大山貝塚とは心霊スポット?聖地?沖縄の洞窟の怖い噂・看板を紹介
沖縄県宜野湾市にある大山貝塚(おおやまかいづか)は、沖縄の人たちにとって昔から大切にされている場所。しかし、心霊スポットとしての噂もあり、中には怖い噂もチラホラあるとか。そこでここでは、大山貝塚が本当はどのような場所であるのかについてご紹介します。
目次
沖縄の聖地と言われる大山貝塚は心霊スポット?
沖縄の聖地と言われる大山貝塚は、心霊スポットだという噂がありますが、果たしてそれは本当なのでしょうか。
この記事では、沖縄の人たちに昔から大切にされてきたスポット、大山貝塚について、ここにまつわる歴史や噂などをご紹介します。
大山貝塚とはどんな場所?
大山貝塚は、大山御嶽(オオヤマウタキ)や美底山御嶽(ミスクヤマウタキ)とも呼ばれ、縄文時代頃から存在するといわれています。
昭和29年に発見され、昭和58年頃から発掘調査が始まり、現在は史跡として国指定の文化財とされています。
大山貝塚は、人が集まって生活をしていた一つの街でした。貝塚内からは、大山式土器と呼ばれる深鉢型の土器や骨角器などが見つかるなど、確かに営みがあったことを思わせるものが多数出土しています。
貝塚の南部には拝所がありますが、これは「ミスクムイ」と呼ばれ、集落は拝所を挟んで南北に広がります。
ユタの修行場として有名
大山貝塚の拝所横から下に伸びる洞窟は、「ミソカ・イマホラ」と言われる場所で、縄文時代にはここで人々が生活していたそうです。
沖縄には、ユタの3大修行場があり、大山貝塚はそのうちのひとつ。他には、恩納村のスリーエス(SSS)と、すぐそばにある森川公園です。
大山貝塚の洞窟は、あの世とこの世をつなぐトンネルであり、また祠の奥には死者の世界が広がると言われ、見る人が見れば霊気に満ちているのだとか。
ここはユタの見習いにとって、あちらの世界との交信の仕方やコミュニケーションの方法などを学ぶための場所でした。
ユタとは
ユタとは、霊媒師のこと。
ユタは、沖縄で昔からずっと頼りにされてきた存在であり、沖縄の人の生活に根付いています。
沖縄と鹿児島県奄美大島では、 あの世と私たちの住む世界の間に存在する霊能者のことをユタといい、死者と現世に生きる人たちを繋ぐ存在です。
稀な能力の持ち主であることから、弾圧を受けた過去もあり、尊敬される存在である一方で畏怖の念を抱かれる存在でもあったユタ。
ユタは、見た目は普通なので、街中で見かけてもその人がユタであるかどうかは分かりません。
しかし、先祖の供養や運勢占い、除霊などを行う時には特殊な能力を発揮し、一般の人とは明らかに違う特別な存在であることがわかります。
拝所であり、風葬の場所でもあった
大山貝塚の拝所である大山御嶽は、風葬の場所でした。
風葬とは、亡骸をそのまま自然の中にさらし、朽ち果てていくことで自然に返す方法のこと。沖縄や奄美地方では昔から風葬の習慣があり、明治時代までは当たり前に行われていました。
沖縄で行われていた風葬は、遺体を棺に入れ、骨だけになったところで洗骨をする方法。しかし戦後になると、衛生面であったり、骨を洗う作業が女性だけの役割であったりすることが問題視されるようになり、風習は廃れていきました。
現在沖縄では、他の国内の地域と同じように火葬が主流です。
さて、風葬の場所として使われていた大山御嶽は、亡くなった人を心静かに見送ることができる神聖なところでした。大切な人を見送るために想いを寄せているうちに徐々に死を受け入れることができたため、地域の人の心のよりどころともなっていました。
防空壕として使われたことも
大山貝塚は、戦時中に防空壕として使われた場所です。空襲から逃れるためだったり、敵から身を隠すためだったり、地域の人にとってのシェルターとして、多くの人を助けるための存在でした。
洞窟という地形も、防空壕として選ばれた理由の一つかもしれません。
沖縄の人にとって精緻であり、防空壕としての実用的な役割も果たした大山貝塚は、いつも地域の人たちの心に寄り添う場所であったのです。
大山貝塚で有名な怖い噂3選
大山貝塚は、沖縄の人たちにとっては決して遊びで訪れるような心霊スポットではありません。しかし、心霊現象を体験したという人はたしかに存在します。
ここでは、大山貝塚にまつわる怖い噂についてご紹介します。
①ほこらの向こう側は死の世界
大山貝塚では、祠の向こう側には「死の世界」が広がっていると信じられています。
大山貝塚の拝所横にある祠は、前述のように「あの世とこの世を繋ぐトンネル」といわれ、たくさんの霊が集まる場所。
