狭山湖･多摩湖は心霊スポット？釣りや観光もおすすめ行き方も紹介

東京と埼玉の県境には、狭山湖（さやまこ）と多摩湖（たまこ）という二つの巨大な湖が隣接しています。どちらも首都圏の水不足を解消するために作られた人工湖であり、天然のものではありません。

狭山湖は正式名称を「山口貯水池」と言い、1927年～1934年頃に7年もの歳月をかけて建設されました。山口貯水池の名称は、湖の底に沈んでいる山口村に由来しています。

一方、多摩湖は正式名称を「村山貯水池」と言い、西の「村山上貯水池」と東の「村山下貯水池」に分かれています。名称は付近の旧地名である「村山郷」にちなんでいて、完成までに約10年もの期間を要しました。

地図を見れば一目瞭然なように、二つの湖は北側に狭山湖、南側に多摩湖という配置になっています。しかし、付近の住民は1950年頃まで現在と逆の呼び名を通称として使用していました。（狭山湖が多摩湖で、多摩湖が狭山湖と呼ばれていた。）

毎日新聞社が両湖に観光地として相応しい名称を付ける改名署名運動を実施した際、狭山公園に隣接している山口貯水池を「狭山湖」、北多摩郡に属している村山貯水池を「多摩湖」とした方が適切だとの意見が浮上。西武鉄道も運動に合わせて駅名を変更しました。

このような経緯があり、両湖の呼び名は現在の名称に定着しています。

狭山湖・多摩湖周辺ののどかな景観は見ているだけで心が癒されるほど美しく、埼玉の自然百選にも選ばれています。

その一方、この地域は不可思議な現象の起きる心霊スポットとしても有名です。オカルト好きな人々が探検に訪れた際に、狭山湖・多摩湖周辺で怪奇現象を目撃した事例もあるようです。

なぜ平凡な湖が全国的な心霊スポットになったのか？そして、どのような異常現象が観測されたのか？狭山湖と多摩湖を心霊スポットの見地から紹介していきます。

SNS上では、狭山湖の近くに地図に載っていない不気味な道があり、そこに迷い込むと大変なことになる、という噂が広まっています。

後日実際に現地に行った方の話によると、幽霊や妖怪はいなかったものの、三角形のお墓やフェンスで覆われた山道など何となく不安な気持ちになるオブジェクトを多数見かけたそうです。

周辺は鬱蒼と茂る森林に囲まれており、誰かに見られているような気配を感じたという方も少なくありません。

また、夜の湖畔を観光しに行ったらボートに乗っている人影を見かけた、狭山湖で友達と写真を撮ったら不気味な手形が写り込んだ、など心霊スポットならではの逸話もあります。

ただし、どれも冷静に検証すれば目撃者の思い込みや勘違いの域を出ない事例です。実際にお化けや宇宙人の撮影に成功したケースは皆無であり、所詮は噂の独り歩きに過ぎないと言えるでしょう。

多摩湖の近くにある狭山公園の敷地内には、「たっちゃん池」と呼ばれる心霊スポットがあります。たっちゃんという少年が池で遊んでいた際に溺れてしまい、彼を助けようとした二人の大人も巻き込んで計3人が溺死したそうです。

以後、たっちゃん池に近づくと子供の啜り泣きが聞こえる、水面から白い手が伸びて水中に引きずり込もうとする、という都市伝説が広まりました。

また、多摩湖近くの交差点の脇にポツンと建っている山門も有名な心霊スポットの一つです。山門を取り壊そうとすると祟りが起きる、山門で自殺した男性の亡霊が出る、といった心霊スポット的な噂が少なくありません。

写真を撮ると不気味なものが写る、夜中に太鼓を叩く音が聞こえる、という怪奇現象の目撃例もあります。オカルトマニアにおすすめの心霊スポットかもしれません。

全国の心霊スポットを検証すると、ダムや人工湖の建設時には村が水底に沈むケースが多いため、犠牲になった村人が恨んで化けて出るといった噂が立ち、該当エリアの周辺が心霊スポットになりやすい傾向にあります。

また、1963年に狭山市で発生した狭山事件の「狭山」という名称にちなみ、狭山湖を殺人事件の現場と勘違いしている方がいることも、狭山湖・多摩湖周辺が心霊スポットになった原因の一つと言えるでしょう。

狭山湖・多摩湖は人工湖ながら、様々な生物の生息地域になっています。ワカサギやブラックバスなどの魚も多く、腕に自信のある方なら釣りをしてみたいと思うことでしょう。

はたして、狭山湖・多摩湖で釣りは出来るのでしょうか？狭山湖・多摩湖の釣り情報を紹介していきます。

結論から言うと、狭山湖・多摩湖は現在釣り禁止です。以前はボートを出して釣りをする観光客の姿も見られましたが、今ではあちこちに監視カメラが設置されていて入れません。

狭山湖・多摩湖で釣りが禁止されている理由は、両湖が首都圏の重要な水源だからです。東京都水道局水源管理事務所が管轄下に置いている公的な場所であり、一般人の立ち入り自体がNGなのです。

