鹿児島弁(薩摩弁)はかわいい!鹿児島県の方言のイントネーションも紹介
鹿児島弁(薩摩弁)はかわいい方言と言われていますが、訛りが強く標準語からかけ離れている方言も多いので、他県民の人が理解することが難しい方言です。この記事では、鹿児島県の訛りが強く難解な理由や、鹿児島弁の方言のイントネーションについても紹介しました。
目次
鹿児島県の方言「鹿児島弁(薩摩弁)」について紹介!
鹿児島県の方言「鹿児島弁(薩摩弁)」は、大河ドラマ「西郷どん」の中で頻繁に話されていたことで話題になった方言です。
この記事では、独特な鹿児島弁(薩摩弁)について詳しく紹介していきます。
鹿児島弁(薩摩弁)の特徴
まず、鹿児島弁(薩摩弁)の特徴ですが、鹿児島弁(薩摩弁)はとても難解な方言です。他の都道府県の方言は、標準語と似ていたり意味を想像することができたりしますが、鹿児島弁の方言(薩摩弁)では訛りが強すぎてそれも難しいのです。
そのため、大河ドラマ「西郷どん」を見ても視聴者が方言の意味を理解することができず、字幕スーパーで意味を書いてくれという要望も多数ありました。
そもそも、なぜ鹿児島の方言鹿児島弁(薩摩弁)が他の県の方が理解できないほど訛りが強く、難解で独特なのかというと、その理由は鹿児島県が辿ってきた歴史にありました。
大河ドラマ「西郷どん」でも詳しく描かれていましたが、鹿児島県は江戸時代後期に島津家の分家である今和泉島津家の10代当主・忠剛の長女だった篤姫(あつひめ)を将軍に嫁がせるなど、国政に大きな影響を与えていきます。
そんな薩摩藩・鹿児島県には、幕府のスパイが藩内に紛れ込むことも多かったのです。薩摩藩・鹿児島県としては、そんなスパイが藩内に入ってしまっては困ります。
そのため、他県からのスパイ・侵入者を見つけ出すために、独特の方言、薩摩弁・鹿児島弁・訛りを生み出していったのです。そうしたことから、鹿児島弁(薩摩弁)はより難解にするために訛りを強くして、暗号のようになっていきました。
実際に、鹿児島弁(薩摩弁)は鹿児島県と熊本県の県境にあった関所で話され、うまく鹿児島弁(薩摩弁)を話すことができないスパイや侵入者は捕まりました。
こうした歴史があるため、鹿児島弁(薩摩弁)は他県の人が理解することのできない難解なものになっています。鹿児島弁(薩摩弁)は、そもそも他県の人が理解できないように作られていたのです。
現在、鹿児島県で話されている鹿児島弁(薩摩弁)の訛りも、薩摩藩が話していた薩摩弁が原型と言われています。
鹿児島弁(薩摩弁)のイントネーションが独特!
鹿児島弁(薩摩弁)は訛りが強いだけでなく、イントネーションも独特と言われています。鹿児島弁(薩摩弁)では、感情によってイントネーションの上げ下げが変わってしまうこともあるのです。
ただ、最近の鹿児島県出身の若い人たちは、大河ドラマ「西郷どん」で話されていたような鹿児島弁(薩摩弁)を話すことはほとんどないとも言われています。
訛りの強い鹿児島弁(薩摩弁)を話す人は減少していて、綺麗な標準語を話す人たちが増えているため、鹿児島弁(薩摩弁)を話す人はどんどん減っていっていなくなってしまうのではないかという指摘もありました。
鹿児島弁(薩摩弁)でよく使う方言と例文一覧
ここからは、鹿児島弁(薩摩弁)でよく使う方言と例文一覧を紹介していきます。こちらで紹介する鹿児島弁(薩摩弁)は、まだ意味が理解できるようなものが多いので、ぜひ予想しながら読んでみてください。
「あいがと」
鹿児島弁(薩摩弁)の「あいがと」は、標準語で「ありがとう」という意味になります。同じような言葉で、鹿児島弁(薩摩弁)で「あいがて」というのもありますが、こちらは標準語で「ありがたい」という意味になります。
例文:「あいがとね〜。(ありがとうね)」
「〜さー」
鹿児島弁(薩摩弁)で「〜さー」は、標準語で「〜様」という意味になります。そのため、仏様は鹿児島弁(薩摩弁)で「ほとけさー」になります。
旦那様は鹿児島弁(薩摩弁)で「ダンナサー」、お疲れ様は鹿児島弁(薩摩弁)で「おやっとさー」、お前様は鹿児島弁(薩摩弁)で「オマンサー」となるのです。
