ゆし豆腐は沖縄の郷土料理！島豆腐との違いや美味しいお店･食べ方を紹介

沖縄には、個性的な郷土料理がたくさんあります。ゆし豆腐も沖縄の郷土料理の一つで、優しい味が人気のメニュー。地元の人にとっては、食卓の定番です。

ここでは、ゆし豆腐についての基本的な知識と、ゆし豆腐が美味しいお店などについてご紹介します。

もともと、豚や牛など家畜産業が盛んな沖縄ですが、昔はさらに盛んでした。家畜のえさ代がかさむため、えさとして与えられるようになったのが、おから。栄養豊富で安いということからおからを飼料にするところが多くなったのです。

豆腐を作る時に出るおからを飼料としてリサイクルできることから、盛んに食べられるようになり、豆腐が庶民の味として広まったと言われています。

沖縄には、いろいろな種類の豆腐があります。中でもソウルフードとして愛されているのが、ゆし豆腐と島豆腐です。ここでは、ゆし豆腐と島豆腐の違いについて解説します。

ゆし豆腐とは、豆乳ににがりを入れて固まりはじめた状態の豆腐のこと。豆腐の型に入れる前なので、ふわふわとした食感が特徴です。

一方島豆腐は、ゆし豆腐を型に入れたもので、ぎゅっと固く、食べ応えがあります。

どちらも、途中まで作り方は同じで、型に入れて固めるかそうでないかというところに違いがあります。

ふんわりとした食感のゆし豆腐は、スープにしたり、そばにかけてゆし豆腐そばにしたりなど、汁ものとして食べられることが多いです。

島豆腐は、形がしっかりとしているのでそのまま食べたり、チャンプルーの具材として使われたりします。

ゆし豆腐も島豆腐も、どちらも濃厚な味わいが特徴です。特にゆし豆腐は、クリーミーで、スイーツを食べているようだという人もいます。

一般的に、豆腐屋で売っている豆腐はすべて冷蔵庫や水の中に入れられて冷やされています。しかし、沖縄では袋入りのゆし豆腐があたたかいまま売られています。

このように、あたたかな豆腐が販売されているのは沖縄だけ。沖縄以外では、豆腐はあたたかいまま売ってはいけないと決まっているのです。

沖縄県内には、美味しいゆし豆腐を食べられるお店がたくさんあります。ここでは、特に人気の高いお店をピックアップしてご紹介します。

自家製のゆし豆腐を使ったさまざまなメニューが人気のお店です。

一番人気は、「自家製ゆし豆腐定食（600円）」。豆の味が濃く、ほんのり甘みのある美味しい豆腐を食べられます。

キムチチゲやビビンパなどの定食や、杏仁豆腐などのスイーツまで、幅広いメニューを楽しむことができます。

「島袋豆腐店」の直営の食堂で、出来立てのゆし豆腐を食べられるお店。地元では有名な人気店で、開店とともにお客さんが入店し、ランチタイムには満席になります。

ふわふわの食感の豆腐が美味しいと評判です。

那覇市の中心部から車でおよそ30分、糸満市にある沖縄そば店。看板メニューはソーキののった「よしもとそば」ですが、ゆし豆腐入りの「自家製豆腐」もおすすめです。

ファンの間では「誰にも教えたくない名店」「穴場中の穴場」と噂される人気店。ランチタイムしか開いていないので、食べたい人は早めに訪れることがおすすめです。

どのメニューもボリュームがあり、学生さんや男性などたくさん食べる人にも満足できます。

「ゆし豆腐定食」は、みそ味の出汁にふわふわのゆし豆腐が入った人気メニュー。あっさりしているので朝食として食べに来る人もいます。

沖縄でよく食べられている「ゆしどうふそば」は、こちらのお店が発祥だと言われています。地元の人にも観光客にも人気の有名店で、ランチタイムには行列ができていることも。

ゆし豆腐とライスをセットにした定食もあります。

沖縄を訪れたなら、ぜひ島豆腐も味わってみましょう。美味しいと評判のお店をご紹介します。

 豆腐ンブサーとは、島豆腐と三枚肉を味噌とカツオダシで甘辛く煮込んだもの。海洋食堂の看板メニューで、地元の人にも評判のお店です。

ご飯にドンとのせて食べれば、どんどん食が進みます。

かつおだしのスッキリしたそばが美味しいと人気のお店。麺類がメインですが、島豆腐も名物です。

おすすめのメニューは、島豆めし。さんぴん茶（ジャスミンティー）で炊いたご飯に甘辛く煮込まれた島豆腐を乗せたメニューです。最後にそばのスープをかけるのがおすすめの食べ方です。

石垣島では有名な豆腐の専門店。ゆし豆腐が一番人気で、お持ち帰りもできます。朝早くから開いているので、朝食時間からたくさんの人が訪れる人気店です。

とうふの比嘉では、島豆腐の手作り体験ができます。前日までに予約が必要なので、もし体験したいという人はぜひお早めに。体験可能な人数は4名からなので、グループ旅行の思い出におすすめです。

ゆし豆腐は、家庭でも手軽に作ることのできるメニューです。ここでは、ゆし豆腐を作るためのレシピをご紹介します。

豆乳は、無調整のものを使うのがコツ。にがりはほんの少しでOKです。

ゆし豆腐を食べるための出汁は、沖縄で食べられているの同じように、かつおだしを使うのがおすすめです。顆粒だしを加えた簡単なもので大丈夫です。

まずは、豆乳を火にかけます。温度は、70度～75度程度が理想。あまり熱くすると出来上がりがボロボロになるので注意しましょう。

豆乳をかき混ぜながら少しずつ豆乳を入れていきます。すべて入れたらふたをして蒸らし放置しましょう。

別の鍋で作ったかつおだしとゆし豆腐を合わせ、最後にねぎやショウガなどをトッピングすれば完成です。でき立てのあたたかなゆし豆腐を、家でも手軽に味わうことができます。

ゆし豆腐を袋のまま（汁も全部）鍋に入れて、顆粒だしや塩で味を調えてもOK。一番簡単で、地元の人も実践している方法です。

ゆし豆腐にはいろいろな食べ方があります。美味しい食べ方をご紹介します。

かつおだしをかけて、薬味をトッピングして食べる方法です。もっとも簡単で、沖縄でよく食べられているスタンダードな食べ方。

風邪を引いた時や二日酔いの日、夏バテ防止など、胃腸が弱っている時にもよく食べられます。

ゆし豆腐そばは、沖縄そばの上にゆし豆腐をトッピングしたメニュー。ゆし豆腐のクリーミーな味わいと、そばのスープの程よい塩気がとても美味しく、くせになると話題です。

記事の中でもご紹介した、浦添の「 高江洲（たかえす）そば 」が発祥と言われ、人気の高まりから他のお店も提供するようになりました。

今では、沖縄各地にあるお店で食べられるようになった、人気のご当地メニューです。

ゆし豆腐は、味噌汁の具としてもよく食べられます。たっぷりの味噌汁に、いっぱいのゆし豆腐を入れ、小ねぎを散らして出来上がり。あおさを入れた味噌汁も人気です。

風味づけにほんの少し醤油を垂らして食べるのもおすすめです。ゆし豆腐みそ汁は、具材や味付けなどが家庭によって違い、いろいろな「おふくろの味」があるそうです。

沖縄を訪れたら、ぜひ食べてほしいゆし豆腐。たくさんの魅力をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

ふわふわで濃厚、クリーミーなゆし豆腐をぜひ味わってみてください。