茨城弁(茨城県の方言)一覧!訛りや方言の特徴•例文も紹介
茨城県で使われている茨城弁は、関東方言と東北方言が混在しているユニークな方言です。かわいいなまり方をする言葉も多く、茨城県外の方も会話時に真似してみたくなることでしょう。茨城弁の特徴や主な方言集の意味・例文などを一覧にまとめてみました。
目次
茨城県の方言「茨城弁」について紹介!
茨城県は、関東地方の北東部に位置しているエリアです。「いばらぎ」と誤読されることが多いですが、正確には「いばらき」と発音します。
世界に誇る電機メーカー・日立製作所を擁する日立市、鹿島アントラーズのホーム・鹿嶋市など、地域ごとに様々な特色があります。農畜産業の盛んな地域でもあり、水戸の納豆や常陸牛、メロンなどの特産物が大人気です。
2017年には有村架純さん主演のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」の舞台となり、実際に茨城県の高萩市や常陸太田市などがロケ地になりました。
一方、民間調査会社のブランド総合研究所が毎年実施している「都道府県魅力度ランキング一覧」にて、茨城県は7年連続で最下位という不名誉な記録を樹立しています。また、茨城県出身の方は方言(茨城弁)がきつくて親しみにくいと思われがちです。
しかし、これらは大きな誤解です。茨城県には強い個性を秘めた方が多く、付き合っていくうちに茨城県民の魅力が分かってくることでしょう。
そこで今回は、茨城弁の特徴や主な方言一覧・意味などを紹介していきます。茨城県の方言に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
茨城弁の特徴と訛り
茨城県の方言(茨城弁)は、東関東方言の一種です。東北地方に近いこともあり、東北方言のなまり方も見られるのが特徴的です。
茨城弁には、連続する母音が省略される、「イ」と「エ」の区別がない、という特徴があります。例えば「蛙(カエル)」の発音は、口を半開きにして「ケール」となります。
また、カ行とタ行に濁点がつきやすい(「柿(かき)」→かぎ)、語尾に「ベ」や「~ッペ」が付く傾向もあります。全体的に早口で上ずったイントネーションで話すため、普通に喋っていても怒っているように聞こえてしまいがちです。
茨城弁でよく使う定番の方言と例文一覧
茨城弁は独特の表現・なまり方をする方言であり、同じ関東住みでも相手が何を言っているのか分からない場合があります。似たような発音でも標準語と意味が逆になるケースもあり、注意が必要です。
ここからは、茨城県民が比較的よく使う茨城弁の方言の意味・例文一覧を紹介していきます。一覧の中に気になる茨城方言があったら、用途を覚えていきましょう。
「あーよ」
「あーよ」とは、茨城弁で「なあ、ねえ」という意味の方言です。相手に話しかける時に文頭に付けて使います。
「あよ」と短く発声したり「あーよー」と伸ばしたりする言い方もあります。標準語でも話を切り出す際に「あのよぉ」と言うことがあるので、比較的意味が分かりやすい方言です。
茨城弁の方言例文 | あーよ、どっちがいいべ? |
標準語における意味 | なあ、どっちが良い? |
「あらげろ」
「あらげる」とは、茨城弁で「後片付けする」という意味の方言です。「あらける」という言い方もあります。
「声を荒げる」の「あらげる」と勘違いしてしまいますが、意味はその逆。散らかっているものを移動させて整理することなので、対象物を乱雑に放置しないようにしましょう。
茨城弁の方言例文 | 机の上、あらげたら? |
標準語における意味 | 机の上、片づけたら? |
「いがい」
「いがい」とは、茨城弁で「大きい」という意味の方言です。「えがい」という言い方もあります。
標準語の「意外」や「以外」と誤解しそうになりますが、「デカい」と同義です。ちなみに「小さい」の方言は「ちゃっこい」。「いがい」と「ちゃっこい」をセットで覚えておくと良いでしょう。
