ドゥカーレ宮殿(ベネチア)の予約方法やシークレットツアーについて紹介

イタリア北部・ヴェネツィアのアドリア海沿岸部には、「ドゥカーレ宮殿（Palazzo Ducale）」と呼ばれる観光スポットがあります。

ドゥカーレ宮殿は、7世紀頃から1,000年以上に渡ってイタリア北東部を統治していたヴェネツィア共和国の総督邸兼政庁です。8世紀に創建され、国政に関する様々な執務が宮殿内で行われていました。

ドゥカーレ宮殿は何度か火災に見舞われましたが、改修を経て現在でもヴェネツィアの中心地であるサン・マルコ広場に面して建っています。

世界遺産にも登録されているドゥカーレ宮殿内では、当時の栄華を物語る煌びやかな芸術品だけでなく、裁判で有罪判決を受けた罪人を収容する牢獄など負の一面も見られます。他の観光名所と比べ、非常に濃厚な時間を過ごせる文化施設として人気があります。

そこで今回は、イタリア・ヴェネツィアのおすすめ観光スポット「ドゥカーレ宮殿」の見所やチケット予約方法、現地までの行き方などをまとめてみました。イタリア観光に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

ドゥカーレ宮殿はヴェネツィア市民美術館財団（MUVE）の運営する美術館として一般開放されていますが、入場の際にはチケットを購入する必要があります。

他の観光施設とセットになったチケットも販売されているので、自分の旅行日程に合った最適なものを購入してください。

まずは、ドゥカーレ宮殿のチケットの種類・入場料などを紹介していきます。

MUSEUM PASS（ミュージアムパス）は、サン・マルコ広場およびヴェネツィアにある博物館への入場を許可するチケットです。購入から6か月間の有効期限内なら、各施設を1回ずつ見学できます。

チケット料金は35€。ただし、6～14歳の子供、15～25歳の学生、65歳以上、などの条件に該当する場合、半額の18€で購入できます。

イタリアでたくさんの博物館を回りたい時におすすめです。

ST. MARK’S SQUARE MUSEUMS TICKET（サンマルコ広場ミュージアムチケット）は、サン・マルコ広場にある博物館への入場を許可するチケットです。購入から3か月間の有効期限内なら、各施設を1回ずつ見学できます。

チケット料金は25€。ただし、6～14歳の子供、15～25歳の学生、65歳以上、などの条件に該当する場合、半額の13€で購入できます。また、0～5歳の幼児、障害者、団体等の条件に該当するヴェネツィア市民の場合は入場無料です。

イタリア観光の出費を少しでも抑えたい時におすすめです。

シークレットツアーは、通常のチケットでは見学できないドゥカーレ宮殿の特別な場所にも入れるスペシャルチケットです。

チケット料金は28€。ただし、6～14歳の子供、15～25歳の学生、65歳以上、などの条件に該当する場合、半額の15€で購入できます。

対象施設がドゥカーレ宮殿だけなので、コストパフォーマンスは良くありません。他の施設に行く予定が無く、ドゥカーレ宮殿だけを徹底的に見学したい方におすすめです。

ドゥカーレ宮殿の各種入場チケットは、現地のチケット売り場で購入できます。

しかし、混んでいる時は売り切れになっている恐れがあり、イタリア語を話せないと手間取ってしまう問題もあります。余計なトラブルを避けたいなら、あらかじめ公式サイトでチケットをオンライン予約しておきましょう。

ここでは、ドゥカーレ宮殿のチケット予約方法を解説していきます。

ドゥカーレ宮殿の公式Webサイトでは、各種入場チケットのオンライン予約が可能です。試しに、シークレットツアーのチケットを予約してみましょう。

シークレットツアーにはプロのガイドが同行してくれますが、残念ながら日本語には対応していません。イタリア語が分からない方は、英語のガイドを予約すると良いでしょう。

SECRET ITINERARIES TOURのページにアクセスし、「SECRET ITINERARIES - ENGLISH」の「BUY」をクリックしてください。

スケジュールカレンダーの緑色の日付の中から希望日を選択し、任意の時間をクリックしましょう。

予約したいチケット枚数を入力し、画像認証を済ませたら「BUY」をクリックしてください。（料金は手数料込み。）

予約日時を確認したら、空欄に自分の名前、苗字、メールアドレス、国を入力して「CONFIRM」をクリックしてください。支払い画面で「Pay with Credit Card」をクリックし、画面の指示に従ってクレジットカード決済すれば予約完了です。

申し込みを行ったことを示すレシート（予約証）をプリントアウトしたら、当日受付に提示してください。後は、スタッフの指示に従って指定時刻に集合場所に行けば、ドゥカーレ宮殿のシークレットツアーに参加できます。

手続き自体は簡単ですが、COVID-19（新型コロナウイルス）拡大防止のためにチケット販売を休止している期間があります。欧州情勢に十分注意してください。

ドゥカーレ宮殿はヴェネツィア共和国の象徴的施設であり、当時の繁栄を示す社会的・芸術的なオブジェクトが多数残存しています。一般的な博物館とは一線を画す迫力に圧倒されることでしょう。

