福井のお雑煮がシンプルでうまい!日本全国のお雑煮の違いも紹介
地域によって味付けや具材が変わるお雑煮。その中でも福井県のお雑煮がシンプルで美味しいんです。そこで今回はそんなお雑煮について詳しく調べてみました。福井県のお雑煮をはじめ、日本全国のお雑煮の違いをご紹介していますので最後までチェックしてみてください。
目次
福井県のお雑煮は日本全国と比べてもシンプル!
各地域によって大きな違いができる食べ物「お雑煮」。醤油ベースのものや味噌ベースのものがある上に、白味噌の違いがあったり、中に入っている具材にも大きな違いがあります。またメインであるお餅も角餅だったり丸餅だったりと様々。
そこで今回はそんな日本全国のお雑煮事情について調べてみました。またその中でも特にシンプルなお雑煮である福井県のお雑煮について詳しくご紹介していますので、自分の食べ慣れたお雑煮とどう違うのかチェックしてみてください。
福井のお雑煮の味付けや具材は?
ではさっそくですが、福井県のお雑煮について詳しくご紹介していきましょう。まず最初にチェックするのは福井県のお雑煮の味付けや具材です。お雑煮の印象を大きく変える味付け。基本的には西日本では味噌仕立て、東日本では醤油仕立てだと言われています。
北陸地方にあたる福井県はちょうどその境目にある地域。どちらの味付けになっているのかチェックしてみましょう。
味付けは味噌ベース
福井県のお雑煮の味付けは「味噌ベース」になります。福井県は北陸地方にある都市なのでしょう油ベースかな?と思いましたが、お味噌の方が多く使われていました。使用されているお味噌は白味噌が多いので、柔らかい優しい味わいが特徴です。
まれに福井県の中でも赤味噌を使用しているご家庭もあるようですが、違う地域から引っ越してきた場合が多いそう。福井で生まれ育ったご家庭の人は、白味噌のお雑煮が当たり前のようです。
具材はカツオブシ・丸餅・カブが基本
福井県のお雑煮で使用されている具材は「カツオブシ」・「丸餅」・「カブ」の3つが基本です。全国各地のお雑煮と比較してもかなりシンプルな具材である福井県のお雑煮。にんじんやエビなどの彩りがある具材がないので、見た目にもインパクトがありません。
見た目だけでいうとお味噌汁の中にお餅が入っているだけ…といった印象なのですが、これには理由があるのです。まず最初にチェックしたいのは「カツオブシ」。カツオブシは「勝魚」「勝男節」と呼ばれる縁起物。昔から祝儀の際にも使用されてきました。
またメインである「丸餅」も験担ぎで使用されている具材。お正月に角の立つものは縁起が悪いという理由から、角餅ではなく丸餅が使用されているようです。
さらに唯一の野菜である「カブ」も「株を上げる」という縁起の良い食べ物。具材選びにもこだわっている上に、切るときにも面取りをして角がないようにするなど様々な工夫がなされています。
福井など日本全国のお雑煮の違いは?
では続いては、福井県と日本全国のお雑煮の違いをチェックしてみましょう。各地域での違いがあるのはもちろん、西日本・東日本でも大きな違いがあるお雑煮。結婚などを気に引っ越ししてきた人は、お正月にその違いを目の当たりにして驚くこともあるようです。
食べ慣れたお雑煮と違ったお雑煮にびっくりすることもありますが、それもまたお正月の楽しみのうちの一つ。各地のお雑煮事情をチェックして、自分好みのお雑煮がないか食べ比べしてみましょう。
【違い①】東日本は角餅・西日本は丸餅
まず最初にご紹介するのはメインの具材である「お餅」の違いです。主に東日本では角餅、西日本では丸餅が使用されるのが一般的なお雑煮ですが、この違いには理由があることをご存知ですか?
