清水寺(京都)の音羽の滝の水の意味やご利益は?正しい飲み方も紹介
京都の清水寺にある「音羽の滝(おとわのたき)」の水の意味や3つのご利益について解説します。滝の水の正しい飲み方の作法・手順についてもご説明していきますので、清水寺で音羽の滝に行かれる際にはぜひ参考にしてお参りしてください。
目次
京都・清水寺の「音羽の滝」について紹介!
京都の清水寺といえば、観光名所としても有名なお寺で、全国からはもちろん、世界中からも観光客が訪れていますが、清水寺にある「音羽の滝(おとわのたき)」についてはご存知でしょうか。
清水寺は音羽山の中腹にありますが、この「音羽の滝」は清水寺にとっても重要なものとなっています。今回は、京都・清水寺の「音羽の滝」のことを詳しくご紹介していきます。
音羽の滝のある場所
音羽の滝は清水寺の本堂から東の階段を下りて左側にあり、清水の舞台の北東に位置しています。
電車の場合、最寄駅から清水寺までは徒歩25分と少し距離があります。また、清水寺には駐車場が無く、近隣の市営駐車場も満車となる場合もありますので、清水寺へ足を運ばれる際には、京都市内のバスを利用するのがおすすめです。
京都市バスには乗り放題のフリーきっぷもありますので、フリーきっぷを利用して、清水寺以外のお寺や神社なども合わせて、観光するのもよいでしょう。
住所 | 京都府京都市東山区清水294 |
電話番号 | 075-551-1234 |
営業時間・定休日 | 通常6:00〜18:00 7月・8月は6:00~18:30 (夜間特別拝観期間は閉門が21:30) |
アクセス | 京都市交通局(市バス)「五条坂」または「清水道」下車、徒歩10分 京都バス(土・休日のみ)「五条坂」下車、徒歩10分 京阪バス「清水道」または「五条坂」下車、徒歩10分 京阪電鉄「清水五条駅」から徒歩25分 |
駐車場の有無 | なし 近隣には京都市市営駐車場など |
公式URL |
音羽の滝の混雑状況
神社仏閣などを訪れるにあたって、その混雑状況は気になるところではないでしょうか。ここでは、音羽の滝の混雑情報を整理していきます。
まず、音羽の滝がもっとも混雑する時期は、秋のライトアップの時期です。普段なら少しずつ空き始める夕方でもライトアップに合わせて観光客が多くなります。
特にこの時期の土日は、終日混雑していることが多いので、時間に余裕を持って予定を立てるなどの対応が必要でしょう。
通常期間に関しては、土日は混み合う傾向にあり、土曜は終日やや混雑、日曜は16時半頃までやや混雑することが多いです。
平日は、土日に比べるとそこまで混雑することは少ないのですが、10時から16時くらいまでは混み合うこともありますので、10分から15分程度は待ち時間を計算しておくとよいでしょう。
また、平日の場合は、修学旅行や外国人観光客などの団体客が訪れていることがあり、偶然時間が重なると、大幅に待ち時間が伸びる可能性があるので、注意が必要です。絶対に混雑を避けたければ、開門から9時台までの朝早い時間帯を狙うことをおすすめします。
音羽の滝の3つの水の意味とご利益(効果)について
音羽の滝は清水寺発祥の地で、滝を流れる清水がまさに「清水寺」という名前の由来ともなっています。音羽の滝は3本の筧(かけい)に分かれており、それぞれの筧の水に「学問上達」「恋愛成就」「延命長寿」という意味とご利益があるとされています。
延命長寿
音羽の滝は、古くから「延命水」と呼ばれていたこともあり、清めの水として尊いものでした。3本の滝のうち、清水の舞台と反対側の筧に「延命長寿」のご利益があるとされています。
恋愛成就
中央の筧には「恋愛成就」のご利益があります。清水寺にデートで訪れるカップルにも、この音羽の滝で、恋愛についての願い事をすることが人気となっています。
学業成就
清水の舞台側にある筧が「学業成就」を意味するとされています。修学旅行で清水寺に訪れる学生からも人気を集めています。
