姨捨駅(長野)は観光ポイント!日本三大車窓の景色などを紹介
姨捨駅は日本三大車窓の一つとして知られています。駅が設置されたのは明治33年。時代を超えて、駅からの風景は今も絶大な人気を誇ります。スイッチバックや、本線とは離れている駅舎など、マニアの心をくすぐる要素もたくさん。魅力いっぱいの姨捨駅をご紹介します。
目次
長野・姨捨駅は日本三大車窓に選ばれた名所!
姨捨駅は、長野県にあるJR線の駅です。千曲市にある冠着山近くの小高い丘の中腹に位置しています。眼下には、武田信玄と上杉謙信が戦った川中島でも有名な善光寺平が広がります。電車の中からでも望めることができるこの素晴らしい景色に、近年再び注目が集まっています。
日本三大車窓とは、旧国鉄時代に車窓からの眺めの美しさを評価した当時のベスト3のことです。北海道の旧根室本線狩勝峠、宮崎県鹿児島県の県境にある肥薩線矢岳峠、そして今回紹介する篠ノ井線姨捨駅の3つが該当します。このうち狩勝峠に関しては、路線が廃線となってしまったので車窓から望むことは叶わなくなりました。
JR篠ノ井線の駅
姨捨駅はJR篠ノ井線の駅です。また、線路構造として特徴的なスイッチバックの配線を要しているユニークな駅です。この駅に停車するのは、普通列車、 臨時快速「ナイトビュー姨捨」そしてクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」です。
中央本線・篠ノ井線直通電車の特急列車は、姨捨駅を通過せず隣接する本線を走り、スイッチバックは利用しません。スイッチバックが設置されているにも関わらず、全ての列車が停車するわけではない点もこの駅のユニークなところ。
「TRAIN SUITE 四季島」の停車駅に指定されてからは、乗客用のラウンジなども整備され、より眺望を楽しめるようになりました。
姨捨駅でおすすめの観光ポイント5選!
ではここで、姨捨駅を訪れた際に必見の観光スポットをご紹介しましょう。全てフォトジェニックなポイントですので、見逃すのはもったいないものばかり。カメラやスマホのメモリーカードには、余裕をもって訪れることをおすすめします。
①スイッチバック
姨捨駅に設置されているスイッチバックとは、急勾配を列車で登る際に考案された手法です。レールの上を鉄輪で進む鉄道は、大量輸送には適している一方で、ゴムタイヤを使用する自動車に比べ勾配に弱いという特徴があります。この弱点を克服するため、勾配に対しジグザグに進む手法が考案されました。
ジグザグの各折り返し点には、駅や信号所が設けられます。姨捨駅は、こうした仕組みで作られた駅です。鉄道での旅が一般化した当初から評判だった駅からの景色は、多くの観光客に人気でした。
スイッチバックをする際は前進と後進が都度切り替わるため、運転席も逆転します。その分停車時間も長くなるので、鉄道の山登り同様、乗客にとっても嬉しい仕掛けと言えるでしょう。
②スイッチバックを表現した駅の看板
姨捨駅にある駅標はJR東日本標準のものですが、ジグザグのスイッチバックをモチーフにして次の停車駅が書かれています。他では、なかなかお目にかかれない一品です。上下線ともそれぞれの仕様で作られているので、ぜひどちらも注目してみてください。
③姨捨棚田
姨捨駅のある冠着山周辺は、美しい棚田でも有名です。棚田とは、山肌に沿って段々に作られる水田のこと。大規模農業が盛んな現代においては数が少なくなりましたが、少しでも耕作可能地を広げようとした先人たちの知恵です。
姨捨駅下車の際はぜひ見ておきたいポイント。時期によりますが、水面に映る空や夕陽など見逃せません。
④善光寺平を一望
姨捨駅が絶景ポイントに指定されている所以は、ここから望むことができる善光寺平の美しさが挙げられます。別名長野盆地とも呼ばれる善光寺平。千曲市から北信地域に伸びる平野を一望することができます。
夏から秋にかけては、山の合間から地平線に向かって拡がる広大な生活圏を見渡すことができ、冬には一面の銀世界を楽しむことができます。ここから眺めることができるのは北信地域の一部ですが、それでも信州の雄大さを感じることができます。山あいの広大な盆地が形作る景色を、ぜひ堪能してください。
⑤夜景
姨捨駅からの景色は、夜景になると一気に表情を変えてロマンチックなものへと変化します。長野市方面へと拡がる善光寺平の家々の明かりと、幹線道路の照明が折り重なるように展開され、宝石を散りばめたような美しさが広がります。
前述のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」が停車するのは、夕食後の時間帯。乗客は特別ラウンジにて、思い思いに夜景を楽しむことができます。
昼と夜の景色をどちらも楽しむには、時間的な余裕が必須になりますが、1日をつぶしてでも滞在してその景色を望む価値があります。
姨捨駅へのアクセス方法について!