ユタが霊場としているくらいの場所であるため、その辺に彷徨う霊の数とは比較にならないほどであり、そのパワーも強大なものだといわれています。
「洞窟の奥に人が立っていて手招きをしているようだ」とか「引きずり込まれるような、押し付けられるような空気を感じる」など、さまざまな経験をした人がいるそうです。
②洞窟近くに注意書き看板がある
大山貝塚に行く手前の道には「これより先の立ち入りを禁じます」という看板が立てられています。また、「建造物や仏具、神具類の設置、香炉の移動や破壊等、勝手に現状の変更をしないでください。」との注意書きも。
「神聖霊域」などの看板もあり、大山貝塚が特別な場所であることがあちらこちらにある看板から見て取れます。
訪問者の中には「ここから先は霊域につき、命の保証が出来ない。宜野湾市自治会」と書かれた看板を見た人もいると言いますが、真相は定かではありません。
とにかく、大山貝塚は、遊び半分では近づいてはいけない場所だということが示されています。
③死亡事件が起こった噂も
大山貝塚では、昔、死亡事件が起こったという噂があります。
ある時、大山貝塚の洞窟で4人の男性が雨宿りをしてそろそろ出ようとしたところ、1人だけが何者かに引っ張られ、他の3人は怖さのあまり1人を見捨てて逃げ出したのだそう。
その翌日、心配になって見に行ってみると、残された男性は洞窟のあたりで死亡していたというのです。
また、大山貝塚を訪れた帰り道に車で事故に遭ったとか、後日、自分や身内に不幸なことが起きたなどの噂もあるようです。
大山貝塚で起こった心霊現象4選
大山貝塚で起こったと噂されている心霊現象についてご紹介します。
①気絶するほどの耳鳴りがする
大山貝塚では、聖域に立ち入った瞬間、原因不明の頭痛にさいなまれる人が多発しています。
また、キーンという耳鳴りがいつも以上に大きな音量で聞こえ、気分が悪くなってしまう人もいるそう。中には、あまりの耳鳴りに気絶してしまう人もいると噂されています。
②洞窟から女性に睨まれる
洞窟の中に入ると、奥の方から視線を感じるという噂もあります。
視線を感じる方向に目をやると、そこにはものすごい形相で睨むようにこちらを見る女性の姿があり、目が合うとその時の残像が頭から離れなくなり、しばらくうなされるそうです。
その他にも、男や女のうめき声が聞こえるとか、鞠をつく子供の霊と鞠遊びをするとその後不幸が起きるとか、老婆の霊が見えるなど、さまざまな心霊現象が起こったと噂されています。
③金縛りにあいやすい
大山貝塚を訪れた後の人の話によくあるのが、その日の夜に金縛りにあったという体験です。
大山貝塚に訪れたことが金縛りの原因であるかどうかは定かではありませんが、訪れた後に金縛りにあったという人の数は多いそうです。
④原因不明の体調不良になる
大山貝塚を訪れた際、頭痛や腹痛、耳鳴りなどの体調不良が起こる人は多いです。また、めまいや吐き気といった体の不調を訴える人も。
どんなに体調が万全でも、大山貝塚を訪れた時に限って具合が悪くなってしまうという人はたくさんいます。
沖縄の大山貝塚の場所とアクセス
大山貝塚は、森川公園のすぐ隣にあり、国道58号線の米軍基地側にあります。拝所は、貝塚に入って米軍の基地との境界をたどっていった先です。
駐車場はないので、近隣の有料駐車場に停めるか、森川公園の駐車場を利用するのがおすすめです。
住所 | 〒901-2223 沖縄県宜野湾市大山富盛原18 |
---|---|
アクセス | 那覇バスターミナルからバスで30分 第一大山バス停から徒歩で15分 |
駐車場の有無 | なし ※近隣の有料駐車場か、近くの森川公園駐車場を利用 |
公式URL | https://www.city.ginowan.lg.jp/index.html (宜野湾市ホームページ) |
大山貝塚に行く時はマナーを守ろう
大山貝塚は、縄文時代からある歴史の長い土地であり、大切にされてきた史跡です。
沖縄の人たちの風葬の場として使われてきたことやユタの修行場であったことなどから、心霊現象の噂が絶えない場所ですが、「心霊スポット」と称することは、この地に住む人にとって大変失礼なこと。
遊びで訪れてはいけない場所であり、ここを訪れるのであればきちんとお参りし、敬意をもって足を踏み入れるなどマナーを守ることが大切です。
もし訪れる際には、遊び半分ではなく、お邪魔させてもらうという気持ちをもって、不要にどこにでも立ち入ることはしないようにしましょう。