東京大田区蒲田の治安は悪くて住みたくない？蒲田駅などの住みやすさは？

東京都の海沿いでやや南に位置する大田区は、東京23区内で一番離れている区です。蒲田には主要ターミナル駅が二つあり、「JR蒲田駅」と「京急蒲田駅」があります。JR蒲田駅には、京浜東北線の走るJR線の他に東急池上線・東急多摩川線などが乗り入れており、通勤の要所としても重要な中継地点です。

また、徒歩圏内には東京都心を通り千葉方面・成田空港までつながる京急線が走る京急蒲田駅があります。

JR蒲田駅前からは空港路線バスも早朝から運行し、ビジネスホテルなども多く点在し「ビジネス移動の中継拠点」として大変便利な場所に位置しているため大田区の地元住民だけではなく東京圏の通勤者や東京への旅行者などの多くの人の往来が日常的にあります。

その一方で、実は近年「治安の悪さ」が注目を集めているようです。

大田区蒲田は、とあるサイトで行われた「住みたくない街ランキング」で2017年は1位（2018年は2位）を取ったことから、TV番組でもその「治安が悪い」情報などでクローズアップされ、広く知られるようになったようです。

特に同じく大田区内にある「住みやすさ」で有名で、「住みたい街」として良く挙げられる田園調布との比較で、その治安の悪さから「住みたくない街」として蒲田が取り上げられ、最近話題になりました。

残念ながら治安の悪さによって「住みたくない」という点について比較されているようですが、場所やその周辺の環境により同じ大田区内でも住みやすさや治安などでの面ではかなりの差があるようです。

蒲田の治安が最も悪いとされているのが、蒲田駅周辺です。東京都心への交通のアクセスがよく、蒲田駅周辺には専門学校の大型キャンパスがあり、日常の通勤・通学などで多くの人の往来があります。

更に羽田空港までの経路の中継地点となっているため、出張者向けのビジネスホテルなども多い地域です。また羽田国際空港を利用する外国人観光客などの往来も多く、蒲田駅周辺には外国人経営の居酒屋やレストランなども増えてきました。

その一方で、住みやすさなどの面から様々な悪い問題点なども指摘されており、住みたくない条件として目立ったものが何点かあります。

そんな蒲田駅周辺で言われる「住みやすさに問題がある」「治安の悪い原因」は以下のようなことが挙げられています。

蒲田駅周辺は前述のように、住民から通勤者そして旅行者など多くの人が常に往来し通過する地域です。そのため、人の通行量の多さに比例するように犯罪発生率も高まっています。

特に、蒲田駅東口・西口付近での犯罪発生率が高く、最も多い犯罪が「自転車の窃盗」で1～2日で約1件の自転車盗難の届出が出ているようです。そして「万引き」も多く、更には「暴行」「強盗」といった少し怖い犯罪も起こっています。

またこのエリアは繁華街にもなっているため、「酔っぱらった勢いで」ものを持ち去ったりする気軽な犯罪が多く、多くの不良も集まりやすい環境のようです。

そういった事も治安の悪さに影響していることもうかがえます。

蒲田駅周辺は、下町の雰囲気を残すアーケード街があり、居酒屋や多くの飲食店もある繁華街が栄えています。そのため、夜間は常に客引きや酔っ払いが多く、女性の一人歩きにはあまり向かない状況です。

酔っ払いが他の客に絡んだりした流れで、暴行事件なども発生した例があり、もし夜に立ち入る場合はそういった騒ぎに巻き込まれないように注意すべきでしょう。

こうした治安の悪さは、幼い子供のいる家庭や女性などにとって心配な点になっているようです。

東京自体、多くの「変わった人」が集まっている場所とも言えますが、蒲田駅周辺にはそういった人が集まる条件がいくつか重なっています。

蒲田駅はかなり大きなターミナル駅のため、乗り継ぎのための通路などが張り巡らされた結果、駅の建物自体がかなり大きくなっています。

さらに駅の周辺にある大きなアーケード街では、軒下の部分なども多く雨風がしのげる場所があったり、少し奥まった建物の隙間もあったり、ホームレスなどの人にとって住みやすさのある場所となってしまっているようです。

このことも、雰囲気だけではなく治安の悪さに波及しているようです。

蒲田駅周辺には商店街・繁華街の中に混在して、風俗店も集まっているようです。

怪しいお店などのネオンや外観で街全体が雑多になっているばかりだけではなく、それに関係する大人の往来があるため、治安が悪いことと併せて心配され、通学などで通る子供への影響も不安視されています。

