ビーナスライン(長野)のおすすめツーリングルート！お食事処も紹介

八ヶ岳中信高原国定公園の中を通るビーナスラインは、昭和の頃から高原の風を感じながら駆け抜けられるツーリングロードとして、多くのバイクライダーに親しまれてきました。ただ走るだけではなく、四季を通しての美しい景色をゆったりと眺めながら楽しめると今再び注目を集めはじめている、ビーナスラインのツーリングルートをポイントごとにご紹介します。

もちろん、ツーリングだけでなく、自然をいっぱいに感じられる家族旅行のドライブルートとしてもおすすめですよ。

ビーナスラインのスタート地点は、長野県茅野市から。ゴール地点「美ヶ原高原」までのツーリングルートを、スポット別にご紹介します。次の旅のルート選びの参考にしてください。

長野県の中でも、まだあまりメジャーではない茅野（ちの）市。7年に一度開催される勇壮な祭り「御柱」が有名です。また、オリンピック日本女子スピードスケート史上初の金メダルを獲得した、小平奈緒選手の出身地でもあります。

日本列島本州のほぼ中心に位置する茅野駅前付近から、蓼科（たてしな）高原を抜けて、車山や霧ヶ峰、美ヶ原高原を結ぶ、四季折々の美しさを体感できる全長７６kmほどのビーナスラインは、意外にも普通の生活道路からスタートします。

高速道路からビーナスラインにアクセスするには、中央道を諏訪インターチェンジで下ります。茅野市街を抜ける県道192号線が、ビーナスラインの始まりです。さあ、高原のツーリングのスタートです。

普通の街並みの中ビーナスラインを20分ほど走って行くと、風景は街から高原へと変わります。白樺やカラマツなどの美しい木々の中には、リゾートホテルやゴルフ場などが点在していて、いよいよ旅気分が盛り上がるでしょう。

軽いワインディングロードをさらに10分ほどビーナスラインを進んで行くと、右手に蓼科湖が姿を現します。こちらは、白樺湖や女神湖と比べると小さな湖ですが、ツーリングのリラックスタイムにぴったりな、茅野市民にも親しまれている憩いの場所です。

蓼科湖を左手に見ながら湖畔の小道を進んで行くと、おしゃれなキャンプ場が二つあります。温泉施設や、こだわりの料理がいただけるカフェも併設されているので、ツーリング途中のバイクライダーも気軽に利用できます。

「遊び方が発明される場所」をコンセプトに、温泉旅館をリノベーションした宿泊施設です。少し古い外観ですが、石の階段を上がって中に入るとそのおしゃれさにびっくりすることでしょう。モダンで広々、冬場は暖炉もたかれWi-Fi環境も整っているので、ツーリングの休憩やミーティングにもおすすめです。

温泉はもちろんサウナも併設したロッジか、庭に並ぶバンガーロータイプのキャビンなどを利用して、リーズナブルに過ごせます。温泉の立ち寄り利用もできるので、ツーリングの疲れを流すにもおすすめです。

高原野菜や甘酒をベースに作られたオリジナルドレッシングなど、地産地消やオーガニックにもこだわった料理やお酒も楽しめます。

「海でもなく山でもなく、湖へ。」がコンセプトで大手アパレル系の企業が母体のこちらは、2019年の秋にオープンしたばかりの注目の施設です。店名の通りではない、かなり広々とした庭は、白樺に囲まれた非日常を楽しめる空間です。

オープンテラスから続くカフェスペースでは、モーニング・ランチ・ディナーと、高原野菜を活かしたヘルシーな料理が楽しめます。宿泊者優先なので要予約、詳細はお問い合わせください。

併設の蓼科温泉では、オリジナルブランドのナチュラルスキンケア商品が使えます。なお、温泉の立ち寄り利用はできません。

ビーナスラインの標高1771mにあるロープウェイ山麓駅は、スイスに来たかと思うような大きなログづくりの建物で、季節の花などで彩られ、ワクワク感を盛り上げてくれます。乗らなくても、雪山や青空に映える100人乗の真っ赤なロープウェイを見あげれば、迫力いっぱいに楽しむことができます。

ロープウェイに乗って標高2237mの北八ヶ岳の山頂まで一気に登れば、季節ごとの清々しい光景が眼下に広がります。ロープウェイ乗り場の周りにある、おみやげ屋さんや軽食が食べられる食堂、夏場にオープンするバーベキュースペースもおすすめです。

