桃太郎神社は犬山で話題のおすすめスポット!見どころやご利益も紹介
全国に多数存在する桃太郎神社が愛知県犬山市にもあります。ふつう桃太郎神社といっても、それほど気乗りがしない人でも、この犬山の桃太郎神社のことを知ったら、是非行ってみたくなるに違いありません。テーマパークのような楽しさと有り難い御利益のあるおすすめの神社です。
目次
愛知県犬山市の桃太郎神社を紹介!
桃太郎は誰もが知っている日本のおとぎ話のひとつです。これは昔の人が作った想像上の物語かと言えば、近年桃太郎伝説のゆかりの地として日本中のかなりの市町村が名乗りを上げています。その中で最も有名かつ有力と見られているのは岡山県です。
しかしながら、愛知県犬山市にもおすすめの桃太郎神社があり、この地こそ桃太郎伝説のゆかりの地だと主張しています。愛知犬山市の桃太郎神社はどんなところなのでしょうか。詳しく紹介していきます。
【犬山】桃太郎神社とは?
愛知県犬山市栗栖(くりす)にある桃太郎神社は、ここへ御鎮座したのが昭和5年と比較的新しいのですが、創建はその数百年前と言われています。また、この地には古くから桃太郎伝説がありました。
しかも桃太郎神社の奥にある桃山は桃太郎が最後に姿を隠したところとの伝承があり、太古からこの山をご神体として地域信仰の対象になっていたのです。このような真面目な言い伝えがあり続けたからには、単なる地域興しのための思いつきではありません。
日本にたくさんある桃太郎伝説ゆかりの地としての有力度はひとまず置いておき、ともかく地元の篤い信仰を集めている桃太郎神社について見て見ましょう。
愛知県犬山市とは
愛知県犬山市は愛知県の最北端に位置し、市内の西半分は平地で東半分は山地で占められています。一級河川の木曽川が市のそばを通っており、犬山市よりも上流では急流となっていますが、この地からは濃尾平野になり緩やかな流れになっています。
犬山市は木曽川の堆積物の扇状地で、江戸時代には交通の要衝かつ犬山城の城下町として栄えました。なお犬山城は天守閣が国宝指定されています。現在国宝指定は全国に5城しかなく、他の4城は姫路城、松本城、彦根城、松江城です。
なお、「犬山」という地名の最古の記録は1336年の「南山巡狩録」があります。現存する全国の自治体の名前で、「犬」が付くのは犬山市だけです。
桃太郎神社に祀られている神様
犬山の桃太郎神社に祀られている神様は、大神実命(オオカムヅミ)で、これは日本神話に登場する桃であり神でもあります。古事記では「意富加牟豆美命(おおかむづみのみこと)」と表記されており、大いなる神のミ(霊威)を意味するのです。
古来中国では桃は仙木と呼ばれ邪気を払う呪力があると考えられて来ました。日本でも古くから桃に対する信仰が伝来しており、平安時代にはお守りにもされていたのです。
そして室町中期に「桃太郎」の説話が成立した陰には、桃が不老長寿の仙果で邪気を払う呪力があったことが関係したと言われています。
桃太郎誕生の伝説
その昔、現在の社殿が建っている場所にお爺さんとお婆さんが住んでいたとされています。そしてお婆さんが家のすぐ前を流れている木曽川で洗濯をしていたら、上流から大きな桃が流れてきて、割ったら中から桃太郎が出て来たと伝わっています。
ところでこの桃は、古事記のオオカムズミ(桃あるいは桃の神)であり、イザナギノミコトから「お前が私を助けてくれたように、葦原(地上世界)のあらゆる生ある人々が、苦しみに落ち、悲しみ悩む時に助けてやってくれ」と命じられていたのです。
イザナギノミコトは黄泉国で鬼に襲われた時に、桃を投げつけて難を逃れました。流れてきた桃は、オオカムヅミがイザナギノミコトとの約束を果たすために犬山の地に現われたと言うのです。そしてオオカムヅミが生まれ変わって桃太郎となりました。
【犬山】桃太郎神社の見どころ
これまで説明したように、祭神がオオカムヅミであることから、桃が信仰の対象となり世の中の苦しんでいる人々を、化身の桃太郎が助けたというのは筋の通った説明です。しかも雄大な木曽川を前にして佇む桃太郎神社は、霊験あらたかに見えます。
しかしこの神社を訪れてみると、この厳粛な気分が吹き飛んでしまうほどのエネルギーを感じてしまいます。既に画像で見ているように、そこには数々の半ばコミカルなコンクリート像が建っているのです。