また、お医者様は鹿児島弁(薩摩弁)で「イササー」となります。鹿児島県の方がよく使う方言です。
例文:「ちょっといささーのところに行ってくるわ。(ちょっとお医者様のところに行ってくるわ。)」
「すんもはん」
鹿児島弁(薩摩弁)で「すんもはん」は、標準語で「すみません」という意味です。大河ドラマの「西郷どん」でもよく使われていた言葉なので、覚えているという方も多い方言です。
例文:「葬式に出ることもかなわなかった、すんもはんじゃした。(葬式に出ることもできなかった、すみませんでした。」
「ほんのこて」
鹿児島弁(薩摩弁)で「ほんのこて」は、標準語で「ほんとうに」という意味です。
鹿児島弁(薩摩弁)では「ほんのこて」を単体で使用されることも多く、単体で「ほんのこて」を使用すると「本当に困ったものだ」という意味になります。信じられないことがあった時にも「ほんのこて」は使われます。
例文:「あいつ、ほんのこて来おった。(あいつ、本当に来たな。)」「じゃっとな?ほんのこっな?(本当だな?)」
「わっぜ」
鹿児島弁(薩摩弁)で「わっぜ」は、標準語で「大変」「とにかくすごい」という意味になります。鹿児島弁(薩摩弁)の「わっぜ」は、良い意味でも悪い意味でも使用されるので、現代でいう「超」や「やばい」というものに近いです。
鹿児島弁(薩摩弁)の「わっぜ」の語源は、「わざわいか(災)」と言われています。
例文:「こんネコ、わっぜふっとかなぁ。(この猫は、大変太っているね。)」「わっぜきびしだんなさーじゃ。(たいへん厳しい旦那様だ。)」
鹿児島弁(薩摩弁)のかわいい方言と例文一覧
ここからは、鹿児島弁(薩摩弁)のかわいい方言と例文一覧を紹介していきます。
「げんなか〜」
鹿児島弁(薩摩弁)で「げんなか〜」は、標準語で「恥ずかしい」という意味になります。同じく、鹿児島弁(薩摩弁)のげんね(げんない)も、標準語で「恥ずかしい」という意味です。
鹿児島県民の方は、恥ずかしいことをしてしまった時に「げんなか〜」をよく使用します。
例文:「わっぜげんなか。(大変恥ずかしいです。)」「あいは、げんねかなぁ。(あれって恥ずかしいよね。)」「おいげぇん子がこげんんこっしてまこてげんねか。(自分の子がこんなことをして、本当に恥ずかしくて申し訳ないです。)」
「チェスト」
鹿児島弁(薩摩弁)で「チェスト」は、標準語で「それ行け!」「ヤァ!」という意味になります。「チェスト」は大河ドラマ「西郷どん」でも使われていたため、「チェストってどういう意味なの?」と疑問に思う人は多かったようです。
「チェスト」は薩摩地方発祥の掛け声で、気合いを入れる時に使われます。また、鹿児島弁(薩摩弁)には「チェスト行け」という言葉もあり、これは標準語で「死にもの狂いで進め」というすごい意味になります。
「チェスト」の語源としては様々な説がありますが、薩摩発祥の古流剣術の掛け声から来ているという説もあります。「知恵を捨てよ!」という言葉がなまって「チェスト!」になったという説です。
それ以外にも、薩英戦争の実際の戦いの時に、薩摩兵士が「チェスト(英単語で胸部の意味)を狙え!」といったことから「チェスト!」が使われるようになったという説もありました。
ちなみに、「チェストを狙え!」とは敵のチェストを狙うという意味ではなく、「自分を打つなら胸を狙って来い!」という挑発の意味があったと言われています。
例文:「チェスト!(それ行け!気合を入れて行け!)」
「んだもしたん」
鹿児島弁(薩摩弁)の「んだもしたん」は、標準語で「あらまあ。」という意味になります。「ん」から始まる言葉は、他の都道府県では珍しいですが、鹿児島弁(薩摩弁)には「ん」から始まる言葉がたくさんあります。
「んだもしたん」は、主に女性が使っています。
例文:「んだもしたん。どげんしもんそかい。(あらまあ。どうしましょう)」
鹿児島弁(薩摩弁)の独特な方言の使い方と例文一覧
ここからは、鹿児島弁(薩摩弁)の独特な方言の使い方と例文一覧を紹介していきます。
「じゃっど」
- 鹿児島弁(薩摩弁)の「じゃっど」は、標準語で「そうですね」という意味になります。相づちを打つのによく使われる言葉で、鹿児島県民のほとんどが使うとも言われています。
