ロシアの治安の危険度は最悪?モスクワ観光や一人旅での注意点も解説
ロシアは世界で一番大きな国です。そのため、治安は場所によって全く異なるのでは?という印象を受けませんか?ロシアを観光するにあたって、治安が悪い場所や注意したい事柄について紹介します。一人旅をする場合の危険にも注目しましょう。
目次
ロシアへの一人旅の前に知りたい治安状況
ロシアと言えば、バレエやフィギュアスケート、新体操など美の芸術を思わせられる国です。ロシア人も美しい人が多く、ロシアに行くと何もかもが美で溢れているのではないかと期待するでしょう。
また、ロシアにはバイカル湖やカザン・クレムリンなどの世界遺産も存在しています。あらゆるロシアの魅力に触れるために一人旅を計画することもあるはずです。
今回は、ロシアへの一人旅や観光において治安は安定しているのか、治安が悪い地域はどの辺なのかについて紹介します。
ロシアとはどんな国?
正式名称は、「ロシア連邦」です。かつて「ソ連」として存在した国です。首都はモスクワで、最大都市もモスクワです。世界一広い国で、隣接国がアジアにもヨーロッパにも存在しています。
人口は約1億4千万人です。土地が広いロシアは多民族国家です。国民のほとんどが正教会の信者です。しかし、キリスト教や仏教、イスラム教、ユダヤ教の信者も存在しています。
経済にも大きく関わってくる国であり、ロシアマネーには多くの投資家や実業家が注目しています。また、スポーツも盛んな国で、あらゆるスポーツで上位に食い込む実力もあるでしょう。
ロシアの言語は?
公用語はロシア語です。しかし、多民族国家のため、アルタイ語やブリヤート語、マリ語、オセット語、タタール語など沢山の言葉が使われています。
昔は、ロシアでは英語は通じにくいと言われていました。しかし、現在のロシアは英語教育に力を入れています。そのため、観光地などでは英語が通じやすくなっています。
ただ、まだ通じにくいところはあるので、ありがとうの「スパシーバ」や、すみませんと声をかけるときの「ブッチェドーブルイ」など簡単なロシア語だけは覚えると便利です。一人旅だとより言葉を覚えておいたほうがいいでしょう。
ロシアの通貨は?
ロシアの通貨は、「ロシアルーブル」です。2019年11月現在、1ロシアルーブル約1.70円です。日本国内では、空港や銀行、金券ショップを利用するとロシアルーブルへの両替が可能です。
しかし、ロシア国内では日本円からの両替がなかなかできません。そのため、アメリカドルやユーロをいくらか持っておくことをおすすめします。
ロシアでは、アメリカドルやユーロがそのまま使えない場所が多く、ロシアルーブルのみの扱いがほとんどです。現金がないと不安なこともあるので両替に適したアメリカドルかユーロを持参してください。
ロシアの治安状況
ロシアは世界的に有名な国の1つでメジャーなイメージもあるので治安が安定していると思われがちです。しかし、ロシアの治安状況は基本的にほぼ全域で危険レベル1がついています。
一部地域では危険レベル3です。ロシアの治安が必ずしも安全ではないことを意味しています。爆発事件やテロ、誘拐、襲撃など様々な事件が起きています。
ロシアは、面積が広いだけに様々な国との国境に面しています。隣国との情勢が不安になると治安も不安定になるなど影響が多く、常に治安には注意しておかなければならないでしょう。
外務省発表の危険地域
外務省は、ロシアのほぼ全域を危険レベル1としています。その中でも特に注意しなければならないのが、モスクワ、サンクトペテルブルクです。テロや爆発事件が起きています。
また、ウクライナ情勢に不安があるため、ウクライナの国境付近の治安にも注意しましょう。ここで注意を呼びかけている地域以外でも危険はあるので治安が安定し安心した旅行がいつでもできるとは限りません。
渡航中止勧告が出ている地域
危険レベル3の地域は渡航中止を意味しています。ロシアでは、ごく一部ではありますが、ウクライナ、グルジア付近の地域に危険レベル3がつけられています。
チェチェン、カラチャイ・チュルケス、イングーシ、北オセチア・アラニア、ダゲスタン、ガバルダ・バルカル、スタヴロポリ地方です。
イスラム過激派や武装勢力によるテロや爆発事件、誘拐などが起きています。日本人が不用意に近づける場所ではありません。渡航しないようにしましょう。