こうした危険を拾うかもしれない治安状況や教育上の影響から「住みたくない街」と言われてしまっているようです。

治安が悪いとされる様々な要因が重なって「住みたくない街」にランキングされている蒲田ですが、住みやすさとしての評判はどうなっているのでしょうか？

蒲田駅周辺は「住みたくない街」とされていますが、蒲田からすこし離れただけで、住みやすさや利便性がガラッと変わるようです。

人の往来が激しい、風俗店が多い、ホームレスや酔っ払いが多い、犯罪発生率の多さ、薄暗い場所が多く雑多で小汚い…といった事から、蒲田の治安の悪さや子供への教育環境として望ましくない評価を全体的に受けています。

蒲田駅周辺の「変な人が多い」「事件に巻き込まれる可能性が高い」といった治安の悪さを表す部分は、女性の一人暮らしや子供のいる家族層にとって住むには少し不安な場所と言わざるを得ません。

特に、万が一犯罪に巻き込まれる心配を考えると、夜の女性や子供の一人歩きには警戒が必要です。こうした要因から安心して住みたい場所とは呼べないでしょう。

犯罪発生件数の多くは、蒲田駅周辺に集中しています。そのため、蒲田駅を離れた大田区内の各地域の治安や住みやすさを見た場合、実はかなりの差があります。

特に、大田区内でも世田谷区寄りの田園調布や石川町、そして浅草線の「馬籠駅」近くに位置する中馬込、閑静な住宅地の並ぶ仲池上などは、大田区内だけではなく東京都内で比べても治安の良さと住みやすさには定評があるようです。

これらの地域は、犯罪発生率も格段に少ないため治安も良く、公共施設や交通の便も整っているため、住みやすい地域と言えます。

昔から住む住民同士が顔見知りで犯罪発生率が極端に少ない石川町、女性の一人暮らしが多い仲池上、子育て世代の多く住む住宅街がある中馬込など、安心して住むことのできる条件がそれぞれに揃っているようです。

すっかり「治安の悪さ」で有名になってしまっている蒲田ですが、実は多くの人を集める便利な点・良い点もあります。

治安の悪さがあっても、多くの人が蒲田に引き寄せられ行きたくなる理由があるようです。

蒲田駅周辺には、駅ビルの商業施設の他にアーケード街・飲食街が多く集まっている場所でもあります。定番のチェーン店系列の居酒屋やレストランはもちろん、昔からある老舗のレストランや喫茶店、そして様々な多国籍料理店まで幅広く揃っています。

実は蒲田は「餃子の街」としても知られており、様々な有名店が点在する「餃子激戦区」とも呼ばれているようです。

その他にも蒲田には多くの個性的なレストランや居酒屋が多いため、夜は遅くまで多くの人が訪れているようです。また近年の羽田国際空港の活性化に伴い、多くの外国人観光客もその利便性から蒲田に泊まったり、観光したりする機会も増えてきたようです。

治安の悪さは人の多さに比例されると言われているため、こうして多くの人が集まる蒲田では仕方のないことかもしれません。

JRの京浜東北線なら東京駅まで20分・横浜までも20分と、東京都から横浜方向に向かってのちょうど中間地域、神奈川県の川崎などにも近く、更に羽田空港へのアクセスが良い場所に、蒲田は位置しています。

各種バス路線も駅周辺にまとまっており、近郊大都市はもちろん、近隣の住宅地のある駅などにも交通の便が大変良い場所にあります。

そのため、蒲田を中継地点として通勤・通学での蒲田駅の利用はたいへん多く、更には羽田空港の国内線・国際線利用にも便利な路線が集まっています。

様々な交通拠点としての性格上、蒲田には多くの色々な種類の人が集まっていることも、蒲田の治安に影響を与えているようです。

蒲田駅周辺には、昔ながらのアーケード街や小売商店街、深夜まで営業するスーパーマーケットやコンビニも多く立地しており、実は生活面での利便性は大変良いと言われています。

治安の問題はありますが、品数も多く新鮮な仕入れもしている深夜営業のスーパーなどは、忙しい主婦や仕事で帰りが遅くなった会社員には大変魅力的なようです。

また、蒲田周辺を含む大田区内では天然温泉を利用した銭湯などもあり、リーズナブルに温泉を楽しめる環境でもあるそうです。蒲田駅周辺には今も銭湯が点在し、中には昔ながらの銭湯をリニューアルをして注目を集めている所もあります。