ツーリング途中の食事の場にもぴったりです。

自然を生かしたルートのビーナスラインなので、あちこちに展望台があるわけでは有りません。その中でも、美しい景色が一望できる絶景ポイントが女の神展望台です。ツーリング途中のライダーもたくさん立ち寄る、標高1700m地点にあるこちらからは、八ヶ岳や南アルプスの連なる山々が見渡せます。

「白樺リゾート池の平ホテル」を中心に、20年ほど前にはビーナスラインでは一番の人気リゾート地として賑わっていた場所です。テディベア美術館や、日本一標高の高い水族館など、お子様連れでも楽しめるエリアです。

近年は、多くのリゾート地でも見られる廃墟旅館なども多かったのですが、ここ数年で少しづつきれいに直されはじめ、旅行者も戻りつつあります。

中でもsns映えするコンビニとして人気を集めているのが、リゾートローソン第1号店「ローソン白樺湖店」です。ウッディーな建物や駐輪スペースなどが周りの景色ともよくあって、ドライブのひと休みにもおすすめの場所です。

白樺湖に面した広々としたデッキで休憩をとって、ツーリングの英気を養いましょう。ここから先のビーナスラインは、ドライビングそのものを楽しめる、まさに高原のツーリングロードが続きます。

ビーナスラインをさらに進み、車山展望リフトと霧ヶ峰のほぼ中間地点、標高1702mに、霧ヶ峰富士見台があります。富士見台と言うだけあって、この辺りから眺める富士山はまたひときわの美しさです。特に、日没から後の暮れて行く空の色と山々のコントラストが楽しめる、絶景ルートです。

夏季に毎日営業している食事処もあり、名物の「霧がくれそば」がいただけます。眼下にきらめく諏訪地方の夜景も捨てがたく、夕暮れも楽しめるおすすめツーリングルートです。

標高1674m。車山と美ヶ原高原を結ぶビーナスラインの交差点にある「霧の駅」は、おみやげやさんを併設したドライブインです。エアコンの霧ヶ峰の名前の元になったエリアで、真夏でも天然のエアコンが効いた爽やかな風が吹き抜けます。

南側には、日本一標高の高いところにある乗馬コースや、グライダーの滑走路もあるので、ツーリングついでにちょっと遊んで行くにもおすすめです。

ビーナスラインは霧ヶ峰から先、和田峠あたりまでは比較的穏やかな道ですが、ここから美ヶ原までは、かなりのワインディングロードが続きます。バイクライダーにとって最高のツーリングロードになるでしょう。

和田峠には農の駅というドライブインがあり、きのこ汁やお蕎麦など、昔ながらの味で旅の疲れを癒す料理がいただけます。

ツーリングで疲れた体に、美味しさが染み渡ります。

ビーナスライン、標高1764m。八島ヶ原湿原から美ヶ原高原に抜ける、絶景ポイントです。遠くの浅間山から、近景の蓼科山や八ヶ岳連峰などが見渡せる、清々しい風景が広がります。

4月下旬から11月下旬までの期間限定営業ですが、名物のきのこ汁やソフトクリームなどのいただける売店があり、ツーリング途中のバイクライダーたちの溜まり場にもなっています。高原牛乳で喉を潤すのもおすすめです。

高原のビーナスラインをずっと走り抜け疲れた体を癒すには、扉峠を松本方面へ少し行ったところにある、扉温泉がおすすめです。「天然温泉 桧の湯」は、四季折々の風情が楽しめる森に囲まれた立ち寄り湯です。

目的地の美ヶ原高原までは、あともう少し。高原のツーリングを楽しみましょう。

ビーナスライン標高1920mに広がる美ヶ原高原は、夏は美しい緑に包まれ花々が咲き誇る、これぞ高原といった感じの場所です。また、日本で一番標高の高い屋外展示型美術館の彫刻の森美術館があり、草原の中に点々と配された近代的な彫刻を見ることができます。

タイムプラスでの撮影スポットとしても人気のこちらは、24時間に撮影チャンスが潜んでいます。刻々と移り変わる太陽や雲、夕暮れの色の変化、晴天の夜空ならば流れ星もたくさん観測できます。

