北海道のジャガイモの種類!人気の品種や美味しい食べ方も紹介
日本で一番のジャガイモの生産量を誇る北海道。そんな北海道には、男爵をはじめとするたくさんの種類のジャガイモが栽培されています。また、品種によっても特徴がさまざまです。そこでこの記事では、北海道のジャガイモの種類や、美味しい食べ方などをご紹介していきます。
目次
北海道の美味しいジャガイモの種類を紹介!
豊かな大自然に恵まれる北海道は、全国でも有数の野菜生産量を誇る場所として有名です。中でも、ジャガイモといえば北海道、北海道といえばジャガイモといわれるほどのジャガイモ大国として知られています。
そこでこの記事では、北海道で収穫されるジャガイモの種類や、品種ごとに異なるジャガイモの特徴、さらに、ジャガイモの美味しい食べ方などをご紹介していきます。
北海道はジャガイモの名産地!
ジャガイモといえば、我が国の食卓には欠かすことができない食材のひとつです。家庭料理としてはもちろん、業務用としても大量のジャガイモが消費されています。このような大切なジャガイモの多くは、北海道で生産されていることをご存知でしたか。
ジャガイモ収穫量が日本一の北海道
ジャガイモの品種は、これからご紹介する有名な男爵などをはじめとして、数十種類の数があります。中でも北海道では多くの品種が栽培され、収穫量は日本一を誇ります。
その割合は全国の約8割を占めています。スーパーなどの食料品店で見かける、ジャガイモのほとんどは北海道産のものです。
ちなみに、北海道に次ぐ生産量の長崎県や鹿児島県は、0.4割ほどにとどまっています。このデータを見れば、いかに北海道のジャガイ収穫量が多いのかが理解できます。
北海道のジャガイモが美味しい理由
「北海道のジャガイモって美味しいね」「やっぱりジャガイモは北海道産でなきゃ」などと、北海道産のジャガイモを称賛する声を多く耳にします。でも、なぜ北海道のジャガイモは美味しさに優れているのでしょうか。
まず、北海道のジャガイモは、北海道の内陸部で栽培されます。北海道の内陸部といえば、昼夜の寒暖差が激しい地域として知られています。朝と夜は比較的涼しいのですが、昼間ともなれば30度前後まで気温が上昇します。
野菜一般的にいえることですが、昼夜の寒暖差が大きければ大きいほど、糖度が高まり甘さが増してきます。ジャガイモもほかの野菜と異なることなく、同じくそれに当てはまるので、甘みが豊富で美味しいジャガイモが育ちます。
次に北海道のジャガイモが美味しい理由に挙げられるのが、日照時間の長さです。特に夏の北海道は、本州などのそれ以外の地域とは異なり梅雨がないので、日本の中でも最も長い日照時間を誇ります。
さらに、先ほどの大きい昼夜の寒暖差という要因が加わることで、昼間にたっぷりと自らに糖分を蓄え、夜の低温のため活動量が抑えられることで呼吸が弱められます。そのため、ジャガイモの糖分の消費が少なくなり、甘いジャガイモが育ちます。
北海道のジャガイモが美味しい3つの理由は、ジャガイモの食べるタイミングです。ジャガイモは収穫後すぐに食べると、しっとり感が少なく甘みも強くないのが特徴です。
北海道のジャガイモは低温で熟成されるので、ジャガイモの持つデンプンが糖分へと変化することで甘みが増してきます。
この3つの条件が組み合わさることで、北海道のジャガイモは、多くの人たちにとって美味しいと感じられるようになります。
北海道のジャガイモの種類①定番の人気品種
最初に、多くの人に馴染みが深い定番の人気品種を3つご紹介します。
ジャガイモといえばこれ!「男爵」
「男爵」は、北海道のジャガイモの中でも最も名前が知られている品種です。ゴツゴツとした丸い形が特徴です。川田龍吉男爵という人物が、イギリスからアイリッシュ・コブラーという、ジャガイモの元となるものを持ち込んだのが、名前の由来といわれています。
果肉は白く粉質で、熱を加えるとホクホクとした食感が特徴です。まさに、ジャガイモの中のジャガイモといえる人気の品種です。粉質が高いため、比較的煮崩れしやすいのも、男爵ならではの特徴です。
ホクホクとして甘みが豊富な男爵は、じゃがバターやポテトサラダ、ポテトコロッケ、マッシュポテトなど、煮崩れしやすい特徴を活かしたメニューに使われています。そのため、どちらかといえば、煮込み料理にはあまり向いていません。
主な産地 | 十勝・網走地方 |
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収穫時期 | 5月〜8月頃 |
おなじみの品種「メークイン」
「メークイン」は、先ほどの男爵と並んで、スーパーなどの食料品店で頻繁に見かけるジャガイモの品種です。丸くてゴツゴツとした表面の男爵とは異なり、細長い形と滑らかな表面が特徴のジャガイモです。