ロシアの治安が悪い危険な地域
ロシアの治安は、その時々で変わります。しかし、危険レベル1なら注意することで観光も一人旅もすることができるでしょう。
ロシアの中でもより治安が悪い場所を紹介します。治安が悪い場所を観光するときには、一層緊張感を持ってください。
モスクワ
赤の広場やクレムリン宮殿、グム百貨店、ボリジョイ劇場など建物の見た目も素晴らしく、見どころたっぷりの観光地が多々あるモスクワは、治安が悪いと感じるトラブルがあります。
観光客を狙ったスリやタクシーのぼったくりが頻繁に起きています。また、モスクワでは、地下鉄や空港でテロ事件も起きました。テロ事件では、負傷者の他に命を落とした方もいました。
2002年に遡ると、モスクワ劇場占拠事件という武装勢力が人質を捕らえて劇場を占拠する事件も起きています。モスクワという大都市であっても治安が悪いため要注意です。
サンクトペテルブルク
エルミタージュ美術館、カザン大聖堂など観光スポットが多々あり観光客に人気がある都市です。エストニアやフィンランドよりで、モスクワとは少し離れていますが、モスクワの次に人口が多い大都市です。
ここでは、2017年に地下鉄やスーパーで爆発事件が起きています。観光客狙いの犯罪も多発しており、日本人旅行客や一人旅をしている人も狙われています。
麻薬、殺人、強盗などの犯罪も起きているため、治安が悪いと思う在住の人もいます。観光スポットだけに観光客が注意すべき都市なのです。
ウラジオストク
女性の一人旅にも人気の都市で、ポクロフスキー聖堂やプリモルスキー水族館などがあります。女性の一人旅ができるほどなので、治安が良いとされることもあるでしょう。
しかし、スリや置き引き、詐欺、強盗などが起きています。日本人観光客の被害者も続出しています。また、人が集まる場所では暴行事件なども発生しており危険が潜んでいます。
日本から2時間30分で行ける場所なだけあって一人旅にも観光にも適しています。しかし、治安には注意した行動をとりましょう。
ハバロフスク
ウスペンスキー教会、北公園、アムール川など自然と美しい建物が魅力的な都市です。日本から3時間ほどで到着するため、その近さに観光に行きたい気持ちにもなるでしょう。
しかし、犯罪グループが鉄道を利用する観光客を狙ってスリや強盗、ひったくりなどを行う事件が発生しています。これは、日本人観光客も被害に遭っています。
後をつけられて、貴重品を奪われることもありグループでの犯行なのでそれだけ怖い思いもするでしょう。
サハリン
2時間ほどで到着するとても近い場所です。ここは「樺太」という日本の領土だった場所です。日本との関わりも深く、日本の歴史も感じられる場所でもあります。
サハリンは昔は治安の心配もそんなにされていませんでした。しかし、近年では貧富の差が激しくなり、スリやひったくりが多発しています。治安が悪い地域になってしまいました。
夜に出かけるのはとても危険と言われている場所でもあります。
イルクーツク
キーロフ広場やズナメンスキー修道院、バイカル湖博物館などが存在している人気エリアです。
このエリアは、観光客が多く、スリが多発してます。また、麻薬をしている人もいるため危険です。
また、洪水による被害も起きています。観光中にも災害には注意しましょう。
ロシアで観光客をターゲットにした犯罪
ロシア旅行やロシアを一人旅するときは、自分が犯罪に狙われている可能性があることを意識してください。
ロシアでは、観光客に対するどんな犯罪があるのかを紹介します。
スリ
スマホ片手に歩いたり、観光ブック片手に歩いている観光客を狙っては、スリを行う人物がいます。モスクワなどの観光スポットが多い場所では特に気をつけましょう。
ロシアでは、写真を撮っている人に近づき、「撮ってあげます!」と言いながら荷物を持っていくという手口もあります。
また、スリはスリグループがあるとも言われています。動きなどに特徴があるので予めガイドさんなどに聞いてから行動してください。
置き引き
ホテルのチェックインをしている時などに、荷物が狙われて盗まれるという被害があります。チェックアウトのときも同様です。
レストランや、トイレに立ったときなど、荷物から少し目を離した隙を狙った置き引きの犯行は日常的にあると思ってください。