音羽の滝の水の正しい飲み方と注意点
京都清水寺の音羽の滝の意味やご利益に続いて、音羽の滝の水の正しい飲み方を解説していきます。音羽の滝で水を飲む際に迷ってしまうことがないように、事前に正しい飲み方や手順を押さえておきましょう。
水を飲む流れ
音羽の滝でお水をいただく前に、まずはご自身の願いを明確にしておくことが重要です。音羽の滝に来たら、滝の後ろ側に祀られている不動明王に、ご自身のお気持ちでお賽銭を入れ、手を合わせてご挨拶をしておきましょう。
右側にある紫外線殺菌用の機械の中に柄杓がありますので、1つ取って音羽の滝に向かってください。
ご自身の願い事に応じたご利益のある筧の水を柄杓の中にためます。水がたまったら、そのお水をいただきます。お水をいただく際には、不動明王に向かい、願いごとをするとよいとされています。
どの筧の水を飲んでも元は同じお水なので、ご利益に応じた筧の水でなくとも、どれでもよいともされていますが、願いごとに応じたご利益のある筧を選ぶと万全でしょう。
なお、手水舎(ちょうず)では、柄杓にすくった水で口をすすぎますが、ここでは、水は飲み干してください。飲み終わったら、柄杓は3回ほどすすいでから元の殺菌用の機械に戻しましょう。
お水受けカップ
柄杓を無料で借りられるとはいえ、多くの人が利用する柄杓で音羽の滝の水を飲むことに抵抗があるという方もいるのではないでしょうか。
実際には、柄杓は紫外線殺菌されており、衛生面には気をつけられているので、あまり気にしなくてもよいのかもしれませんが、どうしても柄杓を使うことに対する抵抗を拭えない場合は、「清水甘露椀」というお水受け用のカップを利用するとよいでしょう。
水受けカップである清水甘露碗は清水寺で購入でき、値段は300円のものと400円のものとがあります。販売されていないこともあるので、必ず椀が欲しいという場合は、事前に清水寺に問い合わせることをおすすめします。
水を飲む時の注意点
もっとも注意する必要があるのは、音羽の滝でいただく水は1杯までということです。
3つの筧にそれぞれのご利益があるとなると、それぞれの筧の水のご利益を得たいと思ってしまうところですが、欲深さを見透かされてご利益がなくなってしまうと言われているので注意しましょう。
また、同じ筧の水でも2杯、3杯と何度もくみなおして飲むのはやめましょう。この場合も同様にご利益がなくなってしまうので、必ず1杯にしておいてください。
神社や仏閣へおまいりする際には、あくまでも謙虚な気持ちが大切です。神様や仏様に力を貸していただくという姿勢で慎んで参拝しましょう。
音羽の滝の水は飲まずに願いごとをするには?
ここまで、音羽の滝の水を飲んで願いごとをする方法・手順をご紹介してきました。しかし、そもそも滝の水を飲むことに抵抗があるという方も少なからずいるのではないでしょうか。
そんな方々にとって、音羽の滝で水を飲まずに願いごとをすることができるのかというのは気になるところですが、結論として、音羽の滝で水を飲まずに願い事をすることはできます。水を飲まない場合に願いごとをする方法を見ていきましょう。
願い事をする流れ
基本的な流れは、柄杓や清水甘露椀でお水をいただく場合と同じです。まず、不動明王像のところでお賽銭を入れ、合掌してお参りをします。
ここで、水を飲む代わりに、手の小指にご利益を得たい筧の水をつけて自然に乾くのを待ちます。水をいただく場合と同様、複数の水をつけたり複数の願いごとをしてはいけません。必ず、どの願いごとにするか事前に決めておきましょう。
注意点
小指を水につける方法で願いごとをする場合は、つけた水が自然に乾くまで、一言も言葉を発してはいけないという決まりがありますので、注意が必要です。
1人でお参りされる場合であっても、乾くまで全く喋らないというのは簡単ではないので、お水を飲んで願いごとをする方が難易度は低いと言えるでしょう。
清水寺の音羽の滝の水源はどこ?
