岩手弁(岩手県の方言)の特徴!可愛い盛岡の方言や訛りについても紹介
岩手県の方言「岩手弁」は,ドラマのなかで使われたりするほど、可愛くて面白い方言がたくさんあります。岩手県は、広いので、土地ごとで方言が分かれ、地域特有の「岩手弁」が生まれています。この記事で詳しく解説しているので、岩手弁を知りたかった方は、必見です。
目次
岩手県の方言「岩手弁」について紹介!
東北地方にある岩手県は、北東北に位置しています。自然豊かで面積も広く、沿岸側、陸側、北側、南側で方言も変化しています。今回は、岩手県の方言「岩手弁」について、良く使う定番の方言や可愛い・面白い岩手県の方言を例文も合わせてご紹介致します。
最後まで読み終えた頃には、岩手弁の魅力に引き込まれて、岩手県へも足を運びたくなること間違いなしです。
岩手弁の特徴と訛り
東北地方の方言の特徴は、ズーズー弁です。東北地方に位置する岩手県もズーズー弁で話します。寒い地域でも、大きく口を開けないで喋れるように工夫された方言です。
発音は、「し」と「す」、「ち」と「つ」、「い」と「え」が区別されず、また「カ行」「タ行」は、濁音がついて「ガ行」「ダ行」となります。
また、岩手弁は、情緒的な言葉でゆっくりとした話し方をするので、相手に、緩やかで優しく伝えることが出来ます。
岩手弁の種類
岩手県は、15,275.01㎢の広さがあり、日本では、北海道に次いで2番目になります。そのため、県内でも方言が変わることがあります。岩手県の方言は、「県北」「県南」「沿岸」の3つに分類され、岩手弁は、違う呼ばれ方をして存在しています。
隣接する県は、青森県、宮城県、秋田県です。地形は、山岳や湖の多く、自然豊かな地域です。また、寒さが厳しいという特徴が、岩手県の方言に影響を与え、いくつかの種類に分かれています。
盛岡の方言
岩手県盛岡市は、岩手県の北側に位置する地域で、県北部に当たります。そのなかでも盛岡市は、中央部に位置し、県庁所在地でもあります。ちょうど、盛岡地区と沿岸地区の分岐になる場所であり、ここで使われる岩手弁は、「盛岡弁」「南部弁」と言われることもあります。
この方言は、隣の青森でも共通に使われる東北の方言の一つです。盛岡の方言は、標準語と全く意味が異なった言い方をすることが多いという所が、特徴の方言になっています。
盛岡市は、宮古市と違い、北上山地の反対側は、他県に隣接をしているめ、人や言葉が行き交うことは、可能でした。そのため、東北地方で見ると、盛岡弁と似た言い方をする方言が、見つかることが多いです。
宮古の方言
宮古弁は、宮古市を中心に使われている方言です。宮古市は、三陸海岸にあり、県庁所在地の盛岡から見て、南側にあります。盛岡市と宮古市の間には、北上山地が隔たり、土地が分かれているため、宮古弁は、人や言葉が行き交うことが出来ず、独特なものになりました。
岩手県の中でも、宮古市は、特に寒い地域です。岩手県の中では、沿岸部に当たります。そのため、方言も寒い気候に合わせて、大きく口を開けないでも話せるような方言になっていて、言葉が短いのが特徴です。
また、盛岡弁は、 盛岡の方言は、標準語と全く意味が異なった言い方をすることが多い のですが、宮古では、盛岡より標準語に近くなった方言という特徴もあります。
岩手弁で良く使う定番の方言と例文一覧
岩手弁は、昨今テレビで使われたので、とても注目されました。岩手弁でよく使う定番の方言と一覧をこれから紹介しますので、どうぞご覧ください。
「あべ(あばい)」
「あべ(あばい)」は、「行こう」という意味です。「あべ」という方言は、「歩いていくべし」という言葉を簡略化させたものです。「歩く」「べし」がもとになった言葉とも言われます。「あ」というのは、足のこと、「べし」は東北の方言の特徴の一つでもあります。
「あべ」は、アクセントの高さによって相手への誘いが、軽いのか、絶対的に進めているのかを区別しています。語尾を高く上げる方が、優しい意味での表現で、単調なアクセントの方が強い意味での表現になります。