姨捨駅へはどうやって行くのでしょうか?首都圏と長野駅からの電車でのアクセスを、こちらでご紹介します。
長野駅から普通電車で30分
姨捨駅を走っているJR篠ノ井線は長野駅と同じ長野県の塩尻駅を結んでいます。首都圏から姨捨駅へ電車で目指す際は、2通り行き方があります。1つ目は東京駅から北陸新幹線に乗車し、長野駅で下車。それから松本方面行きの普通列車に乗り込みます。所要時間は30分。
新宿駅から方法もあり、その場合は特急「あずさ」で松本駅まで乗車し、そこから長野方面普通列車に乗り換えて40分乗車すると、姨捨駅に到着します。
本数が少ないので注意
篠ノ井線普通列車は基本的に1時間に1本のペースで運行されています。すなわち、姨捨駅で電車から下りるタイミングも乗車するタイミングも、1時間に1度きり。前もってスケジュールを立てて訪れたいところです。
駅周辺には棚田が広がり、丘を下り30分ほど歩くと千曲市市街に出ます。昼間から夜間にかけて滞在するのであれば、千曲市を探訪するのもおすすめです。
長野県はそばでも有名です。千曲市にも美味しいそば屋が軒を連ねます。信州そば食べ歩きなどを企画しても面白いかもしれません。
駅周辺にもレストランや喫茶店があるので、あまり長時間歩きたくない方でもご心配なく。
姨捨駅で全国的に少ないスイッチバックが行われている理由は?
古くは姨捨駅を通過しジグザグに進むことで、当時の蒸気機関車の負担を抑えながら峠越えを行っていました。篠ノ井線が電化され、運行される電車がパワフルなものになって以降、特急など優等列車に関しては、所要時間削減のため直通の線路が引かれ今ではスイッチバックを利用せずそのまま急勾配を登って走っていきます。
ただ、駅からの眺めは今も変わらず絶景ですので、駅は残され普通電車はスイッチバックを行い常時停車しています。2017年からJR東日本が運行しているクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」が当駅に停車するようになり、再び脚光を集めています。
この「TRAIN SUITE 四季島」は臨時寝台特急電車で、乗車するためには前もってWeb上での予約が必須となります。ただ移動するだけではなく、2泊3日などで日本の名所をクルーズするように走る列車として人気を集めています。
1年先のチケットでもすぐ完売するという人気ぶり。チケットを入手することができたら、それだけでとてつもなくラッキーと言えるでしょう。
姨捨駅に行ったら来駅記念券(旧来駅記念入場券)を手に入れよう!
姨捨駅は登録上無人駅です。ですので普段駅員はおらず、きっぷの販売なども行っていません。しかし地元の有志の方々の協力により、来駅記念券が販売されています。入場券や記念乗車券とも違う、全国でも珍しい「駅に来たことを記念するきっぷ」です。
もちろんここでしか手に入らないアイテム。希少価値も高いです。訪れた際には、購入してみてはいかがでしょうか。
駅からの絶景は必見!日本三大車窓の一つ姨捨駅に行こう。
いかがでしたでしょうか。姨捨駅は、今も駅が現存する日本三大車窓の一つです。眼下に広がる善光寺平の雄大な景色は、長野県歌「信濃の国」でも歌われていて観光客のみならず地元の人にも親しまれています。
日本国内の観光や、原風景を辿る旅であればぜひ訪れたいスポット。棚田や盆地が広がる風景など、なかなか普段お目にかかれない景色にはやはり息をのむ美しさがあります。長野県や北陸地方を旅する際は、足を伸ばして、姨捨駅にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
住所 | 長野県千曲市大字八幡姨捨4947 |
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アクセス | JR篠ノ井線 長野駅から30分 |