それでは、大変ユニークな犬山の桃太郎神社のおすすめの見どころを紹介しましょう。
面白いコンクリート像
今日桃太郎のゆかりの地は日本全国にあります。岡山県を始めとして山梨県、香川県、奈良県、愛知県は桃太郎サミットや日本桃太郎会連合会にも参加しています。
これだけたくさん桃太郎ゆかりの地がある中で存在をアピールするには、普通にやっていては無理です。そのような深謀遠慮があったかは定かではありませんが、犬山の桃太郎神社には思わず写真を撮りたくなるようなおすすめのコンクリート像がたくさんあります。
このユーモラスな像の作者は浅野祥雲(1891-1978)で、人物像のコンクリート像作家として生地の岐阜県周辺で数々の作品を残しています。ちなみに桃太郎神社のオブジェは氏のおすすめの代表作です。
犬
桃太郎の家来の内の一人である犬は、地元犬山からすれば犬が選ばれるのは当然のことと受け止められているでしょう。コンクリート像の犬の家来は人なつこい表情をしています。
しかし鬼などものともしないというような「猛犬」の迫力を、全く感じさせないところが奥ゆかしいと言えます。
ライバルの岡山県の吉備津神社縁起によると、犬は犬飼健命(いぬかいたけるのみこと)であったと言われていますが、犬山ではこの点は問題にならないのでしょう。やはり犬山という地名が圧倒的に有利なのです。
猿
愛嬌のある表情の猿のコンクリート像も微笑ましい出来栄えです。擬人化されている点がユーモラスな雰囲気を盛り上げます。
ライバルの岡山の吉備津神社縁起では猿飼部の「楽々森彦命(ささもりひこのみこと)」だとのことですが、犬山では猿洞出身の者というだけで名前は伝承されていません。
なお、犬山には近くに日本モンキーパークというおすすめの施設もあり、現在では猿との縁は深いです。
雉
雉のコンクリート像のオブジェは、鎧を来て二足歩行しているという点で既に見る物に笑顔を与えてくれます。物語では雉は空を飛んで鬼に攻撃を加えるのですが、コンクリート像からは飛び立つ気配が窺えないところがユーモラスです。
これもライバルの岡山県の吉備津神社縁起では、鳥飼部の「留玉臣命(とめたまおみのみこと)という家来が示されていますが、犬山では雉ケ棚出身の家来というだけで名前の伝承はありません。
鬼
鬼は赤鬼や青鬼など数体が神社内に存在しています。いずれも降参した後の従順な姿ですので、小さな子供が参拝しても泣き出す怖れはありません。
中には「やさしい鬼」というオブジェもあり、四つん這いになっていて「背中へどうぞ」と添え書きがしてあるのには笑えるでしょう。子供が鬼の背中に乗って遊べるのですから、鬼に対する恐怖感は湧いてこないはずです。
日本一恐くない鬼として、小さな子供にもおすすめのオブジェとなります。
桃太郎
桃太郎のコンクリート像のオブジェもそこかしこに存在します。一つひとつ顔が異なっているのも微笑ましいです。きりりとした勇ましい表情の桃太郎がいるかと思えば、あまり締まりのない表情のものまでいます。
もっとも、桃太郎神社入口で桃の中から勢いよく立ち上がっている桃太郎は、誰がみても元気が出て来るのでおすすめです。
桃型の鳥居
犬山の桃太郎神社の鳥居の内の2つは、通常の神社にある鳥居の形をしていますが、本殿の前にある鳥居は桃の形のアーチ型をしています。これはまさしく祀られている大神実命(オオカムヅミ)を意識した造形です。
日本広しといえども、鳥居が桃のアーチになっている神社はここ以外にはないでしょう。
長寿を願う岩
石段の下にある岩のトンネルには「長命ももくぐり」との立て札が建っています。さらに「百の年までまめな世に」とも書かれているのです。つまり、この岩のトンネルをくぐると100歳まで生きられるということになります。
少しかがんで歩かないと入れませんが、それほど距離はありませんので、桃太郎神社に来たら是非試すようにおすすめします。
【犬山】桃太郎神社のご利益は?
犬山の桃太郎神社は面白いコンクリート像のオブジェを楽しみに来るばかりではなく、神社としてきちんと御利益を掲げています。
桃太郎神社のご利益
桃太郎神社は桃太郎のように元気な子供に育って欲しい、という親の願いを叶えられるという御利益があります。
桃太郎神社の御利益は、子授かり、安産、こどもの発育、災除け、長寿(長命桃くぐり)、七五三詣りとなっています。
絵馬も人気!