ここでは、ドゥカーレ宮殿内の見どころを紹介していきます。

ドゥカーレ宮殿の入り口には、宮殿内に続く「黄金の階段」があります。その名の通り、装飾品が金箔で覆われていて目が眩むほどの輝きを放っている階段です。

天井部にもエレガントな絵画が飾られており、息をのむほどの美しさに驚かされます。エントランスの時点で、ヴェネツィア共和国の莫大な富を目の当たりにすることでしょう。

当時2,000人もの議員が集結していたと言われる大評議の間には、世界最大の油絵であるティントレットの「天国」が飾られています。

25ｍ×7ｍの巨大なキャンパスに、キリストから戴冠されるマリアや祈りを捧げる民衆の姿が生々しく描かれています。天才画家の魂が宿った傑作には、今にもキャラクターが動き出しそうなリアリティーがみなぎっています。

ドゥカーレ宮殿の四つの扉の間には、ティツィアーノの「祈りを捧げるグリマーニ総督」が飾られています。

ヴェネツィアを象徴する十字架を抱えた女性に向かって、歴代総督の一人であるアントニオ・グリマーニが跪いている名画。貴族の忠誠心の高さを表しており、身が引き締まる想いに駆られます。

ドゥカーレ宮殿の尋問室と運河を挟んだ先にある牢獄を繋ぐ橋は、「ため息橋」と呼ばれています。

収監される囚人がこの橋の小窓からヴェネツィアの美しい景色を見て絶望のため息をついていたという逸話が由来。実際にため息橋に立ってみると、何とも言えない切なさがこみ上げてきます。

ため息橋の先には、当時罪人を収監していた牢獄があります。囚人が多すぎたため、窓すら無い運河傍の地下牢にも人間を収容していたとか。「井戸」という異名が、監獄の劣悪な環境を如実に物語っています。

静まり返った牢獄周辺は、まるでRPGのダンジョンのような物々しい内観。ヴェネツィア共和国の闇を垣間見ることができます。

通常の入場チケットでは、ドゥカーレ宮殿の表の部分までしか見学できません。堅牢な「秘密の扉」を抜けた先にあるエリアを見るためには、シークレットツアーに参加する必要があります。

有力貴族の娘に迫った罪で投獄されたカサノヴァが脱獄した「鉛の牢獄」をはじめ、「尋問官の部屋」、「拷問部屋」など、背筋が寒くなるほどおぞましい設備が残存しています。

ヴェネツィア共和国の負の歴史に興味がある方は、ぜひシークレットツアーに参加してみてください。

ドゥカーレ宮殿のシークレットツアーは人気サービスなので、参加したい方は事前に予約しておいた方が良いでしょう。

大手旅行会社のオプショナルツアーに参加している場合は日本語ガイドが付く可能性もありますが、その分料金は高額になります。すでに紹介したように、自分でドゥカーレ宮殿の公式サイトにアクセスして予約した方が安く済みます。

予約証を受け付けに提示すると、シークレットツアーの参加者であることを証明するシールを貰えます。集合時間になったらガイドさんに見せ、指示に従いながらドゥカーレ宮殿の秘密のエリアを堪能してください。

なお、シークレットツアーは1～2時間程度で終了します。解散後は自由行動できますが、それまではメンバー全員で一緒に行動します。迷惑にならないよう、前もってトイレを済ませておいてください。

ドゥカーレ宮殿では、季節や時間帯によって混み具合が大きく異なります。空いている時はガラガラですが、長期休暇の時期になると世界中から観光旅行客が殺到するため、長蛇の列に並ぶことになります。

特に、シークレットツアーに参加したい方は要注意。シークレットツアーは時間帯ごとに定員が決まっているため、現地でチケットを購入しようとしてもすでに売り切れになっていることがあるからです。

確実にドゥカーレ宮殿を見学したい方は、出来るだけ事前予約しておきましょう。

まずは、飛行機に乗ってイタリアのヴェネツィア・テッセラ空港（マルコ・ポーロ国際空港）に行きましょう。羽田空港からマルコ・ポーロ国際空港までの料金は、7～8万円前後。フライト時間は12時間程度です。

空港からATVOバスに乗って、Venezia Piazzale Romaで下車。その後、P.Le Roma BからACTV水上バスに乗ってSan Marco-San Zaccaria"D"で下車すれば、ドゥカーレ宮殿まで徒歩圏内です。

今回は、イタリア・ヴェネツィアのおすすめ観光スポット「ドゥカーレ宮殿」の見どころやチケット予約方法、現地までの行き方などを紹介いたしました。

ドゥカーレ宮殿は、華やかな芸術品から不気味なエリアまで見所満載の文化的施設。ヴェネツィアを訪れる際には、ぜひシークレットツアーに参加してみてください。