暴行・強盗
日本人観光客に対するお金持ちのイメージから、暴行や強盗のトラブルも起きています。暴力を振るわれて金品を盗まれたりなどのように非常に怖い思いをした観光客もいます。
また、ロシアでは、たかりも行われています。親切そうに近づいては結果的に金品を要求してくるため注意してください。ロシア人は基本的に日本人からするとクールです。
親切そうにされたときに、怪しいと思ってください。
詐欺
ロシアでは、色んな詐欺がありますが両替詐欺というものも存在しています。両替のために長い列に並んでいると、「両替してあげる」と声をかけてくるのです。しかし、両替したら金額が足りていないということがあります。
また、大使館から報告されているものにロマンス詐欺があります。これは、ネットで知り合ったロシア人美女が「あなたに会いに日本に行く」という理由でお金の送金を求めるものです。
ロシアに行かなくてもロシア人による詐欺被害があるので気をつけましょう。
偽警察官
偽装警官により身分証明の提示が求められ、持っていないものがあると罰金を請求されるというトラブルがあります。
パスポートなどを提示しても金銭を求められることがあり、とにかく観光客狙いで金品を要求してきます。
この場合は、偽警官に身分証明の提示を求めたり大使館に行くと伝えるなどの対策をとりましょう。
ロシアへ旅行・一人旅する際の注意点
ロシアを一人旅した人の中には、「良い印象がない」という感想や、「治安が悪いと思わなかった。」という感想があります。
ロシア旅行を良い印象で終えるためにも、注意したいことについて紹介します。一人旅でも一人旅でなくても、注意点はしっかり覚えてからロシアに行きましょう。
鞄・リュックは体の前に持つ
スリや置き引きなどの盗難が多いロシアでは、カバンやリュックを体の前で持つようにしてください。体の後ろにあると簡単に盗まれてしまいます。
前に持ったら、手でカバンを守るように持ちましょう。できることなら、カバンが見えないような持ち方をするのをおすすめします。
荷物から目を離さない
一瞬で行われる置き引き被害を防ぐためにも、荷物からは一切目を離さないことです。荷物と手を繋ぐバンドをつけるなどのように、簡単に盗まれない対策をとるのも大切です。
また、荷物に大きくて頑丈そうな鍵をつけておくのも対策の1つです。盗んでもあけることができない雰囲気や、しっかり対策をしているというアピールをしましょう。
夜は人気のないところへ行かない
ロシアは、夏になると夜でも明るい日々が続きます。モスクワなどの観光地でも、21時になっても明るく、22時になってようやく暗くなるということがあるでしょう。
しかし、夜は治安が悪くなります。小さな犯罪から暴行や殺人事件が起きることもあります。特に人気がない場所に行くと誘拐などの事件に巻き込まれる可能性もあるでしょう。
薬物をしている人もいるので、明るくても夜になったら治安により気をつけてください。人が少ないところには行かないようにしましょう。
無許可タクシーは利用しない
ロシアでは、ぼったくりのタクシーが多くあります。正式のタクシーを利用してください。黄色のタクシーに会社名が書いているのが正式です。白タクと呼ばれるのはぼったくりの可能性が高いタクシーです。
最近では、ヤンデックスタクシーというサービスがあります。このタクシーは、料金が統一で運転手が決めることができません。そのため、ぼったくりができないようになっています。
ヤンデックスタクシーのアプリをインストールするだけで利用することができます。
酔っ払い・フーリガン風の集団に近づかない
フーリガンは、サッカーの試合時に暴力的なことをする集団です。フーリガンが暴動を起こすととても危険なので近づいてはいけません。
また、酔っ払いにも注意しましょう。何がきっかけでトラブルになるのか分かりません。危険と判断した人物がいたらそっと距離をとってください。
ロシアは行く都市の治安を良く確認しよう!
ロシアは、一人旅でも女子旅でも人気の国です。しかし、土地が広くロシアの経済情勢や隣国の経済情勢、他国との関係などで治安が不安視されることがあります。
ロシアに行くときは、ロシアの治安や、周りの国の治安などを細かく見て十分な注意をして、良い旅行にしてください。