モール温泉(モール泉)は北海道遺産！効能やおすすめ日帰り施設を紹介

日本の温泉スポットと言えば、多くの方は静岡の熱海・大分の別府・群馬の草津などの温泉地を連想することでしょう。

しかし、北海道も決して引けを取らないおすすめ温泉地です。北海道には世界的にも珍しい「モール温泉」があり、国内外の観光旅行客が足しげく通っています。

そこで今回は、モール温泉の特徴や北海道のおすすめモール温泉施設などをまとめてみました。温泉好きな方は、ぜひ参考にしてください。

北海道では、モール温泉が「北海道遺産」に選ばれています。

ちなみに北海道遺産とは、北海道に存在する有形無形の文化・歴史・施設などの中から次世代に引継ぎたい宝物として選出されたもののことです。2001年（平成13年）10月にスタートして以来、2020年までに67種類の北海道遺産が選定されました。

平成初期までは、ドイツのバーデン＝バーデンおよび北海道の十勝川温泉の2か所でしかモール温泉の存在が確認されていませんでした。モール温泉は、北海道民だけでなく日本人全体にとっても希少価値の高い存在なのです。

よほど温泉に詳しい方でなければ、「モール温泉」という言葉を聞いてもピンとこないのではないでしょうか。

まずは、モール温泉の特徴や効能について解説していきます。

モール温泉（モール泉）とは、泥炭など植物起源の有機質を豊富に含んでいる温泉のことです。モールという名前は、ドイツ語のMoor（泥炭）に由来しています。

日本で最初に確認されたモール温泉は、北海道の十勝川温泉です。その後全国各地で掘削が進み、東北から九州の一部の地域でモール温泉の存在が発見されました。

空気に触れると、お湯の色がコーラのように黒くなるのが特徴的。一般的な乳白色の温泉に慣れている方は、異様な見た目に圧倒されるかもしれません。

モール温泉の主成分のフミン酸は非常に皮下浸透度が高く、短時間で体の芯まで温まれます。また、ミネラル成分も豊富で、美肌の効能があることでも有名です。

18世紀末頃のヨーロッパでは、戦争で傷ついた兵士を泥炭の湯に浸けて治療していたという逸話があります。モール温泉の泥炭には抗菌・抗炎症作用があり、皮膚の再生を促進してくれる効能があるからです。

現在でもモール温泉の効能は高く評価されていて、筋肉痛・神経痛・切り傷・冷え性などの疾患を改善したい時に最適です。老若男女問わず、幅広い年齢層におすすめの温泉と言えるでしょう。

北海道に長期滞在している暇が無い場合、日帰り温泉施設がおすすめです。宿泊しなくても入浴できるため、時間・金銭の節約になります。

ここでは、北海道のおすすめ日帰りモール温泉施設を見ていきましょう。

ガーデンスパ十勝川温泉は、道道73号線沿いの旧グランドホテル雨宮館を解体した跡地に建てられた施設です。

スパ（モール温泉の日帰り入浴施設）、マルシェ（十勝の特産品販売コーナー）、体験工房（チーズなどの加工品を手作りするイベント）、レストランの4種類で構成されています。

無料レンタルの水着を着用した上で入浴できるので、家族でもカップルでも一緒にモール温泉を楽しめます。

やよい乃湯は、地下1,600メートルから湧き出す源泉を利用したかけ流しの天然モール温泉施設です。

泉質が非常にサラサラしていて保湿性が高く、肌の荒れやすい方でも安心して入浴できます。

大浴場の他に、露天風呂やサウナなどの施設も完備。大人でも一人ワンコイン（500円）でモール温泉に入浴出来て、非常にリーズナブルです。

森林公園温泉 きよらは、札幌市内で唯一の源泉かけ流し日帰りモール温泉施設です。

神経痛・筋肉痛・関節痛など様々な症状に作用する効能があり、平日でも多くの人で賑わっています。森林公園駅の近くにあり、観光旅行時に通いやすい立地も魅力的です。

利用1回ごとにスタンプが1個押され、10個貯まると次回の入浴料金が無料になるサービス付き。スタンプが2倍になる火曜日が最もおすすめです。

長期休暇を利用してじっくり静養したい時には、モール温泉施設を完備した北海道のホテルを利用することをおすすめします。様々なプランがあり、宿泊して入浴したり日帰りしたりできます。

ここでは、北海道のおすすめモール温泉ホテルを見ていきましょう。

十勝川温泉第一ホテルは、十勝川のほとりで営業しているモール温泉付きのホテルです。眼前を流れる十勝川や遠方の日高山脈を眺めつつ、大浴場の美人の湯でのんびりくつろげます。

