこともあるかもしれません。そんな時でも、コロッセオの外観だけは見ておくことをおすすめします。
2000年近くも前の建造物だとは思えないほどの圧倒的な存在感と、隙のない緻密な設計にきっと驚かされます。一部が欠け、完全な形ではないにもかかわらず、これほどまでに美しく、威厳を感じるのは、歴史の重みのなせる業なのでしょう。
コロッセオ横のコンスタンティヌス凱旋門
次のおすすめの観光スポットは、コロッセオのすぐそばにあるコンスタンティヌス凱旋門です。パリのエトワール凱旋門のモデルにされたともいわれるコンスタンティヌス凱旋門は、後にローマ帝国の皇帝となるコンスタンティヌス1世が、312年の「ミルウィウス橋の戦い」に勝利したことを記念して、315年に作られました。
コロッセオのすぐ隣にあるため、その大きさに気づきにくいかもしれませんが、高さ21m、幅25.7m、奥行き約7.4mもある、ローマでは最大の凱旋門です。
コンスタンティヌス凱旋門は、精密で美しいレリーフも見どころの一つですが、古い時代の凱旋門を飾っていたレリーフも移植されているので、じっくり見比べてみるのもおすすめです。
ライトアップされる夜のコロッセオ
昼間のコロッセオはもちろん素晴らしいですが、ライトアップされたコロッセオはまた一味違いおすすめです。夕闇に浮かび上がるコロッセオのシルエットは勇壮で神秘的。昼間見たからもういいといわずに、時間があればぜひ夜のコロッセオも見学してみてください。
予約した人だけが入ることができる、コロッセオのナイトツアーもおすすめです。
【イタリア】ローマ・コロッセオへのアクセス
コロッセオのような古代遺跡が市内にあるところが、ローマのすごいところです。ローマ市内は地下鉄やバスが発達しているので、コロッセオへのアクセスもとても簡単です。
コロッセオへの行き方
コロッセオは人気の観光スポットなので、アクセス方法もいくつもあります。巨大で目立つ建築物なので、迷う心配はまずありません。ローマ市内からのアクセスなら、地下鉄かバスがおすすめです。
メトロを利用する場合
地下鉄(メトロ)を利用する場合、ローマの中心部にある「テルミニ(Termini)」駅からBラインに乗車。コロッセオの最寄り駅「コロッセオ(Colosseo)」駅までは2駅です。地上に出て顔を上げれば、嫌でもコロッセオが目に入ります。
そのまま人がたくさん歩いて行く方に流れて行けば、間違いなくコロッセオにたどり着きます。
バスを利用する場合
バスの場合は51番、75番、85番、117番、118番など、多くの路線が「Colosseo」停留所に停まります。停留所がわからなかったらどうしようと、心配する必要はありません。窓から景色を見ていれば、コロッセオが近づいてきたらすぐにわかります。
よくわからなくても、観光客風の人がたくさん下りる停留所で一緒に降りれば大丈夫です。路面電車(トラム)の場合は、3番に乗ってください。
事前のチケット入手がおすすめ
コロッセオは世界屈指の人気観光スポットなので、チケットを入手するだけでも長蛇の列です。入場制限があるので、うっかりすると中に入れないこともあります。チケットを買うために長時間並ぶのは時間がもったいないので、チケットは事前に購入しておくのがおすすめ。
もしも、事前購入できなかった場合は、コロッセオにほど近いフェロ・ロマーノかパラティーノの丘で共通券を購入するという手もあります。フェロ・ロマーノやパラティーノの丘もおすすめの人気観光スポットですが、コロッセオよりは人が少ないので、比較的短時間でチケットを買うことができます。
コロッセオの詳細情報
コロッセオの入場料金は、2020年01月に改定になりました。古い情報をお持ちの方は気をつけてください。営業時間は変更になることもあるので、事前に確認してください。(2020年03月現在は、新型コロナの流行のため、コロッセオは閉鎖されています)
住所 | Piazza del Colosseo, 1, 00184 Roma RM, イタリア |
電話番号 | |
営業時間・定休日 | 1月2日~2月15日 8:30~16:30 2月16日~3月15日 8:30~17:00 3月16日~3月最終土曜日 8:30~17:30 3月最終日曜日~8月31日 8:30~19:15 9月1日~9月30日 8:30~19:00 10月1日~10月最終土曜日 8:30~18:30 10月最終日曜日~12月31日 8:30~16:30 最終入場は営業終了の1時間前まで 1月1日・12月25日定休 |
料金 | ・コロッセオ、フォロ・ロマーノ-パラティーノ、インペリアルフォーラムの遺跡共通チケット・1日のみ有効 16ユーロ ・コロッセオ、フォロ・ロマーノ-パラティーノ、インペリアルフォーラムの遺跡共通チケット・2日間有効 22ユーロ |
アクセス | 地下鉄「Colosseo」駅下車すぐ |
公式URL | https://parcocolosseo.it/ |
世界遺産のコロッセオでローマの歴史を感じよう!
コロッセオは、ローマに行ったらぜひ立ち寄りたい人気スポットです。アクセスもよく、周辺におすすめの観光スポットが多いのもポイントです。古代ローマ人の熱気や興奮が渦巻いていたコロッセオで、ローマの歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。