京都・清水寺にある音羽の滝の水源については諸説あります。ここでは、有力とされる2つの説をご紹介していきます。
京都鴨川の地下約1000mに流れる伏流水とも呼ばれる、いわゆる地下水が東山断層の地表の割れ目から湧き出ているという説と、清水寺の近くにある、清水山西断層の裂け目から地下水が湧き出しているという説があります。
音羽の滝の水は、地層でろかされている不純物の少ない、まさに「清い水」です。
音羽の滝の水が3つに別れた理由
音羽の滝の水は3つの筧に別れていますが、筧の水はすべて同じ水源の同じ水です。
室町時代の応仁の乱後、再建した清水寺が描かれた「清水寺参詣曼荼羅(きよみずでらさんけいまんだら)」には、音羽の滝が3つの筧で描かれています。このことから、少なくとも応仁の乱が終わった頃には、すでに音羽の滝は3つに別れていたということがわかります。
では、音羽の滝の水が3つに別れた理由はいったい何なのでしょうか。この理由にもいくつかの説があります。
まずは、鎌倉時代頃に、音羽の滝に修行で訪れる人が増えたため、混雑緩和のために滝を3つの筧に分けたという説です。
また、仏教には「三宝」「三業」「三毒」といった言葉がありますので、これらの「三」という数字がご利益に通じて3つの筧に別れたという説もあります。
清水寺の音羽の滝の水はお金がかかる?
清水寺の音羽の滝の水を飲むのにはお金がかかるのでしょうか。ここからは、清水寺の音羽の滝の水をいただくのにかかるお金などについてみていきましょう。
滝の水や柄杓の貸出し料は無料
音羽の滝では自然の水が流れていますので、滝の水を飲むのにお金はかかりません。昔から、音羽の滝の水は、飲料水やお茶を淹れるための水として重宝されており、現在でも変わらず、飲料水として滝の水をペットボトルで持ち帰る地元の方も多いようです。
また、参拝客が水を飲むために、滝の水をすくう柄杓も無料で貸し出されていますので、特に事前に何か用意しておく必要もありません。もちろん、当日購入しなければならないものもないので、無料で滝の水が飲めます。
参拝料は必要
ただし、音羽の滝があるのは清水の舞台を通った先ですので、そこで拝観料をおさめる必要があります。拝観料は、高校生以上が400円、小学生から中学生までが200円、未就学児は無料となっています。
また、音羽の滝には不動明王が祀られていますので、ご自身のお気持ちでお賽銭を入れるようにしましょう。
お水を持ち帰ることもできる
先ほど、地元の方が飲料水として滝の水を持ち帰ることが多いということはお伝えしましたが、地元の方でなくても、誰でも音羽の滝の水を持ち帰ることができます。
音羽の滝の筧からご自分で水をペットボトルなどに入れて持ち帰ることもできるのですが、筧までは距離があり、蛇口から注ぐように直接ペットボトルに水を入れることはできないので、1度柄杓ですくってから容器に移さなければなりません。
音羽の滝は、参拝客が多く、滝の水を飲むために並ぶ人で混雑することも考えると、少しずつ汲むのでは他の方に大きな迷惑がかかってしまうので現実的ではありません。なお、地元の方は、観光客で混雑する前に、朝のうちに水を汲んでいます。
さらに、地元の方は、大きめのウォータータンクに、直接滝の水を注げるようなホース付きの柄杓のようなものを使うなど、工夫して水を持ち帰っていますが、観光などで参拝に訪れる場合に、そのような道具を用意するのは難しいでしょう。
売店で「音羽霊水」を購入できる
京都・清水寺では、音羽の滝の水を瓶に入れて御祈祷した「音羽霊水」を売店で売っているので、自分でペットボトルに入れなくても音羽の滝の水を手軽に持ち帰れます。販売場所は、清水の舞台の横と音羽の滝の前にある売店で、価格は1本500円です。
ご自宅で飲むために、自分用として持ち帰るのはもちろん、観光のお土産としても利用できるので、多くの方から喜ばれています。音羽霊水の瓶は箱に入っているので、簡単なお土産であれば、そのままお渡しするにもよいでしょう。
清水寺(音羽の滝)の水にはご利益がある
由緒あるお寺として、世界的にも有名な観光地となっている京都の清水寺。今回は、清水寺にある「音羽の滝」についてご紹介しました。
音羽の滝の水には、さまざまなご利益があります。この機会にお参りの方法や音羽の滝の水の正しい飲み方を覚えて、ぜひ清水寺の音羽の滝で願い事をしてみてはいかがでしょうか。