- また、鹿児島弁(薩摩弁)の「じゃっど」は、語尾につけることもあります。その場合の「じゃっど」の意味は、標準語で「〜だよ」という意味になります。
- 例文:「もう9時じゃっど。はよおきらんね。(もう9時だよ。早く起きなさい。)」「きゅはぬくごあんどなー。(今日は暑いですね。)」「じゃっどな。(そうですね。)」
「け」
鹿児島弁(薩摩弁)の「け」は、多くの意味がある方言です。鹿児島弁(薩摩弁)の「け」は標準語で、「貝」「買い」「飼い」「来い」という意味があります。
そのため、標準語で「貝を買いにおいでよ。」は、鹿児島弁(薩摩弁)では「けけけけ。」となるのです。「け」が4つ並ぶ「けけけけ」は、他県民の方からしたら、まったく意味を想像できない言葉となってしまいます。
また、鹿児島弁(薩摩弁)の「け」には、標準語で「〜に」という意味もあります。
例文:「けけけけ。(貝を買いにおいでよ。)」
「へがふっ」
鹿児島弁(薩摩弁)の「へがふっ」は、標準語で「灰が降る」という意味になります。「へ」が「灰」という意味で、「降る」のことを「ふ」と言うのです。
鹿児島県では、桜島が噴火するのたびに灰が降りますが、桜島が噴火した時によく鹿児島弁(薩摩弁)の「へがふっ」が使われます。
ちなみに「へをふっ」と鹿児島弁(薩摩弁)もあり、こちらは「おならをする」という意味になってしまうので注意しましょう。鹿児島弁(薩摩弁)では、「へ」で「灰」「ハエ」「おなら」のことも意味するので、他県民の方は混乱してしまうこともあります。
例文:「今日は、わっぜへがふっど。(今日は、すごく灰が降るよ。)」
鹿児島弁(薩摩弁)に変換するとキュンとくる告白のセリフ3選
ここからは、鹿児島弁(薩摩弁)に変換するとキュンとくる告白のセリフ3選を紹介していきます。好きな人が鹿児島県出身で、鹿児島弁(薩摩弁)を話しているのであれば、ぜひ鹿児島弁(薩摩弁)の告白のセリフを参考にしてください。
1.「好きです」
標準語の「好きです」という告白のセリフは、鹿児島弁(薩摩弁)では「好いちょる」となります。
語尾に「ちょる」がつくので、かわいらしい雰囲気を出すことができます。誠実な「好き」という気持ちを相手に伝えることができる告白のセリフです。
例文:「好いちょる。(好きです。)」「あなたのこと、わっぜぇ好いちょる。(あなたのこと、すごく好き。)」
2.「私のこと好きって本当?」
標準語の「私のこと好きって本当?」という告白のセリフは、鹿児島弁(薩摩弁)では「あたいのこと好いちょるって、まこち?」となります。
「好き」は先ほども説明したように、鹿児島弁(薩摩弁)では「好いちょる」になります。「まこち」は標準語で「本当」という意味があり、単体で「まこち?」と使うと「本当に?」という意味になります。
例文:「あたいのこと好いちょるって、まこち?(私のこと好きって本当?)」
3.「付き合ってください」
標準語の「付き合ってください」という告白のセリフは、鹿児島弁(薩摩弁)では「付き合ってくいやん」「付き合ってもらってよかけ?」となります。
語尾を「け?」にすると、「付き合ってくれる?」という意味になり、少しかわいらしい印象を相手に与えます。
例文:「付き合ってくいやん。(付き合ってください。)」「付き合ってもらってよかけ?(付き合ってくれる?)」
鹿児島弁(薩摩弁)をもっと理解して楽しもう!
鹿児島弁(薩摩弁)の特徴や訛り・イントネーション、例文について詳しく紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。鹿児島県の鹿児島弁(薩摩弁)は日本の方言の中でも、かなり訛りが強いため、難解な方言として知られています。
鹿児島弁(薩摩弁)の訛りが強く難解な理由としては、薩摩藩・鹿児島県に幕府のスパイが紛れ込むことが多かったことにあります。薩摩藩・鹿児島県は、他県からのスパイ・侵入者を見つけ出すために、独特の薩摩弁・鹿児島弁を生み出していったのです。
そうしたことから、鹿児島弁(薩摩弁)はより難解になっていきました。ぜひ、鹿児島県で話されている鹿児島弁(薩摩弁)を理解して、鹿児島弁(薩摩弁)を楽しんでください。