皮が薄く、少し黄色味がかった果肉をしています。ほんのりと甘みがあり、しっとりして滑らかで、何よりも煮崩れしないのが大きな特徴です。表面のゴツゴツがあまりないので、包丁でもピーラーでも皮がむきやすくなっています。
このように皮がむきやすく煮崩れがしないことから、カレーやシチュー、肉じゃがなどの、ジャガイモをたくさん使う煮込み料理に適しています。一方で、糖分が豊富のため甘みが強いので、揚げ物にはあまり向いていません。
主な産地 | 十勝・網走地方 |
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収穫時期 | 7月頃 |
コロッケにおすすめ「きたあかり」
「きたあかり」は、1987年に新しい品種として登録された、新しい種類のジャガイモです。男爵いもとツニカという種類のジャガイモを掛け合わせて作った、地元北海道の農業試験場生まれのジャガイモです。
男爵いもが掛け合わせに使われていることもあり、見た目は男爵いもと同じく、ゴツゴツした表面が特徴です。芽の部分がほんのり赤いことから、男爵との見分けがつけられます。
果肉は黄色味があり、食べると甘みが強く、ホクホクとした食感をしています。そのため、栗ジャガイモと呼ばれることがあるほどです。
男爵よりもホクホク感や甘みが強く、煮崩れしやすいことから、料理に使うならポテトコロッケに向いています。また、シンプルに甘みが楽しめるじゃがバターや、ポテトフライ、ポテトサラダ、マッシュポテトなどにおすすめです。
主な産地 | 十勝・網走地方 |
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収穫時期 | 9月〜10月頃 |
北海道のジャガイモの種類②美味しいおすすめの品種
美味しい味が楽しめるおすすめの品種を3つご紹介します。
フライドポテトに最適「こがね丸」
「こがね丸」は、ムサマルと十勝こがねという種類のジャガイモを掛け合わせて作られたジャガイモの品種です。形は、男爵とメークインの中間のような、卵のような楕円形をしています。比較的粒が大きいものが多く収穫されます。
果肉はジャガイモらしい淡い黄色で、ホクホクというよりも、強い粘りとねっとりした食感が特徴です。主な産地は十勝・オホーツク地方で、8月頃に収穫期を迎えます。
油との相性が抜群なので、料理では、フライドポテトに適したジャガイモとして有名な品種です。フライドポテト以外では、ポテトチップスやジャーマンポテト、コロッケなどにもおすすめです。
多少の煮崩れはありますが、男爵ほどではないので、肉じゃが、カレー、シチュー、おでんなどの煮込み料理の食材としても使われます。このように、こがね丸は幅広い料理に適した種類のジャガイモです。見かけた際には、手にとって確かめてみてください。
主な産地 | 十勝・オホーツク地方 |
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収穫時期 | 8月頃 |
北海道で人気の品種「インカのめざめ」
「インカのめざめ」は、長期保存ができない上に、大型機械での取りこぼしが多いジャガイモの品種です。そのため、たくさんのジャガイモが収穫される北海道において、生産量が限られている希少品種といわれています。
ほかの北海道のジャガイモと比べて大きさは小ぶりで、果肉は、先ほどのきたあかりよりも黄色味が強いのが特徴です。味は、栗やさつまいものように強い甘みが特徴です。さらに、豊富な栄養素が含まれています。
そのような強い甘みのため、フライドポテトやふかし芋などに適しています。また、煮崩れがしにくいので、カレーやシチュー、肉じゃがなどの煮込み料理にもおすすめです。さらに、もちもちとした食感で、マッシュポテトやジャガバターにも向いています。
主な産地 | 十勝地方 |
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収穫時期 | 5月〜7月頃 |
甘みがあって美味しい「さやあかね」
「さやあかね」は、形は小さめの楕円形で、表面がピンク色を帯びた可愛い種類のジャガイモです。ゴツゴツがなくツルッとした表面をしているので、皮がむきやすいのが特徴です。
果肉は、ほかの一般的なジャガイモと同じく黄白色で、風味と甘みが豊富で、サラッとした食感が楽しめます。煮崩れがしにくい特徴があるので、カレー・シチューなどの煮込み料理に使われます。また、甘みを生かしたポテトサラダやジャガバターにもおすすめです。
主な産地 | 網走地方 |
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収穫時期 | 7月頃 |
北海道のジャガイモの種類③珍しい色の品種
普段はあまり見かけられない、珍しい品種の北海道のジャガイモを3種類ご紹介します。