この「あべ」を津軽では、一緒に行くことを進める表現として使われています。意味や使い方は、岩手弁の似ています。
例「おらと一緒に映画へあべ。」
訳:「私と一緒に映画に行こう。」
「うんだべ」
「うんだべ」は、「そうだよ」「そうに決まってるじゃん」という意味です。また、「うんだべ」と同じ意味で使用する方言に「だべすか」という言葉があります。
例:「うんだべー。」
訳:「そうだよ。」
「おあげんせ(あがらっせ)」
「おあげんぜ(あがらっせ)」は、「お食べください」「お召し上がりください」という意味です。食品の商品説明でよく見られる方言です。岩手らしさが伝わるようにあえて、使っているということです。
「おあげんせ」は、「お」「上げ」「ある」この3つが合わさり完成した方言で、「お召し上がり」です。これに「せ」がついて「お召し上がりください。」となります。岩手弁で語尾につける「せ」は、相手に何かをしてもらう時に、丁重に促す時に使われます。
この形で形成される方言は、他にも、「おすわれんせ」などがあります。「おすわりください」という意味になります。このように、真ん中の部分に「上げる」「座る」などの動詞によって意味は、変化します。
ここで出てくる「上げる」は、「食べる」、例文に出てくる「ひゃっごく」は、「冷たく」、「おすわれんせ」=「お座りください。」は、店先や土産店などでよく見られますので、必須の方言です。是非、覚えてから岩手へ行かれると良いでしょう。
また、県南の地域では、「おあげんせ」は、「あがらっせ」と言い、どちらも同じ意味の方言です。。
例:「よくひゃっごくしておあげんせ。」
訳:「よく冷やしてお召し上がりください。」
例:「「採れたての海の幸をおあげんせ。」
訳:「採れたての海の幸をお召し上がりください。」
「だがらさ」
「だがらさ」は、「それな」「そうなんだよ」という意味です。新潟県や北海道でも同じ意味で使われています。
沖縄にも「だからさ」と「か」の濁音がとれた方言がありますが、「そうだね」の意味になります。こちらの「だからさ」は、鹿児島でも使うようです。
この「だがらさ」「だからさ」のもとになっているのは、「だから」という方言です。標準語の「だから」とは、別物です。そのため、初めてこの言葉を聞いた人は、相手の言葉を待ってしまうこともあるそうです。
標準語の「だから」は、「○○だから○○」と言葉と言葉の間に使ったり、「○○だから」と、理由を述べたちする時に使いますが、「だがらさ」は、相槌や共感などの際に単体で使われることがほとんどです。
また、「だから」「よ」で、「だからよ」という似た方言もあります。「そうなのよ」「そうなんだよ」という意味です。
例:「これから、何か食べに行きたいな。」
「だがらさー。」
訳:「それなー。」
「~けろ」
「~けろ」は、「ください」「ちょうだい」「くれ」という意味です。また、似た方言で「~けらい」というものがあります。意味は、ほとんど変わりません。「~してちょうだい」という意味です。
例:「そこの荷物とってけろ。」
訳:「そこの荷物とってちょうだい。」
例:「僕と付き合ってけろ。」
訳:「僕と付き合ってください。」
岩手弁の可愛い方言と例文一覧
岩手弁には、とても可愛い方言がありますので、例文とともに、これから紹介していきたいと思います。
「じぇじぇ」
岩手県の三陸地方で使われている言葉です。NHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で、使われたことをきっかけに、全国的に知られるようになった方言です。
「じぇ」は、「えっ」「あっ」と言った驚きを表現するものです。より大きな驚きの表現では、「じぇ」の数が増えます。このすごく驚いたという表現が「じぇじぇじぇ」です。
この「じぇ」は、接続詞としても使われています。「しかし」「あるいは」という意味になります。また、「がっかりした」などの落胆の意味を表現したりもします。
この驚きを表す表現ですが、大阪にも存在しています。「じぇ」と同じ意味で、「ば」を使うそうです。こちらも驚きの強さに合わせて「ば」を重ねます。すごく驚いたときには、早くなります。