近くにはオートキャンプ場もあるのでここで一泊して、ツーリングで疲れた体を休め、美しい夜から朝を楽しむのもおすすめです。

ツーリングの楽しみのひとつ「食べること」は外せません。ルートに数あるお食事処の中でも、おすすめのスポットをご紹介します。人気のお店なので、オンシーズンにはウエイティングも長くかかります。余裕を持ってスケジュールを組みましょう。

ビーナスライン沿いには、人気のお蕎麦屋さんもたくさん有ります。信州そば街道とも言われ、全国からこれを求めてやってくる人も少なく有りません。その中でもこちらのお店は観光シーズンには、オープン前から他県ナンバーの車がずらっと並び、みつ蔵渋滞が起きるほどです。

お蕎麦が美味しいのはもちろんですが、ひとつひとつ手作りで焼き上げる卵焼きや、鴨の陶板焼きなどのサイドメニューも人気です。美味しい料理を堪能して、さらにツーリングを進めましょう。

標高1400ｍ。蓼科山の麓に広がる爽やかな風の通るこちらでは、絞りたての新鮮な牛乳を使った乳製品の数々を製造販売しています。

ビーナスラインルートから少しそれて長門牧場につながる専用道路に入ると、東京ドーム４５個分もの広大な敷地に緑の牧草が風にそよぐ、360度の光景が広がります。ツーリングの足を止めて過ごすにぴったりの場所です。

レストランでは、自家製チーズをたっぷり使った石釜焼のピッツァや、信州牛のビーフシチュー、牧場の牛乳で作ったホワイトソースたっぷりの熱々ドリアなどがいただけます。

1987年創業のこちらでは、健康に気をつけている人にも嬉しい、韃靼（ダッタン）そばというお蕎麦がいただけます。普通のお蕎麦の約120倍のルチンを含む、強力な抗酸化作用もある貴重な味わいです。

おすすめのダッタンそばのチーズタルトは、台から生地まで韃靼そばのみを使って作られた、ルチンたっぷりのヘルシーな一品です。

高原の避暑地の中を駆け抜けるビーナスラインには、世界の味が楽しめるレストランも点在しています。日本に居ながら少しだけ海外旅行気分も味わえるお店をご紹介しましょう。

日本でも珍しい、スウェーデンなどの本格北欧料理がいただけます。広々としたログハウスの中には北欧雑貨の販売コーナーもあり、可愛いおみやげも手に入ります。

コース料理もバラエティーに富んで、ボリューム満点。ニシンのマリネやスモークサーモンなど、日本人の口にも合う美味しい北欧料理が並びます。

2020年に３０周年を迎える「バラクライングリッシュガーデン」に併設されるカフェです。バラクラは「バラ色の暮らし」というケイ山田さんプロデュースのアパレルブランドで、お花をモチーフにしたデザインなどの洋服や雑貨、自社ベーカリーで焼き上げるお菓子や紅茶などのショップもあります。

カフェでは、人気のアフタヌーンティーやフィッシュ&チップスなどのイギリス料理、オリジナルのシチューなどがいただけます。カフェテリア方式なので、気軽に利用できますよ。カフェ利用のみなら、入園料（シーズンごとに設定あり）もかかりません。

少しエレガントなこちらは、彼女とのツーリングでも楽しめます。

がっしりとした作りのログハウスのお店で、国産黒毛和牛のステーキやハンバーグなどの美味しい肉料理がいただけます。

テラス席もあるので、ワンちゃん連れでも大丈夫です。オンシーズンには満席になることもよくあるので、予約することをおすすめします。

がっつりステーキがいただけるこちらには、ツーリング途中の人も数多く、駐車場には魅力的なバイクが並びます。

蓼科の自社農園などで採れた野菜や手作り生ハムなどを使った料理がいただける、人気のイタリアンレストランです。窓の外には美しい蓼科の田園風景が広がります。
季節によって営業時間は違うので、ホームページなどで確認しましょう。

蓼科湖の反対側にあるインド料理のお店です。お店の裏手にある広いテラス席には屋根もあるので、ペット連れでもゆったりと過ごせます。ベジタリアン向けには、大豆ミートを使ったカレーや野菜たっぷりの野菜カレーなどもあります。

また、併設の小さな「インド・マノカラ美術館」では、日本で唯一のテラコッタを中心とした珍しい民族アートが見られます。

四季や1日を通じて変化する高原の時間を感じられるビーナスラインは、日常を忘れて楽しめるおすすめのルートです。ルート上にある美味しいお店や温泉などに立ち寄って、安全に思い出に残るツーリングを計画しましょう。