もともとお餅は丸餅が基本の形だったのですが、江戸時代頃から角餅が作られるようになりました。角餅が作られるようになったきっかけは江戸の人口の増加。
丸餅だと一つ一つ手でお餅を丸めないといけないのですが、角餅の場合はのし餅をカットするだけなので、一度にたくさん作れると考案されたそうです。そんな昔からの文化が今でも残っていて西日本は丸餅、東日本は角餅が採用されているようです。
【違い②】味付けは味噌か醤油
続いての大きな違いはお雑煮の味付けです。主に西日本ではお味噌が、東日本では醤油が使用されているのですが、これにも昔からの文化の違いが根付いています。
お雑煮が最初に作られたのは西日本にある京都なのをご存知でしょうか?関西のお雑煮はこの京都の食文化の影響を受けて味噌ベースになっていると言われているのです。そしてこの味噌ベースのお雑煮が日本全国に広がっていくのですが、関東では変化が起こります。
それは関東の武家の文化で「味噌をつける」という言葉が嫌われていたため。この言葉には、「失敗して面目を失う」があるので、武士にとっては嫌な言葉だったようです。そしてその影響で、お雑煮はお味噌ではなく醤油ベースのすまし汁に。
このような地域の文化、考え方によって大きく変わっていったお雑煮の味。今回は西日本と東日本に分けてご紹介しましたが、もっと細分化して調べてみても面白い結果が出そうです。
福井以外・日本全国の珍しいお雑煮3選!【びっくり具材編】
では続いては福井県以外で食べられている、日本全国の珍しいお雑煮をチェックしてみましょう。ここまででご紹介したように地域によってかなり差が出てくるお雑煮。その中でも特にびっくりするような具材が使われているお雑煮をピックアップしてみました。
いつも食べているお雑煮からは想像できないような具材が使われているのでインパクトも抜群。お正月でお雑煮も食べ飽きてきた頃に、作ってみるのもおすすめです。
①ホルモン入りで餅が入っていない「沖縄」
まず最初にご紹介するのは沖縄のお雑煮です。まず大前提として、沖縄ではお雑煮を食べる文化自体がありません。同じ日本なのにお雑煮の文化がないというのは沖縄だけなのでとても珍しいことです。
しかしお雑煮はありませんが、その代わりに食べられている食べ物があります。それが中身汁(なかみじる)と呼ばれる汁物です。こちらは豚のホルモンを下ゆでして臭みをとった後に、鰹出汁・しいたけの戻し汁で煮込んだ汁物。
柔らかくなるまで時間をかけて煮込むので、ホルモンがトロトロで抜群の美味しさです。本土のお雑煮のようにお味噌や醤油は使用せず、出汁だけで煮込むのであっさりした仕上がりに。沖縄県民に愛されているお正月の味です。
②まるでぜんざいのような見た目「島根・出雲」
続いてご紹介するのは島根県のお雑煮です。島根県で食べられているのは、まるでぜんざいのような見た目の「小豆雑煮」。甘く煮た小豆がたっぷりと盛られたお雑煮で、甘い物好きの人にはたまらない一品です。
こちらはあく抜きをした小豆にたっぷりの砂糖を入れて煮込み、丸餅を入れたお雑煮。お餅は焼き餅で作られる場合もゆで餅の場合もあり、家庭によって分かれるようです。
出来上がった小豆ぜんざいは甘くて優しい仕上がり。島根県民のお正月の味として親しまれています。この文化が当たり前な島根県では、味噌や醤油のお雑煮があること自体を知らないという人も多いそうです。
③白味噌の汁にあんこ入りの餅が入っている「香川」
最後にご紹介するお雑煮は香川県の「あん餅雑煮」です。香川県のお雑煮は日本全国の中でも珍しいあん餅を使用したお雑煮。さらにこのあん餅を白味噌ベースでいただくという、少し想像しずらいお雑煮です。
過去の砂糖が貴重だった時代、甘い食べ物があまりなかった頃にはこのあんもち雑煮は非常に貴重で贅沢な食べ物だったと言われています。そんな貴重な食べ物だからこそ、縁起の良いお正月に食べられてきました。
合わなそうに思えるあんことお味噌ですが、もともとはどちらも豆からできている加工品。一緒に食べてみても違和感はありません。またあんこの甘さとお味噌のしょっぱさがうまく合わさり相性は抜群。
このあんもち雑煮は香川県内の主に高松市、坂出市、丸亀市を中心とした平野部で食べられているとのことですので、興味がある方はお正月にぜひ訪れてみてください。
福井以外・日本全国の珍しいお雑煮2選!【豪華な具材編】
では続いては、福井以外・日本全国の珍しいお雑煮2選【豪華な具材編】をご紹介しましょう。日本全国で入れる具材が違うお雑煮ですが、その中でも特に豪華な具材が入っている地域を調べてみました。
①イクラがのっている豪華な汁「岩手」
まず最初にご紹介するのは岩手県のお雑煮。岩手県の定番のお雑煮といえばいくらが乗った豪華なお雑煮。福井県のお雑煮とは正反対の見た目が華やかなお雑煮です。
また岩手県では、中に入っているお餅をくるみだれに付けて食べるという珍しい食べ方が一般的。お雑煮のつゆの中に入っているお餅をわざわざ取り出してタレにつけるのですが、それがまた絶品。
もともと豪華なお雑煮に、さらに一工夫して食べるという岩手県のお雑煮。一度味わってみたい珍しいお雑煮です。
②餅が見えなくなるほどのたくさんの具材「新潟」
続いてご紹介するのは新潟県のもち雑煮です。新潟県のお雑煮はお餅が見えなくなるほどたくさんの具材が入っているのが特徴。人参や大根、ごぼう・しいたけ・ねぎ・かまぼこ・鮭・油揚げなど様々な具材が一度に味わえます。
たくさんの具材を楽しんだ後に、お餅が出てくるのが新潟県のお雑煮。たっぷり野菜を食べることができる、ヘルシーな醤油ベースのお雑煮です。
シンプルで美味しい!福井のお雑煮のレシピ!