また、驚きを意味する方言自体も存在しています。その時は、「たまげた」と言います。
「じぇ」は、軽い驚き、「じぇじぇ」は、すごい驚いたときに、「じぇじぇじぇ」は、信じられないほど驚いたときに使います。
例:「じぇ!」
訳:「えっ!」
例:「じぇじぇ!」
訳:「ん、あっあっ!」
例:「じぇじぇじぇ!」
訳:「んあっあっあっああ!」
「~なのさ」
「~なのさ」は、「~ました」「~でした」という意味になります。岩手弁では、語尾に「~なのさ」をつけて話をします。
例:「今日は、朝から仕事で忙しくて、疲れたのさ。」
訳:「今日は、朝から仕事で忙しくて、疲れました。」
「ほにほに」
「ほにほに」は、「ほんとうに」という意味です。また、「ほに」のみで使われることもあります。「ほんとうに」という意味だと、標準語の「ほんとうに」の使い方を意識すると思いますが、「ほにほに」は、疑問文では、使いませんので、間違えて「ほにほに?」=「本当に?」と使わないようにして下さい。
例:「ほにほに、仕方ないねぇ。」
訳:「ほんとうに、仕方ないねぇ。」
岩手弁の面白い方言と例文一覧
岩手弁には、とても面白い方言がありますので、例文とともに、これから紹介していきたいと思います。
「おもさっげがねぇ」
「おもさっげがねぇ」は、「申し訳ありません」という意味です。ご近所のご自宅に伺うときなどによく頻繁に使われる方言です。
例:「夕飯時に、おもさっげがねぇ。」
訳:「夕飯時に、申し訳ありません。」
「ほーでがねぇ」
「ほーでがねぇ」は、「覚えがない」という意味です。また、「ほーでなし」と、自分自身のことで「忘れっぽい」という意味で使ったりもします。
例:「家の鍵どこかで見なかった?もぅ、ほーでがねぇ。」
訳:「家の鍵どこかで見なかった?もぅ、覚えがないなぁ。」
「ぺんこけで」
「ぺんごけで」は、「少しちょうだい」という意味です。「ぺんこ」は、「少し」、「けで」は、「ください」という意味です。食事をしていて、相手に少し分けてもらうことを要求するときに、使います。本当に少しの意味で使用する方言は、「ちょぺんこ」です。
例:「ねぇねぇ、あなたの頼んだのも美味しそうだから、ぺんこけで。」
訳:「ねぇねぇ、あなたの頼んだのも美味しそうだから、少しちょうだい。」
岩手弁に変更するとキュンとする告白のセリフ2選
ここからは、岩手弁に変更するとキュンとする告白のセリフ2選を紹介します。
1.「前から可愛いと思っていたんだ」
訳すると、「前からめんこいと思ったんだ。」となります。「かわいい」という意味の、「めんこい」という方言を使います。
2.「あなたのことが好きだ!私と付き合ってください」
訳すると、「おめぇのことが好きだっちゃ!おれと付き合ってけねが。」となります。「あなた」は「おめぇ」、「私」は、「おれ」という方言を使います。他にも、「付き合ってください」は、「付き合ってけろ」と言ったりもします。
あたたかい気持ちになる岩手弁
岩手弁は、ほんわかした印象を与えるため、人の気持ちを和ませるような方言です。また、標準語とも似つかない姿は、独特で、言葉を見ただけでは、意味を想像することが難しいものも多くありますが、岩手弁は、魅力的だと言われ、人気を得ています。
岩手の方言は、言葉を短くしたものや、語尾に一言つけて、表現するものなど、短くて、感情や条件を表すという寒い地域の特徴が良く表れています。そこに、イントネーションが加わることで、さらに魅力的になります。
今回は、岩手弁の特徴や種類、地域ごとの方言をそれぞれ解説した後に、岩手弁で良く使う方言や、可愛い・面白い方言、キュンとする告白のセリフをまとめました。ここまで、読めば、岩手弁の魅力に引き込まれたはずです。
まだまだ、伝えきれない方言がたくさんあります。是非、気になるワードがあったら調べてみるものおすすめです。
豊かな自然に美味しい食べ物、そして、心を和ませてくれる岩手弁がある岩手県へ遊びに行ってみてください。