もしも無断でボートを用意して釣りをすれば、事務員に追いかけられて大変怒られるでしょう。最悪、警察沙汰になる可能性もあります。冗談でも観光旅行ついでに狭山湖・多摩湖で釣りをしようなどと思わないでください。

どうしても東京・埼玉の県境周辺で釣りをしたい場合は、狭山湖・多摩湖の近隣にある人気の釣りスポットを利用しましょう。観光客に釣りが許可されている施設なら、管理人に捕まって怒鳴られる心配はありません。

狭山湖・多摩湖周辺にあるおすすめの釣りスポット「前山の池（ヘラブナ釣り場）」を紹介します。

へら鮒釣場「智光山公園・前山の池」は、狭山市営の人気釣りスポットです。狭山へら鮒センターが2015年11月にリニューアルオープン。森林に囲まれた自然豊かな環境で、のんびりと魚釣りを楽しめます。

敷地内にはカフェサービスもあり、軽食やコーヒーで腹ごしらえできます。餌や小道具は販売していますが、貸し竿は無し。釣り上げた魚を持って帰るのもNGなのでご注意ください。

狭山湖・多摩湖周辺には、湖以外にもたくさんの観光スポットがあります。霊験あらたかな神社や森に足を運べば、心を洗い清められることでしょう。

ここからは、狭山湖・多摩湖周辺のおすすめ観光スポットを紹介していきます。

狭山不動尊は、不動明王を祀っている天台宗別格本山のお寺です。当時西武鉄道グループのオーナーだった堤義明氏が建立に携わっており、プロ野球シーズン開幕前になると埼玉西武ライオンズの関係者が必勝祈願を行いに来ることで知られています。

増上寺から移設された国の重要文化財「勅額門」、畑山神社に建てられていた「第一多宝塔」など、数多の見所があります。一般の方でも護摩行に参加でき、修行僧の気分を体験可能です。

トトロの森は、狭山湖・多摩湖周辺に広がる狭山丘陵の森林地帯です。環境保全のために公益財団法人・トトロのふるさと基金が土地の買取活動を進めており、1991年の1号地の取得以来、2019年までに51か所ものトトロの森が誕生しました。

狭山丘陵はスタジオジブリのアニメ映画「となりのトトロ」の舞台のモデルの一つと言われており、宮崎駿監督もトトロのふるさと基金の活動に協力しています。様々な野生動物達が生息していて、本当にトトロが居るような神秘的な雰囲気が漂っています。

クロスケの家は、2004年12月にトトロのふるさと基金の活動拠点として取得された施設です。築百年を超える木造2階建ての古民家の中に、トトロやまっくろくろすけなどのキャラクターが居ます。

宮崎駿監督の直筆サインが飾られている他、オリジナルトトログッズも販売。トトロの森を観光する際には、クロスケの家にも立ち寄ることをおすすめします。

所澤神明社は、天照大御神を祀っている神社です。「関東のお伊勢様」とも呼ばれる所澤総鎮守であり、遠方からも多くの方が初詣に訪れます。

6月第1日曜日の人形供養祭や9月中旬の例大祭など、様々な祭事が境内で行われます。落ち着いた雰囲気の癒しのスポットであると同時に、アーティストがライブコンサートを行うイベント会場としても有名です。

狭山湖・多摩湖へ行く方法として、「電車」か「自動車」か2つのアクセス手段があります。

ここでは、狭山湖・多摩湖への具体的な行き方、おすすめの駐車場などを紹介していきます。

電車で狭山湖に行く場合、西武狭山線・山口線に乗って西武球場前駅で下車してください。駅から徒歩で20分ほどの距離に狭山湖があります。

電車で多摩湖に行く場合、西武多摩湖線・山口線に乗って西武遊園地駅で下車してください。駅から徒歩で3分ほどの距離に多摩湖があります。

狭山湖周辺には、市営の有料駐車場が2つあります。どちらも狭山自然公園に近い場所にあり、美しい眺めを楽しめます。

狭山湖第1駐車場と狭山湖第2駐車場の概要を見ていきましょう。

狭山湖第1駐車場は、狭山自然公園の北側にある市営駐車場です。狭山湖やトトロの森などの観光スポットを巡りたい時におすすめです。

メットライフドーム（西武ドーム）から遠いため、利用者数が比較的少なくて車を止めやすい穴場と言えます。

狭山湖第2駐車場は、狭山自然公園の南側にある市営駐車場です。狭山湖・多摩湖・メットライフドームなど様々な観光スポットにほど近く、非常におすすめです。

立地が良い分、利用者数が多く、観光シーズンになるとすぐに満車になります。空いていない場合は、多少遠くなりますが狭山湖第1駐車場の方を利用すると良いでしょう。

今回は、狭山湖・多摩湖の観光情報やアクセス方法などを紹介いたしました。

ネット上では心霊スポットの逸話がまことしやかに語られていますが、狭山湖・多摩湖周辺は豊富な自然に恵まれた素晴らしい景勝地です。

都市部には無い雄大な風景を眺めて、忙しい日常を忘れてみてはいかがでしょうか。