真実の口はローマ時代のマンホールの蓋?イタリアの有名観光地を紹介
真実の口はイタリア・ローマの人気観光スポットで、映画「ローマの休日」で有名になりました。口に手を入れて映画の再現をするのが人気ですが、真実の口の意味や由来を知っている方は少ないです。真実の口の詳しい情報を知って、より楽しい観光にしましょう。
目次
イタリアの有名な観光スポット「真実の口」について紹介!
真実の口はイタリアのローマにある石の彫刻で、刻まれている石の顔は海神オーケアノスと言われています。手を口に入れて、偽りの心がある者には手首を切り落とされる、手を噛み切られるといった言い伝えがあり、映画「ローマの休日」でもそのシーンが描写され、誰もが知る場面になっています。
イタリア・ローマの人気観光スポットとなっていますが、そもそも真実の口とはどういう意味があるスポットなのでしょうか。あまり知られていない由来や伝説について詳しくご紹介していきます。
真実の口がある場所はどこ?
真実の口はイタリアの首都であるローマのサンタ・マリア・イン・コスメディン教会にあります。ローマの中心地にあり、他の観光スポットとも一緒に行きやすい場所にあります。
サンタ・マリア・イン・コスメディン教会とは?
サンタ・マリア・イン・コスメディン教会は古代ローマや古代ギリシャから影響を受けたバシリカという建築様式で建てられています。
6世紀頃に建てられたと言われており、8世紀に教皇ハドリアヌス1世によって、付近に住むギリシア人のために増築されました。増築されたときに、この聖堂は聖像破壊運動の迫害から逃れたギリシャ人修道士たちに授けられました。
サンタ・マリア・イン・コスメディン教会へのアクセス方法
サンタ・マリア・イン・コスメディン教会はローマ市内に位置しており、アクセス方法としては電車やバス、ローマ中心部からではあれば徒歩といった手段があります。ただし、 ローマの主要観光スポットが集中するエリアからはやや南側へ離れています。
徒歩の場合
徒歩でアクセスしたい場合、ヴェネチア広場からであれば比較的アクセスしやすい距離にあります。ヴェネチア広場からは約900mで、一本道を南下するのみなのでわかりやすくもあります。
地理的にはフォロロマーノが一番近い観光スポットに見えますが、出入口の関係で2kmほど歩くことになるのでご注意ください。その他の観光スポットとの距離ですが、コロッセオからは1.3km、パンテオンからは1.4km、トレビの泉からは1.7km程度で、いずれも歩ける距離にあります。
地下鉄の場合
地下鉄でアクセスする場合は地下鉄B線の「チルコ・マッシモ駅」が最寄駅となります。チルコ・マッシモ駅下車後、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会までは徒歩で約10分です。
ヴェネチア広場周辺にいる場合は地下鉄には乗らず歩いた方が早いですが、「テルミニ駅」や「コロッセオ駅」などは地下鉄B線が走っているので、この駅の周辺観光地からであれば、地下鉄の利用がおすすめです。
バスの場合
バスでアクセスする場合はテルミニ駅からバスNo170、またはヴェネチア広場からバスNo715などを利用して、「Bocca Della Verita(真実の口)駅」で下車、徒歩約1分です。
極力歩きたくない方にはおすすめですが、海外のバスのため日本語で親切なアナウンスはなく、乗りこなすのは至難の業です。乗り間違いをしてしまうこともあるので、慣れている方でない限り避けた方が無難です。
住所 | Piazza della Bocca della Verita 18, Roma |
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電話番号 | 06-678-7759 |
営業時間・定休日 | 9:30~17:50(冬期は~16:50) 定休日:なし |
料金 | 無料 |
アクセス | 地下鉄B線チルコ・マッシモ(Circo Massimo)駅より徒歩10分 |
公式URL |
真実の口はローマ時代のマンホールの蓋だった?