蒲田周辺は、以前は工場や古い建物も多い地域だったため、どちらかというと家賃は周辺に比べて安めの設定になっています。

しかし今後は、古い家屋などが壊された場所に新しくマンションやアパートが建ったりしてくることも予想されます。

新しい建物や新しい施設ができると、人の流れが変わり街の雰囲気も変わると言われておりますので治安の向上にも一役買うかもしれません。

特に現在、京急蒲田駅周辺は再開発が進み、これまでの街の雰囲気からかなり変わるだろうとも言われているため、今後の変化に注目していく必要がありそうです。

交通の要所でもある蒲田周辺には、ビジネスホテルが多く集まっています。

ラグジュアリーな大手系列ホテルやビジネスホテルに始まり、昔ながらの地元のホテル、温泉宿風のホテルにカプセルホテルなどもあります。

更にはビルをリノベーションしリニューアルされたホテルや外国人旅行者向けに多国籍の従業員が働くホテルなど、現在の蒲田ではビジネスホテルの「展示場」のように様々なスタイルのホテルを見つけることができます。

ちなみに、有名な大手ビジネスホテルの「東横イン」は蒲田が発祥の地と言われています。

蒲田のビジネスホテルの多くは、駅から路地裏に入った場所などに位置しているものも多くあります。繁華街の中にあるホテルや、幹線道路から入った裏道などにあるホテル、奥まった場所が入り口にあるようなホテルを利用の際には、周囲の治安の悪さなどを考えると十分な注意が必要です。

昼間に出入りする分には、明るさもありそれほど危険ではないかもしれませんが、夕方から夜にかけての周辺の一人歩きや出入りにはくれぐれも気を付けたほうがよいでしょう。

また、できるだけ明かりの多い道を歩くようにして、裏道に入らなければいけない所では、念のため周囲などにも注意を払ったほうがよいでしょう。

繁華街の中にあるホテルは何かと便利ですが、繁華街から少し離れたところにあるホテルなら、酔っ払いなどと行き会い遭遇することも少ないため、比較的安心して周囲も歩き回れたり、なにより落ち着いた静かな環境である可能性が高いです。

飲食店などは繁華街に集中していますが、蒲田周辺であれば多くのコンビニもあるため、それほどの不便はないようです。

治安の悪さが不安であれば、ビジネスホテルの近くにバス停を使って蒲田駅までバスで移動すれば安心です。

蒲田駅周辺には蒲田圏内だけではなく、羽田空港へのバス路線が充実しています。

因みにビジネスホテルのいくつかは、羽田空港へのバス路線上近辺にあるため、蒲田駅に直接向かう際に利用するのも便利で良いかもしれません。

蒲田駅周辺は、先に述べたように繁華街での喧噪や酔っ払いやホームレスなどとの遭遇など、ちょっと怖い思いをする場面が存在します。また酔っ払いなどに絡まれたり小さな暴行事件が起こったりしているのも、ほとんど夜間が多いようです。

特に蒲田は夜遅くまで飲食店や居酒屋・風俗店なども営業しているため、そういった時間帯にはあまり近づかないほうが良いかもしれません。

要らない事故を拾ったりしない様自分の身を守るためにも、不必要な夜間の外出は極力避けたほうが無難のようです。

蒲田は、実はさかのぼると中世から開けていた古い地域のため、古い建物が残り下町風情が残りながらも、近年の治安の悪さと雑多な小汚なさなどで「住みたくない街」として一躍有名になってしまいました。

そんな蒲田ですが、何より都心と神奈川をむすぶ交通の要所として、また国内的にも国際的にも「空の玄関口」となった羽田空港へのアクセスが大変良いことから、重要な拠点であることには変わりません。

更には商業施設も多くスーパーマーケットが遅くまで開いていたり、温泉が湧いていたりと利便性も高いことから「住みやすさ」の面では実は良い面もあります。

なにより名物の「餃子」をはじめとして、蒲田には個性的な飲食店も多く集まっているという認知も広がっています。

そういった欠点と魅力を含めて多くの人を良くも悪くも惹き付ける蒲田は、今後の治安改善やこれからの再開発などを経て、どのように変わっていくのかも期待と興味を持って注目すべき街と言えるでしょう。