桃太郎神社には絵馬もたくさん架かっています。「元気な子供を授かりますように」とか「子供が元気に育ちますように」といった祈りが書かれているものが多いです。そういう意味では子の幸福を願うという神社のコンセプトが一貫していると言えましょう。
御朱印・お守りもおすすめ!
愛知県犬山市の桃太郎神社には上の画像のような、キレイなご朱印帳も用意されています。桃をイメージしたデザインと桃色の上品な味わいが親しみ易いでしょう。この他にもお守りもあり、特に子供の幸せを願う親たちにおすすめです。
【犬山】桃太郎神社の宝物館
愛知県犬山市の桃太郎神社の社殿の奥には宝物館もあります。桃太郎は鬼ヶ島へ行って鬼を退治しただけではなくて、鬼が持っていた宝物を持ち帰った訳ですから、そのような宝物があるのではないかと期待させます。
宝物館は有料
桃太郎神社の中に立っている数々のコンクリート像のオブジェでさんざん笑ったり、いっしょに記念撮影をしたら、最後には宝物館で仕上げとなります。桃太郎神社は基本的に無料であちこち見られますが、宝物館だけは有料となります。
拝観料は大人200円で、小人は100円です。
宝物館の見どころ
宝物館に入ると、桃太郎たちが鬼ヶ島から持ち帰った宝物を乗せた大八車が飾ってあります。もちろん桃太郎はおとぎ話ですので、車の上には本物の宝物は載ってはいません。ただし昔おとぎ話の絵本で見たような金銀珊瑚や高価な絹が載っているようです。
さらに館内の展示室に入るとガラス越しに各種展示物が置いてあります。鬼のミイラの写真とか、珍しいものとして「鬼の珍宝」というものや、さらにダメ押しの「鬼の珍宝の化石」というものもあります。
また、鬼が手に持っている棘がついた黒い鉄の棍棒も飾ってあります。よくこれだけのものを真面目に揃えたと感心してしまうでしょう。
【犬山】桃太郎神社のアクセス・詳細情報
愛知県犬山市の桃太郎神社を訪れる人は、若いカップルや子供の小さい親子連れが多いです。そしてユーモラスなコンクリート像のオブジェを見ると、一気にこの神社の虜になってしまうのです。
桃太郎ゆかりの地という意味では、ライバルの岡山県は強敵で犬山の桃太郎神社は苦戦しているようです。しかし、ここは日本一笑わせてくれる桃太郎神社ということが言えましょう。
とにかく神社と名が付く厳粛な地で、これだけ笑えるユーモラスなおすすめの神社は他にはないのではないでしょうか。それではこのユニークな桃太郎神社のアクセスや詳細情報について触れておきましょう。
桃太郎神社への行き方
愛知県犬山市の桃太郎神社の周囲にある鉄道としては、JR高山本線(鵜沼駅)、名鉄広見線(善師野駅)、名鉄犬山線(犬山遊園駅)、名鉄各務原線(新鵜沼駅)と多数あります。
しかしながらそのどの駅からも徒歩では1時間以上かかるため、徒歩で現地に行くのは実際的ではありません。駅からタクシーを利用すればいずれも10分程度で到着できます。
さらに車ならば、駐車場は無料で多数駐車可能ですので便利でしょう。
桃太郎神社の基本情報
愛知県犬山市の桃太郎神社は木曽川沿いにあり、神社の前の路からは木曽川が見渡せるほどです。なお、この木曽川を渡ると向こう岸はもう岐阜県となります。この辺りは自然が残っていて雄大な風景を楽しめるでしょう。
桃太郎神社は16:00までしか開いていませんので、時間があまり切迫しないようにスケジュールを組んで出かけて下さい。
住所 | 愛知県犬山市 大字栗栖大平853 |
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電話番号 | 0568-61-1586 |
営業時間・定休日 | 10:00~16:00 |
アクセス | 名鉄「犬山遊園駅」 より車で約5分 |
駐車場の有無 | 有 |
公式URL | 桃太郎神社 |
大人も子供も楽しめる桃太郎神社を訪れよう!
普通子供に神社へ行こうと誘ったら、あまりいい顔をしないはずです。ところが、日本中でこの神社だけは違います。誰でも知っているおとぎ話の主人公の桃太郎ゆかりの地なのです。
駐車場から神社の方へ向かって歩き始めてコンクリート像のオブジェを目にしたら、もうこの神社のマジックにかかってしまうでしょう。大いに笑ってそして幸福な気持ちを手に入れて帰ってください。
ここが本当の桃太郎の生誕地かどうかなんて、どうでも良い気分になるでしょうから。