真実の口は諸説ありますが、もともとは古代ローマ時代のマンホールの蓋だったというのが有力な説です。フォロ・ボアリオ地区の寺院内にあった集水器の覆いだったと言われています。
古代ローマ時代、マンホールの蓋には「雨水を飲み込む」という意味をかねて水に関わる神の顔を描くのが習わしだったということに裏付けされています。
真実の口以外のローマ時代のマンホール
実際、古代ローマの遺跡からは真実の口以外にも顔を掘った装飾がたくさん発見されています。いずれも古代ローマのマンホールだったとされており、現在のローマの噴水や給水所で様々な顔を掘った彫刻が見られるのは、このようなローマの伝統を踏襲しているのです。
真実の口の伝説とは?
真実の口へ嘘や偽りの心をもつ者が手を入れると、噛み切られてしまう、手が抜けなくなってしまうという伝説があります。伝説の由来を辿ると、中世の時代に裁判にかけられた被告人が嘘をついたときに、この口に手を入れて手を斧で切り落とされたという逸話から発生したようです。
もちろん真実かどうかは定かではありませんが、12世紀の巡礼用のガイドブックにも載っているほど古くからローマに伝わる伝説です。
伝説が知れ渡ったのは映画「ローマの休日」がきっかけ?
古くからある真実の口の伝説ですが、実際多くに知れ渡ったのは映画「ローマの休日」で取り上げてからと言われています。1953年アメリカで製作された映画で、ローマを訪問した某国の王女とローマの新聞記者の24時間の恋愛模様を描き、世界中で有名になりました。
グレゴリー・ペック扮する新聞記者がオードリ・ヘップバーン演じるアン王女を驚かそうとして、伝説に基づき手を入れ、手を引きずりこまれるという演技をしたワンシーンで描かれています。
真実の口以外にも!サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の魅力
真実の口という言葉が先行してしまい、真実の口のあるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会についてはあまり知られていません。しかし、実はサンタ・マリア・イン・コスメディン教会には見どころがたくさんあります。真実の口と一緒に見るべきポイントをご紹介します。
真実の口へ行くための入り口とサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の入り口は別になるので、間違えないようご注意ください。
サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の見どころ
サンタ・マリア・イン・コスメディン教会は典型的なバシリカ建築で、鐘楼はロマネスク様式を模して造られています。ギリシャ人によって施された装飾が素晴らしく、今日解明にもなっています。「コスメディン」とは日本語で「装飾」のことを指します。
その装飾は抑制された華やかさが美しいとされており、大理石モザイク装飾の床、中央の合唱席と説教台、ビザンチン様式の特徴を残す内陣との仕切りの障壁、その奥の主祭壇とその天蓋や背後の窓、ゴシックの大理石の装飾やゴズマーティ装飾などが評価されています。
教会内にある髑髏
教会内にある髑髏(しゃれこうべ) があり、少し怖い感じがしてしまうスポットです。この髑髏は誰なのかについては諸説あり真実はわかっていませんが、聖バレンチノであるという説が有力です。
聖バレンチノはバレンタインデーの由来になった人で、誕生日は2月14日です。3世紀頃、キリスト教が迫害されていた時期に棄教を求められても応じなかったため、ローマで処刑された聖者です。キリスト教にとっては聖人として扱われています。
イタリアへ真実の口を見に行こう!
真実の口の伝説や由来をご紹介してきました。真実の口の背景を知ることで、観光がより面白くなるでしょう。真実の口は世界中から注目を集める観光スポットでもあるので、観光客がとても多く、真実の口の前に行列ができることも多々あります。ある程度の混雑は覚悟してください。
真実の口ではローマの休日風の写真撮影が人気です。アン王女になった気分で、真実の口に手を入れて写真を撮ってみてください。伝説を知った上で訪れると、スリルも一緒に味わえます。合わせてサンタ・マリア・イン・コスメディン教会の見学も楽しみましょう。