特徴的な紫色「シャドークイーン」
「シャドークイーン」は、2006年に発表された、歴史の新しい北海道産のジャガイモです。表面がツルッとした細長い楕円形の形で、皮と果肉が紫色をした珍しい色をしているのが大きな特徴です。
ブルーベリーにも含まれるアントシアニンという物質が豊富に含まれています。同じ紫色系のキタムラサキやインカパープルと比較すると、3倍もの量が含まれているといわれています。
見た目は紫色ですが、味は一般的なジャガイモの同じです。そのため、紫色を活かしたポテトチップス、ポテトサラダ、フライドポテトなどにおすすめです。ただし、煮崩れがしやすいので、煮物料理には不向きは品種です。
主な産地 | オホーツク地方 |
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収穫時期 | 6月〜7月頃 |
赤い皮が特徴「ベニアカリ」
「ベニアカリ」は、名前にある通り、赤い皮が目印のジャガイモです。表面はゴツゴツがなく皮がむきやすく、白い果肉をしています。調理後は変色がしにくく、でんぷん質が豊富に含まれているので、ねっとりとした味わいが特徴です。
それらの特徴を活かし、業務用のコロッケの原料などに多く使われます。家庭では、コロッケのほか、ポテトサラダやマッシュポテト、パンケーキなどのスイーツにもおすすめです。珍しくも一度は食べていただきたいおすすめの品種です。
主な産地 | 夕張地方 |
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収穫時期 | 5月〜6月頃 |
キウイのような形「マチルダ」
「マチルダ」は、まるでキウイフルーツのような形と、手触りが特徴のジャガイモです。主に十勝地方で生産され、11月頃の北海道の冬の時期に収穫されます。小粒な大きさでも美味しく食べられます。
主に業務用では、ホールポテトの加工用に使われることが多くあります。調理後の変色が少ないので、ポテトサラダで試してみてはいかがでしょうか。
主な産地 | 十勝地方 |
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収穫時期 | 11月頃 |
北海道のジャガイモの種類④おすすめレア品種
滅多にお目にかかれないけど、見かけた時にはぜひ食べていただきたい、おすすめレア品種を3種類ご紹介します。
崩れにくくて料理に最適「ピルカ」
「ピルカ」は、アイヌ語で「美しい」を意味する、2011年に新しく登録されたばかりのジャガイモです。メークインよりも細長い楕円形をして、茶色で薄い皮と淡い黄色の果肉が特徴です。
味はほんのりと甘く、ねっとりとホクホクのどちらの食感が楽しめます。また、煮崩れがしにくいので煮物料理に最適です。そのほか、スライスや細めにカットして炒めれば、カリッとした食感と、ジャガイモらしい風味が楽しめます。
主な産地 | 十勝地方 |
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収穫時期 | 6月頃 |
冬が旬の品種「スノーマーチ」
「スノーマーチ」は、その名が示す通り、北海道の寒い冬に旬を迎えるジャガイモです。可愛い卵型をし、むきやすい皮をした品種です。
甘みが豊富のため、グラタンやシチューなどのクリーム系の料理に使えば、料理の甘さを引き立てる役割があります。そのほか、ポテトサラダやポトフなどのメニューにもおすすめです。
主な産地 | 北見地方 |
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収穫時期 | 12月〜1月頃 |
生で食べても美味しい「はるか」
「はるか」は、メークインのような細長い形をしたジャガイモです。芽の部分がほんのりと赤みを帯びているのが特徴です。
甘みが豊富で、生食でも食べられるのが大きな特徴です。サクサクとした食感が楽しめ、ポテトサラダにおすすめです。また、煮崩れがしにくいので、煮物料理にも適しています。
主な産地 | 網走地方 |
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収穫時期 | 5月〜6月頃 |
北海道の美味しいジャガイモを味わおう!
ご紹介したように、ジャガイモ日本一の生産量を誇る北海道には、さまざな種類のジャガイモが生産されています。おなじみの男爵やメークインのほかにも、普段あまりお目にかかれない珍しい品種のジャガイモもあります。
今回ご紹介した北海道のジャガイモを使い、腕によりをかけてつくる美味しいジャガイモメニューにチャレンジしてください。味の違いが分かれば、さらにジャガイモに対する興味が湧いてきます。ぜひ、試してみてください。