茨城弁の方言例文 | あの家いがいなー。 |
標準語における意味 | あの家大きいなー。 |
「〜け」
「~け」とは、茨城弁で「~か」という意味の方言です。文末に付けると疑問文になります。
「あ」の母音が「え」に変換されただけなので、初めて聞いた方でも意味は分かることでしょう。親しみやすいなまりであり、友達同士の会話で使いたくなる魅力があります。
茨城弁の方言例文 | これが新作ゲームの一覧け? |
標準語における意味 | これが新作ゲームの一覧か? |
「したっけ」
「したっけ」とは、茨城弁で「そうしたら、~して」という意味の方言です。文頭・文中に付けて、話を発展させます。
「~したっけ」と言われると自分に質問しているのかと思ってしまいますが、そういう意味ではありません。東日本全域で広く使われている方言であり、北海道では「したっけ!(それじゃ!)」と別れの挨拶で使う場合もあります。
茨城弁の方言例文 | 久し振りにジョギングしたっけ、今日足動かんよ。 |
標準語における意味 | 久し振りにジョギングしたら、今日足が動かないよ。 |
「しゃあんめえ」
「しゃあんめえ」とは、茨城弁で「仕方ない」という意味の方言です。「しゃーない」と同義です。
あまりポジティブな言葉ではありませんが、世の中が自分の思い通りにいかない時、適度な諦観を持つことも大切。「しゃあんめえ」と気持ちを切り替えて前向きに生きていきましょう。
茨城弁の方言例文 | とっぱずしてもしゃあんめえ。 |
標準語における意味 | 失敗しても仕方ない。 |
「でれすけ」
「でれすけ」とは、茨城弁で「アホ、役立たず、だらしない奴」という意味の方言です。「ごじゃっぺ」とも言います。目上の人が相手を叱る時、または喧嘩の時などによく使われる表現です。
茨城県民がこの言葉を発している時は、相当怒っている証拠です。意味は知っておくべきですが、自分から他人に対して言うのはやめましょう。
茨城弁の方言例文 | このでれすけ!びたつけてやる! |
標準語における意味 | このバカタレが!懲らしめてやる! |
茨城弁のかわいい方言と例文一覧
喋り方が乱暴に聞こえるため、茨城県の方言に対して良い印象を持っていない方が少なくありません。しかし、茨城弁にも発音のかわいい方言があり、会話中に微笑ましい気持ちになります。
ここからは、なまり方がかわいい茨城弁の方言の意味・例文一覧を紹介していきます。
「じっち」 ・「ばっぱ」
「じっち・ばっぱ」とは、茨城弁で「爺ちゃん・婆ちゃん」という意味の方言です。「じっちやん・ばっぱやん」と呼ぶ場合もあります。
子供が祖父母を「じいじ・ばあば」と呼ぶことがありますが、「じっち・ばっぱ」は大人も使えます。茨城県民の家族愛を感じる素敵な方言と言えるでしょう。
茨城弁の方言例文 | じっち、ばっぱは最近どーだ? |
標準語における意味 | 爺ちゃん婆ちゃんは最近どうだい? |
「ねーしょ」
「ねーしょ」とは、茨城弁で「内緒」という意味の方言です。「ない」の音が「ねー」に変化し、標準語より親しみを感じます。
茨城県民の友達と方言で話す時によく使う方言なので、ぜひ意味を覚えておきましょう。秘密を共有することで、仲間意識を強められます。
茨城弁の方言例文 | この事はあいつらにはねーしょだ。 |
標準語における意味 | この事はあいつらには内緒だ。 |
「んだっぺ」
「んだっぺ」とは、茨城弁で「そうだろう」という意味の方言です。「そうだ」を意味する「んだ」の語尾に「ぺ」が付いています。
この「~っぺ」は茨城弁の最たる特徴であり、助動詞の「~べし」が変化したものだと言われています。非常に小気味いいなまり方なので、会話時に使うと楽しい気分になれます。
茨城弁の方言例文 | 明日の天気は雨け?→んだっぺ。 |
標準語における意味 | 明日の天気は雨か?→そうだろう。 |
茨城弁の面白い方言と例文一覧
関東方言と東北方言の両方の特徴が混在している茨城弁は、他の地域の方言に比べて語感が大変ユニークです。