レストランでの飲食と入浴がセットになった日帰りプランもあり、予約不要でモール温泉を楽しめます。長期宿泊にも短期滞在にも対応してもらえる利便性が魅力的です。

十勝川温泉 富士ホテルは、札幌市内から車で3時間ほどの場所にある老舗のモール温泉付きホテルです。

アンティーク調の木製家具を配置したエレガントなロビーが印象的。自家源泉100%の天然かけ流しモール温泉に入浴できます。

十勝川温泉で貸切風呂を唯一完備しており、落ち着いた環境で時間を過ごせます。日帰りで貸切風呂を利用したい時は、必ず事前予約しましょう。

十勝川 国際ホテル筒井は、長流枝内川の近くにあるモール温泉付きのホテルです。

十勝の旬の食材を使った美味しい料理を提供。源泉100％かけ流しのモール温泉や、サウナ・露天風呂・ラジウム温泉など様々な施設を利用できます。

宿泊客だけでなく、日帰りでもモール温泉に入浴可能。源泉の温度が比較的高いので、熱い温泉に入りたい方におすすめです。

十勝川温泉 観月苑は、十勝川の近くにあるモール温泉付きホテルです。

内風呂、檜風呂、うたせ湯、ジャグジーなどのある大浴場の他、各客室にも温泉が完備されています。庭園にも巨大な露天風呂があり、最高のロケーションで入浴を楽しめます。

日帰り入浴プランや温泉+朝食バイキングを堪能できるデイユースプランも提供。自分に合った滞在プランを選択してください。

森のスパリゾート 北海道ホテルは、帯広駅の南方の森林地帯の中にあるモール温泉付きホテルです。

1899年（明治32年）に誕生した北海館が起源の老舗宿泊施設で、レストラン・挙式宴会場など様々な施設を完備。サウナでは、ストーンにお湯をかけて蒸気を浴びる「ロウリュ」と「モール温泉」を組み合わせた「モーリュ」を楽しめます。

モール温泉は、宿泊客以外でも利用可能。日帰り入浴の場合、早朝に利用すれば大人料金が500円安くなっておすすめです。

白老温泉 ピリカレラホテルは、白老町の湖畔に建っているモール温泉付きホテルです。

ピリカレラとはアイヌ語で「美しい風」という意味。その名のごとく、落ち着いた雰囲気のロケーションで、北海道の自然や星空を満喫できます。

全館6室すべてがスイート仕様でモール温泉浴室完備の癒し空間。残念ながら、ピリカレラホテルでは日帰り入浴は出来ませんが、宿泊客なら貸切露天風呂でプライベートタイムを楽しめます。（予約制）

日本で最初にモール温泉が発見されたのは北海道の十勝川温泉ですが、現在では全国のいくつかの地域でもモール温泉の存在が確認されています。

ここでは、北海道以外の地域にあるおすすめモール温泉を見ていきましょう。

蒲田温泉は、蒲田駅から徒歩10分ほどの場所にあるモール温泉施設です。

赤いネオンがいざなう昭和風の外観が印象的。店内もレトロな雰囲気の作りになっていて、モール温泉の黒湯にどっぷり浸かれます。

風呂上りには、名物料理の「釜飯」や生ビールで一服可能。深夜1時まで営業しているため、夜間に入浴したくなった時に便利です。

正徳寺温泉 初花は、山梨市駅から徒歩30分ほどの場所にあるモール温泉施設です。

源泉掛け流しの露天風呂で、源泉温度34℃のぬるま湯に浸かれます。熱い温泉が苦手な方でも、周辺の景観を眺めながらのんびりくつろげる魅力があります。

また、食事処では絶品うなぎ料理をオーダー可能。風呂上りには、自家菜園の無農薬野菜・果物を使った懐石料理をお楽しみください。

八幡浜黒湯温泉 みなと湯は、2016年8月に八幡浜市役所前にオープンしたモール温泉施設です。

中国・四国地方で初のモール温泉で、地元の方から観光旅行客まで多彩な客層で賑わっています。

お湯の色は一般的なモール温泉より薄く、初心者でも気軽に入浴可能。料金が100円割引になる毎週水曜日がおすすめです。

今回は、モール温泉の特徴や効能、北海道を中心とした全国のおすすめモール温泉施設を紹介いたしました。

さらさらと体の内側にしみ込むような独特の入浴感を楽しめるモール温泉は、温泉好きなら絶対に見逃せないスポットです。

美容・健康に効果的な温泉をお探しの方は、ぜひ本記事を参考にして最寄りのモール温泉施設に足を運んでみてください。