では最後はシンプルで美味しい福井県のお雑煮のレシピをご紹介しておきましょう。日本全国のお雑煮と比較してもとってもシンプルな福井県のお雑煮。お餅の美味しさをしっかり実感できる上に、簡単にできるので料理初心者の人にもおすすめです。
使う材料もとっても少ないので失敗もほとんどありません。いつものお雑煮に飽きたら試して欲しいレシピですので、ぜひチェックしてみてください。
材料
ではまずはお雑煮に使用する材料をチェックしていきましょう。福井県のお雑煮は白味噌ベースのお雑煮です。しっかりお出汁が効いているとより美味しいお雑煮ができますので、少し手間をかけて自分で出汁をとってみましょう。
用意するものは【水:300ml】【出汁昆布:6cm角のものを一枚】【かぶ:小さめのものを2個】【丸餅:4個】【白味噌:少々】【鰹節:5g+適量】です。少しの材料で美味しいお雑煮ができるのも嬉しいポイントです。
作り方
では続いてはお雑煮の作り方を見ていきましょう。まずは昆布と鰹の合わせ出汁を作っていきましょう。それぞれ出汁の取り方が違うので、面倒ですが別のお鍋で出汁をとった後に合わせるのがおすすめです。
まずはかつおダシをとっていきます。水150ccを鍋に入れて火にかけ沸騰させます。火を止めたら鍋に5gの鰹節を入れて全て沈むまで待ちましょう。5分ほど経てば出汁が取れているので、ボウルにキッチンペーパーを敷き静かに濾しましょう。
昆布だしも同じように150ccのお水を鍋に入れます。そして水の中に昆布を入れて1時間ほど待ちましょう。1時間経ったら鍋を弱火にかけて加熱します。鍋の淵に小さな気泡が出てきたら完成。昆布を取り出しましょう。
出汁が完成したら合わせておきましょう。そしてそのお出汁に皮をむいたかぶを入れ火にかけます。身だけを使用してもいいですし、茎や歯を一緒に煮てもOKです。
かぶに火が入って柔らかくなってきたらお餅を入れます。お餅が柔らかくなってきた頃にお味噌を入れて味を整えましょう。具材とお餅が煮えたら器によそい、適量の鰹節をかければ完成です。
注意したいポイントはお餅を煮る時間。長時間に過ぎるとドロドロになってお餅の形がなくなってしまいます。またお味噌を加えてから強火で煮立たせてしまうと、味噌の風味や香りが損なわれてしまいますので、お餅が煮えかけた頃に入れるのがおすすめです。
福井のシンプルで美味しいお雑煮を食べてみよう!
今回は福井県で食べられているお雑煮についてご紹介しました。日本全国で見てもかなりシンプルな福井県のお雑煮。お餅とカブ・鰹節だけという少ない具材ですが、素材本来の味わいをしっかり楽しめるようになっています。
また福井県のお雑煮と一緒に日本全国の珍しいお雑煮もご紹介しました。自分の住んでいる場所以外のお雑煮はあまり食べる機会がありませんが、こうして見てみると各地で特色があり非常に興味深いことがわかります。
お家で手軽に作れるものもありますので、いつものお雑煮に飽きてきたら是非お家で作って楽しんでみてください。