ここからは、音の響きが面白い茨城弁の意味・例文一覧を紹介していきます。
「けづっぺだ」
「けづっぺだ」とは、茨城弁で「お尻」という意味の方言です。特に、座った時に地面に接する部分を指します。
人前で標準語の「ケツ」と言うと下品に聞こえますが、「けづっぺだ」なら音がコミカルなので笑えます。しかし、女性の前で多用するのは避けた方が良いでしょう。
茨城弁の方言例文 | すっ転んでけづっぺだが痛い。 |
標準語における意味 | 転んだせいでお尻が痛い。 |
「しあさって」
「しあさって」とは、茨城弁で「4日後」という意味の方言です。
今日(きょう)→明日(あした)→明後日(あさって)以後の呼び方は地域によって異なり、茨城県を含めた東日本では一般的に「弥の明後日(やのあさって)」→「明々後日(しあさって)」となります。
3日後と4日後の呼び名が逆になる方言もあるため、よそから茨城県に転居してきた方は十分に注意してください。
茨城弁の方言例文 | しあさってにいぐべ。 |
標準語における意味 | 4日後に行くだろう。 |
「しみじみ」
「しみじみ」とは、茨城弁で「しっかり、ちゃんと」という意味の方言です。地域によっては「みしみし」と言う場合もあります。
標準語の「しみじみ」は心に深く染み入る様を表しますが、茨城弁では若干ニュアンスが異なります。感情的になるのではなく、むしろ理性的に行動することが求められます。
茨城弁の方言例文 | しみじみしろ。 |
標準語における意味 | しっかりしろ。 |
茨城弁に変換するとキュンとする告白のセリフ3選
ぶっきらぼうに聞こえる茨城弁ですが、シチュエーションによっては標準語より効果的な場合があります。特に、意中の相手への告白や恋人とイチャイチャしたい時に使うと、特別なムードを演出できておすすめです。
ここからは、標準語より茨城弁で伝えた方が心に響く名台詞を紹介していきます。
1.「あなたのこと好きになってしまいました!」
想いを寄せている相手と交際を始めたい場合、「好き」という気持ちをアピールすることが大切です。
「あなたのこと好きになってしまいました!」を茨城弁に変換すると、「おめのこと好きになっちったぺよ!」になります。
「お前」が短縮されて「おめ」になり、「なってしまいました」が「なっちったぺよ」となまります。ほのぼのした告白セリフになり、二人の緊張感が和らぐことでしょう。
2.「あなたを好きなこと、みんなには内緒だからね」
二人が交際していることを周囲の知人に知られると、からかい・冷やかしの対象になってしまいます。特別な時間を共有するために、二人の関係を秘密にしておきましょう。
「あなたを好きなこと、みんなには内緒だからね」を茨城弁に変換すると、「(おれが)おめを好きなこと、みんなにはねーしょだがんね」になります。
ちなみに茨城県では、男性だけでなく年配の女性も自分のことを「俺」と呼びます。若い世代ではあまり使われなくなってきた方言ですが、女性から「俺」と言われても驚かないようにしてください。
3.「あなたのことが好きすぎてどうしようもない」
人を本気で好きになると、相手のことが気になって居ても立っても居られないほど胸が切なくなります。
「あなたのことが好きすぎて、どうしようもない」を茨城弁に変換すると、「おめのこと好きすぎて、しまつなんねぇな」になります。
「しまつなんねぇな」は、「どうしようもない」気持ちを表す方言。茨城弁を話す女性なら、この決めセリフに大きく心が傾くことでしょう。
茨城弁を覚えて茨城県民との会話を楽しもう!
今回は、茨城弁の特徴や主な方言の意味・例文一覧などをご紹介いたしました。
世間では何かととっつきにくいイメージのある茨城弁ですが、文法やイントネーションを覚えれば非常に親しみが湧いてきます。
身近に茨城県出身の知人がいる方、今後茨城県への観光旅行を計画している方は、ぜひ茨城弁を覚えて方言での会話を楽しめるようになってください。